記事一覧

ファブリック帯とやらを作ってみた

 あくまで普段着にするために着付けの練習をしている珍獣です。はい、着付けできないんですよ。花火の夜に浴衣を着るくらいはかろうじてギリギリの線でどうにかいける程度でございます(つまりそれは人々が花火しか見てないからってことなんだけど)。

 どうせ普段着なのでいろいろやってみようと思いまして、下の本を参考にファブリック帯とやらを作ってみたわけです。

▲『ファブリック帯の本』

 ファブリック帯というのは帯芯の入ってない帯のことで、要するに自由な布地で作った兵児帯か、江戸時代の昼夜帯みたいなやつらしいです。帯芯が入っていないので動きやすく、結ぶのも簡単とのこと。

ファイル 1509-1.jpg
 というわけで安売りの布を買ってきてミシンでだだーっとやったのがこれ。35cm幅で4mあって、半分の幅に折って使います。どうもこの着物とは色が合わないような気がするけど、結び方の練習だから、まあいいか。部屋着だしね。

 「まあいいか」ついでに端っこに飾りもつけてみよう! ついにこの本を使う日がやってきた!

▲『ビーズ編みのエジング』
 以前あまり可愛いので衝動買いしたままほとんど使わずに本棚の肥しになっていたビーズ編みの本です。これを参考に手元にあるレース糸とビーズで縁飾りを編んで…

ファイル 1509-2.jpg
ファイル 1509-3.jpg
帯の端にこんなふうにとりつけます。なんか色が似合わないような気がしますね。はいはい、わたくしには色のセンスがございませーん。

 なお、ここまでの材料費は1000円くらいです。布は途中でつなげばいいので洋服地だったら2mあれば充分です(和服用の反物だったら4mいります)。
 製作時間は4時間くらい? 何が面倒だったって帯の布端を三つ折りにするに時間がかかってます。三つ折り嫌い。次に作る時は昼夜帯みたいに裏地つけて裏返すよ。その方が早そう。レース編みは意外なことに1時間くらいで編めちゃってます。

 さっそく結んでみたいと思います。結び方も最初の本を参考にしています。
ファイル 1509-4.jpg
 あら、テキトーにやったわりに意外と悪くないかも? レースの縁編みは着物と同系色にすればよかったかな。ちなみに着物は1000円くらいの古着。ツイートに書いた5000円のセットとは別のやつです。

ファイル 1509-5.jpg
 結び目を後にまわし、前から見るとこんな感じ。帯び板を入れてあるので案外普通に見えますね。でもやっぱりこの着物には模様と色が軽すぎるかな。ストライプが横じゃなく縦に出るように作って飾りで帯締めをしたら雰囲気変わりそう。布が余ってるのであとでやってみようと思います。

タグ:手芸

意外なところでミラージュキューブを発見!

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1338
 以前この記事で折り図を公開したユニットおりがみのミラージュキューブですが、水元公園の水産試験場跡に飾られてるのを発見しました。

ファイル 1482-1.jpg
 後ろに見えてる三角形の箱は布施知子さんのユニット作品ではないかと思います。手前の四角いのはミラージュキューブですよね。うちを見て折ってくれたのならとても嬉しいです!

タグ:おりがみ

ついでだから4x4クリスタルローズも折ってみる

ファイル 1389-1.jpg
 川崎敏和さんのクリスタルローズです。24cm四方の紙で折りました。前のページのブライダルローズと何が違うかっていうと、

ファイル 1389-2.jpg
 方眼が紙に対して垂直なのと、ひねりの向きが互い違いになってるってこと。写真みたいにペタっと平面にたためます。

ファイル 1389-3.jpg
 表側から見るとこんな感じです。花びらを起ち上げるための斜めの線をつけるのがけっこう面倒くさいです。

 ここまでやったら、福山ローズの要領で花びらを起ち上げて立体にしていくだけです。

ファイル 1389-4.jpg
▲失敗例:折りが甘いとこうなっちゃう。井げたの真ん中を四角く折るところと、斜めの折り線をしっかり正確につけないとダメみたい。

ファイル 1389-5.jpg
▲比較的上手に折れた部分


 クリスタルローズと違って面倒な製図がない分、こっちのほうがとっつきやすいです。

折り方はこの本に出ています


【送料無料】究極の夢折り紙
花の章:1分ローズ、ブライダルローズ、クリスタルローズ、バラのつぼみ、薔薇、マリーゴールド、大統領の桜玉、やぐら水仙/超幾何の章:風の種、雪華、不可思議キューブ、鉱石、指食い壺、鳴門のうず潮、うずコースター・うずマット、うずキューブ・うず玉、編み玉、まき貝のギフトボックス、星形多面体、迷宮、フレキシブル正4面体

