復刊ドットコムにて『全釈漢文大系33 山海経・列仙伝』の復刊リクエストは投票数が 100 を越えました。復刊ドットコムのスタッフの方が、出版社と連絡をとっているところのようです。みなさんどうもありがとう。なお、投票はまだできます。掲示板への書き込みもできますので熱い思いのある方はどうぞ。
全釈漢文大系33『山海経・列仙伝』復刊リクエスト
 特に『山海経・列仙伝』のみのリクエストです。上のリンクから入って、投票したい人は「投票する」というアイコンを、意見を書き込みたい人は、「掲示板」というアイコンをクリックしてください。

 全釈漢文大系シリーズ全巻のリクエスト投票は継続中です!

全釈漢文体系(全33巻)復刊リクエスト
 全釈漢文体系 全33巻すべてのリクエストです。こちらにも投票をおねがいします。珍獣は山海経以外の巻のことはあまりよく知らないのですが、「全釈」シリーズは評判がよいものが多いみたいですよ。
 
 
 
 
8月1日(金)
 アブラゼミの初鳴きを確認。いつもよりちょっとだけ遅いかな。

【珍獣まわりのセミ初鳴き記録】
 1999年 記録なし(この年はまだ葛飾に住んでいた)
 2000年 ミンミンゼミ(記録なし) アブラゼミ(7/31) 観察地:江戸川区葛西
 2001年 ミンミンゼミ(7/21ごろ) アブラゼミ(7/28) 観察地:江戸川区葛西
 2002年 ミンミンゼミ(7/24) たぶんアブラゼミ(7/24) 観察地:江戸川区葛西
 2003年 ミンミンゼミ(7/28) アブラゼミ(8/1) 観察地:江戸川区葛西

 予定では今日か明日には梅雨明けするんだよね。やっと夏らしくなってきた。


 
8月2日(土)
 朝からいい天気。関東甲信地方が梅雨明けしたらしい。 浜離宮庭園 でリュウゼツランの花が咲いたと聞いて見に行った。リュウゼツランというのは南米原産の植物で、このほど花をつけたのはアオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭)という種類。テキーラというお酒の原料になることでも有名だ。普段はアロエベラを巨大にしたような形をしているが、花の時期になると株の中心から花柄をにょきにょきと立ち上がらせ、10m 近くまで伸びて花を咲かせる。花なんだから毎年咲けばよさそうなのに、数十年に一度しか咲かないというので英語では百年植物(センチュリープラント)と呼ばれている。

 大勢人が来るのを予想して朝一番で見に行こうと思っていたのに出遅れてしまい、現地に到着したのはお昼前。それなりに人はいたけど思ってたよりは混んでいなかった。入場料 300 円を払って中に入ると「リュウゼツラン・モンシロチョウ→」という張り紙があった。リュウゼツランはいいとしてモンシロチョウのどのへんに張り紙の必要があるのだろう?

 矢印の方向へ歩いてゆくと花畑に出た。遠く霞んだところに天にむかって一本だけ突っ立っている巨大な木が見える。あれがリュウゼツランの花?!でっかい、想像以上にでっかいぞ!

はるかに霞むリュウゼツラン

 上の写真で真ん中にかすかに見える黄色っぽいものがリュウゼツランの花である。これじゃまるっきりわからないので 10 倍ズームで拡大。

拡大

 もっと近付いて花を激写してきたが、それはいずれ博物誌にでもつっこむ予定。とにかく、浜離宮庭園ではリュウゼツランが開花中なのでお近くの方は急いでどうぞ。すでに半分くらい咲き終わってるけど上の方にはつぼみが残っているので今週中ならまだ間に合う!



