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鶏ムネ肉のフライが整形肉だったら許せるか?

 食品虚偽表示問題で飲食業界がゆれている昨今ですが、ついさっきマクドナルドへ行ったんですよ。

 今月20日から新しいシャカチキが出たとかなので、「じゃあ、それください」って注文してみました。

◎NEW!サクサク「シャカチキ」|キャンペーン|McDonald's
http://www.mcdonalds.co.jp/campaign/shakachicken/index.html

NEW!サクサク 「シャカチキ」

人気サイドメニュー「シャカシャカチキン」が、よりボリューミーに、よりサクサクになって新登場。サクサクな食感のムネ肉を使った食べ応え抜群の美味しいチキンと、お好みのシーズニングパウダーを専用パッケージに入れ“シャカシャカ”と振って、様々な味わいをお楽しみください。シーズニングパウダーは、濃厚な「チェダーチーズ」と、辛さがくせになる「レッドペッパー」の2種類。

 一口かじってオヤって感じ。ボリューミーっていうよりやわらかい。これはフワフワと言っていいんじゃないでしょうか。

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 食べかけの写真で申し訳ないんですが、断面はこんな感じです。どうやらこれ、整形肉っていうか、ひき肉をまるめたツミレみたいなやつなんですね? しかも繋ぎがけっこう入ってそう(笑)

 改めてマクドナルドの商品説明ページを見ると、ムネ肉と書いてある段の次にさり気なく「パティ」とも書いて有る。パティは練り物のことですから、まさに感じたとおり、ツミレみたいなものです。

 主原料が鶏胸肉だとすればウソではないでしょう。しかしかなり紛らわしい、なんとなくもやーんとした説明です。素直に考えればムネ肉と言われたら胸肉をそのままフライにしてると思うでしょう。胸肉が主原料だったとしても、ひき肉にしちゃったら鶏肉団子のフライじゃないでしょうか。

 整形肉や肉団子が悪いわけではありません。肉は加熱すると固くなってしまいます。脂肪分や繋ぎを入れて整形すれば、加熱してもやわらかく食べられるわけですし、それは整形肉の利点だと思います。問題は、塊肉だと騙して売ったり、わかりにくい表示で消費者を惑わす事だと思います。

 世間では「整形肉だからステーキ弁当って言えなくなる」と表示義務の強化におびえ切っているわけですが、そんなことにおびえず、堂々と整形肉のほうが美味しい、やわらかくてボリューミーだと言い張ればいいのではないでしょうか。

シャケ弁がサーモントラウト弁にならなきゃいけない理屈がわからない

 食品の虚偽表示問題で、シャケ弁もシャケだと言えなくなり、サーモントラウト弁になるかもしれないと世間では言われています。しかしそれは本当でしょうか。

 そもそも、サケとマスには明確な境目がなく、英語では大ざっぱに言って「海に行かず、川や湖で一生を終えるものがトラウト」「川で生まれ、海へ行き、川に戻ってきて産卵するものがサーモン」だと言われていますが、和名はもう少しボンヤリしていて、カラフトマス、サクラマスなどは、マスなのに海へ出ます。

◎株式会社永徳:サケとマスの違い
http://www.nagatoku.jp/murakami/sakemasu.html
◎水産総合研究センター:さけますQ&A
http://salmon.fra.affrc.go.jp/zousyoku/QandA.htm

 では、シャケ弁のシャケが何なのか、これは難しい問題です。最近のニュースでは「サーモントラウト」ということになっていて、これの標準和名は「ニジマス」なんだそうですが、ホントなんですかね。

 もし、本当にニジマスが使われているのならば、普通に「ニジマス弁当」と言えばよくなくないですか。確かに昔はマスよりサケのほうが高級感がありましたけど、ものの価値なんて日々ぶっこわされていくものです。わたしの感覚だと、ニジマス弁当はかなりいい線行ってます。サケの切り身はどこででも買えますが、ニジマスを主張しているものは、あまり見かけません。マスという言葉から山の香りを連想するので、とりあえず食べてみたくなります。まあ、実物を見て「なんだシャケ弁か」となる気はしますが。

 サーモントラウトを素直にニジマスと呼べないのは「国際なんとかマス釣り場*1」で釣れた、あのニジマスのイメージではなくて、養殖用の三倍体とか、外国のでっかい川で大量に取れるやつだからなのかなあと想像します。

 ニジマスと呼びにくいなら、やっぱりシャケでいいと思うんです。最初に書いたとおり、サケとマスには明確な境目がありません。伝統的にシャケ弁と呼ばれて来たものは、シャケ弁のままでよくて、原材料の表示を「サーモントラウト」とすればいいんじゃありませんか?


