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5月1日(土)
 動物文学者の戸川幸夫氏が亡くなったそうです。享年 92 歳。急性腎不全でした。10 年前に脳梗塞をわずらい、今年 3 月には肺炎で入院していたそうです。

 戸川幸夫といえば、珍獣様的には『高安犬物語』や『牙王物語』の作者としてものすごく思い入れがあったりするのですが、一般にはイリオモテヤマネコの発見者というほうが通りがいいんでしょうか(って、そっちもあまり知られてはいないかもだけどさ)。

 たしか、自宅だか仕事場だかでイリオモテヤマネコをしばらく保護してたことがあるって聞いたような気がします。猫のように慣れることはなかったけど、人の顔を見分けて襲わない程度にはなるって言ってたような気がします(「気がする」だらけですまん。昔ちらっと小耳に挟んだ話なんだよ)。

 
5月4日(火)
 ものすごい風。クロアゲハが飛べなくなって、飛ばされてました。
 
5月5日(水)
 今朝は夜明け前に月食があったはずなんだけど、しっかり寝てました。そもそも東京は曇ってたみたいなので、起きてても見られなかったとは思うけど。
 
5月8日(土)
 代々木公園でタイフードフェスティバルというものが開催されるというので見に行きました。タイ料理の店やタイの物産を売る店が100店ほど屋台を出して、たいそう賑やからしいんです。

 お昼ごろ原宿の駅について、人の流れにそって歩いてゆくと公園の入り口にたどりつきました。ところが、辺りにはそれらしい屋台もなければ案内用の看板もありません。

 白状しますが、わたくし東京に 15 年ほど住んでいて、代々木公園にまともに足を踏み入れたことがございません。その土地に住んでいれば土地のことに詳しいだろうと思うのは大間違いです。観光地なんか、用がなきゃ行かないのであります。東京都民は東京タワーにのぼらない法則と同じです。明治神宮には知人のピアノの発表会か何かの時に来たことがありますが、公園には寄らずに帰ったようです。
タイフードフェア入り口
 そんなこんなで、代々木公園がどれほど大きいかさえわからなかったので、一体どこでやってるのかなぁっていうか、ホントにやってんのかなぁ、なんてことを言いながらダラダラ歩いていると、道を挟んで向こう側に、なにやら人だかりがしているようです。

 行ってみると、そこがまさしくタイフードフェアの会場でした。NHK や陸上競技場のあるところです。そういえば NHK にも知人の何らかで前に来たことがあったような気がするのですが、この時も公園には寄らずに帰ったようです。

ドラゴンフルーツ 
 会場はお昼時ということもあって人・人・人でごった返し、どの店も長い行列が出来てる…かと思えばぜんぜん人のいない店もあるんですが、とにかくお腹がすいていたので入り口付近の果物屋さんでドラゴンフルーツとドリアンを買って食べました。

 ドラゴンフルーツというのはある種のサボテンに成る実(?)で、日本でも沖縄あたりでは栽培されてるみたいです。果肉の赤いのと白いのがあって、その店で売られているのは白いのでした。食べてみるとシャーベット状に凍っていて、味は…うーん、凍らせてあるせいかあまり味を感じませんでした。これは凍らせて食べるのが普通のものなのかしら?

ドリアン ドリアンは果肉を小さなプラスチックのパックに詰めたのが売られてました。フルーツの王様とまでいわれながら、その臭さゆえに東南アジアの高級ホテルではドリアンの持ち込みを禁じているところもあるという、あのドリアンです。

 どんなに臭いのかと期待して開けてみると…何かがすえたようなクセのある香りがしますが、とりたてて悪臭というほどのことはありません。ちょっとガッカリしながら果肉をスプーンで口にいれると…わぁ、何コレ、おいしい!

 とにかく舌触りがねっとりとしてなめらか。室温でやわらかくなったバターみたいな舌触り。バターにたとえられる果物と言えばアボカドが有名だけど、アボカドは甘くないでしょ。ドリアンの果肉はアボカドなんかよりずっとなめらかで、それでいて脂っぽいとかしつこいとかいうのではなく、さっぱりと甘いの。

 できることならドリアンの実を丸ごと抱え込んでひとりで食べたいってくらいに気に入ってしまったのですが、高級フルーツなので 1 個 2500 円くらいするのよ。うわーん、昔にくらべて安くなったとはいえ、この値段じゃしょっちゅう食べられないよう。

 ドリアン初体験で身もだえしたあとは、もう少しお腹にたまるものを食べてみようと会場をひとまわりしてみました。どこも日本で店を出しているタイ料理屋さんのようです。お腹がすいているのでなるべく行列していないお店を選んで、豚肉のバジル炒めをぶっかけたご飯とグリーンカレーを食べました。行列してないからといって不味いわけじゃなくて、どっちも美味しかったです。

 ところで、今回は単にタイ料理を食べに来たわけではありません。それなら街角のタイ料理屋さんに入ればいいのですから。実は去年のフェアに巨大イナゴの唐揚げを出す店が来ていたという情報をさる筋から手に入れ、虫好きとしてはぜひ食べてみなければならぬという使命感に燃えてしまったわけなのです。

 ところが、問題の店がみつかりません。会場をぐるぐるまわって、今年は来てないのかなぁと半ばあきらめかけたころ、目立たないところにあるテントで問題のブツを発見しました。

 そもそもイナゴというのは、分類学的に言うと直翅目バッタ科イナゴ属(Oxya)に属する昆虫の総称ってことになってるらしいです。でも、言葉の上ではバッタの小さいヤツで稲に付く害虫くらいのものだと思います。つまりバッタとの境目がほとんどないの。

