パイン飴ジャムを買った

　パイン飴ジャムを買った。正確にいうと買ったのはおともだち。ひとりで開けるのは恐いのでぜひ一緒にと言われたのである。

　まずはトーストに塗ってみた。

　そして一口……

「ぐわっ、パンが…　パンが…　！！」
「これは…　バルスしたとしか言いようのない味…」

　パンが、パンが…　としか言葉にならない状態。まさにパンがバルス。

　不味いとかじゃなくて、強烈なパイン臭、いや、パイン飴臭があたりにたちこめ、パンがパンではなくなり、完全にパイン飴になってしまう衝撃。

　いやあ、これは…　これは…　ごめん二度と食べたくない（笑）

　よくみるとラベルに「ヨーグルトに添えて」などと書いてあるので、たぶんメーカーも気づいてる。このジャムはパンにまったく合わない。合わないどころかパンを破壊してしまう兵器であるから、決してパンに塗ってはいけない。

　そこでパンじゃないものに添えてみた。

　バニラアイスを買ってきて、パイン飴ジャムをのせてみる。そして、スプーンでアイスをかきとってはジャムと混ぜる。見た目の汚さなど気にしてはいけない。とにかく混ぜる。アイスをバルスしてみるテストである。

　そして食べてみた。

　…あれ？

　あれー、ぜんぜんバルスしない。わざわざ買ってきてやってみるほど美味しいかっていうと、それもどうかなあと思うけれど……

　あ、いや、ちょっと待って、だんだん美味しいような気がしてきた。悪くないな。なんだろ、これはけっこういけるかもしれない？

　パンには全く合わないパインジャムは、アイスに添えるとアイスが少しだけリッチになるような気がする。パイン飴の香りも邪魔にならないね。

　ただちょっと甘すぎるかなあ。充分に甘いアイスに、強烈に甘いパイン飴ジャムを混ぜるわけだから、甘さがくどいのはどうにもならないね。

　塩味のクラッカーとか甘くないものに合わせたらどうかと思うんだけど、正直もう疲れたのであんまり思い出したくないのである。#公式に勧められているように「ヨーグルトに」っていうのは大正解だと思う。完全に無糖のヨーグルトを買うべき。

　にもかかわらず、おともだちはパイン飴ジャムを（わざと）忘れて帰ってしまったので、この始末どうつけようかと頭を抱えている。

　というわけでパイン飴ジャム購入記でした。パイン飴ジャムは、すごく甘いです。そして、すごく黄色くて、ものすごくパイン飴のにおいです。とにかくパイン飴のにおいなんです。大事なことなのでもう一度言うのですが、パイン飴の匂いしかしないのです。

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