#食材 空心菜の新芽とおくらの新芽

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 近ごろよく見るようになった野菜「空心菜の芽」と「オクラの芽」。種から発芽したばかりの芽(スプラウト)です。かいわれ大根、豆苗、アルファルファ、モヤシなんかと同じ発想の野菜ですね。

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 空心菜の新芽とおくらの新芽、どちらも1袋100円くらいで買える。岐阜県産でサラダコスモという会社で販売してる。

◎サラダコスモ公式サイト
http://www.saladcosmo.co.jp/

空心菜の新芽

 まずは空心菜の新芽から。空心菜(くうしんさい)は茎が中空になってるのでそう呼ばれている野菜で、東南アジアや中国で良く食べるそうです。蕹菜(ようさい)とか蓊菜(えんさい)と呼ばれることも。ヒルガオ科サツマイモ属の植物ってことになってます。
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 このカニのハサミみたいな形をした葉っぱが空心菜の双葉(ふたば)。小学校で育てたアサガオも切り込みの入った双葉だったでしょう? アサガオもヒルガオ科の植物です。仲間だってイメージできました?

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 茎を切ってみると、このとおりストローみたいになってます。まさに空心菜。  

 味は特別にクセもありません。かいわれ大根みたいに辛みがあったりもしません。サラダにもよし、鍋に入れてもよし、という感じ。

オクラの新芽

 次はオクラの新芽です。オクラは実を良く食べますよね。刻むとネバネバするあれです。アオイ科トロロアオイ属の植物で、日本全国に広まったのは案外新しくて昭和50年代の中ごろじゃないですかね(新しくない?)。すっかり日本語に馴染んでしまっているけれど、実はエチオピアあたりが原産地で、オクラという言葉も西アフリカの言葉が英語に取り入れられて日本に伝わったものだそうです。

 Wikipediaを読んだら、昭和50年代より前にも沖縄や鹿児島では作られていたそうで、その頃はネリと呼ばれていたとか。オクラに近い植物にトロロアオイっていうのがありますが、和紙をすくときに水にとろみをつけるのに使うんです。そのトロロアオイのことを「ネリ」と言うので、オクラも同じように呼んでたみたいです。
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 オクラの新芽には産毛が生えてる。

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 オクラの双葉。

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 茎の切り口は中がちゃんと詰まってます。ここが空心菜と違うところ。

 オクラの実は刻むとネバネバします。オクラの新芽もネバネバすると、袋には書いてありましたが、実際食べて見ると「うーん、たしかに、噛んでると粘りは感じるけど、それほどでもないなあ」っていう感じ。

 味も特別何ってこともないので、何に使ってもいいと思います。水菜みたいに食感を楽しむ野菜かな。

豆苗みたいにもう一度収穫できないの?

 去年は野菜が高かったので、食べた後の豆苗(トウミョウ)は、もう一度発芽させれば食べられるって話題になりました。それで「かいわれ大根ももう一度発芽しないんですか?」とか言う人がいるんですよ。

 結論からいうと、かいわれ大根は一度切ったらもう芽は出ません。空心菜もオクラもダメです。ブロッコリースプラウトも一度きりです。

 普段から園芸をする人だったり、植物が好きな人だと、そんなのあたり前じゃんってくらいフツーのことなんですが「なんで豆苗は二度目があって、それ以外はダメだの?」って聞かれると、答えに困るって人は多いかもしれません。

 どう違うかってというと、食べている部分が違うのです。植物というのは(正確に言うと、下の絵は双子葉類という植物の絵ですけど)、種からまず下の絵のような双葉(ふたば)が出てきます。この葉っぱが最初で、それより前に葉っぱが出てくる場所がありません。

 そして、双葉の間から、本葉(ほんば)が出てきます。ここからどんどん伸びて、大きくなっていきます。たぶん、小学校でアサガオを育てた説きに習ったはずです(わたしも習いました。もうね、小中学校で習った事だけで大人になるまでけっこう足りるんです。だから忘れないで!)。
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 空心菜、オクラ、かいわれ大根、ブロッコリースプラウトなどは、この双葉を食べているわけです。双葉を摘んじゃうと、その下には葉っぱが出る場所がないですから、それ以上育つことはありません。
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 上の写真は空心菜の双葉の間を写したものです。小さな芽が出かけていますが、ここから本葉が出ます。この部分を双葉ごと摘んで食べてしまうわけだから、次が出てくるはずがありません。

 じゃあなんで、豆苗は二度目があるかっていうと、実はもうちょっと育って、双葉から本葉が何枚も出た状態で売られているからです。下の写真は豆苗の茎です。下の方に小さな葉っぱが見えるでしょう。この葉っぱの間に、新しい芽が出るポイントがあるので、上のほうを摘んでしまっても、下からもう一度芽が出てくるというわけです。
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▲豆苗の根もとをよく見ると、小さな葉っぱが沢山ついてる

 ちなみに、豆苗は(季節にもよるんですが)二度目どころか三度目くらいまで収穫できます。根もとにタネが残っているでしょう。この栄養でけっこう育つんです。さすがに四度目になると、タネの栄養を使い切ってひょろひょろになっちゃいますけどね。

 みなさん、日々観察です。野菜といえども自然の入り口ですぞ。こういうところに理科力を使いましょう。小中学校で習うことばっかりです(たぶん)。

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珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

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