 タイ料理の屋台にあったイナゴが正確になんという種なのかちょっとわかりませんが、日本人の感覚でいえばイナゴというよりバッタ。それもトノサマバッタ級の大きなやつです。翅も足もついたまま、油で揚げたか炒めたかしたものがステンレスのバットに入れてありました。量が少なめなのは、売れてしまったからなのか、売れそうもないので少なめにしたのかよくわかりません。

 お店の人に「これ下さい」と言ったら、最初に出てきた女の人(タイ人だと思うんですけど)が一瞬ビビってホントに食うのかって顔をして別の店員を呼んできました。虫嫌いだったのか、日本語がわからないので腰がひけてるのか、これまたよくわかりませんでした。

 次に出てきたのは日本人だったので、
「このイナゴはタイから持ってきたんですか?」
と聞いたら、一瞬「そうです」と答えかけて、店の奥にいるタイ人の女性に
「タイのイナゴですかって聞いてるわよ〜」
と言ってました。どうやらこのお店に虫を置くことを提案し、毎年続けているのはその人らしいです。その女性は嬉しそうに、
「そうです。タイのイナゴです。よろしければ手で摘んで食べてください」
と言ってました。もちろん珍獣様は手づかみで食すつもりであります。

 こうして、発泡スチロールの小さなお椀にタイのイナゴをよそってもらいました、値段は 200 円だったかな(ひょっとすると 300 円だったかも)。日本でイナゴの佃煮を買うと、500 円でもっとドッサリ来るのでかなり高いです。さすが舶来のイナゴだと思いました。

イナゴ(?)の炒め物
 一番大きなやつを摘んで口に入れようとしたら、近くを歩いてるカップルが、
「すみません、その虫はどこで売ってますか」
と言うので、お店の場所を教えてあげました。どうも、その人たちも虫が来るとういウワサをどこからか入手して店を探していたようなのです。なんだ、けっこう人気あるじゃん。

 というわけで、改めてパクリ。
 スパイシーなイナゴの炒め物でした。正確な作り方はわからないけど、想像ではイナゴを捕まえて糞させてから茹でて、油(もしくはラードかもしれない)で炒めて味付けは何らかの香辛料と塩って感じかな。けっこう美味しいです。

 よく見ると、イナゴだけじゃなくコオロギも入ってました。へ〜、タイじゃコオロギも区別しないで食べちゃうわけねと、これまた躊躇せずにパクリ。この手の虫に味の差なんかないだろうと思っていたのですが、コオロギのほうが味にコクがあって美味しいです。これには自分でもちょっとビックリ。

 さらに食べ進むと、イナゴ(バッタ)でもコオロギでもないものが出てきました。ケラです。俗に言うおケラってやつです。ちょうど今時分、夜になるとビーって鳴いてる虫がケラです。都会にもけっこういますよ。江戸川区でも葛飾区でもケラの声を聞いたことがあります(っていうか、うちのまわりで毎晩聞こえます)。

 そういえばケラも直翅目だし、コオロギに近い虫だよね(鳴き声もコオロギ系だしさ〜)。へえ、こんなのも食べちゃうのかーと、こちらもパクリ。コオロギほどコクはないけど普通に美味しいです。

 虫を堪能したあとは、また会場をウロウロまわって最初に入ったのとは別のお店で果物を買いました。今度はランブータンとカスタードアップル(釈迦頭)というのを食べてみたんですけど、どちらも凍っていて、味のほうは今イチでした(下の写真右がランブータン、左が釈迦頭)。
釈迦頭ランブータン
 どうもタイの果物には害虫の関係で輸入規制のかかっているものが多いんです。最近になってマンゴスチンは輸入が解禁されましたが、ランブータン、カスタードアップル、ドラゴンフルーツなどは加工して虫の心配をなくさないと持ち込めないらしいです。凍ったのも不味くはないですが、どれもこれも味が寝ぼけていて、あえて食べたいようなものじゃないなあ。ただ、味を感じないだけで糖分はしっかり残っているみたい。果汁で手がベタベタするし、食べた後にやたらと喉が渇きました。冷凍されてないのを食べてみたいなあ。

 ついでにドリアン解体ショーを見て、刺だらけの殻から取り出したばかりの果肉を買って食べました。ああ美味しい。やっぱりドリアン様は果物の王様でいらっしゃるわ。

ドリアンの皮 お腹もいっぱいになったことなので帰ることにしました。解体ショーのお兄さんにお願いして、ドリアンの皮をもらいました。皮は固い刺におおわれていて、まるで怪獣の背中のようです。面白いから持って帰ることにしました。うまく乾燥させられたら置物になるかも。

 持って帰る間もほのかに甘い香りがしてましたが、悪臭ではないので油断して台所に放置したまま寝てしまいました。翌朝起きてビックリ。ものすごいニオイです。何にたとえていいかわからないのですが、雑巾を大量に腐らせたような変なニオイです。ああ、これが高級ホテルでドリアンの持ち込みを禁じている理由なのか!