 たとえば、みなさんお気付きじゃないかもしれませんが、マルハニチロのあけぼの さけ缶は、名前がさけ缶ですが、からふとますって書いてあります。

 もう何十年も前からこうです。これと同じことだと思うのですけど。

*1:昔はあっちこっちにニジマスを釣れる釣り堀があったんです。山奥の観光地にもあったし、都市部の郊外にもけっこうありましたよ。多くの釣り堀には「国際」という枕詞がついていました。うろ覚えですが、たしか遊びで釣りをする習慣を持ち込んだのが米兵などの外国人だったので、釣り堀に「国際」と付けるのが流行ってたらしいです。

タグ:ファーストフード

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たっぷ (01/23 15:41) 編集・削除

確かに、ニジマス弁当の方が売れそうだねぇ。
gabotyan

珍獣ららむ〜 (01/24 08:44) 編集・削除

シャケ弁の形のままニジマス弁とは呼びにくいとは思うんですが、言葉だけで考えたら、ニジマス弁は美味しそうですよねえ。gabotyanも大喜び。

太巻き:ごま油と塩で作る韓国風すし飯もお手軽で美味しい

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 もうすぐ節分なので、台所にいながらにして海外旅行した気分になる企画もかねて太巻きの作り方を書いてみたいと思います。

 日本以外に巻き寿司を食べる国があるのかって話ですが、実はお隣の韓国にも巻き寿司の文化があります。

 うん、まあ、例によって「日本統治時代のなごり」「いや太巻き文化は韓国発祥!」みたいな話もあるんですが、結論は出ないのでそこいらへんはスルーで(笑)

 昔、何かのテレビ番組を見ていたら、ユンソナがスタジオで料理してるんですよ。韓国にも巻きずしがあるんだとか言って、鮮やかな手並みでくるっと巻いてるんです。普段から料理する人なんだなって感心したのを覚えてます。

 韓国風の太巻きはすし飯の作り方が面白いんですよ。酢を使わず、ごま油と塩を混ぜるんです。これが手軽だし、意外に美味しいんです。

 太巻きは楽しいけれど、酢飯を作るのが面倒くさいと思っていたので「これだ!」って感じでした。こういうのもアリなんだなあと。すし飯の固定観念をうちこわしてくれたという点で、韓国風の巻きずしは自分の中で評価が高いんです。

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 作り方は本当に簡単。ご飯にごま油と塩をひとつまみ混ぜるだけ。おこのみで白胡麻をまぜてもいいと思います。

 具は自由にいろんなものを入れてるらしいです。韓国風の巻きずしのことは김밥(キムパプ)と言いますから、その単語で検索すると、美味しそうな巻きずしの写真が山ほどヒットして食欲を刺激されます。

 今回は瓶詰めの高菜ザーサイ、卵焼き、サヤインゲンを巻いてみましたが、韓国では具を多めに入れるようなので、絵的にちょっと寂しかったですね。もっといろいろつっこめばよかった。

 また、仕上げにごま油を海苔に塗ったりするようですが、それをやっちゃうと手づかみで食べにくいのでわたしは塗りません。

食後に韓国語もかじってみる

김밥 キムパプ 巻き寿司のこと。

 韓国では、この巻きずしを、キムパプと呼んでるそうです。パプは「クッパ」とか「ビビンバ」とか言うときに「パッ」なので、ご飯のことです。

 それで、てっきり「日本で白いご飯のことを銀舎利と言うように、韓国では「金飯」というのかな、と思ってたんですが、ウィキペディア情報によれば김には海苔という意味もあるそうです。

ごま油以外のものでは作れないのか

 ごま油で作れるんなら、オリーブオイルで作ったらイタリアン巻きずしになるんじゃないかと思ってやってみたんですよ。温かいご飯にオリーブオイルを混ぜたところまでは香りもよくていい感じでした。

 ところが、ご飯が冷えると少し固い感じがして、ダメじゃないけどイマイチだなあって感じです。おそらくですが、油の融点の違いじゃないですかね。ごま油は冷蔵庫にいれといても固まらないけれど、オリーブオイルは冷やすと固まっちゃうので、そういうことかなあと。

