松本城でもまた行列、極楽の代わりに虹を見た話

IMG_0824s 次は松本城です。善光寺の御開帳で極楽が見えそうになったあと、車で移動しました。せっかく善光寺で行列を回避したのに松本城ではしっかり並ばされてふらふらです。極楽のかわりに虹が見えました。

 善光寺から松本城までは、高速道路で1時間半くらい。

 途中、姨捨(おばすて)にサービスエリアがあります。姨捨といえば棚田(山の斜面に階段状に作られた田んぼ)で有名なので、近いんならETC専用の出口から出て見に行きたいような気もするんですが、スマホで軽く調べただけでは場所がさっぱりわかりませんでした。まあ、ここいらへんだとこの時期(旅行日は5月4日)は、まだ田んぼに水が入っていないので行っても大したことないんだろうとあきらめました。

 姨捨は地名も面白いですね。想像どおり姨捨山(うばすてやま)の伝説があるそうです。でも、読みはあくまで「おばすて」。年寄りを捨てる山の話は、どうも後付けで、実際にはお初瀬(おはつせ)という地名が訛ったんじゃないか、などといくつかの説があるそうです。

IMG_0814s ▲松本城、お堀の外から。

 松本インターをおりて市街地へ。松本城まで来て見ると、城の近くの駐車場はいっぱい。別のところに市営駐車場があるというので移動して止めました。松本城の入り口についた時点で16時ごろ。入場券売り場に行列ができてる。見ると「城の入り口まで180分待ち」って看板が出てる。えっ、180分って3時間? ただいま16時で、閉園は17時なのに、180分待ち?

 売り場のお姉さんは「はい、入り口まで180分くらいかかります。中を見るのに1時間かかります。17時閉園ですが、中に入った人が全員出るまではやってますから大丈夫ですよ」ってアッサリ言うんだけど、ほんとにそんな時間かかるとしたら、出てくるまでに4時間かかるってことだよね。ただいま16時なわけで、普通の感覚だったらそろそろ入場券を売るのをやめていい時間じゃなかろうか。

 3時間待ちは嫌だなあと思ったけれど、ともだちが松本城は初めてだっていうので並ぶことにしました。善光寺の七年に一度の回向柱をスルーしておいて、まさか松本城で行列するとは思いませんでした。見学料は通常だと松本市立博物館とセットで大人610円だそうですが、今回は城を見ちゃうと資料館を見られない時間なので割り引きされて300円だったかな(うろおぼえ)。

 ちなみにわたしは松本城2回目なんですが、博物館とセットなんて話知らないよ。以前来たときいくら払ったか覚えてないんですが、もしかするとセット料金だったのかな。そんな説明受けた記憶もないし、博物館を見た覚えもないです。ううむ。

IMG_0819s ▲松本城、庭園から。行列しながら写したらちょっと曲がっちゃった。

 城は上層階へ行くほど狭くなるので一度に入れる人数が限られています。行列がピタッと止まり、やたら待たされたと思うとドドーッと進んだりするのはそのせい。待っては進み、進んでは待ちを繰り返すと屋根と椅子のある場所まで来たので、座って待つように指示がありました。

 なるべく詰めて座ってくださいと言われて、みんなで座ってマッタリしていたら、すぐにまた「進んでください。前に移動して、なるべく詰めて座って下さい」と指示が。一度目は黙って従いましたが、二度目、三度目ともなると、みなさん「はぁ?」ってなもんです。一度に何人と決まっているなら、先頭のグループを城に案内したら、あいたところに後ろで立ってる人を入れたらいいと思うんです。で、次は二番目のグループを案内して立ってる人を座らせる。そうやって順に送って行けばいちいち移動させる必要ないと思うんですが、どうなんでしょう。

 そうやって、座ったり立ったりさせられてるうちに通り雨がありました。それなりにちゃんと降っているので、屋根のないところで立ってた人たちは大変だろうな…なんてことを言ってたら、はい立って、入り口はあっちですよと、移動命令が。えー、この雨のなか走れってー(笑)

 でも、移動中にふと見たら、城と反対の方向に大きな虹がかかって、これはラッキーと、みんな携帯電話を取り出して撮影。ちなみに並んでから入り口まで、1時間ちょっとでした。でもこれ、夕方で人が減ってる時間帯だからですよねえ。昼間は本当に180分待ちだったかもしれないですよ。考えたくない話だ… IMG_0824s ▲虹だ!

