レタスの仲間について
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和名 | レタス |
別名 | チシャ(苣、萵苣) |
学名 | Lactuca sativa |
科名 | キク科 |
中国名 | 萵 苣 |
英名 | lettuce |
エスペラント | laktuko |
その他 | laitue(仏) Kopfsalat(独) lattuga(伊) lechuga(西) alface(葡) |
花 | 夏 |
原産地 | 西アジア、アルジェリア、インド、シベリア…? |
古代エジプトでも食べていた乳の草
レタスの茎を傷つけると白い液がにじみ出す。これがミルクに似ているというので、ラテン語でラクトゥカ lactuca (乳の草)と呼ばれ、それが英語やスペイン語での呼び名のもとになった。
レタスの原産地はハッキリしないということだが、栽培の歴史は古く四千年以上前にまでさかのぼれる。エジプト古王国時代の遺跡であるニアンククヌムとクヌムヘテプの墳墓には、レタスと思われる植物の栽培風景が浮き彫りにされているのだ。
野生種に近いレタスにはラクチュコピコリンという沈静・催眠作用のある成分が含まれている。そのため古代エジプトではレタスを媚薬として使っていた。
現在栽培されているサラダ用のレタスにはラクチュコピコリンが少なく、催眠効果はあまり期待できないとも言われている。
日本では江戸時代から食用に
日本では少なくとも江戸時代中期には食用にされていたようだ。『和漢三才図会』に萵苣は「葉は地に広がり四散し」とあるので現在のレタスのように玉にはならなかったようだ。また、葉が広く短い系統のものと、狭く長い系統のものがあったらしい。
中国では『本草綱目』に「四月に薹(とう)が立って三、四尺になる。皮をむいて生で食べる食べる」とあり、茎を食べるステムレタスの仲間だったようである。
現在、日本でレタスといえば、淡い黄緑色の葉が丸く重なり合って玉のようになったものが中心で、ほかにサニーレタスのように玉にはならないリーフレタスもよく見られる。
ヨーロッパ型レタス
アジア型レタス
※この分類は何かの本から要点をメモしたんだったと思うけれど、出典を思い出せません:珍獣
古代エジプトのレタス栽培(模写)
ニアンククヌムとクヌムヘテプの墳墓には左の図のような浮き彫りがあるらしい(参考>八坂書房『ファラオの秘薬』)。本物は見たことがないし、なぜこれがレタスだと言われているのかもよくわからない。
エジプトで栽培されていたのはコスレタス(タチヂシャ)の仲間だと言われているが、絵だけで見たらステムレタスにも似てる。
ホルスとセト(エジプト)
エジプト神話で殺人の神であるセトの好物はレタスである。>関連記事