 夕方から江戸川花火大会を見に行った。毎年、江戸川区側から見るのだが、川をへだてて市川側からも見えるはずなのだ。今年はあっちから見てみようと思い、下調べもせずに妙典の駅のそばの土手に行ってみた。地図を持って行かなかったので、正確にどこで花火があがるかよくわからない。でも、花火を目当てに来たと思える人たちが沢山いるのでここからも見えるのだろう。

 7:15 最初の花火があがる。待ってましたと歓声があがった。川をへだてて、ちょっと離れたところで大きな花火が上がっている。きれいだけど、思ったより距離があるぞ。っていうか、江戸川区の打ち上げ会場って、あっちの方角だっけ?さまざまな疑問がわきあがるが、とりあえず見えてるからいいことにした。打ち上げ会場から少し離れているせいか人もそれほど多くないしマッタリ見物できた。

 でも、なんとなく釈然としない気持ちになって家で地図を見たら、自分が座ってた場所から見えたのは、江戸川じゃなく市川市の花火大会だった。そういえばいつも同じ日にやっていたっけ。

現地の地図
 この地図の中心に「河原」とある部分で北西の方角を見ていたらしい。うへっ、想像してたのと場所がぜんぜん違う。江戸川区の花火大会は篠崎のあたりで打ち上げるので、行徳橋を渡ってもっと北上しなきゃ見えないのだ。妙典駅からじゃなく市川駅から歩いたほうがいいのかも。よし、来年は江戸川の花火を正しく市川側から見るぞ!


 
8月5日(火)
 暑いよ。梅雨があけたらいきなり真夏。あんまり急に暑くなると倒れそう。
 リュウゼツランの花の写真は 珍獣様の博物誌 に入れておきました。興味のある人は探してみてね。メニューを新しくしたので前と変わって見えない人はリロードボタンを押してください。

 
8月7日(木)アリの行列
 台所にアリの道ができた。どこからか行列を作ってアリさんたちがやってくる。

 部屋の中にアリの道が出来てしまったら、たいていの人は薬を買いに走るのだろうか。毒の餌をアリに運ばせて巣にいるアリを全滅させちゃうやつがあるらしいよね。
 でも、日本のアリは毒を持ってるわけじゃないし、部屋に紛れ込まなきゃどうってことない。できれば全滅は避けたい気がするなあ。
 アリが行列を作るのは、直前に通った仲間の匂いをたどって歩くからだ。だったら、進入孔をふさいで匂いをふき取ってしまえば薬に頼らなくても防げるんじゃないのかな。

 薬は最終兵器として、まずはアリん子どもと知恵くらべ。とにかく出入口をふさいでしまわなきゃ。そういえば窓を開けっ放しにしているし、玄関のドアも隙間が多いんだよねーと、それらしいところを点検したが…あらら?入り口は窓でも玄関でもないみたい。

 幽霊じゃないんだから、何もないところから湧いて出るはずは…ぐえっ、なんだこれ、壁からアリが湧きだしてる。アリん子どもが壁の真ん中から湧きだして行列してるのよ。一体なぜっ!!!!!

 …落ち着いてよく見ると、壁板の境目にある隙間から出てくるみたいだった。こんなところから出てくるとはビックリだわ。壁の向こうはどうなってるんだろ。築十何年の古いアパートだから中がぐずぐずになっているのかな。

 とりあえず木工用ボンドを注入して隙間を埋めてみた。すでに進入してしまったアリは仕方がないのでガムテープでべしべし貼り付けて退治。念のために酢をしみこませた雑巾でアリの道をふき取って様子を見ることにした。

8月8日(金)
 そして夜が明けた。台所の様子を見に行くと、昨日ほどではないがアリが歩きまわっている。昨日ふさいだ場所は突破されていないみたいだ。すると進入孔がほかにもあるってことか?

