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福知山さんたち(蚕)が糸を吐き始めた

 福知山の織元・塩野屋さんから来た蚕だから福知山さんです。今年は都浅黄(塩野屋オリジナル品種)・芙蓉つくばね・緋紅の三種類でした。

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▲緋紅の繭、きれいなサーモンピンク。緋紅はとても小さい蚕でした。都浅黄や芙蓉つくばねが丸々太っていくのに、緋紅だけは小さいまま糸を吐き始めました。

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▲都浅黄と芙蓉つくばねの上蔟(じょうぞく)。都浅黄は黄色い繭に、芙蓉つくばねは白い繭になるはずです。

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手作り感のある昆虫標本作り

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 去年の秋に新小石丸を展翅したのを忘れて放置してしまいました。愛が足りないと言われても否定できません><

 せっかくなのでラベルをつけて整理しようかなと思ったんですが、おおなんということでしょう、オスなのかメスなのかわかりません。産卵前のメスはマツコデラックスなみにゴージャスなのでいっぱつでわかりますが、卵を産んでしまうとほとんど見分けがつかないのです。

 ま、いいか。次は気をつけます。たぶん。どうせ子供の夏休みの宿題レベルの展翅なんです。

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 展翅台も100均で買ったなんだかよくわからないものを使ってます。桐のすのこの一部みたいなもので花瓶敷きにでもするんですかね。やはり100均で発泡スチロールの板みたいなものを買ってきて、下に取り付けて針を刺せるようにしてあります。

 同じようなすのこ状のものでも、隙間の大小があるので、展翅したいものによって買い分けるといいかもしれないです、っていうか買い分けてます。完全夏休みの宿題ですね。お子さんたちはまねしてよろしいですよ。ネットで珍獣さんってひとがやってたのをまねしましたって先生に言ってくださいね。

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 標本箱も100均で紙の箱を購入して自作してます。まあ、紙の箱だと長期保存に向かないような気もしますが、いいんです最初っから夏休みの宿題レベルなので。展翅台を作った時の発泡スチロール板を、箱にあわせてカッターで切って、スコッと中にはめ込むだけです。針が刺さればいいのですよ、刺されば。

 ちなみに、虫を刺すためのピンだけは100均じゃなくて、手芸用のシルクピン(太さ0.5mm)を使ってます。100均でも似たようなものがあるかもしれません。

 もちろん標本専用の虫針を買うのが一番いいわけですが、そこいらではなかなか買えないので、代用品としてシルクピンが使えないこともないです。

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実はほかにもお蚕がいたりする

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▲福知山の塩野屋さんで注文した蚕。今年のは、都浅黄(黄色い繭)、芙蓉つくばね(白い繭)、緋紅(ピンクの繭)ができる三種類でした。毎年違うの送ってくれるので、なんかやめられなくなってしまいました。塩野屋のお蚕は福知山から来るので「福知山さん」と呼んでます。

# そういえばお蚕生中継の時に塩野屋さんから電話がかかってきてたけど、iPhoneを中継に使ってるので出られなかったんですよね。あれからなんの連絡もないけど大丈夫かな。料金は払ったはずだけど。問題あったらメールでもなんでも……見てないか(笑)

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1377
 この記事で、緋紅は毛蚕(けご)の頃から赤いって書きました。それが今どうなったかっていうと……

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▲こうなりました。ちょっと黄ばんでるけど毛蚕の頃みたいに赤くはないですね。そして、みんなそろって姫蚕になりました。おでこの眼状斑がありません。

 都浅黄と芙蓉つくばねは、おなじみの眼状斑がある形蚕です。

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繭をあけて蛹のオスとメスを見分ける

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 今年は非休眠卵を見たいので、冷凍庫に入れる前にいくつか開けてみました。非休眠卵というのは、一冬こさずに孵化しちゃう卵です。春先の蚕は非休眠卵を生むはずです。休眠卵とは色が違うという話をよく聞くので、本当かどうか確かめてみようというわけ。

 卵を産ませるならオスとメスを見分けて一定数残さなければいけません。見分けは繭をあけてみて、蛹の尻を見ます。上の写真は、左側の大きいのがメスで、右側の小さいのがオスでした。一般的にメスの方が大きいんですけど、大きさには個体差もあるので、やっぱり尻を見て確認する必要があります。

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=476
 これは以前書いた記事です。見分け方の写真も貼ってあります(ちょっとピンぼけしてますが)。

 オス・メスを見分けたら、蛹はまた繭に戻しておけば、そのうち蛾になって出てきます。だいたい夜中に羽化してしまうので、ある朝目覚めると、くんつほぐれつ勝手に交尾してることが多いです。

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▲蛹の大小はオス・メスの違いとしても、繭自体がこんなに不揃いなのはビミョーですね。次は蔟(まぶし)のマス目のサイズを変えてみようかな。


おいしい蛹とそうでもない蛹?

