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平成十六年 西暦 2004 年 甲申(きのえさる)
弥生(4月19日〜5月18日) 己巳(節入り 立夏 5/5)
旧暦新暦六曜干支月・天文節気祝日・行事等
弥生一日4月19日(月)先負戊辰朔(新月)
 今日から旧暦の三月で〜す。

 インターネット上のすっごくたくさんのサイトが今日を「京都東山霊山観音のふぐ供養の日」としてるんだけど、調べてみると「毎年 4 月の初旬」とか「桜の咲く時期」というだけで日は決まってないっぽいんですよねえ。それに、ふぐ供養という催しは日本全国でやってて日付もまちまち。なんで今日だと決まってるのさ。意味わかんないわよ。誰かわかるように説明して。

弥生二日4月20日(火)仏滅己巳穀雨
穀雨
 二十四節気のひとつ穀雨です。春の雨が穀物を潤す頃。

弥生三日4月21日(水)大安庚午旧ひな祭り
 今日は旧ひな祭り。甘酒飲みましょう。

ハチ公像完成
 1934年(昭和9年)の今日、渋谷の駅前に忠犬ハチ公像ができました。ハチ公は死んでしまったご主人様を、毎日駅まで迎えに行った秋田犬です。恩を忘れない立派な犬だと評判になり、全国から募金を集めて銅像建立ということになりました。なお、ハチ公が死んだのは昭和10年 3月8日 です。銅像ができて 1 年後のことです。

 ここでトリビア。ハチ公の像は…


…秋田にもある。
 ハチ公は秋田県大館市で生まれた生粋の秋田犬です。ハチ公が亡くなった昭和10年に、生誕の地である大館市にも銅像が造られました。

 さらにトリビア。ハチ公の像は…


…取り壊されたことがある。
 第二次世界大戦がはじまると、鉄や銅などの金属は軍に接収されてしまいます。各地で銅像が溶かされて船や飛行機の材料になりました。ハチ公の像も昭和19年に壊されてしまったそうです。渋谷のハチ公は昭和23年に、大館市のものは昭和62年に作り直されたものだそうです。

弥生四日4月22日(木)赤口辛未こと座κ流星群極大
 ナゾナゾ。かけたりひいたりはできるけど、たしたりわったりできないものは?[椅子:椅子にかける、椅子をひく。布団は「しく」ものなので標準語だとダメ。]
弥生五日4月23日(金)先勝壬申
世界本の日・サンジョルディの日
 毎年 4月23日は世界本の日です。これは1995年11月にパリで開催されたユネスコ総会で決められました。この日はジョルディという聖人の命日にあたり、スペインのカタロニア地方では男性が女性に花を、女性が男性に本を送るならわしがあるそうです。また4月23日は『ドン・キホーテ』の作者セルバンテスの命日だったり、シェイクスピアの命日でもあり、本に縁の深い日ということになってます。

 聖ジョルディはどんな人だったのかっていうと、調べたんですがいまいちよくわからないんですな。聖職者ではなく騎士だったようです。聖人と言われるのは、キリスト教が禁じられていた国・時代で信仰を告白し、拷問にかけられて死んだのだと言われています。
●いつ頃の人か?
 2世紀って書いてるサイトがあった。
 でも死んだ年は303年(4世紀初頭)だと書いてある年もあった。
●実在したのか?
 伝説に包まれた人物で、架空の人かもしれない。
●どこの国の人か?
 よくわかんない。各国で違う名前で守護聖人にしてるし。
●どんな伝説を持っているか?
 リビア(リディアと書いてあるサイトもあった)でドラゴンの生け贄にされそうだった姫君を救い出した。この時退治したドラゴンの血が赤い薔薇に変わった。
●どこで死んだか?
 カッパドキアとの説あり。たしかにあそこはキリスト教が迫害されてたよね。
●なぜ本を送るか?
 これもよくわからんっ。花(特に薔薇)を送るのはドラゴン退治の伝説から来てるんだけど、本はなぜなんだろ。聖書を贈るというんならわかる気もするけど。
※サン・ジョルディはスペイン語の呼び名で、英語ではセント・ジョージ、フランス語ではサン・ジョルジュなどと呼ばれてます。