 ガラクタだらけの台所を片づけて、しばしアリの行動を観察する。昨日ほど数が多くないので行列しているようには見えないが、よくよく見ると、どのアリも同じ道を通って行き来している。いかんな、ほっとくと仲間がまた集まってくるぞ。

 窓と玄関は調べたけど、やっぱりなんともない。昨日の例もあることなので、進入孔は意外な場所にあるはずだ。ええい、どこから来るのだ、アリん子め。アリ退治をしながら孔を探す。あっ、ここだ。今度は床と壁の境目からアリがわいてるよ。どうなっちょるんだ、このアパートは。

 再び木工用ボンドを注入。こんなあり合わせのもので家の補修なんかしていいのだろうか。まあ、ダメでも木工用のボンドだから、あとではがせるだろう(たぶん)。

 隙間をふさぎ、例によって酢で床をふいて様子を見る。今のところ再発する様子はない。

8月9日(土)
 その後、アリの道はなくなったかのように見えたが、夜になったらまた復活していた。今度はどこから…と思ったら、朝ふさいだ床の孔のすぐそばにあった隙間からだった。慌ててそこもふさぐ。

 これで大丈夫…と思ったら、なんかまだアリがいる。よく見ると、玄関の叩き部分にコンクリートの裂け目があって、そこからワラワラと湧いて出ているようだった。ううむ、やるな、アリども。ここもふさぐ。

 昨日はここまでやって寝たのだが、今朝になってみるとまたアリが行列している。どうも、玄関の叩きにまだ割れ目があったらしい。うーむ、ゆゆしき問題だわ。アリが家のなかはい回ってることよりも、家自体がものすごくなっていることにムカつく。この家のために引っ越す時に敷金やら修理費を巻き上げられるんだろうか。

 とにかく孔を埋めて、台所をまた片づけてアリの餌になりそうなものを撤去した。今のところおさまっているみたい。もう少し様子を見てみよう。 

8月10日(日)
 アリ騒ぎで書き忘れていたが、昨日は台風で東京も横殴りの雨が降っていた。今朝は台風一家が満面の笑みをたたえて居座っているので快晴。これぞ真夏といった上天気だった。

 アリはどうなったかというと、朝起きてみると、また行列が出来ていた。ところが今回ばかりは出入り口がみつからない。終点は流し台の引き出しにひっかけておいたコンビニ袋の中身。不燃ゴミしか入っていないので油断していたが、スイカにかぶせてあったラップがアリ的にたまらない魅力だったらしい。

 まずはゴミを捨てる。それからアリの道をたどってみると、流し台を下りたあとに冷蔵庫の下にもぐり、冷蔵庫の脇を通って出てくると、茶箪笥の後へ消えている。

 冷蔵庫にはキャスターがついているから移動して裏を見たが、床からも壁からもアリが湧いて出る様子はなかった。すると茶箪笥の裏に穴が???

 残念ながら茶箪笥はどかせそうもない。万事休す。やはりアリの巣ごと壊滅させる最終兵器を投入すべきかもしれない。

 とはいえ、今はまだ台所だけで済んでいるから慌てることもないだろう。買い物のついでに薬屋さんにでも行ってこようと思いながら、明日のナージャと鉄腕アトムをまったりと見た。555も見たかったけど寝過ごして見られなかった(ビデオかけろよ>わたくし)。

 日曜の朝の定番を見終わって、タモリが出てきた頃に台所の様子を見ると、アリはすっかりいなくなっていた。餌がなくなったという情報が伝達されたのだろうか?

 昼間ちょっと出かけて、夕方もどって台所を点検すると、砂糖を入れてあった容器の中で幸せそうにダイブしているアリが数匹いたが、とくに行列になっている様子はなかった。台風も去ったことなので、アリもアウトドア派にもどったのかもしれない。

 というわけで、今のところ最終兵器を投入せずに済んでいる。このままおさまってくれればいいのだが。

8月11日(月)
 今日もいい天気で気温も高い。さすがにエアコンを使い始めた。

 そしてアリ騒動。
 夕べ食べた焼き魚の骨をコンビニ袋に入れて流し台の引き出しにひっかけておいた。寝る前に捨てようとは思ったけど、なかば確信犯的に放置したまま寝てしまったのだ。

