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おやつ:山形県鶴岡市の珍菓「きつねめん」

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 銀座にある おいしい山形プラザ(アンテナショップ)でみつけました。媚びたところのない古い顔立ちが素敵すぎて、脊髄反射で購入しました。

 その名も珍菓きつねめん。写真のものは鶴岡市内にある梅安という和菓子屋さんのものです。なんでも鶴岡では狐のお面をかたどったお菓子が伝統で、複数の和菓子屋さんがデザインの違うものを作っているそうです。

 天保十一年(1840年)のこと、庄内藩のお殿様である酒井忠器は、なんの落ち度もないのに幕府から国替えを命じられました。行き先は庄内藩より石高(こくだか)の低い長岡藩だそうですから納得できるはずもありません。

 これに怒ったのはお殿様だけではありませんでした。百姓や町民が立ち上がり「何卒居成大明神(なにとぞいなりだいみょうじん)」の旗印をかかげて反対運動をはじめたのです。このスローガンはもちろん稲荷大明神にかけた洒落です。

 さすがの徳川幕府も一般民衆の心情を察して命令を取り消し、酒井のお殿様は庄内藩にいられることになりました。世に言う天保義民事件です。

 それからというもの、庄内藩(今の鶴岡市あたり)では稲荷のおつかいである狐の面をかたどった駄菓子が作られるようになったということです。

 梅安の「きつねめん」は小豆の粉と白砂糖・黒砂糖で作ってあるそうです。甘さと口どけのバランスがよく、かなり美味しいです。

◎おいしい山形プラザ(銀座にあります)
http://oishii-yamagata.jp/

◎菓子の梅安(サイトがないので食べログで)
http://tabelog.com/yamagata/A0603/A060302/6004447/


# 楽天かAmazonで通販してないかと思ったけどなかったですわ。

タグ:おやつ

岩塩ではない、温泉を煮つめて作る山塩の話

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 大鹿村歌舞伎の記事にチラッと書いた鹿塩(かしお)の山の塩はこれです。

 長野県大鹿村には二種類の温泉が湧くそうですが、そのうちのひとつ、鹿塩温泉のお湯は塩分を多く含んでいて塩からいのです。伝説によれば、鹿が泉をなめているので発見された温泉とのことです。

 その温泉の湯を煮つめて作った塩が山の塩です。山塩館という旅館で作っているそうですが、数が少なくて実は手に入れるのに少し苦労しました。


 わたしは7月の中頃にも大鹿村をおとずれています。その時「塩の里」という名前の道の駅みたいな施設(道の駅ではないらしい)で聞いてみたところ、生産量がとても少なく、滅多に入荷しないと言われました。

「山塩館という旅館で作っているから、直接行ったらあるかもしれませんよ」

 店の人におしえてもらって旅館にも行ってみました。ところが、旅館の人が申し訳なさそうにおっしゃるには、

「うちでは宿泊のお客さんの分だけ作っていて、中には "二人で来てるから一個でいいよ" とおっしゃる方もいらっしゃって、余った分をお分けしてるんですよ」

ということで品切れだったんです。

 で、どうしたかっていうと、あちことまわっているうちに、あるお店で「身内にあげるぶんだったけど、内緒だけどお分けします」って売ってくれた人がいて、今この塩が家にあるというわけなんです。どこで買ったかは内緒にしてほしいって言われたので書きませんけどね。

 料理に使っちゃうのはもったいないから、茹でた野菜にちょっとふりかけたりして大事に使っていますが、これが絶妙においしい!

 粗塩とくらべてみると、山の塩のほうが塩からいです。それとうま味の質もずいぶん違います。山の塩は、塩というより醤油のようなうま味を感じます。

 たぶん、普通の塩みたいに料理に使っちゃうとわからなくて「なんだ普通じゃない」となっちゃいそうなので、茹でただけの野菜とか、固ゆでの卵とかにかけて食べると違いがわかると思います。この違いに気付くと山の塩のとりこになりますよ!

 村歌舞伎の朝に塩の里をのぞいたら、稀少なはずの山の塩が塩の里に沢山置いてありました。観光客が沢山くるので旅館の人が多めに作ったんだと思います。

 きっと飛ぶように売れちゃうんだろうなと思っていたら、歌舞伎が終わった時も少し残ってました。なければないでガッカリだけど、売れ残っているとそれはそれで寂しいような気がします。

 売り場にはなんの説明もなく置いてあったので、知らない人には意味がわからなかったんでしょう。手にとって「岩塩でしょ?」って言ってるのも見ましたが、岩塩とも違うんですよねー。