弥生六日4月24日(土)友引癸酉
宇宙に浮かぶ望遠鏡
 1990年の今日、スペースシャトル「ディスカバリ」によってハッブル宇宙望遠鏡が宇宙空間に放出されました。ハッブル望遠鏡は 1962年から計画され 1985年に完成。宇宙での活躍を期待されたが 1986年にスペースシャトル「チャレンジャー」が打ち上げ直後に爆発した事故で打ち上げが延期されました。この望遠鏡は地上から 600km の高度をまわる反射望遠鏡で、大気の影響をうけないためとても鮮明な宇宙を見せてくれます。

 これまでにさまざまな発見をした望遠鏡ですが、2004年1月 NASA は老朽化を理由にハッブル望遠鏡の修理を中止すると発表。このまま放っておけば数年後に流れ星になってしまう運命とのこと。世界中の学者たちが「まだ早すぎる!」と反対の声をあげています。

弥生七日4月25日(日)先負甲戌
 ナゾナゾ。空の下には何がある?[ファ(ドレミファソラシド…ソラの下はファ]

弥生八日4月26日(月)仏滅乙亥
 ナゾナゾ。夜になると部屋から出てきて、朝になると部屋にもどってしまうものは?[雨戸]

弥生九日4月27日(火)大安丙子
マゼランの誕生日
 1480年の今日、ポルトガルの航海士マゼランが生まれました。彼は南アメリカ大陸の南端とフエゴ島との間にあるマゼラン海峡を発見した人です。また太平洋とうい名前を付けたのもマゼランだそうです。マゼラン海峡は幅が狭く強風の吹き荒れる難所でしたが、海峡を通過してからは穏やかな天候にめぐまれたことにちなんでいるようです。また、南半球でしか見えないマゼラン星雲という天体は、マゼランが南米大陸の突端にたどりついた時に発見したと言われています。

弥生十日4月28日(水)赤口丁丑上弦
 ナゾナゾ。昼間は満員で、夜になると誰もいなくなる部屋は?[押し入れ:昼間は布団で満員。夜は敷いちゃうからカラになる。]

弥生十一日4月29日(木)先勝戊寅みどりの日
みどりの日・昭和天皇の誕生日
 今日はみどりの日。昭和天皇の誕生日です。平成になって天皇誕生日が変わってからも祝日として残されました。

 明治天皇の誕生日は11月3日の文化の日ですが、大正天皇の誕生日(8月31日)は祝日になっていません。昭和天皇も亡くなった時に誕生日の祝日を廃止してもよさそうですが、ゴールデンウィークの始まりの日として定着しているので今さら平日にできなかったみたい。

 祝日として残すなら、明治天皇の誕生日が文化の日と呼ばれてるみたいに、なにかテーマ決めて別の祝日にしなきゃならないんですけど、科学技術、福祉など、いくつかの候補の中から「みどり」が選ばれました。自然や平和を思わせるあたりさわりのない名前ですね(^^; 昭和天皇は野草が大好きで「雑草という名前の草はない」なんてことも言ってましたから、みどりの日というネーミングはけっこう似合っているのかも。

弥生十二日4月30日(金)友引己卯
 新暦 4 月も今日で終わり。明日から 5 月だー。

 ちなみに、ゴールデンウィーク(黄金週間)はもともと映画業界の言葉だったとか。連休で映画館を見る人が増えてお金がもうかるのでゴールデンウィーク。つまりこの時期に連休になる日本特有の呼び名なのです。なんと安易なネーミングでしょう。でも景気よさそうでいいですね。

 他に、マルコポーロが黄金の国ジパング(日本)に来たのが5月だという説もあるみたいですが、かなりコジツケっぽい香りがします。

弥生十三日5月1日(土)先負庚辰(八十八夜)メーデー
 今日から新暦の 5 月なんですけど、先月は引越騒ぎでろくにパソコンを立ち上げられず、あまり準備ができませんでした。今月はできるだけ軽〜く行きたいんですが、この企画、珍獣様の蘊蓄をアップするための特訓コースでもあるので、調べてるうちに自分が熱中してしまい「もうダメだ、時間かかる、めんどくさい」と自爆するという最悪の日々だったりするんです。本当に引っ越せることが確定してたらこんな企画はじめなきゃよかったかもしんない。はげしく後悔。まあ、できるかぎりやってみます。