 朝になると、見事にアリの行列が出来ていた。おそらく行列が消えたあとも偵察アリが歩き回っていて、餌をみつけると巣に伝えるのだろう。ゴミを片づけて 30 分もすると行列は消えていた。用がなくなるとスパッといなくなる。見事な集団行動だ。

 この調子ならこまめにゴミを片づければ問題ない。涼しくなれば自然におさまるんじゃないかな。


 
8月13日(水)
 今日のトリビアの泉は本当に馬鹿馬鹿しいネタが多くて堪能した。中国のパンダは性教育ビデオを見て交尾を学習するそうだ(これは知ってた。ニュースになったし)。ハンガリー語では塩が足りないことを「シオタラン」と言うそうだ。ルソーは露出狂で暗い小道でナニを露出してつかまったらしい、へー!むすんでひらいてはルソー作曲というのは前に投稿したような気がするけど、そんなの目じゃないわけね。やはりトリビアはこうじゃないと。雑学たれ流し番組なら他にいくらでもあるしねー。

 
8月16日(土)
 雨がやまないねえ。関東はいちおう梅雨明けしたはずなのに晴れた日のほうが少ないくらい。これじゃヘチマもヒョウタンも育たない。

 ヒョウタンのほうには実がなってるけど葉がうどんこ病で次々に枯れ落ちてる。トカドヘチマはもうサッパリ。たまーに雄花が咲くだけで実のなる様子はまったくなし。

 そうこうしているうちに、突然「外壁の塗装工事をします」って大家さんからのお達しが来て、来週までにベランダまわりを片づけなきゃいけなくなってしまった。うげー、そんなこと冬の間に言ってくれー。

 鉢物はどっかによけておけばいいと思うんだけど、ウリ類の蔓をどうしようか考え中。ベランダにからみついてるのをはずして移動しておけばいいとは思うんだけど、置く場所ないから蔓を丸めておかなきゃいけないしなあ。


 
8月18日(月)
 やっと雨もあがったけれど、ちっとも晴れ間は見えないし気温も上がらない。でもツルニンジンの花が咲いた。

ツルニンジンの花


 
8月19日(火)
 夕べは夜中に NTT の光箱(正式な名称がわからん)を落っことしてしまい、光ケーブルがブチンと切れたっぽいです。

 それで先ほど NTT を呼んでなおしてもらったんですけど、帰り際におじさんたちが「○○試験通してないや…ま、いいよな」と、ボソボソ話しながら行こうとする。

 「えっ、試験ってなんですか?」と聞いてみたんですが「なんでもありません」と逃げられました。本当になんでもないなら、何も言わずに帰ってください。どんより…

 そんなわけで、夕べから自前サーバに繋がってませんでした。今は繋がってると思います。


 
8月21日(木)
 しばらく前から喉の入り口に何かがひっかかっているような気がする。魚を食べたあとからなので、小骨でも刺さっているのかな。

 家の前にある耳鼻科に行ってみた。口をあけて、舌をひっぱられて、なんらかの器具で舌の付け根を押さえつけられ、イーとかアーとか言いながら見てもらったんだけど、何もみつからないっぽい。喉の入り口を触られるとゲェッとなるし、痛くはないけど涙腺が刺激されて涙も出るし。もうグッタリ。

「鼻からカメラを入れて見てみましょう」
「はあ…」
 疲れているのであっさり納得しかけたけど、ハッと我に返る。
「えっ、カメラですか?」
 カメラってどんなんだよ。胃カメラみたいに太いのは勘弁だぞ。
「痛くないから大丈夫ですよ」
「はあ…」

