◆文献リスト
BBS 珍獣のアレ関連スレッド「漢籍リスト作成」

 山海経動物記で扱った古典のリスト。
  中国の古典
  日本の古典
  それ以外

 
 
書名 『穆天子伝』(ぼくてんしでん)
著者・編者
成立年代 西周?
備考      西周時代の五代目の王である穆王(在位BC1001~946年頃)の生活行動記録といわれるが、もっと後の時代に書かれたものかもしれない。そこには王が黄河をさかのぼり、西王母と面会したことが書かれている。
 
 
書名 『爾雅』(じが)
著者・編者 編者不明(漢代の学者?)
成立年代 戦国時代から前漢にかけて徐々に成立
備考  中国最古の辞典。言葉の意味を簡潔明解に説明している。
自分の子は子(こ・し)
子の子は孫(まご・そん)
孫の子は曾孫(ひまご・そうそん)曽孫
曾孫の子は玄孫(やしゃご・げんそん)
玄孫の子は來孫(らいそん)来孫
來孫の子は昆孫(こんそん)
昆孫の子は仍孫(じょうそん)
仍孫の子は雲孫(うんそん)        『爾雅』釈親より
 郭璞による注釈書があるり、『山海経』の郭注にもしばしば引用されている。また、郝懿行も詳しい注釈書を残している。
協力:涜神犯人様
電子テキスト 国学網絡
 爾雅(簡体字中文)
 
 
書名 『春秋』(しゅんじゅう)
著者・編者 孔子(こうし)
成立年代 前480年に成立
備考      魯国の史書。前722-前481年までの出来事を記録。『春秋』というタイトルは年月、四季の順を追って記したことから。非常に厳しい歴史批判を含むことから「春秋の筆法」という言葉が生まれた。
 
 
書名 『春秋左伝』(しゅんじゅうさでん)
著者・編者  
成立年代  
備考  『春秋』の三大注釈書のうち最も有名な『左氏伝』のこと
収録図書   1. 中国の古典シリーズ『春秋左伝』平凡社
 
 
書名 『詩経』(しきょう)
著者・編者 孔子?
成立年代  
備考  中国最古の詩集。孔子の編と言われるが良くわかっていない。現存しているものは漢の毛亨(もうこう)が伝えたもので『毛詩』とも呼ばれる。
電子テキスト 国学網絡
 詩経(簡体字中文)
 
 
書名 『史記』(しき)
著者・編者 司馬遷(しばせん)
成立年代 前漢初期
備考  黄帝から前漢の武帝までのことを記した紀伝体の歴史書。『山海經』という文字が出てくる最古の本。つまり、この時代にはすでに『山海經』が成立していたということになる。なお司馬遷は「『山海経』に出てくる化け物は記録しない」と言っている。つまりデタラメ扱いしてたということ!
収録図書   1. 中国の古典シリーズ『史記 上・中・下』(平凡社)
 在庫有り。書店で注文できる。

2. 中国古典文学大系10、11,12 (平凡社)
 10巻のみ品切れ。たぶん再版されないので流通在庫に期待するしかないが、内容は上記の「中国の古典シリーズ」とほぼ同じではないかと想像。

3. 新釈漢文大系 [巻数は未確認] (明治書院)
 これは注文すれば手に入るし、おそらく全訳で漢文、書き下し、口語訳付き。

…など、他にもあるようです。

 
 
書名 『論衡』(ろんこう)
著者・編者 王充(おうじゅう) 紀元後27年~100年頃
成立年代 後漢
備考      自然、人生、歴史、政治思想などが論じられる思想書。著者の王充は禹とその息子である益の偉業を強く認めており、禹の作と伝えられる『山海経』についても数多く記述している。中でも注目すべきは下に引用する部分。 
『論衡』訂鬼 第六十五 より
 『山海経』に、北のほうに鬼国がある、と書いてある。(中略)国というからには人や化け物の群れなのだろう。『山海経』にはさらにこう書いてある。東海の中に度朔山があって、山の上には大きな桃の木がある。枝は三千里にもわたってくねくね絡み合って、東北の枝の隙間を鬼門といい、たくさんの鬼どもの出入り口になっている。山の上に神荼と欝塁というふたりの神がいて鬼どもを取り調べている。悪い鬼は葦の縄で縛り上げて虎の餌にしてしまう。そこで黄帝は、悪いものをおっぱらうために礼のきまりごとを作った。大きな桃の木の人形を立て、門や戸口に神荼・欝塁、虎の絵を描き、葦の縄をぶらさげて悪いものを防ごうというのだ。
 上記の部分は現存する『山海経』にはない。伝えられるうちに失われたとも考えられるが、ほかの部分とのバランスを考えると、この部分は『山海経』にしては話が出来すぎている気がする。
収録図書 1. 明治書院・新釈漢文大系
 68『論衡 上icon
 69『論衡 中icon
 94『論衡 下icon
 完訳版で、漢文と書き下しと口語訳がついてる。収録巻数がとびなのは、編集や校正作業が間に合わなくて途中に別の本を刊行しちゃったせいじゃないかと想像。現在普通に手に入るものはこれだけです。

