岡谷で途中下車:繭から絹糸を作る作業を間近に見られる博物館へ

IMG_9804s 長野・愛知・飛騨高山の旅、少しずつまとめて行きます。まずは途中下車して立ち寄った岡谷から。

IMG_9796s ▲岡谷駅
 わたしは長野、山梨、岐阜あたりが好きで、名古屋より西に行く時に東海道線を使わずに中央線を使って途中下車することが多いです。岡谷は乗り換え駅になることが多いので、これまでにも何度か降りたことがあります。

IMG_9806s▲ララ・オカヤ:駅前の商業施設。たぶん昔はデパートか大きめのスーパーが入ってたんだろうなと想像するんですが、今はリサイクルショップや雑貨店などの、臨時店舗のようなものが入っています。飲食店が何軒かあって、昼から営業しているので、食事しようと思えばここでできそうです。

IMG_9799s▲シルクファクトおかや(岡谷蚕糸博物館):長野県は養蚕が盛んで、岡谷は絹紡績の町なんだそうです。今回はここを見に来ました。というか、前に見に来て気に入ってしまったのでまた来ました。駅からは徒歩で20〜30分くらい離れています。たしか去年移転したんですよね。そのせいでgoogleマップがいい加減で、入り口のない建物の裏に案内しやがります。googleの言うこと聞くと遠回りさせられるかもしれないので要注意。

 ちなみに写真に映っている木は、お蚕の餌になる桑の木なんですが、枝が枝垂れる珍しい品種です。

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▲絹糸を紡ぐための古い機械。このような古い機械が沢山展示されています。絹糸は、お蚕の繭を茹でてほぐしやすくしながら糸車で引いて作ります。江戸時代以前は手で糸車を回しながら引いていましたが、明治になって西洋の技術が輸入されて機械化が進みました。機械化といっても、糸端をみつけて糸車にくっつけてやる作業は人間がやります。

 茹でて引く、という基本はどの機械でも同じなのですが、どう加熱して、どう糸を取り回すと合理的に作業できるかを考えて、岡谷独自の改良がなされていたりするようです。

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▲これも絹糸を作るための機械ですが、古いものを復元して動かせるようにしたものらしいです。土日だと一日に何度か本当に動かして紡いでるところを見せてくれます。

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▲これはパンフレットからキャプチャしたものですが、博物館に隣接して本当に稼働している工場があります。ここも見られます。プロの糸繰りさんたちが、鮮やかな手並みで糸を紡いでいる姿はいつまでも見ていたくなります。この写真の機械では玉繭(たままゆ)を引いていました。玉繭は複数のお蚕がひとつの繭を作ってしまう現象です。玉繭の糸は複雑に絡み合って少し歪んでいるので、糸にすると変わった風合いが出るそうです。普通のお蚕も条件によっては玉繭になりますが、玉繭になりやすい品種があるって館の人が言ってました。

◎関連記事:葛飾区〜ゼロ磁場・岡谷 自動車で日帰りの旅
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1812
 これは去年の旅行記です。蚕糸博物館=シルクファクト。

◎シルクファクトおかや(公式)
http://silkfact.jp/
 ここの売店は、絹製品は、繭の成分から作った化粧品などが買えます。岡谷は機械工業の町でもあるので、その技術を生かして作った精密コマも売られているのでちょっと面白いです。

IMG_9805s▲イルフプラザ:シルクファクトと岡谷駅の間にある商業施設。ここにはスーパーが入っているので、長野名物の塩イカを買いたい時なんかに入ります。今回はお昼用になんの変哲もない唐揚げ弁当を買いました(笑)

 イルフプラザには岡谷の童画家で童話作家の武井武雄という人の美術館があります。イルフという名前はこの人の造語で、「古い」の逆さまなので「新しい」という意味だそうです。前回ここにも寄りましたが、武井武雄を知っていたら美術館もかなり面白いです。ぜひ『ラムラム王』という童話を読んでから立ちよってください。

 左画像は楽天市場内の本屋さんへのリンクになっています。1000円以上で送料無料だそうです(この本だけで1000円超えます)。

 『ラムラム王』のあらすじは>こちら(以前わたしがやってた別のブログの記事です)。

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▲これがなんの変哲もない唐揚げ弁当。これを駅のベンチで食べてお昼にしました。一人旅で、なおかつ貧乏旅行なので、お昼はこんなもんです(笑)でもこれ、東京の感覚では想像できないくらいボリュームがあって、しっかり満足できて美味しかったですよ。

  岡谷駅に9:41着、12:28発の飯田線に乗ったので、岡谷にいたのは2時間半。シルクファクトを見るだけならこのくらいでいけます(よっぽど絹に興味がある人は、工場が面白いのでもう少し時間をとったほうがいいかもしれないけど)。

 もしイルフで美術館を見るならもう1時間くらい必要だと思います。


水色:岡谷駅
オレンジ:ララ・オカヤ
赤:イルフプラザと美術館
緑:シルクファクト岡谷
駅からシルクファクトまで、迷わなければ25分くらい。

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珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

岡谷で途中下車:繭から絹糸を作る作業を間近に見られる博物館へ への4件のフィードバック

  1. ピンバック: #青春18きっぷ 岡谷・名古屋・高山の旅 | 超・珍獣様のいろいろ

  2. Sari のコメント:

    こんにちは、Sariです。

    養蚕といえば、作業を柄にした着物があるそうですよ。
    アド入れちゃっていいのかな、この記事です
    http://blog.goo.ne.jp/tombo624/e/bdd343fba9bb310e46b64dd9ac4f76ed

    他の方のブログでは、染まりにくい天蚕を花模様に織り込み、白い花柄にした帯を見ました。

    蚕って面白いですね。

    • 珍獣ららむ〜 のコメント:

      こんにちは。URLは書いていいのですよ。
      それは「この話はこの本の何ページに書いてあります」という意味なので、いくらでも書いていいのです。
      まえのブログで制限してあったのは、悪質な投稿をする業者がURLを沢山書く傾向にあるので仕方なく制限してありました。
      このブログでは別の方法で業者対策をしてあります。

      それはともかく、着物の柄に養蚕の絵ですか。
      決してうまい絵じゃないと書いてありますが、江戸時代の本のさし絵がまさにこんな感じです。
      養蚕の解説書が江戸時代に沢山出ているので、どれかのさし絵を図案にしたんだろうと想像します。
      着物が戦後のものなら養蚕の様子もこの絵とはだいぶ違ってたと思うので、啓蒙のためというより、ちょっと変わった模様として作ってみたんだろうと思います。

      最後の蛾を見送るところを、ブログの筆者が逃がしてあげてると解釈してるのは夢がありますが、お蚕はほとんど空を飛べないし、それは養蚕をしている人ならみんな常識として知っていることなので、逃がさないような気がします。
      古い品種には少しだけ空を舞うのもいるらしいんですが、お蚕が野生化してないことを考えれば、自由に飛んで行けたはずもなくて、その絵の状態だと、すぐにそこいらに落ちて鳥の餌になりそうです。
      ただ、ひょっとすると、飛んで行くわけでもないお蚕を何頭か飛ばして「逃がしたつもりになる」供養の儀式があったのかもしれませんが、わたしはまだそういう例を聞いたことがありません。

  3. ピンバック: #虫 #蚕 玉繭(たままゆ) | 超・珍獣様のいろいろ

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