キャベツの仲間について
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和名 | キャベツ |
別名 | カンラン(甘藍)、タマナ(玉菜、球菜) |
学名 | Brassica oleracea |
科名 | アブラナ科 |
沖縄口 | たまなー(玉菜) |
アイヌ語 | |
中国名 | 包心菜 甘蓝 包菜 高丽菜 卷心菜 洋白菜 结球甘蓝 |
英名 | cabbage |
エスペラント | brasiko |
その他 | |
花 | 春 |
原産地 | ヨーロッパ |
キャベツその他のあれこれ
- キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・ケールはすべて同じ種の植物から作られた変種。
- 花はアブラナに似て黄色い。
- 1708年『大和本草』に非結球のケールと思われるものが「オランダナ、サンネンナ」と記されている。これを改良して観賞用のハボタンが作られたが、この時代には食用にされることはなかった。日本で食用に栽培されるようになったのは明治以降。
キャベツの種類
- 結球キャベツ
日本でキャベツと言えば主にこれ。葉が成長にしたがい丸まって玉になる。葉の緑のものと赤いものがある。ケールのような結球しない野生のキャベツから作られたものと考えられている。紀元前後の文献に結球キャベツの記録があり、比較的古くからこの形のものが食用にされていたようだ。日本では本格的に作られるようになったのは明治以降。それ以前は外国人居留者用に作られていた程度。18世紀初めに観賞用のハボタンが作られたが食用にはされなかった。
- ケール(葉キャベツ、羽衣甘藍)、コラード
結球キャベツの原型と考えられている。 結球せずに菜っ葉のように葉がはえ、茎が直立するもの、横に広がるものなどがある。葉の形は広円形や細長いもの、切れ込みがあり縮れたものなど様々。欧米では食用のほか、飼料としても栽培されている。日本では青汁の原料として有名。
- カイラン(芥藍)
結球しないキャベツの仲間。本葉が数枚のうちに若取りして食用に。また薹立ちしたものを折取って食べる。白花系と黄花系のものがある。
- 芽キャベツ
Brussels sprouts(英語)
chou de Bruxelles(フランス)
17世紀ごろに作られたものらしい。茎が直立して脇芽が小さく結球するキャベツ。ベルギーのブリュッセル付近で栽培がはじまったため、英語ではブリュッセルスプラウトと呼ばれる。結球しないプチヴェールは芽キャベツとケールの交配種。
- 縮緬キャベツ(サボイキャベツ)
savoy cabbage(英語)
葉が縮緬のようにしぼしぼしたキャベツ。結球するもの、半結球するもの、結球しないものがある。日本では結球するものだけが栽培されている。葉がちぢれているので輸送時にぶつかっても傷みにくく日持ちもよい。かつては船に食料として積み込まれた。食べ方は普通のキャベツと同じ。
- カリフラワー(花椰菜:ハナヤサイ)
cauliflower(英語)
chou-fleur(フランス語)
Blumenkokl(ドイツ語)
ブロッコリーが元になってできたといわれている。未発達の花蕾(からい、蕾のこと)を食べる。白いもの:抱月、スノークラウンなど。橙色:オレンジブーケなど。赤紫:バイオレットクイン。花蕾がフラクタルな感じの渦巻き模様を描く「さんごしょう」などがある。60年代に急速に普及。昔はブロッコリーよりカリフラワーのほうが普及しており、お店にもかならずあった。今はブロッコリーの消費がのびてカリフラワーを置いている店は少ない。あってもいくらか高め。花蕾を白いまま育てるのが難しいなど、栽培にコストがかかるせいらしい。
- ブロッコリー(緑花椰菜、芽花椰菜)
Broccoli
花蕾や茎を食べる。日本には明治のはじめに導入された。70年代に消費が伸びはじめた。日本では緑のものが主流だが、外国では白、黄色、紫のものなどがある。
▲ブロッコリーの食用部位はつぼみなので、育つとこのようになり、花が咲く。アブラナに似た黄色い花である。
- コールラビ(蕪キャベツ)
地中海北岸で栽培化されたといわれている。蕪のように肥大した茎の基部を食用にする。外皮が赤いものと皮が白い(薄い緑)ものがある。日本では白い系統のものをわずかに栽培している。↓こんなやつ。
キャベツにまつわる言葉
キャベツにまつわる伝説
赤ん坊はキャベツ畑でとれる(ヨーロッパ)
ヨーロッパでは赤ん坊はキャベツ畑で取れることになっている。コウノトリが運んでくるというのと同じような伝承。1980年代に大ブームを巻き起こしたキャベッジパッチキッズという抱き人形はこの伝説から生まれたもの。参考>CPK_JAPAN
珍獣様が食したキャベツその他