メーデー
 今日はメーデー。労働者の労働者の祭典です。1886年5月1日、アメリカの労働者が八時間労働制を求めてストライキを起こしたことに由来しています。その後、第二インターナショナル創立大会でこの日を労働者の祭典として正式に決定、翌年の 1890年5月1日には第一回目のメーデーが開催されました。この祭りはヨーロッパにも広まり、労働者の待遇改善を求める集会などが開かれました。日本でも1920年(大正9年)に最初のメーデーが行われましたが 1936年(昭和11年)に禁止され、終戦後の1946年(昭和21年)に復活して今日に至ります。

 そういうわけで、この日を労働者の祭りとしたのはそれほど古い時代のことではありませんが、それ以前にもヨーロッパ各国で春を祝うお祭りを行っていました。その歴史は古く、古代ローマ帝国で春の女神フローリリアの祭りを行ったことに由来しているそうです。このお祭りはローマ帝国が滅びたあとも民衆によって続けられました。

八十八夜
 立春から数えて 88 日目。夏も近づく八十八夜といいますが、この日を境に少しずつ夏らしくなっていきます。八十八夜の別れ霜という言葉もあり、どんなに寒い地方でもそろそろ霜が降りることがなくなります。この日に摘み取ったお茶は縁起がよいとも言われています。
 なお、八十八夜を 5月2日固定であるかのように書いてるサイトがけっこうあります。某大手ポータルサイトのIの「今日は何の日」ですら5月2日固定にしてたりするんですけど、立春だって年によってずれるのに八十八夜が固定のはずないと誰も思わないの?

弥生十四日5月2日(日)仏滅辛巳
 ロシアのナゾナゾ。走っても走ってもそこへは行けない。空を飛んでも行けない。なのにいつでも見えているものなんだ。[地平線(東京じゃそんなもの見えませ〜ん)]

弥生十五日5月3日(月)大安壬午憲法記念日
憲法記念日
 1947年の今日、日本国憲法が施行されました。このことを記念して 1948年からこの日を憲法記念日として国民の祝日にしました。

 日本は江戸時代に長いこと鎖国して欧米各国と付き合っていませんでしたが、明治になると急に外国の文化を取り入れて、法律も欧米式のものに変わりました。明治になって作られた憲法は大日本帝国憲法といって、国で一番偉いのは国民ではなく天皇ということになっていました。それからの日本は国を豊かにするために、あっちこっちに戦争をふっかけてアジアの国々を植民地にしていましたが(そういうことは日本だけがしてたわけではないんですけどね)、第二次世界大戦で日本が負けるとアメリカから占領軍がやってきて「天皇が神様で一番偉いなんてダメ。国を豊かにするために戦争するなんてもってのほか。これからは国民主権で軍隊を持たない平和な国になれ」と、新しい憲法の草案まで作ってしまいました。結局、この時に占領軍が作った草案が、ほとんどそのまま日本国憲法という新しい憲法になりました。

 日本の憲法は、軍隊を持ってはいけないこと、他の国に戦争をしかけてはいけないことなどがハッキリと書かれたとても平和な憲法で、これに従っているかぎり、日本という国は世界に類をみないほど平和な国になるはずなんですが、こういう憲法を作ってくれたはずのアメリカが日本を戦争に誘ってるんだから世の中ってわけわかりませんよね。まあ、戦争が終わって何十年もたってるのに、いまだに外国人に作ってもらった憲法をそのまま大事にしてるってのも笑える話なのかもしれないんだけどさ。

弥生十六日5月4日(火)赤口癸未月食(5日未明)国民の休日
国民の休日
 今日は全国的にお休みですが、何かの記念日というわけではありません。1985年から実施されているお休みで、前後に祝日のくる日を休日にすると決められています。今のところそういう日は 5月4日しかありません。

月没帯食(月食)
 5 日の夜明けごろ、月食で途中まで欠けた月が西の空に沈んでゆくのが見えます。明日もお休みなので今夜から徹夜で頑張ってみるのもいいかも。欠けはじめは東京で 5 日の午前 3:48 です。
弥生十七日5月5日(水)先勝甲申望(満月) 月食立夏こどもの日 新暦端午
こどもの日・端午の節句
 5月5日はこどもの日。この祝日は「子供の人格を重んじ、子供の幸福をはかる」ための日として 1948年に制定されました。