 そうそう、これは前から書いておこうと思ってたのでここに書いておきます。

 自宅で飼育した蚕の繭をあけると上の写真のように丸々した蛹が出てきます。ところが佃煮用として蚕糸試験場のようなところから購入する蛹は。もっと小さく縮こまっています。

 そのため、種類が違うように思っている人がいますが、実はそんなことなくて、佃煮用の蛹は乾燥させてあるから縮んでいるだけだと思います。

 前の記事に書いたとおり、繭は中の蛹が蛾になって出てくると糸をつむげなくなるので、そうなる前に加熱して殺してしまいます。殺蛹した後もほうっておくと蛹が腐ってしまうので、しっかり乾燥させて腐らないようにします。そうすると繭を長く保存できるようになります。

 農家で飼ってるやつは自家用でないかぎり全部乾燥させてると思うので、試験所だか製紙工場だかで買ってくる蛹はきゅーっと縮こまって小さくなっているというわけ。

 どこそこから仕入れて「育てた」蚕はおいしい、なんて話もありますが、まあそれは干物と生の違いってところだと思います。実際生の蛹を煮て食べると、市販の佃煮とはまた違っておいしいです。


 などという話をしていると、蚕の蛹なんてキモイとかいろいろ言う人がいそうですが、日本でも蚕の蛹とイナゴは食材として珍しくはないです。

 以前、中之条のイナゴンピックに出た時、地元の方が「昔は蚕の蛹から油をとって、その絞りかすも食べたんだよ」って言ってました。

 そういう、生活に根ざした昆虫食にとても興味があります。

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上蔟から一週間くらいたつので繭かきをしました

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▲繭になって一週間くらいたちました。

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▲トイレットペーパーの蔟(まぶし)は大人気です。七つの穴に八つできちゃってる。

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▲まだ繭になってないのが一頭だけ。さすがにこれは、育ちが遅いんじゃなくて、先天的に問題があるのかも。

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▲蔟からはずしました。農家だと、格子状の蔟から繭をかくのに専用の道具を使うんですが、趣味の盆蚕*1なので手でひとつずつもぎ取ります。

 蚕は、まず網のように糸をはりめぐらせてから、それを足場にして繭を作ります。足場になった部分を養蚕用語では「けば」と言うのですが……

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▲このとおり、蔟からはずしたばかりの繭はけばがついています。いわゆる座繰り*2で紡ぐ場合、けばは邪魔になるので剥いてしまいます。

5/6 はきたて(孵化)
5/12〜13 しじのやすみ(一眠) 7日目
5/16〜17 たけのやすみ(二眠) +4日=11日目
5/22〜23 ふなのやすい(三眠) +6日=17日目
5/28〜31 にわのやすみ(四眠) +8日=25日目
6/7〜9 上蔟(繭になりはじめる)+9日=34日目
6/15 繭かき(蔟から繭をはずす)

 今回はこんな感じでした。親が新小石丸だからか、少し成長が遅かったかもしれません。


 さて、繭はこのままほっとくと、中の蛹が蛾になって出てきてしまいます。そうなると、座繰りでは紡げなくなるので、ここで殺蛹(さつよう)という作業をします。

 具体的にどうするかっていうと、繭に熱風を当てたりするらしいんですが、家庭では面倒なので冷凍庫で凍らせてしまいます。一日くらい入れておけば蛹は死ぬはずです。

 ここで重要なのは必ず凍らせるってことです。虫は意外と丈夫で、冷蔵庫くらいの低温じゃ死にません。かならず冷蔵庫につっこんで殺してしまわないといけないんです。

 我が子のように大事に飼っても、最後には必ず殺してしまうのがお蚕と人間のつきあい方なのです。シルクのスカーフ、絹の着物、それらすべてが、こうやって作られています。わたしたちが毎日食べる肉が、豚や牛や鶏の死の上にあるのと同じです。

 でも、それってかわいそうなことじゃないと思うんです。家畜も蚕も、人に飼われることで保護されて増えていってるわけですから、こういうのはもちつもたれつの尊い縁(えにし)ではないでしょうか。

 人も家畜もお蚕も、すべてが世の中で欠くべからざる役割を果たしているのです、たぶんね。

*1:しゅみのぼんかいこ:盆栽を楽しむように小規模の養蚕を楽しむこと。わたくしが作った言葉でございます。
*2:繭から糸を紡ぐ一般的な方法。糸車にくるくる巻き取っていく。

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