 あわてて皮は外に出しましたが、ニオイは半日くらい消えませんでした。さすがドリアン様、ニオイも王様級でいらっしゃるわ(涙)
 

[追記]
 ドリアンの皮は雨が続いて腐ってしまいました。
 
5月11日(火)
 ぐはぁ、暑い。なんじゃこの暑さは。昨日は寒いくらいだったのに今日は夏日だって。もー、地球さんったら今年もぶっ飛んでるわね。がぼ様(猫)も今日はおとなしいです。というより、暑くて動けないみたいです。台所の床の上でべろ〜んと寝てます。

 そろそろ虫の季節。また虫写真がたまってきたのでメルマガで虫日記でもやろうかな。
 

5月12日(水)
 ぐはぁ、うるさい。なんじゃこの騒々しさは。家の前でなんかの工事してて、朝からズガガガガガガガガガガっとすごい音。脳みそが沸騰しそう。勘弁してくれ〜。

 
5月15日(土)
 荻窪のこうらい亭という焼肉屋さんが狂牛病騒ぎその他もろもろでピンチで危ない感じになってしまい、今月末にとうとう閉店することになったらしい。毎月そこで、ある集まりの定例宴会があったので、店がなくなると集まるチャンスも減ってしまい、さまざまな点で困ってしまうわけなのだ。

 お客さんが増えればなんとかなるのかっていうと、そうでもないらしい。狂牛病騒ぎの前は毎月の宴会のときに参加者が少ないとマスターが「もっと人集めてよー」なんてことを言っていたけど今は逆。大勢集まってサービス牛を注文すると肉がなくなると悲鳴をあげてる。その店は和牛の店だが安いサービス牛は輸入牛。アメリカからの輸入が止まってから安い肉を仕入れられなくなったらしい。大食漢の集まる宴会だけど、おいしい和牛は高いので注文する人は少ないし、これじゃ商売あがったり。

 今時、狂牛病がこわくて牛を食べられない人ってのは少ないと思う。今日の宴会でも「プリオンがこわくて首都高に乗れるか」なんてわけのわかんないことを言ってる人がいたけど、たしかに交通事故にあうより狂牛病になるほうがよっぽど難しい。

 でも、だからってじゃあ輸入解禁しちゃえばいいじゃんともいいにくいんだよね。日本は伝染病に対して今までかなり杜撰なことをして騒ぎを大きくしちゃう傾向にあって、エイズだってもっと早い時期に非加熱の血液製剤の輸入・製造をやめてたら、これほど感染者が増えなかったはずだしさ。国レベルで慎重になるのは仕方ない、っていうかそのくらいでいてくれないと困るのよねえ。

 アメリカが「全頭検査」ってのをやってくれればいいのに、日本をなめてかかっているのか「抜き打ちで調べて平気だったから残りも大丈夫(たぶん)」とか言ってシカトとこいてるみたいだし。まったく、いつになったら牛不足が回復するのやら。鳥だと孵化してから二ヶ月くらいで出荷できるので、鳥インフルエンザとかで一時的に不足しても、わりとすぐ回復するんだけど、牛は育てるのに何年もかかっちゃうから、仕入先をオーストラリアにかえるとしても、品薄の状態から脱却するまでに長くかかりそう。

 そういえばこないだ死んだ人も焼肉宴会が好きで、しょっちゅう新しいメンバーを入れたがってほかの人たちが「それはどうよ」と苦言を呈したりしていたものだっけ。面白い人たちの集まりではあるけど、昔のパソコン通信時代からのグループなので、今時の人が事情を知らずに入り込んでも、わりと困るんじゃないかと思ったりするんだけどもさ。まあ、それはともかく、妙なタイミングで宴会自体もなくなりそうで、日は昇り、また沈み、時移りって感じだよね。

 
5月17日(月)
 今年も園芸の季節なんだけど、家の中がいろいろ片付かない上に、やらなきゃならないことも沢山あって園芸にまで手が出ません。とかなんとかいいつつ、変わったものをみつけるとつい買ってしまうダメなわたくし。今年はミントの類を集めてみたいと思うのです。

 最近はキャットミントというのが流行っているのでしょうか。こないだ買ったものはミントにしては刺激がなく甘ったるい香りのする葉で青い花が咲きます。学名を調べてみると、キャットミントはキャットニップと同じくシソ科 Nepeta 属の植物で、どうやらペパーミントやスペアミントとは属レベルで違う別種。シソ科の仲間という程度のつながりしかなさそう。

 そもそもミントって何なのでしょう。シソ科植物のうち香りの強いものを言うことは確かなのですが、同じシソ科で香りのあるラベンダーのことはミントとは言いません。ミントにあたる日本語は薄荷(はっか)ですが、梅干に色をつける紫蘇(しそ)のことは、香りがあっても薄荷とはいいません。

 だったらキャットミントやキャットニップはミントのカテゴリーからはずしてもよさそうなのに、大まかなところでミントの仲間にされているのは花や葉の形が似ているからなのでしょうか。

 ところで、キャットニップは名前のとおり、その香りを猫が好むといわれていますが、だったら仲間のキャットミントはどうなのかと思って、最近ご乱心ぎみのがぼ様(猫)に意見を聞いてみたところ「オレサマは興味ないね」とつれないお返事でした。けれど、彼の場合はあらゆることに関して感覚がにぶいというか寝ぼけていらっしゃるので、すべての猫が同じ反応するとはいえません。もっとも、今のところ野良猫のみなさんに荒らされる様子もないので、猫寄せ効果があるとしてもそれほど強烈なものではないのでしょう。

 キャットミントは見た目からしてやわらかくかわいらしい草花なのですが、やはりミントというからには刺激的でしゃっきりするような香りのものが育てたくて、ペパーミントとスペアミントも買ってしまいました。どれも一鉢 200 円程度の小さな苗だけれど、丈夫な連中なので夏までに嫌というほどはびこってくれるでしょう。 

