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享保のお地蔵様はこういうテイストなのかな

 旅行記あり、たべものあり、昆虫、カエル、ばけものありと、一体なんのブログかよくわかんなくなっている『珍獣様のいろいろ』へようこそ(などと今さらながらに挨拶してみる)。唐突にいろんな話しをしはじめますが、あんまり気にしないでください。

 さて今日は石のお地蔵様に注目したいと思います。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 埼玉県三郷市内の、二郷半領用水ぞいにある身代わり地蔵です。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 ほこらの中はこんなふうになってます。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 中央にいらっしゃるのは青面金剛でしょうね。庚申講と書いてあるし。六臂でまんなかの手で合掌、向かって左上の手に三叉戟(西洋でいうとトライデントってやつ)、左下に矢、右上に輪、左下に弓を持ってます。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 向かって右脇に三体のお地蔵様。手前の一体は新しいみたいですけど、奥のは古いんですよ。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 写真だとわかりにくいのですが、このお地蔵様は手にしているのが錫杖(しゃくじょう)ではなくて幢幡(どうばん)です。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 向かって左脇のお地蔵様三体。手に持ってるものがみんなそれぞれ違うみたいなんですけど、何を持ってるかはいまいちよくわからないです。

 手前のお地蔵様は、これだけ一体あったら「地蔵??」という感じ。だってほら、お地蔵様だと頭をツルツルに剃ってることが多いじゃないですか。ところがこのお地蔵様は髪の毛があるように見えるし(剃り跡を表現しているだけなんでしょうけど)、なんとなく如来の立ち姿みたいにも見えます。でも頭の上に刻まれた梵字はお地蔵様の種字なので、やっぱり地蔵菩薩なんだと思います。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 享保十一丙午天と刻まれています。ほかのお地蔵様も(全部確認したわけじゃないんですが)享保十一って刻まれてたような気がします。

三郷市戸ケ崎の身代わり地蔵
 ほこらの外にも三体ありました。破損がはげしくて真ん中のしか読めませんでしたが、やっぱり享保十一丙午天と刻まれてます。


 だから何って言われても困るんですが、これからは少し石仏が作られた時期に注目してみようかな、なんて。

タグ:石仏

四つ木つばさ公園の大空翼像がキモイってウワサになってる件

 葛飾区内に住んでるのにぜーんぜん知らなかったんですが、漫画『キャプテン翼』の作者は葛飾区四つ木の出身なんだそうです。

 というわけで、京成電鉄四ツ木駅*1から北へ徒歩数分のところにある小さな公園内にキャプテン翼の主人公、大空翼の銅像ができたらしいんです。2013年03月30日のことです。

 ところがどっこい、完成したとたんに「似てない」「キモイ」とブーイングの嵐。ネット系のニュースサイトでも大騒ぎになっているではございませんか。

 地元に住んでてそんな美味しいネタ見に行かないわけにはいきません。サクサクっと見に行っちゃいましたよ!

四つ木つばさ公園
四つ木つばさ公園
▲四つ木つばさ公園はなんの変哲もない殺風景な小さな公園です。こんな公園のわりに人がいるなあと思ったら、

四つ木つばさ公園
▲みんな翼くんを見に来てる人ばっかり。ついでに言うと大人ばっかり(笑)

 みなさんどうやらキモイっていう評判を聞いて駆けつけたようです。口々に「何よこれ」「これじゃダメでしょ」「こっちの絵みたいに作らないと」「あたしに言わないで区に投書しなさいよ」とかなんとか、文句言いながらしっかり写真撮ってます。

 で、どのくらいキモイかっていうと…

↓画像の向き変えるのめんどくさいからこのままのっけます。横に見てね。

四つ木つばさ公園
四つ木つばさ公園
四つ木つばさ公園
四つ木つばさ公園
四つ木つばさ公園

 …あれ? ネットで騒がれてるほどひどくないかも。真っ正面からどアップで写すとビミョーかと思うけど、漫画のキャラを立体にすればなんだってこんなもんじゃないのかなあ。

 それより気になるのはポーズ。軽くうでまくりして握りこぶし。これはどう見ても「おれ、献血してきたよ。注射針は友達、こわくないこわくない!」って感じじゃないですか?