 なぜ今日を子供の日としたかといえば、昔からこの日を端午の節句といって、男の子の立身出世を願うお祭りをしていたからです。鯉のぼりをたて、鎧兜を飾り、菖蒲湯につかって厄払いをするお祭りです。ところが、このお祭りはもともと男の子のものではなく、田植えをする早乙女(さおとめ)たちの物忌みの日だったのだそうです。旧暦の五月五日はちょうど田植えの季節。豊作を祈るために菖蒲で作った小屋に籠もり身を清めたのが最初だということです。それがなぜ男の子のお祭りになったかというと、菖蒲(ショウブ)が尚武(しょうぶ)や勝負(しょうぶ)に通じることから、江戸時代の武士階級で縁起をかついだのが始まりではないかということです。

 端午の節句の「菖蒲」にまつわる昔話もいくつかあるのですが、それについては こちら をどうぞ。

月没帯食(月食)
 今朝の月食は見られましたか(こんなこと書いてるわたくしは寝てそうな気がするんですけど)。食で欠けながら沈んで行く月ってのも情緒ありげですよね。そういうのを月没帯食っていうんだそうです。逆に食で欠けた月が昇ってくるのは月出帯食というそうです。
弥生十八日5月6日(木)友引乙酉みずがめ座η流星群極大
 ナゾナゾ。走っても走っても同じ速さでついてくる。でも決して自分を追い抜かないものなんだ。[自分の影]

弥生十九日5月7日(金)先負丙戌
 ナゾナゾ。背の高い男と、背の低い男と、やせっぽちの三人がかけっこしてる。一番足が遅いのは誰?[背の低い男。三人は時計の針で、背が高いのが長針、低いのが短針、やせっぽちが秒針。]

弥生廿日5月8日(土)仏滅丁亥
 ロシアのナゾナゾ。森を頭にのせているものなんだ(これはたぶんわからないいよ。ロシア人にはそう見えるんだねって感じ)。[オオシカ]

弥生廿一日5月9日(日)大安戊子母の日
アイスクリームの日
 1869年(明治2年)の今日、横浜の町田房蔵さんが日本で初めてアイスクリーム(氷菓)を販売しました。だから今日はアイスクリームの日。

母の日
 今日は新暦 5 月の第二日曜日で母の日です。
 1907年5月9日の日曜日、アメリカのウェストバージニア州でミス・ジャービスという人の追悼式が行われました。この人は日曜学校の先生で、モーセの十戒にある「汝父母を愛せよ」という言葉を引用して子供たちに両親に感謝しなさいと教えていました。そこで、ミス・ジャービスの娘であるアンナ・ジャービス(当時 43 歳)が追悼式に参加してくれた人たちに「お母さんに感謝してくださいね」と白いカーネーションを手渡しました。このことが話題になって、時の米大統領ウッドロー・ウィルソンは、1914年に 5月の第二日曜日を母の日とすることに決定しました。
 母の日にカーネーションを送るのは、この花の伝説に由来しているらしいです。イエス・キリストが十字架にかけられる時、聖母マリアの涙が大地に落ちて咲いた花がカーネーションだというのです。そのためカーネーションは母性の象徴だと言われています。

 母の日の習慣が日本で取り入れられたのは終戦後の 1949年(昭和24年)ごろだそうです。きっかけはハッキリしていませんが、キリスト教の布教とともに広まったとか、米兵が祝っているのを真似たのだとか言われています。

弥生廿二日5月10日(月)赤口己丑
 イギリスのナゾナゾ。丘をのぼり谷を下ってゆくのに自分は一歩も歩かないものなんだ。[]

弥生廿三日5月11日(火)先勝庚寅下弦
朔太郎忌
 1942年(昭和17年)の今日、詩人の萩原朔太郎がなくなりました。享年 57 歳、肺炎だったとのことです。

 朔太郎は群馬県前橋市出身なんですけど、多趣味な人だったらしく、マンドリン楽団なんか作ったこともあったみたいです。そのせいか、群馬の中学・高校にはたいていギター・マンドリン部があります(レベルのほうがしょーもない感じですけどね…ええ、わたくしも某中学でギタマン部でしたことよ、ああ恥ずかしい)。