 ミントといえば、何かの本で読んだのですが、イギリスあたりの田舎にあるホテルでは、夏にくるお客さんには、手をあらってさっぱりできるよう洗面器にミント入りの氷水を出すことがあるそうです。夏になったらこれをやりたいのですが、この場合プラスチックの洗面器なんかじゃなくて、琺瑯引き(ほうろうびき)の白い洗面器なんかだったらいいなと思うのです。どっかに安く転がってないかな。

 これまた何かの本で読んだのですが、モロッコあたりでは、中国の緑茶を使ってミントティーを作るそうです。生のミントをひとつかみマグカップにぐしゃっと詰め込んで、そこへ緑茶をそそいで最初の一杯は捨ててしまいます。中国茶は洗茶といって最初の一杯を飲まずに捨てることがあるのですが、その一杯でミントも洗うのです。こうすると生の葉についている雑菌も死ぬでしょうし、香りがたちやすくなるそうです。それからもう一杯緑茶を注いで飲むのですが、ガラスのマグカップで作るとたいそう美しいのです。モロッコではこれに砂糖をたくさん入れて飲むのだとか。残念ながら何ミントで作るのか、その本には書いてありませんでした。昔これを日本のお茶で作ってみたところ、おいしく作れるときと香りが寝ぼけてしまう時がありました。ミントに種類があることすらよく知らなかった頃のことなので、今年はちょっと研究してみようかと思います。

 そういえば、去年はラベンダーばっかり何種類か作ってみたのでした。引越し前に一鉢枯らしてしまったものの、ほかの鉢は全部持ってきました。フレンチ系のラベンダーは今年も変な形の花を大量につけたし、去年買いあさったイングリッシュ系のラベンダーも咲いてます。今年はほんとによく咲いて、作ってる本人が「そこらのお店にあるのより自然な味わいで素敵だわ」と自画自賛するような見事さですが、世話らしい世話はろくにしていないので、それもこれも自然の成り行き。美しき天然といった感じです。

青い花園キャットミントの花
 写真右がキャットミントの花。左は鉢植えのハーブを適当に写したものですが、手前がキャットミントで奥がイングリッシュ系のナントカ言うラベンダー。あんまり意識してなかったけど、ひょっとすると青い花が好きなのかも。この時期になると青い花ばっかり咲きみだれるんです。
 
5月19日(水)
 はあ、天気悪いとかったるい。猫の気持ちがよくわかるわ。

 今年やるかもしれないアレやコレやのひとつに 珍獣の食卓 の復活があるのですが、これが何度も愚痴りまくってるように、それなりに手間がかかるので実は手を出したくなかったり。

 無理せず毎日食べてるものの中から面白いものを、とは思うんだけども、じゃあ毎晩の食事を写真とってどーのこーのやってこらんって言われてハイって元気に手をあげられる人あんまりいないでしょ(笑)

 そのわりに、なにか得るものがあるかっつーとあんまりないんだよねえ、これがまた。いっそ嫌がらせのように有料で出して自爆してやるかとも思うんだけど、そこまでして作業をふやさなきゃならないほど暇じゃないし。

 たまに「復活しないんですか〜」って言ってくれる人はいるんだけど、そういう人はメルマガにくっついてくる広告リンクをクリックするくらいのことはしてくれるのかなぁ、なんてことを愚痴愚痴言ってみたりしてね。こっちも読者の少ない有料メルマガを出すより、無料で出してみんなに広告をクリックしてもらえたほうが気が楽でいいんだけどな。

 しっかしまあ、珍獣の食卓も久しぶりに読み返してみると、暴言吐きまくり、愚痴りまくりで、一体どこがいいんだか、やってる本人がいまいちよくわかっていない今日この頃。はやく雨やまないかなあ。
 

 それはさておき、国語学者の金田一春彦氏が今日亡くなったそうです。91歳でした。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0519/001.html

 
5月20日(木)
 メルマガの広告をクリックしてくれぇ、などと愚痴った昨日。その広告の中に治験ボランティアの広告があったので面白いから電話しちゃったわ。治験ボランティアっつーのは、新しい薬とか化粧品とか健康食品とか、そういうやつを使ってみて、どんな効果があるかのデータを得るためのボランティアで、定期的に病院で検査を受けなきゃいけないんだけど、そのたびに交通費+α程度の謝礼が出るらしいのよ。

 えー、新薬のテストに協力するなんて、そんなデンジャラスな〜って思う人も多いでしょうが、なんか、その手の治験って知らないうちにお医者さんに勝手にやられてるフシがあるのよね。証拠があるわけじゃないのでハッキリ言えないけど、前にかかってた医者が、病院用の問診票のほかに、内容が八割かぶっている別の問診票を「両方とも書いて通院するたびに提出してほしい」っていうのよ。

 最初はあまり考えもせず両方書いてたんだけど、さまざまな理由でその病院が気に入らなくなり「ナメんじゃねー、もうこんなとこ来ねぇ」という気持ちになって行かなくなったのですが、間もなくそこの医者から電話がかかってきて

「問診票をお渡ししたと思いますが、電話口でけっこうですので読み上げてください」

っていうのよ。

「はぁ? そちらへの通院はもうやめましたし、その必要があるのですか?」

と、返事をしたのですが、できれば答えてほしいというわけ。それも、二種類あるうちの片方だけでいいっつーの。

 ものすごーーーく不信感ありまくりだったのですが、その時はおとなしく答えてやりました。後日別の医者にその話をしたら

「ああ、それはアルバイトだね」

と一言。どうも製薬会社にデータを渡してお金をもらうバイトがあるらしいのです。

 お医者さんも自分で開業してるんじゃないと、ろくな収入にならなくて大変なんでしょう。でも黙ってやられるのはムカつくんです。ふざけんな。やるならわたくしにもお金ください(ちなみにこの話は 10 年くらい前のことで、今も無断でそういうことをしている医者がいるかどうか知りません)。