 ほかにマヨネーズを混ぜてみたりもしたんですけど、これは完全にダメでした。マヨネーズはご飯にパーッと浸透して粘りを完全に消してしまうんです。どうにか巻いてはみたものの、包丁で切るとご飯がぼろぼろこぼれてきて、とても巻き寿司として許せるようなものになりませんでした。

 油でないものを混ぜればいいんじゃないかと、梅肉を混ぜてみたら、これは美味しかったですよ。梅肉には殺菌作用もありますから、節分の恵方巻きといわず、普段のお弁当作りにも活かせそうです。

 梅肉の変わりすし飯で作った太巻きのレシピは、以下に投稿しました。

◎グッドアンサーズ: おすすめの恵方巻きレシピを教えて下さい
http://answers.withabout.jp/topics/full/8625/
 お題が巻きずしじゃなくて「恵方巻き」なんですよねえ。求められてるのは変わり種じゃなく、伝統なのかなあとも思うんですが、そもそも恵方巻きなんて伝統、関東にはないですからね。

 しっかし、恵方巻き、ずいぶん普及しましたよねえ。バレンタインデーのチョコみたいな例もあるので新しい伝統自体はいいんですが、誰も知らないようなローカルなものを、どこの伝統だと説明もせず「知ってるのが当然、やるのがあたり前」みたいな顔をして販売戦略に使われると、ちょっぴりですがイラッと来ます(笑)

タグ:民族料理

利根郡の雑煮には豆腐が入ってるらしい

 AllAbout グッドアンサーズのお題にご当地雑煮っていうのが出てるので、群馬の雑煮はどうだったっけかと考えた。

 祖母が作る雑煮は、お椀に茹でた餅がいっぱいに入ってて、具の少ない汁がかかってた。具は長ねぎと椎茸は覚えてる。他は覚えてないくらい具が入ってなかったと思う。汁が少なくて餅ばっかりどっさり入ってた。

 それが群馬風(あるいは伊勢崎風)なのかっていうと、よそのうちで雑煮を食べたことがないのでよくわからない。とにかく祖母の雑煮はそんなんだったから、わたしは祖母の家で雑煮が出てもあまり嬉しくなかった。子供の頃によくありがちだけれど、わたしは長ねぎが嫌いだったのである(今は好きだが)。

 わが家の雑煮とかのお題なら、そういう雑煮もアリかなとは思うけれど、お題は「ご当地雑煮」である。さすがにお椀全面に餅が充填されたほとんど汁のない雑煮を群馬のご当地だと言い張るのはビミョーかもしれない。

 じゃあ、正しい群馬の雑煮はどうなのか、調べてみた。うちの本棚には農山漁村文化協会ってところの日本の食事シリーズが全巻そろっている。最初は必要に応じて図書館で読んでたけれど、ある時閉架にされてしまい「フザケンナ毎日請求するぞー」と鼻息を粗くしながらサクッとオークションを探したら全巻セットで3000円くらいで売られていたので買っちゃったのである。図書館に行くより早いけれど部屋は狭くなった。そのシリーズの『聞き書 群馬の食事』によると、群馬の雑煮は地方により違うようだ。

 以下は『聞き書 群馬の食事』からの引用である。

(奥利根地方では)元日の朝は雑煮が中心である。大きな米のもちを焼いておわんいっぱいに盛り、大根、にんじん、こんぶ、豆腐を入れた醤油仕立てにして、かつおぶしをのせる。

(吾妻地方では)短冊切りの凍みた大根、切りこぶを煮て味噌味のつゆをつくり、そこへ焼いた餅を入れる。

(高崎地方では)雑煮は大根、にんじん、しいたけ、青菜、焼き豆腐、里芋、なると、かまぼこなどの具で醤油味にし、四角の切り餅を焼いて入れる。 

(奥多野地方では)雑煮は、ねぎとさんどいもの醤油味の汁に、白もちときみもちの二種を入れる。

# さんどいも=ジャガイモ(年に三度収穫できるから)、きみもち=黍(きび)で作った餅。

(赤城南麓では)雑煮の中身は、大根、にんじん、あぶらげ、しいたけ、こんにゃく、ねぎを入れ、醤油で味をつける。もちはほうろくで焼いて、汁の中に入れる。器に盛って上からけずり節をかける。

