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珍獣の食卓wiki「ヘチマ」 - ヘチマの仲間について

ヘチマの仲間について
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和名ヘチマ(糸瓜)
別名いとうり(糸瓜)
とうり(糸瓜が訛っていが消えた)
学名ヘチマ:Luffa aegyptiaca エジプトのヘチマの意
トカドヘチマ:L. acutangula
科名ウリ科
沖縄口ナーベラ 
アイヌ語 
中国名絲瓜、圓筒絲瓜、布瓜、菜瓜、水瓜
英名Sponge Gourd(スポンジ瓜の意)
エスペラントlufo
その他수세미외(韓国)
初夏
原産地インド、熱帯アジア

ヘチマに関するあれこれ

 糸のような繊維質が特徴の瓜だから糸瓜の名が付いた。実を米のとぎ汁や泥水にさらしてタワシにするのは有名だが、沖縄や東南アジアでは若い実を食用にもする。茎からでる水をヘチマ水といって化粧水にする。

 東南アジアにはトカドヘチマ(Luffa acutangula)というヘチマの近縁種もある。ヘチマとよく似ているが、実に 10本の筋が入っているのが特徴。利用法はヘチマとまったく同じである。トカドヘチマは江戸時代には日本でも栽培されていたが、今はあまり作られていない。

 日本の小学校では理科の時間にヘチマの栽培をやる。フィリピンの日本人学校でもヘチマの栽培をやろうと、教材としてヘチマの種を日本から送ってもらえないかと考えていたら、地元フィリピンでは食用にすることが判明して、地元との交流が大事なのだと気づいた、なんて話を耳にしたことがある。

 東南アジアでは若い蔓も油通ししてタレをつけて食べる。また雄花を乾燥したものを保存食にする(弘文堂『東南アジア市場図鑑』より)。

 日本には江戸時代初期に中国経由で伝来。

 江戸時代には、一般的なヘチマのほかに、薩摩・肥後・肥前・筑後(いずれも九州)には長さ三~六尺(90~180cm)にもなるナガヘチマというものが栽培されていた。

 ヘチマの茎を切って瓶にさしておくとヘチマ水がとれる。江戸時代にはこれを痰の薬にしていた。また美人水といって肌につけた。現在でもヘチマ水は化粧水として用いられる(参考>『江戸時代の野菜の品種』)。

 『本草綱目』によると、中国では昔から食用にしていたようだ。「実の若いうちに皮をむき煮たり晒したりしてお茶にする。また野菜としても食べる。葉や巻きひげも食べられる」とある。また、熟して繊維が固くなったヘチマをたわしとして使うのも日本と同である。ほかに靴の中敷きにもしたようだ。日本の履き物は中敷きを必要としないが、中国のものは現在の靴と同じようなものなので中が蒸れるのだろう。

 『和漢三才図会』によると「食品とはせず、ただ老瓜を垢すりとして用いるだけ」とある。日本(本州)では昔からあまり食べなかったようだ。ただし、栽培地では若いのを食用にしていたかもしれない。

ヘチマにまつわる言葉

ヘチマ
 ヘチマは熟すと実が繊維状になるので糸瓜(いとうり)と呼ばれ、訛って「とうり」になった。「と」の字がいろは歌では「いろはにほへとちりぬる」という具合に「へ」と「ち」の間にあるので「へち間」と呼ばれるようになった。参考>TOTO出版『野菜物語』

~も糸瓜(ヘチマ)もあるものか!
なんの糸瓜(ヘチマ)とも思わない
 糸瓜(ヘチマ)はつまらないもの、役にたたないもののたとえとして使われる。
「これは上司の命令だ」
上司もヘチマもあるものか、こんな会社やめてやる」……などと使う。

ヘチマにまつわる伝説・風習

ヘチマにまつわる遊び

ヘチマの主な料理法

珍獣様が食したヘチマ