 なんでも、塩水がわくので岩塩の地層があるにちがいないって、掘ってみた人もいたらしいんですが、結局岩塩は見つからなかったそうです。

 海から離れた長野県の山奥に塩の水が豊富にわく理由は謎のままですが、大鹿村は鹿塩の地には、今でも塩からい温泉が豊富に湧いています。

 鹿塩温泉には旅館が三軒しかありませんが、それぞれがお客さんの少ない時間帯などに日帰り温泉をやっているので、一度いれてもらったことがあります(料金は数百円程度です)。

 無色透明で香りのないお湯です。しかし、なめてみると海の水のように塩からいお湯でした。

タグ:長野 食材

お麩ばっかり勢ぞろい

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▲左奥:油麩(仙台麩)/右奥:車麩/左手前:餅麩/中ほど小さいの:小町麩/右やや大きいの:観世麩/手前のカラフルなやつ:手まり麩

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▲油麩(あぶらふ)です。宮城県の名物で仙台麩とも呼ばれています。乾いた状態で 2〜3cm の厚さに切って、汁の多い煮物にはそのまま、汁の少ない炒め物などにはあらかじめ水につけてしぼってから使います。かなり存在感があり、このお麩を卵とじにしてご飯にのっけた油麩丼は宮城県登米市の名物です。

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▲車麩(くるまぶ)です。このバウムクーヘンのような切り口を初めて見たときは衝撃的でした。これがお麩なのか?! 水でもどして四つ切りくらいにして煮物などに使います。まるで肉のような存在感です。出汁を吸わせて衣をつけて揚げるとトンカツのブタの代わりになります。切り口がバウムクーヘンになっていない、一重巻きのものもあるみたいです。

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▲餅麩(もちふ)です。これは伊豆方面のスーパーマーケットで買いました。名前のとおりちぎって丸めた餅のような形をしています。関東ではあまりみかけない形のお麩です。珍しいのは形だけだろうとたかをくくっていましたが、実際に食べてみると出汁をよく吸ってぷるんぷるんになり、ちゅるっとした食感が癖になります。形は餅に似てますが、ちゅるっとした感じは雲呑(ワンタン)に似ているような気もします。汁の具に最適。

 ちなみに、餅麩という言葉で検索すると、生麩(なまふ)のことを別名で餅麩と呼んだりするようですが、写真の餅麩はあくまで焼き麩(やきふ)で、原材料も「小麦タンパク、小麦粉」と小町麩などと同じものです。

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▲手前に見えているのは手まり麩で、このままお吸い物などにぽんぽん入れて彩りに使います。上段左の小さいのはお徳用麩という名前で売られていましたが、たぶん小町麩(こまちふ)と同じものだと思います。上段右の大きいのはよく見ると薄く渦巻き模様が入っていて観世麩(かんぜぶ)と呼ばれているものです。もう少し渦巻きがしっかり入ってるものが本来の姿かな、と思います。


 上記は餅麩以外、すべて東京都内のスーパーマーケットで購入しました。伊豆で買った餅麩のことを書こうとして、ならいっそ勢ぞろいさせたらどうかと思って買ってきました。

 実は、お麩にはいろんな種類がありまして、以外と地方色があるっぽいんです。そのことに気付いてからは旅行に行くとスーパーのお麩コーナーをなんとなくのぞくことにしています。

タグ:食材

2時間並んで蕎麦を食べた話

 つねづね「戦時中でもあるまいし食べるために行列するなんてアホか」とか言ってるわたくしですが、このほど二時間待って蕎麦を食べるという自分自身にアホかと突っ込みたくなるようなことをやってしまいました。

 それというのも、ゆえあって良く通る場所に、金・土・日・祝日しかやってない、蕎麦が終わったら閉まっちゃうという、気になるような気にしないで通り過ぎたいような手打ちそばがありまして、たまたま営業日の開店直後に店の前をともだちと通ったので入ってみようってことになったのです。

 その店は私道の奥にあって、公道からは看板くらいしか見えません。庭まで入ってみると看板やのれんが出てなかったら普通の農家みたいな作りの家です。

 到着したのは開店のきっかり五分後。中では何組かが蕎麦が出てくるのを今か今かと待ってるようですが、そんなに数は多くありません。庭にも椅子が置いてあり、何組か待っていますが、それもそうめちゃくちゃすごい人数というわけじゃないです。

 玄関で「順番待ちはどうなってますか」と聞いたら、「外に椅子がありますから座って待っててください」と言うんですが、待ってる人は何組もいるのに、指定された椅子に座ってるのは親子連れ一家族のみ。もはやどこが最後尾かなんてさっぱりわかりません。

 どうやら親子連れの次ってことで良さそうだと判断、ものが蕎麦だし回転はいいんじゃないかとたかをくくり待つことに。この判断が良かったんだか悪かったんだか、というところですけど、まあタイトルのとおり、そのまま二時間待つはめにおちいるわけです。


