24日に稲城のとある山の中で、シュールストレミング缶を開ける集い(ホントは虫を採集してその場で食べてみる集い)が開催されました。シュールストレミング缶というのはニシンの塩漬けを缶の中で発酵させたスウェーデンの食べ物です。
▲缶が膨らんでるのがわかりますか?
缶が膨らんでいるのは、中でガスが発生しているからです。この状態で缶切りを入れると内容物が噴射してとんでもないことになるらしいです。「部屋の中では絶対に開けてはいけません」と注意書きがありました。
発酵食品っていうのは、たいていどれもニオイが強いのですが、シュールストレミング缶のそれは常軌を逸していて、本場のスウェーデンでも自宅では開けられず、空き地で開封しなきゃいけない。でも、美味しいので誰かが開けようとしているとどこからともなく愛好家が集まってきて食べさせてくれと言う、らしいです。服に汁でもつこうものなら町を歩けないんじゃないかくらい言われてます。
そこで缶と缶切りをビニールの袋に入れて口を閉じて、袋の外から手探りで開けたらどうかと言うことになり、言い出しっぺが自ら実行してブシューっと……
……うーん、確かに音はしてましたけどね。かぶせたビニール袋が黒いんですよー。なんで透明の袋を用意しなかったんでしょう。アレじゃ中で何が起こったのかさっぱりわかりませんよ。ぷんすかぷん。
▲缶に穴さえ開いてしまえば圧力が下がるので、あとは普通に扱っても爆発したりはしません(臭いけど)。
▲ご開帳!
どんなに臭いのか確認するようにと、汁が飛び散った袋がまわってきました。うーん、確かに臭いです。悶絶してる人もいたみたいです。でも、なというか、別にって感じ。冷めててごめん。
秋葉原の便所のニオイだと表現した人がいました。国鉄(あえてJRとは言わない)の便所って確かにあんな臭いだったかもしれません。そういう意味では臭いんですよ。
でも発酵食品だってことを考えると想像できちゃうような臭さだなあ。上等なクサヤの臭気をもっと濃くしたみたいな、というか、卵が腐ったニオイをもっと強くしたみたい、というか、なんというか。藍染めの藍の臭いとか、ソバの花の臭いに塩辛の発酵臭を混ぜて濃くした感じ。ごめん、わたしゃやっぱり平気だ。
そんなことよりみなさん聞いてくださいよ。シュールストレミング缶はニシンの塩漬けなんですよね。ところが中身は……
▲中身は水ばっかり。これってマジなの?
…この通り、汁ばっかり。えー、いくら発酵してるからって、固形物がなくなっちゃうのはアリなんですか? 日本人だと思ってバカにされていませんか?? 本場を見に行ったことのあるメンバーはひとりもいないので真相は闇の中です。
▲クラッカーにのせて食べました
缶の中を探ってみても、やっぱり固形物なんかほとんどありません。みんなでちょっぴりずつ魚の屑をクラッカーにのっけて食べました。塩気が強いので大量には食べられませんが、アンチョビと同じような味です。とても美味しいですよ?
そんなこんなで、わたしの初シュールストレミング缶体験は「あ、美味しいです。塩辛いです。においが強いので部屋の中では食べたくないですね」という冷めた感想で終わりました。残った汁はペットボトルに詰めて主催者がお持ち帰りになったようです。
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シュールストレミング
強烈な臭いで有名なスウェーデンの伝統的なニシンの醗酵食品です。【冷蔵クール手数料込み】Roda Ulven SURSTROMING
5,250円(税込み)2008年5月現在
日本での入手は難しくなってるって聞きますが、買えないことはなさそうです。でも、かなりの高級品ですね!
タグ:食材
bugeater 2008年05月25日(日)21時50分 編集・削除
シュールの詳しいレポートありがとうございました。数年前参加者の一人が持ってきてくれたシュール缶もやはりどろどろでした。でもあのときの缶はまん丸にふくらんで爆発寸前の状態でした。それにくらべたらまだまだと安心していたのですが、あんな液状化しているとは驚きです。でもシュールスープに浸したパンはなかなかの味でした。あとはカブトムシのシュール漬けに期待しましょう。