タグ:おりがみ おりがみの薔薇

1枚の紙で9個の川崎ローズを折る離れ業:ブライダルローズ

 ブライダルローズは川崎ローズの作者である川崎敏和さんの立派な作品です。おりがみというのは再現芸術なので、手順通りにやったら誰もが同じものを作れなきゃいけません。

 そうは言っても難しいのがおりがみです。今回折ったのはこれ。1枚の紙で9枚の川崎ローズが折れちゃう、3x3ブライダルローズです。
ファイル 1388-1.jpg
 バラの部分は 24cm 四方の紙を使って折りました。外側の箱は別紙です。

 9個それぞれが難しい方の川崎ローズみたいな構造になっています。1個だって難しいのに 9個ですから、これはもう離れ業としか言いようがありません(笑)

ファイル 1388-2.jpg
 裏側はこんな感じになっています。自分でやっといてなんですが折りが甘すぎますね。もうちょっとピシッと行かないと……


 作者の著作権を尊重したいので折り方の説明はできませんが、発想としては布に渦を作るのと同じです。

 頭の中にハンカチのような布を思い浮かべてください。

 ハンカチの真ん中を指でつまんでねじると渦ができます。見ようによってはバラみたいですよね。

 ハンカチを広げて、今度は 2カ所つまんで同じ方向にねじってみてください。渦が(バラが)2個できますよね。3カ所やれば 3個できるし、 9カ所やれば 9個です。

 これを紙でやるわけです。紙には布のようなしなやかさがありませんから、うまくねじりができるように、細かく折り目をつけてやり、えいやっと丸めていきます。

 まずはバラの個数を少なくして練習します。
ファイル 1388-3.jpg
▲ 2x2 ブライダルローズ

ファイル 1388-4.jpg
▲紙はこんな風に、マス目を作ってから、斜めに切り出します。福山ローズではなく、難しい方の川崎ローズを思い浮かべてください。あんな風に、紙に対して斜めの方眼ができるように製図します

 そうです、製図です。ブライダルローズのもっとも難しい部分は折りではなく製図だと思います。難しいというか、めんどくさいんですよね。製図が面倒で何度挫折したことか。

ファイル 1388-5.jpg
 製図が終わったら、川崎ローズを折る時のように、井げたのひねりを作って行きます。この時、それぞれを同じ方向にひねること、また、井と井を結ぶ腕にもひねりがあるので、立体になる(平面にはたためない)ことがポイントです。

 これを 3x3 にしたのが最初に貼ったこれです。
ファイル 1388-1.jpg
 24cm 四方の紙に、12mmの方眼を作ってから(20x20の方眼になる)、5ます右に進んで1下がる斜めの正方形を切り出して作りました。

折り方はこの本に出ています


【送料無料】究極の夢折り紙
 今回紹介した「ブライダルローズ」のほかに、福山ローズみたいなやつを 1枚の紙に16個作っちゃう「クリスタルローズ」も掲載されています。また、巷で大人気の桜玉を、さらに改良した「大統領の桜玉」、これまでちょっと難しい数学寄りの本にしか載っていなかった「バラのつぼみ」など、そそるものが沢山掲載されています。税込1680円です(2012年現在)。
 

付録(本を読んで製図法を知ってからでないと役にたちません)

 バラの個数と、紙のサイズの関係は次の計算式で導きます。

(5 x a + 5 ) x b = 紙の大きさmm

a はバラの1列の個数(3x3 ならば 3 ってこと)
b は方眼のサイズ(1マス 10mm とか 12mm とか)