 と、こういう経験をしてしまうと、治験ボランティアを恐いというより、本人が理解してやるなら素敵な仕事じゃないかって思うようになってしまうのです。どんな薬だって、誰かに試してみなきゃ効き目はわからないし、実験台(って言い方は悪いけど)は必要なのですよ。

 そんなこんなで広告にあった会社のサイトを見に行って、コレステロールと中性脂肪高めの人ってのに応募してみようと電話かけたんですけど、その治験は医者からキケンと言われているレベルの人でないとちょっと、というので不発に終わりました。ちっ、面白そうだったのに。

 似たような治験をやってる会社が他にもいくつかあるから、ついでなので適当なところをみつくろって電話してみたところ、女性を対象にしている治験はわりと少なくて、あんまりチャンスはないかもしれないって話でした。会員登録しておけば何かあったときに連絡してくれるというので登録してしまいました。

 …と、広告もたまに注目してみると面白いことがけっこうあります。同じメルマガに「脱毛」と「増毛」の広告が同時に載ってたのをみつけた時は爆笑しました。毛が多いといっては悩み、少ないといっては悩むだなんて、人間の悩みって幅広くてたいへんだわ(場所がちがうっつーの)。

 
5月21日(金)
 台風一家が通り抜けたので抜けるような青空が広がってま〜す。
  ↑
 このしょうもない駄洒落は伝統芸能なので毎年言うことにしてるの。本当は「台風一過」なので真に受けないように(と、注意書きをしないとマジバリバリに信じる人が増えつつあるらしいので油断ならないわ)。

 それはともかく、ここ 4〜5 日ツバメの声を聞きません。しばらく前はうるさいくらいに鳴いてたのに。ツバメがいなくなったわけじゃなく、今日みたいな風の強い日でもぴゅんぴゅん飛びまわって餌をとってます。

 ちょっと調べたら、ピーチクパーチクジジジジジ(土食って虫食ってしぶ〜い)というあの声はオスのさえずりなんだそうです。ってことは奥さんがみつかったら歌わなくてもよくなるってこと? すると今ごろはどこかの軒下でよろしく致しておられるわけですね。むふふ。

 あんまり天気がいいので朝ちょっと散歩に出かけたのですが、水元公園は昨日の雨で水浸しでした。あっちこっち長靴でないと歩けないほどの水たまり。軟弱なので(というか引越たら近くなって必死に見てまわらなくてもよくなった)入り口付近をウロウロして帰ってきました。

 花菖蒲がたまーに一輪だけ咲いてたりしますが、花の見頃はこれからですね。6月の中頃に菖蒲祭りをするらしいです。その頃に満開になる予定なのでしょう。

 ちなみにわたくし、満開の花菖蒲はダイキライです。そもそもあの花はパンジーの次くらいに嫌いなのです。

 初夏に公園でわさわさ咲いている花菖蒲を見ると、ドリフのコントでバカ殿さまが腰元の女の子たちを何十人も侍らせているように見えるんです。

 全員そろって紫色の矢羽根絣の着物で腰には黒い帯。日本髪に結ったカツラが浮いてるやらズレてるやら。そこへ志村けんの殿さまが目隠しで現れて「どこじゃ、どこにいるのじゃ、まてまて〜」腰元たちは「お殿さま、こちらでございます。手の鳴る方へ」なんてこと言いながらきゃぴきゃぴ逃げ回ったりなんかしちゃったりして…

 ああ、そういうのがいいって人はもちろんいるでしょうし、ドリフのコントそのものは面白いから好きなんですけど、それを連想して風情があるとは感じないってことなのです。

 でも、川辺の芦原に一輪だけひっそり咲いてるとこなんかみると、ちょっと素敵だなと思うんですけど。

 ちなみに三番目に嫌いなのは大輪のリューリップ。
 わかる人にはなんとなく共通点を感じていただけるのではないかと。

[追記]
 その後冷静に考えてみたのですが、必ずしもハナショウブ(似たものでアヤメ・カキツバタ)のすべてが嫌いというのとも違うみたいなんです。

 水元公園の奥の方に、川とも水たまりとも判断のつかない小さな水辺があって、そこに黄色いアイリスが咲いてる場所があります。あえて細部を見てないのでアヤメなのかハナショウブなのかわからないんですが、菖蒲田にかためて植えられてるものより早めに咲いてしまう種類みたいです。

 誰かが植えたのか、自然に生えてきちゃったのかはわかりません。とにかく整然と並べて植えた感じじゃなく、なんとなくそこに咲いてる雰囲気です。この花はかなりイケてます。色が黄色いからハイカラな印象を受けるというのもあるんでしょうけど、これ見よがしに固めて植えた観光用の菖蒲なんかとは格が違うように見えるんです。

 そういえば、自分で花を育てる時も、これ見よがしに花ばっかり咲きみだれるものはあまり手を出さないし、要するに園芸用に丁寧にしてありますと言わんばかりのものが好きじゃないのかも(言わんばかりのものが嫌いなんだけで、丁寧にすることは嫌いじゃないってところが難しいところなんだけども)。

  
5月22日(土)
 晴れたのは昨日だけ、今日はもう雨模様だし、ああどんより。

 シェパードとチャウチャウなら、チャウチャウのほうが遺伝子的にオオカミに近いということがわかったんだそうです。えー、あのチャウチャウがオオカミに近いって、なんか信じられなーい。遺伝子的な近さと姿かたちの近さは必ずしも一致しないのね。目からウロコだわ。

