元善光寺にもあった、極楽の入り口

IMG_9911s 元善光寺は飯田市にあります。長野市の善光寺とは深いかかわりがあります。

 もともと善光寺は今でいう飯田市にあったのです。詳しい話は前に書いた記事を読んでください。強烈に長いですが面白くないこともないはずです。

◎善光寺の御開帳で極楽を見そうになった話
http://www.chinjuh.mydns.jp/wp/20150511p1893

 ざっと説明すると、善光寺の御本尊さまはお釈迦様が自ら作られた仏像だと言われています。それは竜宮から取り寄せた閻浮檀金(えんぶだごん)という特殊な黄金によって作られており、像自体が生きていて、自分の意志でいろんなところへ行ってしまいます。

 日本に来るまえは朝鮮の王様のところにいました。そこから日本へやってくるのですが、日本では「神道か」「仏教か」で揺れていた時代で廃仏派の手にわたって海に捨てられてしまいました。

 時は流れ、本田善光という人が海で仏像をみつけ、信州信濃に寺をたててお迎えしました。それが長野県飯田市にある「元善光寺」です。もともと善光寺は飯田市にあったのです。

IMG_9896s IMG_9890s ▲元善光寺(飯田市) 長野市の善行寺にくらべると小さなお寺ですが、宝物殿とお戒壇めぐりがあります。

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▲お戒壇めぐりの説明。お戒壇というのは御本尊様がいる場所のことらしいです。その下をぐるっと一周するのがお戒壇めぐり。中は真っ暗で、途中に極楽の鍵があるって書いてあります。善光寺のは資料館とセットで有料でしたがここのは無料です。

 ここの場合、極楽の鍵の写真まで貼ってあって、そんなのむしろ見たくない。見せないでくれと思うんですが、世の中には道理のわからない人が大勢いて、こういうものだと見せておかないと、スマホのライトで照らして見ちゃうのかもしれないし、どういうものなのかってしつこく聞かれたりするのかもしれないです。野暮だなあ。

IMG_9899s ▲お戒壇巡りの入り口。ここから先は撮影禁止です。

IMG_0232bs  階段を降りて角を曲がると、あっという間に真っ暗になります。ほんとうに真っ暗で目の前に人がいてもまったく見えません。絵にかきそびれましたが、腰の高さに手すりがありました。その手すりだけをたよりに歩きます。善光寺のお戒壇めぐりは通路が広くて、右の壁沿いに歩くと左手をのばしても壁に届かないんですが、元善光寺のは狭くて両手が壁につきます。

IMG_0236bs  図に進行方向を書くのを忘れてました。右下の階段が入り口で、右手で壁をさぐりながら歩きます。次の角を曲がってしばらくいくと… あった、これだ。極楽の鍵。しかし真っ暗で何も見えません。

 ここのは入り口に写真が貼ってあったので独鈷杵(どっこしょ)という仏具の大きいやつだってことはわかるんですが、もし知らなかったら「なんだろうこれ、何か太い棒のようなもので、でこぼこがある。それが縦に取り付けられていて、ドアの取っ手のような感じで、すごく太い。たぶん金属」とか言ってると思います。

 それからまた少し歩くと、正面の壁に棚があって、仏像があるのが見えます。そこだけほんのかすかな灯があって見えるのです。赤いランプのごくごく弱い光で遠くまで届きません。仏像の前で曲がると、またすぐ何も見えなくなります。完全な闇。

 出口の階段のそばまでくると、やっと明るさを感じます。いやあ、お戒壇めぐりって本当に面白い。こういうのほかのお寺にもないのかしら。もっとやりたい。全国のお戒壇めぐりをめぐりたーい。

 お戒壇めぐりのあとは(ひょっとすると順番が違うかもしれないが)本堂で御本尊様にお参りしました。天竺や朝鮮を通ってやってきたご本尊様は、今は長野の善光寺にいる(と言われている)います。元善光寺には別のご本尊様がちゃんと安置されてました。 本堂は撮影禁止でした。ここには黒い表面に白い蛇が浮き上がっている不思議な石があります。

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 イラストで説明すると、こういう感じの石です。大きさは高さが30cmくらい? わたしはこの石をテレビで見た事があると思います。ワイドショー番組の夏の心霊特集かなんかでやってたと思うんです。この石、元善光寺のだったのね。

 それから売店でお金をはらって宝物殿も見ました。宝物殿も撮影禁止でしたが、なかなか面白かったですよ。本田善光がご本尊様をお連れした時、木の臼の上に安置したそうなんですが、その臼が展示されてました。ご本尊様をのせていた時、光り輝いたとされる臼です。

 それと、善光寺の伝説を説明する大きな絵の掛け軸がここにもあります。善光寺にあるのとは別の絵でした。この絵もじっくり見たいので、売店にあった図録を買おうとしたんですが、写真ちっちゃくて、なおかつ高かったのでやめました… どっかで見られないのかしら。元善光寺の掛け軸。こういうのは写真を許可するかまともな図録を売ってほしいんです。ほんものは行くたびにちゃんと拝見しますから。

IMG_9911s ▲舞台桜

 寺の近くに舞台桜というものがあるというので来て見ました。十弁と五弁の花が入り交じって咲くので「半八重枝垂れ紅彼岸」と呼ばれているそうです。花の季節もきっと見事でしょうが、この枝ぶりのシルエットがたまらなくいいです。

【関連記事】
◎善光寺で極楽の入り口を探り当てた話
http://www.chinjuh.mydns.jp/wp/20160325p4153

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珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

元善光寺にもあった、極楽の入り口 への2件のフィードバック

  1. きむらいずみ のコメント:

    内部の図を見ていたら奥多摩の日原鍾乳洞を思い出しました。
    道中、途中の高低差が想像を絶する場所があります。
    機会があったら行ってみると良いかもです。
    入場料は700円掛かるので注意が必要です。

    • 珍獣ららむ〜 のコメント:

      鍾乳洞も楽しいですよね。
      日原ですね。覚えときます!

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