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グルジアの水餃子ヒンカリ

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 中国の小籠包?
 それともモンゴルのポーズ?

 どちらも違います。グルジアのヒンカリです。強力粉で作った皮に豚肉の具をつつんで茹でたもの。包み方は小籠包やポーズと同じだし、茹でるのは中国の餃子と同じ。小麦粉をこねて作った皮で具を包む料理は、日本からヨーロッパまで、どこへ行ってもあるみたい。

 同じような作り方をするからこそ、具に何を使うかはお国柄が出るようです。モンゴルのポーズは具に羊の肉を使うし、ウルルン滞在記でやっていた黒竜江ぞいの漁民の村では魚で餃子を作ってた。ヒンカリには豚肉を使うようです。『ロシアの郷土料理』に載っていたレシピでは合挽肉を使ってる。グルジアは西アジアの国だけど、イスラムではなくグルジア正教というキリスト教を信仰している人が多いので料理に豚肉を使えるんだって(注:イスラムでは豚を食べない)。それとタマネギ。ネギや韮ではなくタマネギを入れるのがグルジア流。

 でも、一番違うのは味付け。具にしっかり味を付けてそのまま食べられるようにするんだけど、塩のほかにチリパウダーやコリアンダー(シャンツァイ)の葉を刻んで入れるので、中華とはまったく違う西アジア風の味になるわけです。

 今回わたしは市販のチリパウダーを使わず、韓国の粉唐辛子にクミンの粉を混ぜて、生のニンニクをみじん切りにしたのを加えて作りました。具に香りと味をしっかりつければタレは不要ですが、お好みで酢(塩やしょう油は加えない、ただの酢)かレモン汁をつけて食べると最高に美味しいです。皮がしっかりしているのでご飯は少なめにしないと食べすぎますよ。

 ヒンカリの詳しい作り方はこの本に出ています。美味しそうな写真が多数掲載されていて、中身をお見せできないのが残念なくらい。手元に置いてニヤニヤしたい一冊!

ロシアの郷土料理

参考モンゴルのポーズ

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↑これはモンゴルのポーズ(中国語の包子:パオズが語源?)。グルジアのヒンカリとそっくりだけど、中身は羊です。巣鴨のモンゴル料理店シリンゴルにて

タグ:民族料理

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こま 2007年05月28日(月)23時54分 編集・削除

シュウマイ?(←違。)これも強力粉を使うんですね。

実は、こないだの焼き菓子の記事を読んで「アプフェルシュトルーデル」が猛烈に食べてみたくなり、近いところで林檎の入ったパイ菓子を探しました。しかし、今は林檎の時期じゃないのでどこにも置いてない。四軒目くらいでやっと季節外れのアップルパイにありつけました。季節外れのアップルパイ、なんだかフォークソングの歌詞のようです。

同じ多層系の焼き菓子でもパイだとサクサクですが、強力粉で作ったものは、きっと歯ごたえがあって美味しいんでしょうね。このシュウマイももっちりしてそうで美味しそうです。(←だから、シュウマイじゃないって。)

実は強力粉って買ったことないんです。うちはオーブンがないので、焼き菓子を作るにはガスコンロ(グリル)しかないのですが、こんな家でも強力粉って使い道があるのでしょうか?とりあえず、うどんはつくれると聞いたことがあります。

珍獣ららむ~ 2007年05月29日(火)19時56分 編集・削除

 実はまともなアプフェルシュトリューデルを食べたことがなかったりする珍獣です。

 強力粉は麺類ならなんでもいけるんじゃないのかなあ。シュウマイもワンタンもギョウザもだし、イタリア料理のパスタは全部そう(デュラムセモリナって良く言うけど、デュラムは強力粉を作る小麦の品種だし)。

 どれも粉を水かお湯でこねたのを、のばしたり切ったりして茹でるか、蒸すか、揚げるか、フライパンで蒸し焼きにするか、そんな感じ。

 あ、そうだ。麺類でも群馬の「にぼと」は薄力粉だったと思う。でも、今検索したら長野の「ほうとう」は強力粉を使ってるっぽい。ううむ、あんなものに腰をもとめるなんてかえって無粋だと思うんだがなあ。