 朔太郎の奥さんはダンスパーティーで知り合った男と逃げてしまい、朔太郎は幼い娘(葉子)を前橋の実家に預けて東京と前橋を行ったり来たりする生活をしていたようです。朔太郎の実家では、男と逃げた嫁の子供というので葉子につらくあたったこともあったみたいです。娘さんも小説家になり『蕁麻の家』という自伝的小説で祖母から受けた仕打ちを書いて女流文学賞を貰ったりしています。これが前橋の実家周辺ではかなり不評だったと、珍獣様が高校生の(ふりをしていた)頃の現代国語の先生(地元の人)が言ってました。朔太郎は手品にも熱中していたのですが、娘さんが書いた小説(たしか『手品』というタイトルの短編だったと思うんですが)に「このトランプは布製だから洗えるんだよ」といいながら汚れてもいないトランプを嬉しそうに洗っていたなんてことが書いてあって、カワイイような、どこか悲哀を感じるような妙な気分にさせられます。

弥生廿四日5月12日(水)友引辛卯
ナイチンゲール・デイ(ナイチンゲールの誕生日)
 1820年の今日、ナイチンゲールが生まれました。彼女はクリミア戦争で献身的な看護をしたことから看護婦の鑑と言われていますが、その実、仲間のお医者さんなどをこき使って過労死に追い込んだりしてたって、トリビアの泉で言ってましたね。目的意識の強い人はほかのことに目がいかなくなるものなのかも。プラネテスで鉢巻きのおとっつぁんも「いい仕事をするヤツはワガママなものだ」とか言ってたし?

弥生廿五日5月13日(木)先負壬辰
メイストーム・デイ
 バレンタインデーから 88 日目。恋を告白されたものの、やっぱり別れたいなぁと思っている人が、別れ話を切り出すのに丁度いい日とされています。なんでも八十八夜にちなんでいるんだそうですよ。立春から 88 日たつと霜も降りなくなることから「八十八夜の別れ霜」という言葉があるんですが、別れにちなんでバレンタインデーから 88 日目の今日を五月の嵐、メイストーム・デイとしているそうです。…って、こんな日誰が決めたんだろ?

弥生廿六日5月14日(金)仏滅癸巳
種痘記念日
 1769年の今日、イギリスの外科医ジェンナーが、8 歳になる自分の子供に種痘を接種しました。種痘は天然痘という病気の予防に大変効果のあるものです。毒性を薄めた天然痘のウィルスを体に入れて病気に対する免疫を作るのですが、当時は「そんなことをしたらかえって病気になって死んでしまう」といって、人々はジェンナーの言うことを信じませんでした。ところが、種痘を受けたジェンナーの息子は病気にはなりませんでしたし、天然痘が流行したときも感染しませんでした。こうして、種痘の効果が世界に知れ渡り、現在では天然痘で死ぬ人はいなくなりました。

温度計の日
 1686年の今日、水銀温度計を発明したドイツの物理学者ファーレンハイトが生まれました。このことを記念して今日は温度計の日とされています。水銀温度計は体温計によく使われているのですが、最近ではデジタルのものが増えていて、水銀計は売ってない店もあるみたいですね。自宅に水銀計がある人は大事にしたほうがいいですよ。そのうち欲しくても手に入らなくなってしまうかも??

弥生廿七日5月15日(土)大安甲午沖縄本土復帰記念日
沖縄本土復帰記念日
 1972年の今日、沖縄が日本に返還されました。つまりこの日まで沖縄は日本じゃなかったんです。第二次世界大戦で日本が負けて、沖縄はアメリカの領土ってことになってました。自動車は米国式に道路の右側を走っていたし、遊びに行くにはパスポートが必要だったし、出入りするのに検疫を受けなきゃいけなかったんです。沖縄の高校が甲子園に出場して球場の砂を持って帰ろうとしたのですが、検疫にひっかかって海に捨てなければならなかったそうです。

弥生廿八日5月16日(日)赤口乙未
 ナゾナゾ。上や下へは行けるけど、前や後ろへは行けない乗り物は?[エレベーター]

弥生廿九日5月17日(月)先勝丙申
 イスラエルのナゾナゾ。世界中を飛びまわるのに自分はいつも隅っこで寝ているものなんだ。[切手]

弥生卅日5月18日(火)友引丁酉
 日本のナゾナゾ。舐められたり叩かれたりしながらあちこち歩くものなんだ。[切手。切手を貼る時に舐めるし、消印を押す時叩かれる。]

卯月一日5月19日(水)仏滅戊戌朔(新月)
 今日から旧暦の四月で〜す。

卯月二日5月20日(木)大安己亥
 チェコのナゾナゾ。指が百本、頭は五つ、魂は四つ、洗礼は五つ、なんだ?[四人でひとりの死人を運んでいるところ。ひとりは死んでるので魂は四つ。]