 それから鼻の穴に麻酔薬らしきものをプシュプシュされて、カメラらしきものを突っ込まれた。とても細い内視鏡で、たしかに痛くもなんともなかった。

「何もないですねえ」
「そうですか。じゃあ気のせいかもしれませんね」
「骨なら一週間も抜けないはずないですし、これといって異常も見えませんから、もうちょっと様子を見て、まだ変だったら来てください」
「はい」

 というわけで、なんでもなさそうだった。でもなんか喉の入り口に小さなものがひっかかってる感じ。荒れてるだけなのかもしれないな。診察室を出ようとしたら「この吸引機で薬を吸っていってくださいね」と言われた。なんの薬か聞こうとしたんだけど、看護婦さんたちはいそがしそうだったので聞きそびれた。

 診察料(初診料こみ?)は2810円だった。
 レシートはくれたけど、できれば明細書ほしー。何かするわけじゃないけどそういうの見ると面白いんだもの。

[追記]
 その後しばらく喉の入り口に小さなひっかかりがあったのですが、いつの間にかなくなってました。やはり荒れぎみだっただけのようです。

 
8月23日(土)
 う〜、あちい。昨日から急に真夏だね。

 20 日からマンションの外壁塗装工事が始まっている。
 でもなんだか変だ。工事の前に貼り出されたお知らせのビラには「工期 8 月 27 日」って書いてあるのに今日はまだ 23 日だ。

 この業者さんの日本語感覚はきわめて丸みがあり、ハッキリいって意味がよくわからない。
 昨日なんか、玄関を出るなり呼び止められて
「壁を洗うから、外に置いてあるものはどかしといてください」
と言われた。
「今すぐですか?」
と聞いたら、
「いや、今日はやらない。ここんところ(防水剤みたいなもの)が乾いてからだから三日後」
と言っていた。
 昨日(金曜)の三日後ということは月曜日か火曜日?
 週末お休みして月曜からって感じかな。

 そのつもりで納得していたら、今朝見ると、勝手に荷物をどかして壁を洗っている。いや、作業をやっちゃうのはいいんだけど、土曜日だからって油断して寝坊していたら叩き起こされて、
「壁を洗うんでお風呂場の窓しめてくれますか」
なんてこと言いはじめる。風呂場の窓は内側からでないと開け閉めできない。
「はぁ?」
「壁を洗うんで水が入りますから」
「えっ、三日後って言ってたでしょう」
「そうですよ、三日後でしょう?」
 どうやら、工事開始日から数えて三日後という意味で言っているらしい。ワタシニホンゴワカリマセーン。
 たまたま寝坊してただけなのでよかったけど、留守にしてたらかまわずジャブジャブやるつもりなのかな。まあ、風呂場だし、大した害はないかもしれないけどね。


 夜はイクスピアリの映画館で『ゲロッパ』を見た。ジェームス・ブラウン(以下JB)をこよなく愛するヤクザの親分が刑務所に入ることになり、親分を本当の親のように慕う子分たちは、ちょうど来日しているJBを誘拐しにゆくという、笑わせてちょっと泣かせるコメディー。

 親分役の西田敏行は他の映画でも踊ってるからうまいの知ってたけど、弟分の岸辺一徳がこれまたかっこよくてたまりませんわ。映画自体ものすごく面白くて、井筒監督に「すげーよ、オッサン、ベッソンを断っていいって言うだけあるじゃん」と言いたい気持ち。

 見たあとに幸せになれる映画…なんだけど、冒頭に一瞬だけグロい場面があるのでそういうのダイキライな人は注意(でもほんとに一瞬だよ)。 
 

 映画とは関係ないけど、なぜか上映室が臭くてたまらなかった。トイレのニオイが空調で流れてくるのかとも思ったけど、イクスピアリはトイレ自体がとてもきれいでぜんぜんにおわないから違う気がする。部屋のどこかで誰かがオシッコをしちゃってるんだと思う。匂いの濃縮度合いからして、ついさっきじゃなく、半日くらいたってるかもしれない。