 おまけに、古代エジプトで飼われいていた犬の血筋だと思われていたイビザンハウンドやファラオハウンドは、たった数百年前に現れた血統じゃないかって話になってるみたいよ。犬の歴史は古い文献から想像というか推理して「こうじゃないかな」と言われてるだけみたいなので、まあそういうこともあるのかなと思うけど、遺伝子を調べるとその犬種がいつごろ作られたものかわかるなんて不思議。何をどうするとわかるのかしら。

◎アサヒコム
http://www.asahi.com/science/update/0521/003.html

 
5月24日(月)
 昨日の『発掘あるある大辞典』で脳内視力の話をしてました。目で見たものは脳で処理して「何を見ている」と判断するわけだから、脳の働きがおとろえていると視力も落ちるというのです。

 そういえば珍獣様は、昔は目の前にあるものを探すのが苦手で、
「そこの○○取ってよ」
と言われると、手のとどくところにあるのに探しまわってしまうことが結構あって、そのせいかどうかよくわからないんだけど、四つ葉のクローバーを見つけるのがやたらと苦手でした。昔にくらべてだいぶ改善しているので、視力のよしあしは、脳の働きにかなり依存しているというのもなんとなくわかってしまう。

 へー、なるほどねーって思ったけど、よく考えたら脳の働きが衰えていなくたって、見えるものと見えないものがあるのよね。たとえば、道を歩いていても、珍獣様の場合は虫だの花だのをパッと見つけるわけですが、目の前に飛んでる虫が目に入らない人もけっこういるのです。頭の働き全般の問題ではなくて、興味がないから見ようとしないだけだと思うのよ。

 そういえば別の番組で見たんだけど、マサイ族にC字があっちこっち向いてる検査表を見せて視力をはかっていたら、
「どうしてこんな変な形を見なきゃならないんだ。動物だったらどんな遠くにいるものでも見分けられるぞ」
という意見が出たので、動物のシルエットで視力をはかる検査表でやりなおしたら前の検査よりずっといい値が出たというの。

 ということは、あらゆることに興味がある人にとって、世の中は明るく輝いて見えているんだろうなぁ、なんてことを思うのですが、珍獣様はハッキリ言ってど近眼です。眼鏡をなくすと生きていけないほど何も見えてません。

 
5月25日(火)
 荻窪のこうらい亭(焼肉屋)が今日で閉店してしまった。最後なのでみんなで食べに行ったのだが、肉がないばかりか店員のリストラも進み、飲み物はほとんどセルフサービスだし、頼んだものは一時間たたないと出てこない。さんざん待たされたあげくに「今日は上カルビなし。卵がないのでクッパもできないよ」なんてことを言われる有様。そんなこんなで混乱のうちに終了。また別のところで焼肉屋さんをはじめるかもしれないそうです。
 
5月26日(水)
 公園の桑の木についた虫を見ていたら、自転車にのったオッサンに話しかけられた。

「それはクワかい」
「はあ、桑の木みたいですね」
「あっちのはもっと赤くなってる」
「は?」
「もっと黒くならなきゃダメだな」
「あ、なるほど。そうですね」

 オッサンはそのまま自転車で走り去って行った。
 なんだ、桑の実が珍しかったわけね。

 わたくしは上州育ちなので桑の実なんかめずらしくないのよ。桑の実はどどめ色(黒紫色)になってから食べるのが常識なのよ。

 もっとも群馬じゃ桑の実なんか食べちゃダメだって言われてたけどね。だって桑畑には農薬まいてあるから、実も薬まみれでキケンがアブナイのよ…って言いながら隠れて食ってたってのもお約束で。実をつぶして色水作って遊んだりもしてたわ。

 移動して別のところに生えてる桑の木で虫を見ていたら、やっぱり通りがかった人たちが桑の実の話をしてた。そんなに珍しいのかな。そういえば東京にはあんまり生えてないわね。

 確かに桑の実は懐かしいのでいい具合に熟れたら食ってみるとして、珍獣様が見てたのは糸引虫である。糸引虫というのは珍獣的命名で、正式な和名はクワキジラミというらしい。どんな虫かはそのうちメルマガと博物誌で。 珍獣様の虫日記 2004 を購読してください。

 
5月27日(木)
 調べものをしていて、目的とはまるで関係ない発見をすることは多いのですが、こないだ『沙石集』という古典の中にテンカンという病気の人の話をみつけてしまいました。ピカチュウの電撃でテレビの前のおともだちが発作をおこして大勢たおれたっていう、あの病気です。

 ある日テンカン持ちの人が水辺を歩いていると、急に発作をおこして川に落ちてしまいました。どこやらの中州に流れついて息を吹き返し
「自分は発作で一度死んでしまったけれど、もし死なずに川に落ちたら溺れていたかもしれない。死んでいたから自然と浮き上がって岸に流れついたのだ」
と考えて、死んでてよかったなぁと納得する話なんです。

 その話によれば、テンカンの病は昔から火や水のほとりの光がチラチラする場所でおこりやすい病だと説明されてて、ずいぶん昔から発作の要因なんかも知られていたんだなあと。

 って、それだけなんですけど、「てんかん 沙石集」「テンカン 沙石集」「癲狂 沙石集」でググってみたけど紹介してるページはなさそうだったから、とりあえず日記にメモ。
 

 関係ない発見といえば、羊太夫の類話なんかもみつけてしまったのです。【羊たちの雄弁】とか【今昔かたりぐさ】を読んでくれてるみなさんにはおなじみ(?)ですが、羊太夫は群馬から奈良の都まで馬にまたがって毎日往復したという謎の人です。

