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蟹退治>入院生活一日目・その1

 病気だの、入院だのの話をしていますが、一昨年の話です。

部屋

 こうして入院生活がはじまる。わたしの部屋は六人部屋だった。ナースセンターの前で、トイレにも近い。追加料金を払うと個室や二人部屋にも入れるけれど、そのような余分なお金は持ってない。ただ、わたしは個人的に大部屋が嫌いじゃない。元気のある時に二人部屋なんかに入れられたら三日ともたない(手術後のモーローとしている時ならどうでもいいけど)。完全に個室なら別として、同室の人が少ないと静かな分かえって息が詰まる。

 部屋は真ん中が通路で、両側にベッドが三つずつ。わたしのベッドは入り口から見て左手奥の窓際。各ベッドはカーテンで仕切られている。全員が昼間からカーテンを引きっぱなし。こういうのは病院にもよるのかもしれないけれど、わたしが以前入院してたところでは、昼間はみんなカーテンをあけていて、看護婦さんなども「元気のある人はカーテン引かないのよ」なんて言ってたので、ちょっと驚いた。でも、同室の人と積極的に交流したいわけじゃないから引きっぱなしでも問題ない(部屋は暗くなるが)。

 各ベッドの脇には側台(そくだい)と呼ばれるロッカーみたいなものがある。鞄などの大きな荷物を入れる棚と引き出しがついてる。引き出しの中には小さな金庫のようなものがあって、現金などの貴重品をしまえるようになってる。引っ張り出すと小さなテーブルになる板もついてる。その台の上にテレビも備え付けてある。テレビは1000円のテレビカードを買って見るタイプ。

 入院時にすることなんて、テレビを見る以外にないから、テレビ料だけで大金をすってしまうのではないかと思ったけれど、一カ月半くらいの入院生活でカードを五枚か六枚買った程度。見てなかったんじゃなくて、見ていてこの程度だった。

入院しても楽にはならない

 入院生活は、家にいるのより楽かっていうとそうでもなかった。腹水がたまってパンパンになったお腹は手術するまで劇的には改善しないし、腹水が胸にあがってきているせいで止まらない咳も、咳止めを飲む以外に手の打ちようもなさそう。

 それでも、まったく改善しないんじゃお金払って入院する意味がない。とにかく咳がきつい。外来でもらった咳と痰の薬がろくに効かないので、仕方なく飲んでいた市販薬を看護婦さんに見せて「この薬が一番効いてます」と言ったところ、「これはぜんそくの薬でしょう?」というようなことを言われ、変な顔をされてしまう。でも、その薬がいけない理由はやっぱり説明してくんない。意味がわからない。

 とにかく「これは効きませんでした」と病院の薬を看護婦さんに渡したところ、しばらく後にナースセンターから「ええと、これは……返品?」「効かないんですって」という会話とともに笑い声が聞こえてきた。はいはい、返品ですよ、ワロスワロス←もう古い?

 結局、薬は病院から出ていたリン酸コデインを飲み続けて様子を見るということで話はまとまった。たぶん他に適当な薬もないんだと思う。市販薬がダメな理由は説明してくれないから未だによくわからない。飲むなと言われたことではなく、納得できる説明を受けられなかったことに不満あり。

 それはともかく、ナースセンターの会話はほんとうに全部まるっと聞こえてる。「それは違う」と否定したくなるようなことを名指しで言われているのも耳にした。もちろん陰口とかではなく、治療に必要な情報の伝達として話していることなんだけど、事実が通じてないのは非常に困る。支障が出そうになったら否定しておこう。聞こえているからいいようなもんで、遠くの部屋に入れられてたら、何を適当に言われているかわからないなあと思う。

何度同じことを(以下ry

 寝間着に着替えて体重など量って戻ってきた頃、看護婦さんがやってきて様々な書類を置いていった。

 入院生活や手術に向けての心構えを書いたものがいくつか。それと、治療スケジュール。この日に検査、この日に担当医から手術などの説明を受ける、この日に麻酔医から麻酔についての説明を受ける、この日から食事制限、この日に手術、翌日に歩行開始、屁が出るまで食事はダメ……みたいなことが時系列に書いてある。

 そして、またもや何かの調査票がついてた。以前どんな病気にかかったとか、身長、体重など書き込む内容は外来の問診票とほとんど同じ。わたしはこのへんで軽く切れた。「何度も何度も何度も……何度同じこと書いたら気が済む?」と、普通に聞こえる声言ったら看護婦さんがすっとんできて、カルテに書いてあることはこちらで埋めますね、と書類を持って行った。当然こっちの言ってることも聞こえるのである(笑) そりゃ、わたしだって、一度や二度なら黙って書くけどさ、婦人科外来でも、内科外来でも、外科外来でも同じようなの書かされているし、だんだんイヤんなっちゃってね。

 いちおうフォローすると、入院時に渡される調査票には、普段の生活について書く欄がたくさんある。布団に寝てますか、入浴は湯船ですか、シャワーですか、毎日入りますか、というような感じで。たぶん、入院時に生活レベルが落ちると病気を治そうという気力も落ちていくから、なるべくいつも通りに暮らせるように気を配れるようにするための調査なんだと思う。必要な部分は書き込むので、それ以外のわかってるところは埋めてきてくれるとありがたい(本当に何度も書かされていることばかりだから)。

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  • 2008年02月19日(火)15時53分
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