醤油の密閉ボトルを解剖してみる

IMG_4737s 分解したい病。密閉ボトルの仕組みを知りたいのでーす。

IMG_4736s ▲スーパーの調味料コーナーでよく見るようになった醤油の密閉ボトル。写真はキッコーマンだけど、ヒゲタやヒガシマルも同様のボトルを使ってる。ヤマサは密閉容器だけどボトルじゃなくて袋。ちなみにこの手のもののルーツはヤマサの袋らしいよ。

IMG_4740s ▲仕組みの説明。中が二重になってて、醤油を絞り出しても、醤油が入ってる部分には空気が入らない。醤油が減った分は、外側の隙間に空気が入る仕組みだ。醤油は酸化しやすいものなので、封を切ってしばらく置くと香りや色が変わってしまう。それを防ぐのが密閉瓶というわけ。

 そこで気になるのが瓶の仕組みである。

IMG_4737s ▲注ぎ口はこうなってる。

 醤油が出る穴に爪楊枝をつっこんでみると、途中に何かはまっていて向こう側に抜けない。空気が入らないように、弁の仕組みをする構造があるんだと思う。でもまあ、とにかくここから醤油が出る。

 醤油の穴のほかに、小さな穴が 2個開いてる。小さい方の穴はなんだろう? 空気穴だろうか?

IMG_4754s ▲そこで、こんな想像をした。これはあくまで想像図。小さい方の穴が外側の隙間につながっているのではないか?

IMG_4745s ▲切り開いてみた。

 中が二重になっているのがわかるだろうか。ここまでは想像どおり。ところが、内側の醤油袋がボトルの口にみっちり接着しており、注ぎ口の様子がまるでわからない。

IMG_4747s ▲仕方ないのでさらに分解してみた。

IMG_4746s ▲これが蓋を内側から見たところ。  あれあれ? この構造だと、小さい穴も醤油袋に繋がってるんじゃないだろうか? この蓋を、さらに真っ二つに出来たら、もっとよくわかりそうだけど、カッターじゃ歯が立たなかったし、残念ながらうちにある道具じゃうまくいきそうもない。

IMG_4748s ▲そこで、こっち側から息を吹き込んでみることにした。

 まず、醤油穴だけ吹いてみる。…うっ、ぐむむっ、これは……これはすごい、ほとんど吹き込めない。醤油が出る穴は、外から内側には息を吹き込めない。やはり何か弁のようなものがあるのだけれど、弁の正確な仕組みはよくわからない。

 今度は小さい方の穴から息を吹き込んでみる。こっちはピーッと口笛を吹くような音がして空気が通る。問題はその空気がどこに抜けているかだけど、これを確かめるのは至難の業だった。

 とりあえず吹き込んだ息の一部が醤油の口から出てるかもしれない。これをはっきり確かめたいんだけど、穴が近すぎて小さい穴だけを正確に吹けない。

IMG_4763s ▲だったら、醤油の口に栓をして、小さい方の穴と両方くわえて吹いちゃったらどうなのか?

 プーッ。

 うーむ。それでも空気が抜ける。口笛みたいな音がしにくくなるけど、でも抜ける。ってことは、他にも空気の通り道があるってこと(醤油の口から抜けるかどうかは、これではわからない)。

IMG_4762s ▲醤油袋側にも栓をして吹いてみる。

 プーッ、プッ、プッ!

 これでも空気通っちゃうなー(栓がティッシュだってのもあるけどねー)。でもなんていうか、通りにくくなってるみたい? ってことは、やっぱり外側にも抜けてるんだろうか?

IMG_4750s  そこで改めてよく見ると、あっ、隙間がある。ちょっぴりだけど、この隙間というか、切れ目のようなところから空気が抜けるんじゃあるまいか。ここにも栓をして、息を……ぐっ、ぐぬぬっ。

 ぜえぜえ、かなーり抜けにくくなった。やっぱりここが空気穴…なの??

 と、思ったところで、もう1個穴があることに気づいてしまったのよ(早く気付け)。

IMG_4751s  ほら、ここ。かなり大きな穴がある。ボトルキャップの下に抜けているけれど、キャップの隙間から空気が出入りすると思う。もしかしてこっちがメイン通気孔?!

 いや、でも、この穴はただの穴なので、醤油が減った分だけ空気を入れて”出さない”という仕組みになりにくいのでは??