IMG_0843s ▲松本城、城の玄関付近から。

 松本城は立て直したものではなくて、本当に武将が作って使ってた建物がそのまま残っている「現存天守」ってやつです。明治維新後に一度は国有化されて、無用のものとして取り壊される予定だったそうですが、当時の知事がこういうのもの価値の分かる人だったようで、保存するよう嘆願して、最終的には国から買い上げて取り壊しを免れたようなことが城の中の説明板に書いてありました(ちなみにうろ覚えなので詳しくは調べてください)。

 何度か修理されて、照明があったり、階段にすべり止めがついてるなどの変更点はもちろんあるのですが、それ以外のほとんどの部分が昔のまま。ここを武将が歩いたのかと思うとその道の人たちは萌え狂うのかなあ、なんてことを言いながら見てまわります。内部は要所要所に歴史的な遺物の展示があります。火縄銃の展示とか、けっこう面白かったです。撮影は禁じられていないと思うのですが、暗いし、後ろからどんどん人が登ってくるので写してる暇はあんまりないです。

 わたしは城マニアじゃないので、ここならではの見どころはよくわかんないんですが、知ってるとドヤ顔できるネタをいくつか上げておきます。

・武者窓という格子のはまった大きな窓のほかに、小さな四角い窓(というか穴)と、縦長の窓があるのはどうしてか?→小さい方は火縄銃を打つための穴、長いのは矢をかまえて放つための穴。

・屋根のあちこちに、屋根瓦の上に屋根瓦を並べて、鉄の棒で吊ってあるのはなぜか?→上の屋根から雪が落ちると衝撃で屋根瓦が破損するので、ちょうど雪が落ちるあたりに捨て瓦を並べて衝撃から守るのが目的。昭和の大修理で置かれたもので昔からあるものではない。 IMG_0835s ▲瓦が鉄の棒にくくってあるのがわかるでしょうか。金網越しなのできびしいかな。

・天守閣最上階まで行ったら必ず上を見ること。梁の上に小さな社(やしろ)がある。元和四年(1618年)の正月二十六日、空に月が上ると、天守番の藩士の前に二十六夜様が美しい女性の姿で現れて「毎月二十六夜に三石三斗三升三合三勺の餅をついて供え、藩士全員に分け与えれば、この城は安泰でお勝手向き(家計)は豊かとなるだろう」と言った。それを聞いた城主は、天守閣の最上階に二十六夜社を作って、毎月二十六夜に餅をついて藩士全員に配った。これは明治維新に至るまで続けられたという。 IMG_0827s ▲松本城の二十六夜社。餅を配ったという話は壁に説明板が貼ってあるのですが、見学者の様子を見てると、まずこの社に気を止める人が少ないし、説明も読んでなさそうなので、おともだちと見に行ったらドヤ顔で教えてあげてください。

 ちなみに、旧暦は月の満ち欠けのこよみですから、二十六日(二十六夜)と言ったら、夜明け前に細い月が昇ってくると決まっています。天守番は二十六夜の月を見たわけですから夜勤も大詰めでナチュラルハイの世界に入っていたと思われます。あるいは「安月給で夜勤とかやってられっか」という気持ちでテキトーなことを言ったかもしれませんが、いずれにせよ殿様は話を聞いて餅を振る舞い、藩士の苦労をねぎらったわけですから、いいお殿様だったんだろうなと思います。

IMG_0829s ▲天守閣の窓からも虹が!

 城を見て外に出たら18時過ぎ。食事をどこにしようか考えて、ここいらのローカルフードで「山賊焼き」っていうのを食べてみようと、市街地から車で10分くらいの河昌という店に行ってみました。たぶんほかにも店はあるんですが、車を置けそうな店を選びました。

 テキトーに選んだら人気店だったらしく、店の外に三組くらい人が並んでる。また行列か、と思ったけれど、ほかにあてもないので並ぶ事にしました。どこからどこまで駐車場なのかよくわかんない場所だったので店員さんに聞いて、ともだちは車を置きなおしに行き、わたしは並んでました。

 すると直後に「せっかく待って戴いたのに申し訳ありませんが、肉が終わってしまいまして、ここまでで終了です」と、店の外で待ってた三組とわたしたちは、あっさり門前払い。えー、なにそれ、それならさっき言ってくれたら車を置き直したりする必要ないのに。っていうかですね、わたしたちは来たばっかりなのでいいんですが、他に待ってた人たちは、たぶんけっこう待ってると思うんですよ。それを今ここで追っ払っちゃうのね(笑)

 腹立たしいやら笑っちゃうやら、なんだかよくわかんない状況です。仕方ないので車で逆戻り。松本城近くの、土蔵のような古い建物が沢山ある通りの駐車場に車を置いて、目に入った丼系の創作料理の店に入りました。

IMG_0847s ▲カフェダイニング創作丼ぶり屋・倉(ソウ) しば漬けタルタルのチキン南蛮丼 840円。たまたま止めた駐車場の隣がこの店でした。創作っていうか、台所にあるもので作った家庭料理みたいなテイスト。ピンク色のタルタルソースに一瞬ギョッとするけれど、食べてみると想像よりずっと上品な味。店内もお洒落な雰囲気で、このミスマッチがいいのかもしれない。美味しうございました。

 そのあとは、松本インターチェンジ近くの自遊空間(ネットカフェ)で宿泊。うん、もうね、漫画読みたいし、ゲームやりたいから旅行中はネットカフェなの。もしお金もってたら宿にとまってあいた時間にネットカフェ行っちゃうと思うたぶん。

 翌日は飛騨高山方面に抜ける予定ですが、そこからがまた大変なので別の記事で。

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珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

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