 正確に言うと店に入るまでに一時間半くらい、そこから蕎麦が出てくるまでにさらに十分かそこらかかったってことですね。

 その間に何組かがやってきては「これは無理ね」と並ばずに出て行きました。並んでしまうとこれまでに費やした時間が無駄になるので脱落しにくいですから賢明な判断といったところでしょう。

 後から来たお客さんが、最後尾がどこだかわからないと強く主張したらしく、店の人が出てきて「この椅子のここに座ってらっしゃる方からお呼びする決まりですから」という意味のことを言うので一同騒然。

 「そうなの?」「聞いてない」「どこでもいいんじゃなかったの?」「でもうち犬がいるから(家族と代わりばんこに食べて犬を見てたらしい)」などと口々にいいつつも、そこは日本人なのでなんとなく秩序が出来て順番通りに椅子が埋まりました(笑)

 そうして待ちはじめてから一時間半くらいたって、やっと店の中に入れました。中も古い農家といった感じです。かなりリフォームしてあるらしく、見た目はそれほど古く感じないのですが、検索してみたら大正時代の建物だそうです。お店の雰囲気は悪くなかったです。

 メニューは二八蕎麦の蒸籠が1000円、天蒸籠が1600円だったでしょうか(たぶん外税)。ほかに温かい蕎麦もあるようでしたが、みんなだいたい蒸籠か天蒸籠を頼んでるようでした。

 一日に十食くらい十割蕎麦があるそうですが、開店前に並んでた人たちだけではけてしまうらしく、この日はもう売り切れだと言ってました。というわけで二八の蒸籠を一枚ずつ注文。

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▲そして最初に出てきたのはこれ。蕎麦豆腐だそうです。お通し?それとも料金内?この日はともだちのおごりだったのでちょとわかんないです。とにかく、この蕎麦豆腐はすごくすごーーく美味しかったです。

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▲そんでもって蕎麦はこれです。右手前にある蕎麦色のゼリーのようなものは蕎麦羊羹でした。蕎麦豆腐の美味しさにくらべると、羊羹はどっちでもいい感じでしたけど、まあそれなりに美味しかったです。

 肝心の蕎麦の味なんですけど、ここで不味かったら爆笑なんですが、まあなんていうかその、不味くないです。並ばずに食べに来られるんなら手放しで美味しいって言うと思います。ただその、言いにくいんですけど、二時間待って食べたいかって聞かれたら遠慮したいかな(笑)

 きっとこのお店は限定品の十割蕎麦を食べないといけないんだと思います。もしチャンスがあったら今度は開店前から並んで十割に挑戦したいと思っています。


手打蕎麦・宮前 松戸の里
場所は松戸市の旧有料橋(上葛飾橋)の下あたり。鵜森神社の近くです。
挽きたて、打ちたて、茹でたてにこだわる店とのことでした。

この夏個人的にかなりヒット商品だった千葉県芝山町の「白なす」

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 白なす、というわりに真っ白ではなくて、すこし緑がかっています。ヘタも緑で、形は米ナスに似てる。千葉県の芝山町というところで栽培されてるものだそうです。

 付属の説明書に、分厚い銀杏切りにして素揚げにしたのをストレートタイプの麺つゆにつけておくと美味しいと書いてあるのでやってみたら、身がとろりとして、ほんとに美味しい!

 揚げびたしは普通のナスでやっても美味しいのですが、身のとろけ感が白なすのほうが優っていますね。

 個人的には麺つゆにみりんを加えて少し甘くしたほうが美味しいような気がします。ストレート麺つゆをわざわざ買わなくても醤油とみりんを混ぜたもので充分美味しい。みりん多めで。

タグ:食材

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Sari (10/04 06:05) 編集・削除

こんにちは、
おっきなナスですね。
見つけたら素揚げにしてみます!

先週、手賀沼に行ったのですが、道の駅に緑ナスというのがあったので買いました。
ソーセージのような細長い形で、焼き浸しにするとおいしいと添え書きがありましたが、炒めちゃいました。
柔らかくて美味しかったですが、やはりちゃんとやってみれば良かったかとちょっと反省してます。

色々野菜などを買ったのですが、バターナッツかぼちゃが重かったのであきらめました。
これも残念だったなと今更・・・次回は車で行こうと目論んでます。

最近は知らない野菜が出回っていて面白いですね。

珍獣ららむ〜 (10/04 07:48) 編集・削除

こんにちは。
手賀沼というと、道の駅しょうなん でしたっけ。
あそこ面白いですよね。前に行った事があります。
緑ナスはまだ見た事がないので、そのうち探してみます。
情報ありがとうございましたー!