四つ木つばさ公園

 そんなこんなで、キモイようでキモくない特別かっこよくもない普通の翼くん像ができました。みなさん遊びに行ってあげてください。

 場所は↓ここです。google map では「四つ木保育園」とありますが、今は公園になってます。この記事を書いた時は正しい場所をさしてたんですが、今は保育園の移転先にフォーカスされちゃうらしく、正しい場所を示していません。消さずにおいときますが、これは信用しないでください。今気付きました。2015年2月追記。/2017年追記 今見るとちゃんと翼くん像の場所を指してますね。google地図しっかりしろ。

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関連記事
◎葛飾区内、キャプテン翼銅像めぐり
www.chinjuh.mydns.jp/wp/wp-admin/post.php?post=1034&action=edit&message=1
 さらに7体のキャプ翼像が作られ、合計8体になりました。全部回るの大変だったよ…

*1:地名は四つ木、駅名は四ツ木駅です。

タグ:地元(葛飾周辺)

人頭蛇体の弁天様

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 先日、袖ケ浦公園というところに立ち寄りました。千葉県内の別のところへ行ったついでなんですけどね。

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 公園内に小さな弁天堂がありました。この公園は池を埋め立てた場所に作ったらしいんです。弁天様は水辺の神様なので池を守る為にお祀りされていたんじゃないでしょうか。

 おもしろいのはこちらの弁天様、人頭蛇体の不思議なお姿をしてらっしゃるってことです。

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 この説明版にあるのがご身体だそうです。弁天様は女神ですが、こちらのご身体は男性の顔で頭にはちょんまげのようなものがあるそうです。

 あくまで想像ですが、女性の顔のご身体とセットだったのが男性像だけ残ったんじゃないですかね。中国に伏羲と女媧という、人頭で蛇体の男女の神様がいます。そこいらへんと弁天様(サラスヴァティ)がまざってるんじゃないかと思うんです。

 それはともかく、先に書いたとおりこの公園は池を埋め立てて作られたわけですが、その池には弁天様の化身といわれる大蛇が住んでいたそうです。その大きさは5〜6寸。1寸=3cmとして 18cm……って、ずいぶん小さい大蛇ですね。そんくらいのヘビなら群馬に住んでた時、庭にあった池でよく泳いでましたけど。

# 大ボケをかましていることに気がつきました。「大さ(大きさ)」ではなく「太さ」と書いてあるようです。直径18cmなのか胴回り18cmなのかでも変わりますが、太さであるならたしかに大蛇ですね!

 その「大蛇」が池を守ってるせいで、このあたりの人はマムシに咬まれたことがないんだそうです。池のまわりにマムシは沢山いたそうですけど、なぜか大丈夫。それもこれも、弁天様のおかげだと信じられているのだとか。

 池が埋め立てられてからは、近くの飽富神社というところに移動して、今も生き続けていると言われてるそうですよ。

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 袖ケ浦公園は桜がたくさん咲いててきれいなところでした。夕方だったので見られませんでしたが、公園内に郷土博物館もあるそうです。

タグ:伝説 寺社幻獣 神社仏閣

コメント一覧

ミーシカ (04/13 23:53) 編集・削除

はじめまして。
山海経で検索してこちらにたどりつき、拝見させていただいている者です。
こちらの弁天様は宇賀神様なのではないでしょうか?
私も詳しいわけではないのですが、宜しければご参考までに↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E8%B3%80%E7%A5%9E

すでにご存知でしたら失礼いたしました。

珍獣ららむ〜 (04/14 05:34) 編集・削除

ミーシカさんこんにちは!
そうですよね、宇賀神様っぽいです。
そこ抜いて妄想するとおかしなことになっちゃうんですね。すみません。
宇賀神様がなんでそんな姿をしてるのか、一体どこからやってきて弁天様とごっちゃになってるのか、などということを妄想した時、中国の伏羲と女媧を思い出すわけです。
だってほら、日本の神様ってそもそも像として作られることが珍しいじゃないですか。
七福神のえびす様や大国様のような例もありますが、
どちらもちゃんと人間の姿をしてますよね。
体が動物で頭が人なんて姿に作られる神様はまずいない(皆無かどうかはわかんないけど)ですよね。
宇賀神だけがあの姿なのは不自然かなあって。

他に抜きんでる御利益?!

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 東京は神田にある柳森稲荷神社です。本殿にお祭りされているのは倉稲魂大神(くらいなたまのおおかみ)といって、いわゆるお稲荷さんのことです。

 ところがこの神社で有名なのはお稲荷さんではなくて、かたわらにある小さなお社。

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 お社の前にあるのは……えっ、タヌキ?!

 この小さなお社に祀られているのもお稲荷さんだそうです。福寿稲荷といって、五代将軍綱吉公のお母さんである桂昌院という人が江戸城内で信仰していたのもだとか。

 お稲荷さんならお使いは普通はキツネです。それがここではなぜかタヌキ。おタヌキ様の神社なのです。

 それというのもこのお社を作った桂昌院様が、八百屋の娘でありながら三代将軍家光公の側室に迎えられたことに由来します。「他を抜いて」玉の輿に乗った院の幸運にあやかりたいと、大奥のお女中たちがタヌキ(多抜き)の神様として崇拝したのがはじまりだとか。

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 境内のあちこちにおタヌキ様の像があります。このタヌキ、抱えているのは腹鼓ではありませんよ?!

