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日本みじかい昔話「竜宮の酒」

 …というわけで、日本みじかい昔話・第一回は「竜宮の酒」です。音声ファイルはこちら。
http://www.chinjuh.mydns.jp/ohanasi/365j/pc0001.mp3


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アーティスト:天地総子
 「メーテルリンクの青い鳥〜チルチル・ミチルの冒険旅行」っていうアニメに出てきた仙女ペリリュンヌの声をやってた人……なんて説明をしてわかる人はよっぽどのアニメ通かもしれないんですけど(汗) 歌手としても、声優としても有名な人です。

スシ食いねェ! スシ食いねェ!
 「みんなのうた」でおなじみの名曲を天地総子がカバーしました。オリジナルはシブがき隊です。ヘイらっしゃい!という掛け声とラップ調の歌詞が印象的。

※リンクをクリックすると iTunes が起動します。曲タイトルをクリックすると視聴できます。視聴は無料です。ご購入はクレジットカードか iTunes Music Card でどうぞ。



竜宮の酒

 ある日、男が村はずれの淵に大事な鉈を落としてしまいました。あわてて飛び込んでみましたが、思ったより深い淵で、いつまでだっても底が見えません。やっと底についてあたりを見回すと、立派なお城があって、出てきた女中さんが「あら、人間とは珍しい。ここは海の竜宮城ですよ」と言いました。なんと、あの淵は竜宮とつながっていたのです。

 竜宮の乙姫様は、男が陸から落ちてきたのだと聞くと、親切にもてなして、お酒を飲ませてくれました。そうして、三時間ばかり竜宮で遊んで村に帰ってみると、家に人が集まってい、男の葬式をしているのでした。ほんの三時間のはずが、陸では三日も過ぎいて、男は死んだと思われていたのです。

 すんでのところで葬式をまぬがれた男も、やがて歳をとって寿命で死ぬことになりました。男が死ぬ前にどうしても竜宮のお酒が飲みたいと言うので、村の和尚さんが淵の前でお経をあげて乙姫様にお願いをしてみました。すると、淵の底から大きなひょうたんがひとつ、ぷかりと浮かんできました。中にはお酒が入っています。男は、そのお酒を飲んで「ああ、うまい。この酒が飲みたかったんじゃ」と言い残して大往生をとげたということです。

珍獣ららむ〜 2006年01月12日(木)16:17

 あ、そうだ。この話の舞台になった場所は、文字で書くと「揺動ヶ淵(ようどうがふち)」とか「揺動淵(ようどうぶち)」とかだそうです。「どうどう淵」と呼ばれることもあるそうです。

 実在してるかどうか知りたくて、群馬県吾妻郡高山村(旧尻高村)にある泉龍寺さんにメールで問い合わせたことがあるんですが、淵は確かに実在していて、滝が流れ落ちるときに「どうどう」と変わった音がしてたらしいです。それが十数年前の台風の影響で滝の大石が動いてしまって、今は「どうどう」という音がしなくなった、という話でした。