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季節外れですが、ひなあられを作りました

 郷土料理の本などを見ると、お釜の内側に残るご飯粒を使ってひなあられを作る話が出てきます。

 子供の頃に何度か挑戦しようとして、ご飯粒をためていたのですが、用途を言わずにこっそりやっていたので、そのたびに親に捨てられ断念したことを最近になって突然思い出しました。

 というわけで、季節外れのひなあられを作ることにしました。まずご飯粒を集めるところからです。

 炊飯器の内釜を洗う時に、ご飯粒をザルにとって乾かします。夏だったら天気のいい日に外に干してもいいのですが、わたしはよく水を切ってたれなくなってから、パソコンのディスプレイの上に干しました。うちのディスプレイはまだブラウン管です。常に高熱を発しており、ご飯どころかパンツでも靴下でもあっという間に乾きます。それはもう、恐ろしい威力でした。こんな暑苦しいものを毎日使っていたなんて(汗汗汗汗……だって液晶嫌いなんだもん)。

# 『聞き書 東京の食事』によれば、薬缶のふたの代わりに小皿をのっけて、その上で乾かしたと書いてありました。おそらくいろりがあった時代の話でしょう。

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 これで何日分かなー。炊飯器の内釜はナントカ加工になってるから米粒があんまり残りません。日々、洗ってはザルにとり、水を切って干すという作業を繰り返しました。

 こんなもんご飯を多めに炊いて使えば一日で出来るでしょと思うのですが、こういうのは余り物でしみったれて作るのが面白いのであって、お茶碗に盛るご飯で作ったら反則ですぞ!!!

 さて、この乾燥したお米は、互いにくっつき合ってがちがちになっています。ビニール袋に入れてコップの底で軽く叩きましょう。粉にしないように軽くやってください。

 次に加熱です。油で揚げたら一瞬ですが、今回はフライパンで炒りました。焦がさないように混ぜたり揺すったりしながら熱すると、お米がはじけて小さな小さなあられになります。これにシロップをからめます。

 シロップは砂糖大さじ一杯、水大さじ二杯を鍋で煮詰めて作りました。分量は完全におもいつきですが非常にうまくいきました(あられの量にもよるので真似したい人は各自で思いついてください)。半分くらいの量に煮詰まったところであられを入れ、混ぜながら水分を飛ばし、お皿にひろげてさませば完成です。

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 市販のひなあられよりずーっと小粒ですが、香ばしくて意外な美味しさでした。実は作ることだけに興味を持っていて味にはこれっぽっちも期待していなかったのです。しかし、想像以上のおいしさ。もしかすると市販品より美味しいんじゃないかしら。あんまり美味しいのでお茶請けにぼりぼりたべたらあっという間でした。作るのに何日もかかっているのに。これぞ究極のスローライフ!!!←ただの暇人ともいう。

 今回はナチュラルテイストってやつを大事にしましたが、おひなさまにお供えするなら食紅で色を付けてもよいでしょう。ナッツ類をまぜても良いかもしれません。昔は節分の炒り豆をとっておいて混ぜたそうです。

タグ:郷土料理

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ひろこ 2010年07月09日(金)08時27分 編集・削除

釜に残ったご飯粒を祖母は「おひつばらい」と言ってたな。
アラレは作ったこと無いけど障子を貼る時の糊はそれで作ってた。
もしかすると浴衣の糊もそうだったのかな・・

かなり昔の記憶だわ~。

珍獣ららむ~ 2010年07月09日(金)18時21分 編集・削除

へー!!!
「おひつばらい」で障子貼りの糊を作るなんて面白い。障子貼りができるほど集めるのは大変だろうなー。
うちでは何かの粉を煮て作ってたよ。布海苔だったのか米粉だったのかわからないけど。