2. 東洋文庫『論衡』(平凡社)
 抄訳版なので『山海経』について調べるのは不向き。

3. 中国古典文学大系7『論衡』(平凡社) 
 これも抄訳。品切れ中。

4. 中国古典新書『論衡』明徳出版社 
 この本は未確認。どんな内容なのかはわかりません。

 
 
書名 『漢書』(かんしょ)
著者・編者 班固
成立年代 後漢
備考  「芸文志(漢志とも言う)」という部分に前漢末期に作られた朝廷の蔵書目録『七略』が収録されている。
収録図書   1. 中国の古典シリーズ『漢書』平凡社
電子テキスト 国学網絡
 漢書(簡体字中文)
 
 
書名 『七略』
著者・編者 劉向・劉秀(劉歆)
成立年代 前漢末期
備考      前漢末期に朝廷の書庫を整理した際につくられた蔵書目録。この本自体は現存していないが『漢書』の「芸文志(漢志とも言う)」と呼ばれる部分に収録されている。ここに『山海経十三篇』とあり、司馬遷の『史記』の次に古い記録。現在の『山海經』は山経五編・海経十三編をあわせて十八篇で、数の違いが何を意味しているかは諸説あってはっきりしない。 
 編者の劉向と劉秀は親子。息子の劉秀は後に『山海經』を整理して皇帝に献上しているが、その際には『十八編』としている。
 
 
書名 『六韜』(りくとう)
著者・編者 太公望(たいこうぼう)?
成立年代 周と言われているが、実際には魏晋南北朝の頃に作られた偽作
備考      文韜・武韜・竜韜・虎韜・豹韜・犬韜の六巻六十編の総称。『三略』とともに中国兵法の古典として有名。
 
 
書名 『尚書』(しょうしょ)
著者・編者 「今文尚書」は秦の伏勝
「古文尚書」は孔子の家の壁から出てきた?
成立年代 成立年代は一定しない
備考      『書経』のこと。尭・舜の時代から夏・殷・周の時代にいたるまでの、王やその補佐官の言葉を記録したもの。儒教の理想政治を説いている。二十巻五十八編のうち、二十九編は「今文尚書」と呼ばれ秦の伏勝が伝えたもの。残り十六編は「古文尚書」と呼ばれ、孔子の家の壁から出てきたという伝説があるが、魏晋時代の偽作である可能性が高い。
 古くは『書』と呼ばれ、後に『尚書』と呼ばれていたが、宋の時代に『書経』と呼ばれるようになった。
 
※おぼえがき…尚書大伝(=尚書大傳)は尚書の注釈書?
 
 
書名 『魏略』(ぎりゃく)
著者・編者 魚豢(ぎょけん)
成立年代 西暦三世紀くらい
備考      この本は散逸して全体を読むことができないが、さまざまな書物に 『魏略』に曰く と引用されているものから内容が推察される。『三国志』の魏志東夷伝倭人条(魏志倭人伝のこと)は『魏略』を参考にして書かれたと言われている。
 魚豢は生没年とも不詳だが、紀元後三世紀くらいの人である。
 
 
書名 『魏志倭人伝』(ぎしわじんでん)
著者・編者 陳寿(生233~297)
成立年代 西暦三世紀くらい
備考      邪馬台国について書かれているのは有名な本だが、実は『三国志』という膨大な歴史書の一部分である。正式には「三国志魏書巻三十烏丸鮮卑東夷伝倭人」という。
 
 
書名 『畏獣画』(いじゅうが)
著者・編者  
成立年代    野山を歩くときに注意すべき恐ろしい獣の図鑑だったと思われるが現存しない。『山海経』の郭注によく引用されている。こういった本は何種類も出ていたらしい。
備考  
 