 これとそっくり同じことを、太宰府に左遷されて反乱をおこした藤原広嗣という人もしてたらしいんです。詳しくは ここらへん の下の方に追記しておいたので、興味がある人はどうぞ。

 
5月28日(金)
 松の木につく虫を見ていたら、わたくしまたオッサンに呼び止められてしまいました。

「何見てるんだい?」
「えーと…(目で松ぼっくりを探したけどみつからなかった)…泡吹虫です」
「あー、泡虫ね。この時期はたくさんいるんだね。あっちにもこっちにもいるね」
「そ、そうですね」
「虫は泡とっちゃわないと見えないだろう」
「そうですねえ(今それをやってたところなんだけど、あはは)」
「泡の中に虫がいるんだ」
「そ、そうなんですよ、あははは」
「あははは」

と、意味不明な笑いを交わしつつその場を去る珍獣様なのであった。むしろここで、オッサンをつかまえて「泡吹虫は一種類ではないのだ」とオッサンが逃げだすまで語り続けるべきだったのでしょうか。

 ちなみにオッサンが「あっちにもこっちにもいる」と言っているのは松につくのとは別のやつみたい。別だってのを確かめようとおもって泡をぶりぶり取って見てたところなのよ(やっぱり別ものだったみたい)。

 写真も写してみたけど、うまくとれてるかな。
 とれてたらメルマガで紹介します。
 
 
 

 それはともかく、なんだかまたもや「まぐまぐ」が変みたい。
 メルマガを創刊して、広告を入れられるようにするには、広告を入れていいかどうかの審査を受けなきゃいけないんだけど、そのための登録をしようとすると「ID か パスワード か メールアドレス が違う」と言われてしまうの。でもどれも間違ってないのよ。これじゃ審査に通るかどうか以前の問題じゃないの。

 【虫日記】はサイトの宣伝用なので広告なしでもいいんだけど、この状況だと新しいメルマガを出しにくいのでちと困ったわ。各方面からプレッシャーがかかっているので、そこまで挑戦されたらやらねばならんと微妙にやる気出してるところなのに。世の中うまくいきませんこと。

[追記]
 で、その「まぐクリック(まぐまぐ)」ですが、まだ変です。全然ダメです。

 これが「おたくのような弱小メルマガに入れる広告はないね」と言われたんなら「ならいいよ、お前んとこでメルマガなんか出さないから」って思えるんですが、そういうんじゃなくただのシステムエラーっぽいのがイヤさ爆発。実はそういう状態がすでに 2 週間くらい続いていて、最初は手続きしようとすると 404 エラーが出てました。ファイルがみつからないってやつです。

 仕方がないのでメールして改善をお願いしたところ、10日近くシカトされた後にやっと 404 エラーは出なくなったんですが(メールには返事がないので読んでるかどうかすらわからないけど直れば別に文句はない)、今度は手続きしようとすると ID やメールアドレスが違うといわれて弾かれるわけです(でも間違ってないんだもんっ)。

 先週末にもう一度メールして、こちらがわの環境が悪いのかもしれないから推奨環境とかあったら教えてほしいと頼んだのですが、当然のように返事は来ないしダメな状態のまま続いてます。しばらく様子を見て、ダメそうなら珍獣の食卓2は めろんぱん でやろうかなと思ってます。あっちは広告の挿入に制限はないんですが、割のいい広告を入れられるあてがないのでちと寂しいです。でも、広告費を期待しないでやるつもりだったら、まぐまぐより便利なので、じっくり腰を据えてやれるかも。でも、やっぱり今すぐってわけにはいかないので、秋以降になっちゃうかな。


 あ、それから、山海経絵札の注文が何件か来てるんだったわ。印刷はできてるんだけど、包み紙をどこにしまっちゃったか出てきやしないのよ。見つからなかったら買いに行かなきゃ。注文してくれた人、もうちょっと待っててねー。

[追記]
 こちらは週明けにメールしました。関係者のみなさん、よろしく!
 
5月30日(日)
 昨日も今日もすごい暑さ。がぼ様(猫)は廊下でぐったり。珍獣様は扇風機を出しました。

 昨日は銀座のイトウヤで山海教絵札用に包み紙を買ってきました(やっぱり見つからなかった)。注文してくれたみなさんには明日にでもメールをさしあげます。もうちょっと待っててください。
 

 帰りに山野楽器によって BEGIN のナントカさん(顔はわかるんだけど名前が出てこないー)が発明した新しい弦楽器「一五一会」を見てきました。弦が四本で、手前からソレソレと調弦する妙な楽器です。詳しい説明は、書くと長くなるのではぶきますが(一五一会で検索すると和音の仕組みについて説明してるページがけっこうあります)、要するにこの楽器は人差し指一本で弦すべてをおさえてしまうことで、ありとあらゆる和音を作り出す夢の弦楽器だということです。

 お店の人に調弦してもらって実際にさわってみたのですが、これはほんとうにお手軽で、小学生でもその日のうちに弾き語れるようになりそうです。そのくせテクニック次第でギターやウクレレに負けないような演奏もできるでしょう。一度と五度の音(ドとソ、レとラ、ソとレ、のような離れ方をした二つの音)でなんでもできることは、ちょっと楽器をいじくったことのある人なら頭ではわかる理屈なんですが、よくぞまあ、こんな楽器本気で作っちゃったなあと、変なふうに感心してしまいました。

 で、その楽器を買ったかというと、一五一会はまだ新しい楽器で数も少なく 10 万円もするんです。買えるわけないじゃないですか。音来(にらい)という名前の普及版が 4万5千円くらいで出てるんですけど、こっちも簡単に買える金額じゃないし、すっぱりあきらめて帰りました。

 家に帰って、中学生(のふりをしていた頃)に部活動で使っていたギターをひっぱりだし手前の弦からミ・・ミシミと調弦しなおして「・・」の弦は無視して弾くことにしました(諸般の事情で音をあわせにくいんです)。一五一会のようにソとレではないけれど、一度と五度の音ならなんでもいいはずです。ギターの一番低い音と高い音はどちらもミですから、ミを基準にして五度ならシになります。

 ほんとにお手軽です。何度やってもお手軽で笑えます。これなら今まで難しくておさえられなかったコードも思いのままだわ。この手があったか!!