 よっぽど「異臭がする!」って騒ごうと思ったんだけど、異臭源をつきとめても消臭剤をぶちかけるくらいのことしかできないだろうし、危険はなさそうだからそのまま映画を見てしまった。でも臭かった。やっぱり騒げばよかったかな。

 同じ部屋で昼間は『仮面ライダー555』をやってたらしいので、子供が我慢できなくてしちゃったのかもしれない。しちゃったもんは仕方ないし、そういう場合は館の人に掃除してくれるように言ってほしいな。広くて薄暗い上映室でニオイのもとを突き止めるのはけっこう大変だよ。次も、その次も、ずーっと臭いままで映画見なきゃならないんだよ。

 でもー、ひょっとしてやったのは大人じゃないのかって気もする。子供ならもらしたところでそれほど恥ずかしくないから、親が館の人にちゃんと言いそうな気がするじゃん。でも大人がなんかの理由でしたものは、絶対言わないと思うし。


 
8月25日(月)
 夢を見た。
 玄関のチャイムが鳴ったので、宗教か新聞の勧誘かと思って出てみたら、不動産屋さんから来た若い女の人が「この報告書を見てください」と言って白い紙を一枚差し出した。

 報告書には建物の老朽化が予想以上にはげしいことが書かれれており、俗称をウォーターワームという半生物が繁殖しているせいだと説明されていた。
 半生物についての解説もあ写真つきで添えられていた。ウォーターワームはナメクジに似て、背中に貝の出入水孔みたいな穴があり、ある理由で完全な生物とはみなされておらず、鉱物と物質の中間という意味で半生物と呼ばれているそうだ。

「その半生物ですが、おたくで垂れ流している機械油を餌にして繁殖しているようです」
 不動産屋からきたお姉さんは神妙な顔をしてそう言った。ウォーターワームは油のしみこんだ建物の土台を食い荒らすのだそうだ。報告書にはぐずぐずに崩れた床下の写真もついていた。
 しかし、うちには垂れ流せるほどの機械油はない。何を言われたのかよくわからず「はあ、そうですか」と返事をした。

 だいたい、半生物ってのは一体なんなのだ。
 生物と鉱物の中間だなんて微生物にならありそうだけど、報告書の写真に写っているのはどう見てもナメクジ、微生物には見えない。背中の呼吸孔がさりげなく異常を訴えているけど、そんなものちょちょいと合成しちゃえば誰にでも作れるし。
 っていうか、そんな面白いもんが繁殖するなら機械油でもなんでも垂れ流したい。世にも珍しい半生物ウォーターワーム飼育セットをヤフーのオークションで売りさばきたい。
「あの〜、この写真、どうやってとったんですか。わたくしも半生物というやつを見たいんですけど、どっからのぞき込めばいいですかね」
 
 お姉さんはそれに答えず「近日中に退去していただきたく…正式なお話はまた後日伺いますので…」と、何か小難しいことを言って帰ってしまった。ようするに出て行けってことか。生物ネタで来るとは新しい技だなあ。

 と、思ったところで目がさめた。みなさんも機械油で育つ半生物「ウォーターワーム」にご注意ください。


 
8月26日(火)
 ううう、すごくペンキくさい…昨日から雨戸にまでペンキ塗ってるもんだから、このいい天気に昨日からずっと雨戸しめっぱなしで地下室に住んでるみたいだし。ペンキのニオイは夜になっても抜けないし、ちょっと参りました。具合悪くなりそう。

 それはともかく、夏の間に撮りためた虫の写真を放出するのに期間限定でメルマガやります。配信は 9〜10 月の二ヶ月のみ。週に 1〜2 回の頻度で発行します。

◎登録と解除・見本誌はこちら
http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/musi/00_mag.htm