 
書名 『山海経十八巻』
著者・編者 郭璞(かくはく)
成立年代
備考      『山海経』の注解書として最も有名なもの。
 
 
書名 『捜神記』(そうじんき)
著者・編者 干宝
成立年代 東晋
備考  神や霊異、仙人、化け物などの不思議な話を収録した伝奇小説。
収録図書   平凡社ライブラリー『捜神記』 
 日本語口語訳です。
 
 
書名 『周書』(しゅうしょ)
著者・編者 令狐德棻 その他
成立年代
備考      北周の歴史を扱った史書。唐の太宗の勅令で編纂された。『北周書』『後周書』ともいう。
 
 
書名 『異物志』(いぶつし)
著者・編者 楊孚
成立年代
備考      いろんな本、いろんなサイトに引用はあるが、正確になんの本なのかよくわからない。タイトルからして世の中の変わったものについて記録する本ではないかと思う。『異物誌』と表記される場合がある(?)
 
 
書名 『唐国史補』(とうこくしほ)
著者・編者 李肇(りちょう)
成立年代 盛唐
備考  唐代のお役所の制度や科挙試験のこと、社会風俗、流行の遊び、各地の名産など、さまざまな雑事を記録した本。「無支奇」という洪水を起こすサルの話があり『山海経』に記録があると書かれているが、現存する『山海経』にはそのような部分はない。 
淮水無支奇
 楚州有漁人忽于淮中釣得鐵鏁挽不絶以告官刺史李陽大集人力引之鏁窮有靑獼猴躍出水又浸而逝後有驗山海經云水獸好爲害禹鏁于軍山之下其名曰無支奇

淮川の無支奇
 楚州の漁師が淮川で鉄の鎖をつり上げたが重くて引っ張りあげることができなかった。そこで李陽という役人が人手を集めて鎖を引き上げると、青い猿が水中から躍り出て、また水に消えた。後で調べてみると「無支奇という水獣が好んで害をなすので禹王が軍山の下に閉じこめた」という話が『山海經』にあることがわかった。 

電子テキスト 京都大学附属図書館 近衛文庫 [唐国史補] 
テキストではなく画像。
 
 
書名 『日華子本草』
著者・編者  
成立年代
備考      あちこちに引用されてるけど詳細はよくわからない。薬になる動植物、鉱物などの解説。
 
 
書名 『太平広記』(たいへいこうき)
著者・編者 李昉
成立年代
備考  宋の太宗の勅令で編纂された小説集。漢から北宋初期までの約七千篇の作品を収録している。
電子テキスト 美華網路・公益図書館『太平広記』(繁体字中文)
亦凡公益図書館 『太平広記』(簡体字中文)
 
 
書名 『李湯』(りとう)
著者・編者 李公佐
成立年代
備考  『唐国史補』にある無支奇の話を脚色して紹介する伝奇小説。『太平広記』巻四百六十七に収録されている。
電子テキスト 美華網路・公益図書館
 『太平広記 卷第四百六十七 水族四』(繁体字中文)
亦凡公益図書館 
 『太平広記 卷第四百六十七 水族四』 (簡体字中文)
 
 
書名 『岳瀆経』(がくとうけい)
著者・編者  
成立年代  小説『李湯』に出てくる架空の本。モデルは『山海経』
備考      
 
 
書名 『本草綱目』(ほんぞうこうもく)
著者・編者 李時珍(りじちん)
成立年代 明 1578年に成立 1596年に出版
備考      中国の代表的な本草書。薬になる動植物鉱物などを解説している。日本の『和漢三才図会』などに大きな影響を与える。
 
 
書名 『西遊記』(さいゆうき)
著者・編者 呉承恩(ごしょうおん)
成立年代
備考      天帝さえも手をやく暴れザル孫悟空が三蔵法師の弟子になり取経の旅を助ける痛快な小説。天竺(インド)にお経を取りに行った実在の僧侶 玄奘三蔵の旅行記をもとに創作された。 
 現存する最古の本は明代のものだが、それ以前にも『西遊記』と称する本はあったらしい。一般に呉承恩の作とされるが、これもはっきりしない。さまざなま伝説をまとめて成立したものだと言われている。
 