 

 

 

 …ここまでやって馬鹿じゃないのと思うけれど、結局なんだか良くわからなかった。想像より複雑で、絶妙な通気バランスの上に成り立ってる、ような気がする。

 結論「密閉瓶はすごい」

 あ、それで、中身の醤油なんですけど、生醤油(なましょうゆ)といって加熱処理せずに酵母菌を濾過して作ったものらしいです。お刺し身に使うとピンと香りがたってすっっごくすっっっごく美味しかった。でも、納豆だと普通の醤油のほうが旨みを感じるかも???そこいらへんは好みですけどね。

 あと、密閉ボトルは必要な分だけ絞り出すことができて、倒してもこぼれません。外から圧をかけないと中の液体が出ないのです。食卓に置くにはすごく便利。普通の醤油もこれに入れたい。ただし、構造上、空いたボトルを使い回すことはできないし、ボトル代がそれなりにかかるのか、密閉ボトルに入っているのは今のところ高級な醤油ばかりです。


【追記】2017.11.13.
 本文を書いてからだいぶたってしまいましたが、ヤマサの密閉ボトルだとキャップをはずせることに気付きました。

IMG_8099s ▲ヤマサのさしみしょうゆ。いわゆる生しょうゆではなさそうですが、こういう密閉容器に入っています。容器本体はキッコーマンのと同じく二重になっています。

IMG_8100s ▲キャップがネジ式で簡単にはずせました。

IMG_8101s ▲キャップを裏から見たところ。

IMG_8102s ▲ボトルの口です。内袋がボトルの口に接着されており、隙間はなさそうです。

IMG_8100ss ▲キッコーマンのと同じで、ボトルの側面(キャップを閉めると隠れる部分)に穴があります。醤油を使うと内袋が潰れて、その分この穴から空気が入る仕組みのようです。

IMG_4220 のコピーs ▲図解するとこんな感じ。こんなやる気のない図解は不要かもしれないが。

 醤油が出る、空気が入る、という仕組みは、どうやらすごく単純なものでした。空気が入る口は、ボトルの側面、口に近いところ、キャップを閉めると隠れる部分に存在しています。

 キッコーマンの例では、キャップに醤油が出る穴以外に、もうひとつ空気穴のようなものがありますが、こちらはあくまで醤油の袋に繋がっているということのようです。本文の実験を完全否定する結果とあいなりました(笑)

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珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

醤油の密閉ボトルを解剖してみる への8件のフィードバック

  1. ピンバック: ヤマサ醤油 #銚子市 #工場見学 | 超・珍獣様のいろいろ

  2. 匿名 のコメント:

    手書きの絵、わかりやすいです。ありがとうございます。

  3. Sari のコメント:

    こんにちは、Sariです。
    ひどい遅レスで失礼します。

    私は使い終わった減塩醤油ボトルのラベルを外してびっくり。
    探求心が無いので??? のまま、詰め替えして使っています。
    入れるのはちょっと手間がかかりました。
    ラベル外したのでどこのメーカーかは忘れてしまいました。

    • 珍獣ららむ〜 のコメント:

      こんにちは。Sariさん、お久しぶりです。
      本文にもありますが、ヤマサのさしみ醤油は蓋を普通に開けて中身を入れ替えられますね。きっと他のメーカーにも詰め替えられそうなものがあるかもしれないです。中身を使うと打袋がすこし縮んでしまうので確かに入れ替えは面倒ですね。何回か使ってから捨ててしまいましたが、倒してもこぼれないのでちょっと便利だった記憶があります。

  4. 通りすがりの のコメント:

    初めまして、キャップは左回りに回すと開けることができますよ。ぜひお試しを

    • 通りすがりの のコメント:

      先程のは誤植で普通とは逆の右です、ごめんなさい!

    • 珍獣ららむ〜 のコメント:

      こんにちは。コメントありg……あ??去年の11月から放置してましたね。ごめんなさい、完全に気付いてなかったです。
      逆回転で開けられるのってキッコーマンのやつですか? あれえ、逆にひねっても開かなかったような気がするんですよねえ。ヤマサのは普通に開きますね。
      生醤油、美味しいんですけど、相性のいい食材の幅が狭いのに高級なので、結局買わなくなってしまいました。買うチャンスがあったら確かめてみますね。

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