卯月三日5月21日(金)赤口庚子小満
 ブルガリアのナゾナゾ。水はなんでも運んでしまうけど、たったひとつだけ運べないものはなんだ?[水に映った影]

卯月四日5月22日(土)先勝辛丑
 フィリピンのナゾナゾ。子供の頃は着物を着ていて、大きくなると裸になるものなんだ…ってこれだけじゃわかんないと思うので珍獣様からヒント。馬にもなればトンボにもなるものなんだ。[竹(タケノコには皮があるけど竹にはない。竹馬や竹トンボになる)]

卯月五日5月23日(日)友引壬寅うしかい座α流星群極大
火葬禁止令廃止の日
 今日は火葬禁止令が廃止された日です。
 火葬が禁止されていたなんてことを書くと、いつの話だろうって思うでしょうが、これがけっこう新しくて 1875年(明治8年)のことです。
 現在の日本では人が死ぬと火葬にする家が多いですよね。火葬は日本に仏教が伝来した頃から始まった習慣です。それまでは土葬にするか遠くに捨ててくるのが普通だったみたいです。仏教が定着したからも、田舎では土葬にしてたみたいですが、都市に住む町民は火葬されてたようです。

 ところが1875年(明治8年)、明治政府はいきなり「火葬はダメ、土葬にするように」と言いはじめて、しばらくの間、火葬が禁止されていたことがあるんだそうです。西洋は土葬なので日本でも…というのかと思ったら、国学者たちが「火葬は仏教の習慣、我が国の宗教は神道で土葬が基本」だって言いはじめたのが理由らしいんです。

 でもこの火葬禁止令は同じ年にアッサリ廃止されてしまいます。たぶん土葬だと埋める場所をとるので実際的じゃなかったのかも。それに、日本の墓地ってたいていお寺にあるでしょ。神道式のお葬式やっても埋めて貰う場所なさそうなんです。いちおう東京府(当時は都ではなく府でした)は、お寺にも神社にも属さない場所に墓地を作って対応しようとしたみたいです。それが今の青山墓地だって話ですよ。へー。

卯月六日5月24日(月)先負癸卯
 イスラエルのナゾナゾ。自分のものなのに他人が一番使うものは?[名前(自分の名前は自分ではあまり呼ばない)]

卯月七日5月25日(火)仏滅甲辰
鶴岡の化物祭(天神祭)
 毎年 5月25日に山形県鶴岡市では天神様のお祭りをやるんですが、これが不思議なお祭りで、男も女も派手な長襦袢を着て編笠と手ぬぐいで顔を隠して道行く人に無言で酒をふるまうんだそうです(参考> 鶴岡市湯野浜温泉のサイト )。天神様こと菅原道真公が太宰府に流される時、人々が顔を隠して別れの酒を酌み交わしにやってきたことに由来しているそうです。

卯月八日5月26日(水)大安乙巳旧はなまつり(仏誕)
 チェコのナゾナゾ。そいつは固いものをやわらかくするし、やわらかいものを固くする。風とは仲がいいけど水を嫌う。これなんだ。[]

卯月九日5月27日(木)赤口丙午上弦
百人一首の日
 なんでも 1235年の今日、藤原定家が小倉百人一首をせんした撰したっていうんですけどホントかなあ(^^; とりあえずそういうことで今日は百人一首の日だそうです。

卯月十日5月28日(金)先勝丁未
 フランスのナゾナゾ。男も女も大人も子供も、だれもかれもみんな同時にやってることは?[年をとること(息をすることってのもアリかな?)]

卯月十一日5月29日(土)友引戊申
こんにゃくの日
 5 2 9 で「こん・にゃ・く」の語呂あわせになっています。1989年に 日本こんにゃく協会 などの団体が制定した記念日だそうです。

卯月十二日5月30日(日)先負己酉
 ナゾナゾ。それは僕んちに四つあるよ。君のうちにも四つあるはず。だけど世界にたった四つしかないっていうんだよ。なんのことだかわかる?[方位(東西南北の四つ)]

卯月十三日5月31日(月)仏滅庚戌
 今日で新暦 5 月はおしまい。明日から 6 月です。



 

参考文献

 今月は東京堂出版の『記念日の事典icon』という本を参考にしてみました。巻末に索引と、世界の記念日がついてます。西暦・元号対照表なんかもついてて手元に置くとけっこう便利かも?