(群馬県全般の芋類の使い方の解説)群馬県には「いも家例」と称し、正月にはもちを用いずにいも(主として里芋)を雑煮にして食べる習慣があり、一族に家例を守らせることによる同族意識を高め、団結力を強固にして生活している。

 雑煮に関する記述はこんな具合である。強いていえば祖母の雑煮は奥多野のものに似ているが、奥多野出身とは聞いたことがないので偶然の一致だろう。本によれば群馬は焼き餅文化圏のようだが、祖母の雑煮はゆでてあったと思う。

 問題は「ご当地雑煮」として何を作るべきか、である。

 特徴があるといえば、どの雑煮にも肉が入っておらず、奥利根や高崎で豆腐を入れると書いてある点だろうか。肉の代わりに豆腐をタンパク源として食べたのだという説明は同書の中にも散見される。そしてこれは、わたしの勝手な想像だけど、米の餅すら満足に用意できなかった時に、白い豆腐を餅に見立てて入れたのではないか。

 というわけで、作ってみたのがこれ。
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 醤油仕立ての汁に、具は大根、ニンジン、インゲンなど。豆腐はそぎ切りにして入れた。「そぎ切り」にしたのは、利根郡あたりでは賽の目の豆腐は法事にしか使わないと書いているサイトがあったからである。わたしは利根郡で雑煮や味噌汁を食べたことがないので本当かどうかは知らないが『聞き書 群馬の食事』のグラビアページにある利根郡の雑煮を見ても、たしかに豆腐は賽の目ではないのでそうしてみた。

 餅は、角餅なら焼いても良かったんだけれど、鏡餅を開いて使ったので、なんとなく茹でてみた。なんせ市販の鏡餅は手でまるめたのとはちがい、樹脂製の容器に充填したようなものだから、焼くとどうなるのか想像できなかったのである。

 豆腐をそぎ切りにすると書いてあったのは以下のページだ。具だくさん(鍋の中は確かに具だくさんの汁)というわりに、完成品はそれほどでもないのは謎である。本に載っていた写真もおおむねこのサイトにあるような状態だった。

◎47URARA:自家製のたんぱく源、豆腐入り雑煮
http://urara.47club.jp/2010-12-ozouni/gunma/8019

みなかみ町月夜野地区に伝わる雑煮は、しょう油仕立ての汁に大根、ニンジン、サトイモ、ハクサイなど、主役の餅が隠れんばかりの具だくさん。地元の野菜などに混じって入れられるのが、自家製の豆腐だ。

雑煮には豆腐をそのまま、そぎ切りにして入れた。「この地域では、さいの目切りは仏事に使う切り方。さいの目切りは嫌われた切り方で、ふだんのみそ汁も、そぎ切り」と言う。

貴重なタンパク源として、さまざまな料理に使われてきた大豆だが、子どもたちの評判は悪い。学校給食で出される雑煮は、豆腐に代わり鶏肉が入る。豆腐と餅の織り成す食感は、継承されずに確実に消えつつある。

【材料】
大根、ニンジン、サトイモ、ハクサイ、ほうれん草、ネギ、ちくわ、ナルト、豆腐、コブ、かつお節、ユズ、餅


こっちにも投稿
◎グッドアンサーズ:ご当地お雑煮のレシピを教えてください。
http://answers.withabout.jp/topics/full/8626/

タグ:郷土料理 手料理

最近食べた変わった物:紅菜苔・豚のハツ・太陽ソース

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▲紅菜苔(こうさいたい)

 もとは中国野菜らしいです。見たまんまアブラナ科の植物で、味もチンゲンツァイなんかと似てます。おひたしにして食べましたが、茎の赤いのは水溶性で茹でるとかなり抜けちゃうんです。炒めたほうがよかったかもしれません。


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▲豚のハツ

 全然変わってない? 東京だと普通のスーパーにはハツなんかないのよ。珍しく置いてあった(しかも激安だった)ので買ってみました。カレーに突っ込んでみたんですが、煮てもうま味があまり出ないので、焼いて食感を楽しんだほうがよかったかも。


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▲太陽ソース

 ともだちが名古屋から買ってきました。地元では珍しくないのかもしれませんが、東京ではまったく見ないメーカーです。まずは左端のウスタータイプのやつを使っているのですが、開けて香りを見てちょっとびっくり。ブルドックソースなんかとぜんっっぜん違う。何にもかけず、ソースだけなのに、焼きそばやお好み焼きを連想します。青のりが似合いそう。ものすごーく和食っぽい香りがする。へーへーへー!!!