 
書名 『百獣図』(ひゃくじゅうず)
著者・編者 邊景昭
成立年代 明 1449年
備考  怪物図巻。『山海経』の化け物もたくさん出てくる。
収録図書    
 
 
書名 『山海経広注』(せんがいきょうこうちゅう)
著者・編者 呉任臣(ごにんしん)
成立年代 清 康熙五年(1666年)ごろ
備考     『山海経』の注釈書。『山海経』をモチーフにして作られた唐や宋の詩まで記録している。
 
 
書名 『山海経新校正』十八巻(せんがいきょうしんこうせい)
著者・編者 畢沅(1730-97)
成立年代 清 乾隆四十六年(1781年)ごろ
備考      山海経の注釈本のひとつ。著者は「山海経には不明な点が多く、解釈には後世の学者を待たねばならない」としており、注釈そのものの分量は少ないが信頼できるものが多いという。
 
 
書名 『山海経箋疏』(せんがいきょうせんそ)
著者・編者 郝懿行(かくいこう)
成立年代 清 嘉慶九年(1804年)ごろ完成 
嘉慶十四年(1809年)に刊行
備考      郭璞の『山海経十八巻』に注釈を加えたもの。『山海経』の注釈書としては最も綿密で詳細なものといわれる。集英社の『全釈漢文大系33』に収録されているのはこれを底本としているが、郝懿行の注は省かれている。
 
 
書名 『山海経存』(せんがいきょうぞん)
著者・編者 汪紱(おうふつ)
成立年代 清 光緒二十一年 :(1895年)に刊行
備考     『山海経』の注釈書。わりと簡単な注がついているだけらしい。著者が貧乏で完成後も印刷することができず、実際に世に出たのは著者が死んでからのことだという。
 
 
書名 『本草図説』(ほんぞうずせつ)
著者・編者 高木春山
(本名 高木八兵衛以孝,生年不明~1852没)
成立年代 江戸末期(1800年代?)
備考      江戸時代末期に作られた極彩色の本草図鑑。<植物><水産><動物><鉱物><人類><自然現象>の六部からなる百科事典だったようだが、そのすべてが現在に伝わるわけではない。現存するのは二十一巻から百九十七巻までと水産部三十巻、未定稿五十六巻のみ。中国の本草書のみならず、西洋の図版からの模写なども含んでおり、江戸時代の日本と西洋との交流もかいま見せる。

 作者は江戸時代の御家人で、生前密かに作り続けていたものを、明治に入ってから孫の高木正年が整理して<水産>部だけを水産博覧会に出品し世に知らしめたものという。
 このあたりの経緯はリブロポート社の『本草図説』全三巻に詳しいが、現在は絶版。荒俣宏が監修してるだけあって、図版もとても美しく収録されているのに、手に入らないのは残念。

収録図書 リブロポート社『本草図説』全三巻
 愛知県の西尾市立図書館の岩瀬文庫に保管されている原本の一部を収録。荒俣宏監修・八坂安守校註(1988年刊)。出版社倒産につき現在手に入らない。
 どーしても欲しいという方は このへん で復刊運動などしてみるのもいいのではないかと。誰かが音頭をとってくださるのなら、わたくし喜んでお手伝いします。

平凡社『アニマ』1986年10月号 no.166 
[見出し] 
 江戸期最大級の博物図譜でありながら、顧みられることの少なかった『本草図説』の驚異的な力業をさぐる。 
・無名の博物学者
・水産博覧会への出品
・春山の実像
・『本草図説』の驚異 

平凡社彩色江戸博物学集成icon
 <江戸の博物図館>(平凡社「アニマ」1985年5月号~1987年3月号)をまとめたもの。

 
 
書名 『姫国山海録』(きこくせんがいろく)
著者・編者 南谷先生
成立年代 宝暦十二年五月
備考      著者は南谷先生というが何者なのかは知られていない。『山海経』を手本にして作った日本版山海経。姫国というのは日本を別名である。国書刊行会の『百鬼繚乱』に収録されている。人権上の配慮から図を一点だけ削除したとのことで少し残念。オリジナルは東北大学附属図書館に所蔵されている。閲覧可能な方、削除されたものがどんなのか教えてくださると珍獣様はとっても喜びます。
 

書名 『出エジプト記』
著者・編者 モーセ
成立年代 前445年(ペルシャ支配)
備考      旧約聖書の一部で、イスラエル人であるヤコブがエジプトに移住し、預言者モーセが民をひきつれてエジプトを脱出するまでを語る。モーセ五書のひとつ。