 また、ナゾナゾは福音館の『なぞなぞの本icon』を参考にしました。世界のなぞなぞを集めた本です。ナゾナゾの出てくる昔話なんかも載ってて面白いですよ。


端午の節句に関係ありげな昔話

 さて、端午の節句といえば菖蒲湯なんですが、菖蒲湯の由来に関係ありげな昔話をいくつかご紹介しましょう。『飯食わぬ女房』という話を聞いたことがある人は多いと思うんですが、陸中(岩手県)バージョンでは、菖蒲が重要な役割を担うそうです。

『飯食わぬ女房』

 むかしあるところに、たいそうケチな男がいました。独り者でいつまでも嫁をとらないので、知人や親類の者が
「お前もそろそろ嫁コでも持ったほうがいい」
とすすめるのですが、
「嫁は飯を食う。飯を食わない嫁がいるならもらってもいい」
という有様でした。

 そうしたある日、男のもとに美しい女が現れて
「わたしはご飯を食べませんから、お嫁さんにしてください」
と言いました。
「なら勝手にするがいい。だが、少しでも飯を食ったら暇を出すからな」
男はそう言って、ご飯を食べないという女をお嫁さんにむかえました。

 それから毎日、お嫁さんはまめまめしく働いて、自分はすこしもご飯を食べませんでした。ケチな男は「こりゃぁいい嫁をもらった」と上機嫌でした。ところが、米びつを覗いてみると、いつもより早く米が減っているのです。「さては嫁コがかくれて飯さ食っているだな」と思った男は、畑へ行くふりをして、そっとお嫁さんの様子を見ていました。

 すると、お嫁さんは大きなお釜にいっぱいの米を炊きました。とてもひとりで食べられるような量ではありません。あんな沢山のご飯をどうするんだろうと見ていると、お嫁さんが髪の毛をほどきはじめました。お嫁さんの頭の後ろに大きな口がぱっくり開いて、さきほど炊いたご飯をムシャムシャと食べはじめたではありませんか。

 男がびっくりして叫び声をあげると、お嫁さんがこっちを振り返りました。その顔は、いつもの優しく美しいお嫁さんではなく、シワだらけで目のつりあがった山姥(やまんば)でした。

 男はあわてて逃げだしました。山姥がどんどん追いかけてきます。もうすこしで追いつかれそうになったとき、男は菖蒲やヨモギがたくさん生えている茂みに飛び込みました。山姥もあとから飛び込みましたが、ヨモギの枝や菖蒲のとがった葉が目にささり、山姥はぎゃーっと叫んで逃げて行ってしまいました。

 ちょうどこの日は五月五日だったので、この男のように悪いものに取り憑かれることがないように、菖蒲やヨモギの湯につかって魔よけをするようになったということです。

 この話は、結末にバリエーションがいくつかあります。
・男が山姥に食われてしまう
・男にみつかった山姥は山へ逃げて行き帰ってこない
・山姥につかまってるが、途中で逃げだして助かる
・端午の節句の由来譚に結びついている 
 端午の節句ということで紹介してみたのですが、菖蒲やヨモギが出てきてしまうと「ケチを戒める」というテーマが弱くなって今ひとつわからない話になってしまいますね。なんでも、東北ではひどい飢饉が何度もあったということで、誰もが一度くらいは「飯を食わぬ嫁(働き手)がほしい」と思っても不思議はないってことらしいですよ。

 端午の節句といえば、もうひとつ有名な昔話がありますよね。ある娘のところへ夜になると男が通ってくるのですが、その招待は蛇の化け物で、娘は蛇の子を身ごもってしまいます。そこで菖蒲湯につかる(あるいは菖蒲湯をまたぐ)と蛇の子がだらだらと流れだして娘が助かったので、それからは五月五日に菖蒲湯につかって魔よけをするようになったというのです。同じような話で菖蒲ではなくヨモギ湯またはヨモギ餅で魔よけをすることもあります。

 菖蒲もヨモギも香りの強い植物です。魔物は香りのあるものを嫌うようです。珍獣様の小さい頃は蛇を見ると道ばたのノビル(ネギやニンニクの仲間で葉に香りがある)やニラの葉をちぎって手に匂いをつけたりしてました。

 端午の節句については このへん にもなんか書いてあるかもしれません。

 

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