 実は、かねがね「ソース焼きそばとは言うけれど、ブルドックソースで焼きそばの味付けとかしないよね」って思ってたんですよね。いや、する人はするんだろうけど、インスタントの焼きそばと、ブルドックソースは香りが全然違うと思うんです。ブルドックソースをかいでも焼きそば作りたくならない。お好み焼きも食べたくならない。ブルドックソースはカレーやコロッケや豚カツにかけるんです。

 ところが、太陽ソースを香ったら、いきなり焼きそばやお好み焼きを食べたくなるわけです。これはびっくり。他の瓶はまだ試してないんですが、それぞれ違うタイプのものらしいですよ。ちょっと楽しみです。

 そうそう、先日伊勢に行った帰りに名古屋駅でトンカツを食べたんですが、テーブルに日乃鳥ソースっていうのが置いてありました。メーカーは太陽ソースと同じく太陽食品工業でした。でも、香りをみてこれまたビックリですよ。だって焼きそばの香りがしないんだもん!日乃鳥ソースは普通にトンカツを連想する洋食っぽいソースでした。

 太陽食品工業って東京じゃほとんど知られてないと思うけど、香りにこだわりがありそうな会社ですね。面白い。

タグ:食材

今読んでる古文書『増補 元三大師御籤繪鈔』(質問付き)

 古文書の解読をやってます(自己流で)。師匠がいないのでどーしょもないことにしょっちゅうつまずいてます。主に書物になったものを読んでいて、手書きの書状などは不得意、というかまるで読めません。

 得意分野は養蚕関係、妖怪関係などですが、それらを読みこなすためにいろいろ読むべきだと思い、興味があればなんでも読みます。

『増補 元三大師御籤繪鈔』

 今読んでいるのは『増補 元三大師御籤繪鈔』です。底本は早稲田大学古典籍総合ベースで閲覧できるテキストです。
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko06/bunko06_00249/index.html

 内容は、元三大師が作った(と言われている)おみくじの写し(鈔)です。最初に何ページか、元三大師が誰なのか、おみくじはどのように引くべきか、などの解説があり、続いてくじそのものの写しになります。

 写しは下の絵のような決まった形で第一から第百まであります。
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A 番号と吉凶(大吉・凶など)
B さし絵
C 漢詩
D 漢詩の内容説明
E 個別の運勢。▲ではじまるのは全員に対するお告げで、○で始まるフレーズは職業や社会的な立場ごとのお告げになっている。

たとえば「第一大吉」はこんな内容

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko06/bunko06_00249/bunko06_00249_p0005.jpg
↑原典はここの左側半分

●は読めない文字
[ ]でくくってあるのは自信がない文字
読みやすいように▲と○ごとに改行をいれてあります。


第一大吉

B(さし絵)

C:D
七寳浮圖塔:七ほうをちりばめたるたうがうかびあらはれたるてい也たうのいみやうをふとヽいふ也
髙峯頂上安:たかきみねのうへにたうをたてたらばたつとく見ゆべしとなり
衆人皆仰望:しよにんの目にさへぎりひろかりかがやきみなあをぎのぞみてたつとぶ也
莫作等閑看:おろそかにおもひて此たうを見る事なかれしんじつにたつとく見よと也ふしんふしんなればあしき事とみえたり


▲此みくじにあふ人はてんとうをしんじてよし日まち月まちかうしんなどまつべし
○判曰ぶしかほうこう人ならばりつしんすべし[お]しみなくゆだんしたらば又しそんじあるべし
○しゆつけはくわんゐにのぼるかよきてらなどもつかたつと[ば]るべし
○女人はわれよりうへのつまとなるか又人のつまならばおつとの身の上よくなるべし子をもふけば男子也●[も]ちは主人のめにとまりりつしんすべし
○人の子ならば末子なりともそうりやうのかとくをとるべし
○人の弟子はしせうの引たてにてよき事あり
○町人あき人は利を得てはんじやうすべし
○志よく人はほまれをあらはす
○百せうはでんぢをもふけぢと[うよう]めぐみあり
○すべて物事十ぶんによして悦をつかさどる
▲やまひ事ほんぶくすべ少しなが引べし
▲よろこび言十分やうすよし
▲まち人おそししあはせよし
▲そせう事十ぶんよかれどもらちあかぬ事あるべし
▲うせものの出がたしのちのちのちはわ[が●ヽう]へるべし
▲どうぐはかなものるいいとるいやきもののよろしき物也
▲かいものはふみこんでかいとるべしかいとりてのちに利をうべし
▲屋つくりわたまし十ぶんによし
▲いひぶんあらそひならずかつべしあまりほこりたらばかへつてまけになるべし
▲いきしにはしすべし七ほうふとのたうにのせはたてんがいにておくる心あり
▲たびたちよしへやゆだんあるべからず