 内容は更新情報に毛のはえたようなものです。


 
8月27日(水)アリの行列ふたたび
 昨日の夜は冬瓜のスープを作って、余ったので鍋に蓋をしてガスレンジの上に置いたまま寝てしまった。朝おきてみたら、アリの行列ができていて、冬瓜スープの鍋にむらがっていた。おたまを差したままだったので蓋がきちんとしまっていなかったのだ。隙間から鍋にとびこんだアリたちは、それはもう幸せそうに手足をひろげて冬瓜にかじりついていた。

 アリはウリ科の植物が好きなんだろうか。トカドヘチマの蔓にもたくさんついていた。アリがアブラムシの牧場を守っているのはよく聞く話だが、ヘチマの蔓にはアブラムシはいなかったし、純粋にヘチマにひかれて集まっていたんだと思う。

 花が咲いてるわけじゃないし、実も成ってない。なのに葉の付け根に沢山のアリがいる。茎にかじりつくなどの様子はみられなかったので、蔓からなんらかの成分がにじみでいて、それを舐めているのかもしれない。ただ、不思議なのは、同じウリ科でトカドヘチマのとなりで栽培していたヒョウタンの蔓にはアリがほとんどいなかったということだ。日本で観賞用に作るヒョウタンは(食べたことはないが)苦みがあるらしい。ひょっとしたら味の違いがアリを遠ざけているのだろうか。

 それはともかく、部屋の中でアリの行列を見て以来、アリが好みそうなものを放置しないように気をつけてはいたのだが、冬瓜のスープにまでたかられたのは予想外だった。まあ、ヘチマの例を考えると、冬瓜にたかること自体はありそうなことだけれど。

 で、その冬瓜スープをどうしたかっていうと…アリは毒じゃないし、食べるために集めたんじゃないのでエレガントではないけど…まあ、ご想像におまかせします。


 
8月29日(金)
 やっとペンキ塗りが終わった。
 ヒョウタンはせっかく実をつけていたのに、蔓を長いこと地べたに放置していたから実は腐ってしまった。今後あたらしく実るとも思えないので抜いて捨てた。トカドヘチマも蔓そのものは枯れていないけど、これから実が成るとも思いにくいので抜いた。

 そんなことよりがぼ様(猫)が昨日の夜中に部屋から出たらしく、知らずに戸締まりして寝てしまったら、それっきりもどってこない。ちなみに外へ出したのはわたくしじゃないんだよ。家来がサーバを見に来ていて、なんか勝手に窓開けて出したらしい。んで、帰ってきてないことに気づかずに。

 普段なら、ちょっと家から出てしまっても、行く場所が限られていて、裏の駐車場とか、隣の建物のとの隙間で遊んでいたりして、飽きるとすぐに戻ってくるんだけど、今回は心当たりをいくら探しても見あたらない。

 アホの家来は「えー、そのうち帰ってくるって」とか言ってる。でも、外へ出ると興奮して人を咬んだりする馬鹿猫が、普段行かない遠くまでさまよい出てしまったら、もどって来られるわけねーんだよ。ええい、この糞オヤジがっ!!!!!!

 こりゃ、もうみつからないかもしれないなあ。今日一日待っても出てこなかったら保健所と警察にもとどける…あ、週末か。保健所は今から電話しないとダメだ。


がぼ様帰ってきました
 ついさっきひょっこりと。なんかものすごい興奮してハァハァいいながら台所でへたってます。爪もかなりすり減ってる。どこで何をしてたんだろう…?

8月30日(土)
 がぼ様(猫)の足の裏は、昨日の冒険で少しすりむけている。おまけに足の裏にゴミがついているので取ってやろうとすると「ひゃにゃ にゃにゃにゃにゃ」と、変な声で鳴いた。
 閉め出されたのがよっぽどショックだったのか、今朝はぐったりして、餌とトイレの時しか起きてこない。これで当分外へ出たいなんていわないだろう。でも一週間くらいで忘れると思う。奴の記憶は揮発性だから。

 
 

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