 エジプトに移り住んだヤコブの子孫は奴隷に身を落として苦しんでいた。イスラエルの民でありながらエジプト王妃の子として育てられたモーセは、同族たちをひきつれて、神がイスラエルの父祖アブラハムとイサクに約束したカナンの地へと移住する。逃亡の途中、紅海に道をはばまれたとき、神は海をまっぷたつに分けて道を作った。映画『十戒』でもおなじみの有名なシーンである。

 その後、モーセは神から十の戒めをさずかり、幕屋(まくや)と呼ばれる神殿を中心に荒野で放ろう生活をつづける。幕屋は神が民の中に住むことの象徴であり、やがて来るキリスト(神が人となって、人の中に住む)のモデルでもある。

 イスラエル人として守るべき細かいしきたりを語る『レビ記』に続く。
 

協力:ひろこ様
 
 
書名 『レビ記』
著者・編者 モーセ
成立年代 前445年(ペルシャ支配)
備考      旧約聖書の一部で、預言者モーセがシナイ山で神ヤハウェから命じられたおきての書(法令集)。モーセ五書のひとつ。
 いけにえのささげ方など礼拝に関することや、祭りについてなどが記されている。レビはモーセの十二人の息子のひとりでレビ族の祖。レビ族はイスラエルの民のなかで祭司職にあたる。
 
協力:ひろこ様
 
 
書名 『コーラン』
著者・編者 不明
成立年代 651年
備考      イスラム教の教典。神アラーが預言者マホメット(571年~632年)に対し、あるいは信徒(ムスリム)に向かって、直接話し掛けたものをまとめたとされる。内容は道徳法的規定や他宗への批判など。

 アラビア語文としては優れた詩の韻律を持ち「読誦すべきもの」とされています。徹底した偶像崇拝禁止のイスラム教には、彫刻も絵画もなく、ただコーランの読誦のみが許された。

協力:ひろこ様
 
 
書名 『東方見聞録』
著者・編者 マルコ・ポーロ述/ルスティケロ著
成立年代 1298年
備考      1271年、マルコ・ポーロが17才の時に、叔父マッフェオと父ニッコロと共にヴェネツアからモンゴルに向けて旅たった。教皇から派遣された二人の伝道師は、旅の途中で逃げてしまったが、三人はそのまま旅をつづけた。 中央アジアを経て1275年に元の大都(現在の北京)にいたる。3年半の辛い旅が終わったのだ。フビライ・ハーンは礼を尽くして彼らを迎えた。特に若いマルコ・ポーロを気に入り、彼を汗の外交官として召し抱えた。汗の命令により中国各地を旅行した、この体験がのちに本となった。
 1292年、海路帰国の途につく。1295年にベネチアに帰着。のち戦いでジェノバの捕虜となり、獄中で書いたのが有名な『東方見聞録』である。この書は社会に大きな影響をあたえ、東方のバイブルとなった。

 1巻では、シルクロードから雲南への使節行、元朝の宮廷事情までを収録。
 全アジアを支配下におくフビライ・カーンの寵愛を受けて、マルコ・ポーロは二十歳そこそこから十七年間、使者として元朝諸方へ派遣され、各地を踏査する。未曾有の繁栄を誇るシルクロードを採った往路の様子から、現在のミャンマーあたりにまで至る雲南への使節行、さらには元朝の宮廷事情にまで及ぶ見聞記。

 2巻はスパイスコースで帰路につき、26年という長い旅の終わりを迎えるまでを収録。
 現在の天津郊外より台湾海峡に至る長大な運河に沿っての福建への旅、チパング島への遠征(元寇)、さらには極寒のロシアなど、広大な地域にわたって産業や宗教、習慣、迷信などを見聞してゆくマルコ・ポーロ。インド洋を経由するスパイスコースで帰路に着き、ヴェニスを発って二十六年という長い旅の終わりをむかえる。

参照
 マルコ・ポーロの東方見聞録
 ドードーの絶滅

協力:ひろこ様
収録図書 平凡社・東洋文庫『東方見聞録』
 
 
書名 『動物誌』(The Thierbuch)
著者・編者 コンラート・ゲスナー (1516-65)
成立年代 1589~1606年
備考      博物学的な収集と分類の精神に基づいた、グーテンベルク以後最初の体系的な解説つきの書誌。
電子テキスト 「四足類」(1606年)
「鳥類」(1600年)
「魚類」(1598年)
「蛇・怪物類」(1589年)

参照
 慶應義塾大学所蔵 博物誌コレクション
 HUMI Project 


協力:ひろこ様
 
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