 たとえば 3x3 を10mm 方眼で折りたい場合、(5 x 3 + 5)x 10 =200mm になります。つまり20cm の紙を用意して、本に書いてあるやりかたで製図します。


 一般の文具店などで売られている大判の折り紙は 24cm(240mm)四方であることが多いんですが、これから 3x3 のブライダルローズをとるなら、

240 = (5 x 3 + 5)x b
240 = 20b
240 ÷ 20 = b
12 = b

というわけで、1マス 12mm の方眼を書けば 3x3 ローズがとれます。

 4x4 をとるなら

240 = (5 x 4 + 5)x b
240 ÷ 25 = b
9...15 = b

なので、240mm から 15mm 分切り捨てて 9mm の方眼を書けば OK です。

 まあ、1マス10mm より小さくなると折りにくいので、240mm 四方ならば 3x3 ローズが限界でしょう。

 書いてて自分でも知恵熱が出そうなのでこのへんで。

タグ:おりがみ おりがみの薔薇

自作?おりがみ:ミラージュキューブ

 うちは手づくり系不思議サイトなので(さっきと言ってることが違うじゃないか)、たまにはおりがみネタもやっとかないといけません。

ミラージュキューブとは

ファイル 1338-1.jpg
 この写真の右側の箱がミラージュキューブです。左側のようなパーツを6枚使って組み立てるユニットおりがみです。

 折り方や組み方は自分で考えたので、いちおう珍獣おりじなる作品ということになりますが、ある作品を睨み折りしているうちに思いついたものなので、正確には既存作品のアレンジになります。

 最初はカレイドキューブという名前にするつもりでしたが、まったく別の紙細工とかぶってしまいます。ウィンドミルキューブだと立体パズルの名前とあたるらしいです。仕方ないのでミラージュキューブということにしました。

ミラージュキューブ誕生のいきさつ

 先日、mixiのあるおりがみサイトで、下のような写真のおりがみ作品の作り方をたずねる書き込みがありました。
ファイル 1338-2.jpg
 この写真はわたしが折ったものです。質問者は「コースター」という名前だったと書いていました。

 おりがみを二枚使うことはすぐわかります。外側の(黄色と白の部分)パーツが中原恭子さんの「ひまわり」であることは間違いなくて、これはもとから折り方を知っています。

 問題は中にはめ込まれているパーツ(ピンクと白の部分)です。この部分の折り方を考えているうちに誕生したのがミラージュキューブです。

折り図

ファイル 1338-3.jpg
▲クリックすると大きくなります

 言葉で説明すると、最初に座布団の基本形を折って、中心のひだを折り返し、裏返してから風車の基本形にする感じです。

組み立て方(名づけてカタツムリジョイント)

ファイル 1338-4.jpg

 折り図のとおりに折ると、四方の辺の部分に袋ができるはずです。そこに腕になってる部分を差し込むのですが、互いの腕を互いの袋に差し込むので、カタツムリジョイントと名づけました。

 カタツムリは雌雄同体です。それぞれに、女性器と男性器があります。交尾する時は、互いの女性器に互いの男性器を差し込んで、ぬらぬらのがっぷり四つとなる寸法です。珍獣の館は子供の夢をはぐくみません。いっそカタツムリオブジョイトイと空目していただいてもかまいません。

ファイル 1338-5.jpg
▲写真にするとこんな感じ。あとは紙でサイコロを作る時と同じように組み立てれば完成です。

 組み立て途中は壊れやすいので、慣れるまではセロテープか糊で固定してもいいでしょう。慣れたら貼らなくても組み立てられます。きちんとキューブになってしまえば意外と丈夫です。

 糊で貼ったら薗部式みたいに金平糖型にも組めるかもしれません。貼らないとキューブが限界だと思います。

お願い

 あまりひねりのない作品なので、すでに別の方が思いついて本などで発表している可能性もあります。もし同じパーツで、同じ組み方をする作品が載っている本を見つけたらご一報ください。


 と、なんだか仰々しいことになってしまいましたが、簡単な折り方で、面白い模様が出るユニット作品ですから、よかったらみなさん折ってみてくださいね。

タグ:おりがみ