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 こっちのおタヌキ様の持ち物はやや小振りながらリアル?! 他を抜いて出世するという洒落だけでなく、摩羅信仰のようなものがまざっているのかもしれないです。なんせ大奥由来ですからねー。


大きな地図で見る
 柳森稲荷神社は地図で言うとこのあたり。神田駅より秋葉原駅に近い川沿いにあります。

ちなみに

 桂昌院様というのは、男女の役割が逆転した世界を描いた漫画の『大奥』で言うと、玉栄(お玉の方)が大人になってからの名前です。史実とは違い小坊主という設定でしたね。

 柳森神社で写真をとったのが3月20日、テレビドラマで玉栄の師匠である有巧(ありこと)を演じた堺雅人が、映画で綱吉を演じた菅野美穂との婚約をすっぱ抜かれて大騒ぎになったのは翌日の21日でした。

 まったく偶然のことですが、とんでもないタイミングで写真を撮ったものです。桂昌院=玉栄と気づいてからは、頭の中で男女が逆転して大混乱ですよ…

タグ:寺社幻獣 神社仏閣

伊豆旅行まとめ(地図あり)


より大きな地図で 2013年3月3日の伊豆旅行 を表示

い:東名・沼津IC
 朝8時過ぎに沼津ICに到着。
 葛飾区内から東名高速で3時間くらい。

ろ:柏谷公園(横穴群)
 8時50分ごろ公園到着。横穴群を見る。
 写真>http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1523

 小田原街道を南下するが途中で渋滞しはじめる。ナンバーを見ると遠くからの車ばかり。河津桜の観光客か?

は:うすさま明王の明徳寺
 10時すぎ、明徳寺に到着。
 写真>http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1524

 この先は思ったより道は混まず(参拝してる間に観光客がはけたらしい)、河津町に入るまでは普通に走れた。桜まつり会場に近付くとビピタッと動かなくなりウンザリする。

 町内のあちこちに1日500円の有料駐車場(おそらく祭りの時だけ)があるがどこも埋まっている。駐車場の人に聞いたところ、「ここで待っているよりバガテル公園の無料駐車場に置くのがベスト。無料シャトルバスが出ていますよ」とのこと。

に:河津バガテル公園〜桜まつり
 12時20分ごろ、公園到着。駐車場がそれなりに広いので余裕でとめられた。この日は河津桜がピークで無料シャトルバスが30分に1本くらい走っていたが、途中が渋滞するのでダイヤは乱れまくっていたらしい。わたしたちは運良く待たずに乗れた。 

 桜まつりの様子>http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1522

 まつり会場の近くに涅槃堂があるというので見に行く。日本では珍しい寝釈迦像がある。公開はまつりの時期だけとのこと。拝観料200円。場所は地図上の青いポイント。
 詳細>http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1525

 昼食をどうしようか迷ったが、沿道で買った地元産のポンカンを歩きながら食べたら気が済んでしまい、ここでは食べなかった。地元さんの魚が食べられる定食屋のような店はいくつかあった。

 川沿いを歩いて河津駅あたりまで来てしまった。無料シャトルバスの停留所に戻るのは面倒なので、駅前で路線バスを調べると、ちょうど来たところだったので乗った。バガテル公園行きは本数が少ないのでラッキーだった。片道200円。

 15時半ごろ、帰る方向で移動。

ほ:稲取文化公園・雛の館
 海沿いを走って16時ごろ稲取に到着。ちょうどこの日は3月3日、こ稲取の何ヶ所かに吊るし雛が展示されているはずなので立ち寄る。吊るし雛というのは布で作った人形や動物や花などの飾りを糸で下げたもの。雛人形のかわりに飾る習わしとか。

 わざわざ見に来る人がいるか疑問だったけれど、観光バスでのりつける人たちもいて想像以上の賑わいだった。
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 海沿いを北上する。途中で食事しようと沿道の店に立ち寄るが、入り口にあったメニューが高いので慌てて出てしまう。結局、熱川まで移動して前に入ったことのある店で食事。

へ:お食事処 燦
 17時半ごろ、この店に到着。アジのたたき丼とマンボウの腸を塩焼きにしたのを食べた。
ファイル 1526-2.jpg
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 海沿いを北上。このあたりから強烈に道が混み始めた。食事している間に河津町や稲取から観光客が帰り始めたのかもしれない。渋滞をさけて海沿いを来たつもりだったけれどあんまり意味がなかった。

 とにかくものすごい渋滞で、最初は「いくらなんでもこれは事故か何かでは?」と思ったほど。その状態がグランパル入り口という交差点まで続いた。観光客は天城高原ICから伊豆スカイラインに乗ってしまうらしく、その先はうそのように道が空いている。

と:小田原厚木道路・小田原西IC
 小田原西ICに到着したのは何時ごろだっただろうか。20時は過ぎてたとおもう。空いていれば1時間半くらいなのに倍かかった。

 高速は空いていて、葛飾区内に到着したのは23時すぎ。かろうじて日付が変わる前に帰れた。

タグ:伊豆