 でも、ギターだと太いのでセーハ(人差し指で弦を全部おさえること)はかえってめんどくさいし疲れました。今度はウクレレでやってみようかな(ウクレレなら四弦だしセーハしやすい)。でもウクレレだと弦をはりかえないとうまく調弦できないかもしれないなあ。

[追記]
 一五一会はお手軽であることは確かなんですが、真ん中の音(ベースに対して三度の音)については無視できるとして、じゃあ「C C7」のような繊細な(?)コード進行を要求するバヤイなんかはどぉするかっていうと、やっぱり指をあっちゃこっちゃに曲げておさえなきゃダメなんだと思います(笑)

 でもまあ、楽器演奏の経験がまったくない(なんて人は日本の音楽教育の現状からいって「ありえない」んですけど…ハーモニカやリコーダーも楽器だし)人が、何かはじめてみたいなぁと思った時に、これほど簡単に入門できる楽器も少ないんじゃないのかな。

 そのような敷居の低い楽器ですが、プロが演奏するととてつもなく高度な曲作りもできるみたいなんです。テイチクから一五一会を使った CD が何枚か出てまして、たとえばポップス系だと ここらへん で試聴できるやつなんかどうでしょう。和田アキ子の『どしゃぶりの雨の中で』がちょーカッコイイです。一五一会の演奏も光ってます。前川清の『恋歌』とかもけっこういいかも。

 あと、珍獣様の家来のTが入れ込んでる某歌手のお姉さんが唱歌・童謡系の CD を出しているんですが…あー、うん、こっちは「大変良くできました」のサクラのスタンプでもさしあげましょう(注:褒めてないです)。
 でも『月の砂漠』の「旅のラクダが行きました」のところを五# 二# 五 一(ギターならD# A# Dm Gm かな)ってところがすごい気に入ってます。ここだけで真っ直ぐな目と確かな眉で一歩一歩砂漠をゆく王子と王女の姿が見えるわ。そりゃ、コード進行が変わってりゃそれでいいとは言わないないし、この曲のその他の部分もすごく好きなんだけど、特にここが気に入っちゃったんだもんしょーがない。この曲と『赤い靴』の編曲は BEGIN の島袋さん? へー、そうなんだ。島袋マンセー(お姉さんの夫氏は、ひょっとして童謡嫌いなんだろうか…いや、一五一会に慣れてないだけなのかも)。
 Tのご贔屓なのでこき下ろしたくないけど、童謡好きとして微妙にムカついたりしたので小さな文字と読みにくい色でメモ。

 
5月31日(月)
 暑かった〜。暑いのに外は強風で、窓を開けると部屋中を吹き抜けて嵐のようになって大変。網戸が風にあおられてレールの上を右へ左へ勝手に移動してました。夕方から雨になって少し気温が下がったけど、今度はむしむし暑苦しいし、今年の夏も厳しいのかなあ。

 江戸川から持ってきたアジサイが今年はつぼみをつけました。このアジサイ、一昨年だったか、その前の年だったかに公園で剪定されたアジサイの枝を適当に拾ってきて植木鉢にぶち刺しておいたら根付いたのです。

 園芸の楽しみ方にもいろいろあります。お金をかけて本格的にやるのもカッコいいし面白そうです。でも、拾ってきたものを活かすのもけっこう楽しいんです。アジサイなんて、剪定後に捨ててあった枝を拾ってくるのでどんな花が咲くかさえわかりません。アジサイの剪定は花の後にするので、次の花は翌年以降。何年も秘蔵しておいた福袋を開けるようなものです。

 そんな拾い物のアジサイは二鉢あったのですが、そのうちの一鉢は去年見事に花を咲かせました。こんもり花盛りになる普通のアジサイで、こちらは前に住んでいたアパートの花壇に植えてきました(この花壇は故あって珍獣様が私物化していた)。

 もう一鉢はなぜか花が咲かなくて、よく見ると葉っぱのぎざぎざが花の咲いているものと少し違うようでした。何気なく拾ってきたのに微妙に品種が違うみたいです。これだから拾いもの園芸はやめられません。スリルとサスペンスにあふれているのです。

 咲かなかった鉢も順調に成長しているので、今年こそ咲くだろうと期待を込めて引越し先にもってきました。5 月のはじめに小さなつぼみがたくさん出てきたので、今年こそ花を見られるぞと楽しみにしていたところ、ここ数日で花びら(アジサイの場合、ほんとうは花びらではなく「がく」ですが)が大きくなってきました。

 普通のアジサイは小さな花が沢山あつまって、こんもりした花序になりますよね。今年咲いたアジサイは、花序の中心あたりのつぼみには花びらがなくて、そのまわりを花びらのあるつぼみが取り囲むようにならんでいます。どうやらガクアジサイだったようです。

というわけで今月の素材
アジサイ
壁紙

 
  
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