# かうしん→庚申(こうしん)
# ぶしかほうこう人→武士か奉公人
# りつしん→立身(りっしん)
# しゆつけ→出家(しゅっけ)
# くわんゐ→冠位(かんい)
# そうりやう→惣領(そうりょう)
# しせう→師匠(ししょう)
# やまひ→病(やまい)
# しあはせ→仕合わせ→幸せ
# そせう事→訴訟事(そしょうごと)
# わたまし→移徙/渡座、引っ越しのこと
# いひぶんあらそひ→言い分争い

 句読点がないこと、拗音に小さい文字を使わないこと、濁音・半濁音に゛や゜をつけない(ついてることもある)ことに気づくと高そうに見えるハードルがずずっと下がるはず。

解読初心者の練習用に最適

 おみくじなので、書いてあることはたかが知れており、読めない文字に出会っても類推しやすいです。また、各ページごとに完結しているので毎日少しずつ読むのにちょうどいいです。

 ただ、どのページもほとんど同じことが書いてあり、何ページか読むと「これを続けても新しいことを覚えないのでは?」となりますが、そこから先は反復練習だと思って続けると、めちゃくちゃ古文書に慣れると思います(というのを今身をもって体験中)。

 そういうわけで、くずし字解読初心者の練習用に適した本だと言えます。

教えて!!(ここからが質問)

 で、毎日1ページずつ読んでいるわけですが、簡単とはいえ読めない部分がけっこうあるんです。一回しか出てこないようなところはひとまず無視するとして、定型文として繰り返し出てくる場合はつぶしておきたいものです。

第二前凶後吉>人のでし●代又はしんるいきやうだい
第三前凶後小吉>人の弟子●代家のこしんるいきやうだい
第四吉>弟子●代しんるいきやうだい
第五凶>人の弟子●代いゑの子しんるいきやうだい

Q1:こんな感じで繰り返し出てくる「●代」の●に入るのはなんという文字ですか?

第三前凶後小吉>しよく人は[上●]なりとも
第四吉>しよく人は[上●]の名をとるべし
第五凶>しよく人は[上●]なりとも

Q2:しよく人は[上●]の●に入る文字はなんですか?後ろに続くフレーズからして「上●」は良い意味だと思います。

 Q1とQ2に入る文字は極めて似ているので同じ文字かもしれないです。原典を見たい方は最初のほうに書いたURLから該当箇所を探してみてください。部分的にキャプチャして貼ったら早いでしょうが、画像の使用は事前に許可をとってほしいと書いてあるし、前後を読まないとわからない可能性もあるのでよろしくお願いします。

↑の答え

 わかりましたわ。Q1も2も同じ漢字でした。

1. ●代
2. 上●

この●に共通する漢字で、2は現代でも日常的によく使う単語、1は時代劇にしか出てこないかな。っていう単語。原典のくずし字も奇麗に書いてあるのでフツーに読めますね。ぱっと思いつかなかっただけでした。

 誰も興味ないだろうし、答えは書きません。まかりまちがって検索かなんかでたどり着いちゃった方で「そこ自分もひっかかってるんだよ!」ってな方は頑張ってみてください。


元三大師御籤絵鈔

タグ:古文書解読

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chappy (11/18 09:23) 編集・削除

私と同じ趣味の人が居るとは!
初めまして。
早稲田電子ライブラリーと出版社は違うのですが、福田屋勝蔵版の原本を買い、通勤途中に読んでます。
江戸くずし字は初心者なので、結構苦労してます。
gabotyan

珍獣ららむ〜 (11/18 10:08) 編集・削除

chappyさんこんにちは!
くずし字の解読は読書に頭の体操を足したみたいですよね。
原本を買って読まれてるなんてうらやましい。
わたしは金欠なのでもっぱらネットで無料公開されてるデジタルアーカイブに頼ってます。
これからも頑張ってください!
gabotyan