ダイコンの仲間について
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和名 | ダイコン(大根) |
別名 | 蘿蔔(すずしろ らふく ろふ) |
学名 | Raphanus sativus |
科名 | アブラナ科 |
沖縄口 | デークニ |
アイヌ語 | |
中国名 | 蘿蔔 luó bo |
英名 | Japanese Radish |
エスペラント | rafano japana rafano |
その他 | |
花 | 春 食用にする根は冬が旬 |
原産地 | 中央アジア原産 |
ダイコンのあれこれ
- 中央アジア原産のアブラナ科の植物。根が肥大するものを主に食用とするが、葉が太らず葉を食用にするものもある。中国経由で日本に来たものと、ヨーロッパのほうへ伝わって明治時代に日本に導入されたものがある。日本で二十日大根(ラディッシュ)って呼んでいるものはヨーロッパから導入されたものである。
- 日本の大根はほとんどが白く、たまに皮の赤いのもあるが、ヨーロッパには黒皮白肉のものもある。形もさまざまで、太くて長いもの、太くて短いもの、円くて大きいもの、円くて小さいもの、小さくて紡錘形のものなど。日本の大根は辛みだけでなくみずみずしさと甘みがあるが、ヨーロッパの大根は水分が少なく辛い。
- ダイコンは成長と共に名前を変える?
種:ライフクシ(來服子・羅葡子)
発芽直後:カイワレダイコン
間引き菜(まびきな)
大根菜
- 根から砂糖をとるテンサイ(甜菜)=サトウダイコン(砂糖大根)はアカザ科の別種。ロシアでボルシチに入れるビーツはテンサイの根が赤くなる種類。
- ダイコンと似たものとして、同じアブラナ科のカブがあるが、カブは胚軸(はいじく)といって根と茎の境目にある茎的部分が丸くふくらむ。ダイコンの太くなる部分はほとんどが根で、胚軸は葉に近いわずかな部分のみ。ダイコンとカブは食用にする部分が違うのである。生でかじった時、カブには辛みがなくダイコンには辛みがあるが、それは食べている部分が違うからで、カブも根(丸くふくらんだ胚軸の下に生えている細い部分)をかじれば辛い。
- ダイコンは細胞壁が厚くカブに比べると煮くずれにくい。そのかわり味も染みにくい。分厚く切った大根に味を染みこませるには 30分ほど煮たあとに一晩くらい煮汁の中で冷ませばよい。または、30分煮たあとに、鍋を保温して温度を保てば 1 時間程度で味が染みこむ。加熱を続けるのではなく、保温しなければならない。加熱によって汁に対流がおきると煮くずれてしまうからだ。
- ダイコンの根にはペクチンが多く、乾燥させても細胞同士が離れることがなく、乾燥食品に向いている。古来、切り干し大根として保存食にされた。
- ダイコンの辛みは細胞の中にあるグルコシノレートと酵素がすりつぶされて壊れることで反応し、イソチオシアネートという辛み成分になる。そのため、切らずにかじった時よりもすり下ろした時のほうが辛くなる。
- ダイコンの辛み成分は揮発性ですり下ろしてから時間がたつと辛みが消えてしまう。
- ダイコンの辛み成分には細菌やカビの繁殖をおさえる作用がある。
- 高知女子大学・食品化学研究室の渡邉浩幸教授は、特殊な方法で乾燥させた大根を粉末にすることで辛みを保存することに成功。水を加えるだけでいつでも辛みを味わえる。特許出願中とのこと(所さんの目がテン 07/12/02放映)。
様々なダイコン
- 守口ダイコン
根は人の親指ほどの太さで、長さは約120cmほど。ダイコンの根の長さとしては世界最長品種と言われている。漬物用。参考>社団法人愛知漬物協会のサイト
- 聖護院大根
丸い大根。根が長くならず、人の顔ほどもある球形に育つ。京都特産。煮物など。
- 紅しぐれ大根
根の表皮と根中心が赤紫になる赤大根の品種。群馬県などで栽培されている。館林地区農業指導センター
- からいね大根
辛みのつよい品種。白いものと赤紫のものがある。参考>種苗と園芸品つる新
- ネズミ大根
長野特産。根が小さくて先に向かって太くなり、尻尾のように突然細くなるのでネズミのような形に見える。すり下ろすと辛みが強く水がでにくいことから辛み大根として知られるが、辛みのあとに甘みと香りが広がる。この味わいを地元では「甘もっくら」と呼ぶ。参考>社団法人農山漁村文化協会
- 黒丸大根
根が黒く、形は丸い。参考>e-種やネット
- 二十日大根
- 練馬大根
- 青首大根
- 亀戸大根
▲葛飾区内の畑にて。2008年3月撮影。
大根にまつわる言葉
大根役者
演技のへたな役者。大根。へぼ役者。だいこやくしゃ。語源未詳。大根の根の白いことを素人(しろうと)という語に通わせたとする説、大根はいくら食べても決して「当たらない」という洒落(しやれ)とする説、大根の鈍重な形からの連想とする説などがある。引用>エキサイト辞書
大根足
女の人の足が白くて太いさまをからかって言う言葉。
Raphanus sativus
ダイコンの学名。栽培種の Raphanus の意味。
蘿蔔(ろふ、らふく)
ダイコンの古名。中国語に由来する。また、中国で大根のことを蘿蔔というのは、ヨーロッパの言葉(ギリシア語やラテン語など)に由来している。例>rábano(西)、rabanete(葡)、ravanello(伊)
千六本
大根の千切りを千六本というのは中国語に由来している。大根を糸のように細く切ったものを繊蘿蔔(センルオポ)というのに日本語をあてたもの。
珍獣様が食したダイコン