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性懲りもなくまた見に行っちゃった榛名湖の桜!

榛名湖の桜
▲2013年4月28日 榛名湖畔にて。この時はまだ蕾ばかりでした。

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▲2013年5月6日 最初の写真と同じ場所にて。すっかり満開。この花をAとします。

 この桜はソメイヨシノなんかとは違う山の桜で、種類がなんなのか気にはなるんだけどぶっちゃけわかりません。オオヤマザクラだという話を以前聞いたので「たぶん」をつけてそう読んでます。でもネットで見かけるオオヤマザクラの写真と比べるとだいぶ違うので別のかもしれません。とりあえずこれをAとしておきます。

 この桜に数日遅れてもうちょっと白っぽくて葉が一緒に出てくる桜も湖の南側の道沿いに沢山植えられてます。これをBとします。

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▲2013年5月6日 これが白っぽくて葉が一緒に出てくる山の桜Bです。まだ咲き始めでした。


 ここから先はくどい思い出話です。

 あっちこっちで繰り返し書いてますが、わたしはかれこれ30年くらい前に榛名湖でものすごい桜の花盛りを見た事があります。学校の行事で、湖畔の施設を使って二泊三日の合宿生活をした時のことです。時期は5月の中旬くらいだったと思います。

 大きな学校だったので、わたしたちの学年だけで生徒が数百人、引率の先生も十数人ついてきてたはずです。その先生方が口をそろえて「こんなの初めて見た」というほどものすごい桜の満開でした。

 30年もたってますから記憶が美化されている可能性は否定できません。が、かなり具体的なことも覚えているので、記憶違いとも言いにくい点が多々あります。

 たとえば桜の種類について、当時わたしはまだ植物の見分けなどに大した興味もなかったのですが、湖畔のあちこちに生えている桜がソメイヨシノより赤みが強いことには気づいてました(これがAに一致)。また、湖の南側にAより白っぽい桜が並んで生えてることにも気づいてました(Bに一致)。

 合宿では、榛名富士に徒歩で登ったり、キャンプファイヤーを囲んで歌を歌ったり、カッターと呼ばれる船を漕ぐ練習をしたり、休み時間にはみんなでトランプをして遊んだり、疲れすら感じない充実した三日間でした。帰宅してから強烈な筋肉痛に襲われたことも忘れられません。

 カッターの練習中のことです。わたしたちの船には副担任の美術の女先生が乗ってました。先生は湖をぐるりと見渡して、どこの景色が一番好きかってみんなに聞きました。

 わたしは湖畔の建物が花に埋もれたようになっているのを指さして、あそこが好きですと言いました。あんなところに住んでみたいと思ったからです。

 先生は「あなたは家があるところがいいのねえ。わたしだったらこっち」などと言って、建物のないところを指さしたのを覚えてます。

 合宿を終えて帰る日に、バスで坂道を通って湖から遠ざかったのですが、その道の入り口付近にも桜の木があったように思います。

 先に書いたとおり、先生方は「こんなの初めて見た」とおっしゃってたわけですが、わたしの感想はもっとシビアで「合宿が毎年同じ日にあるわじゃないし、きっと榛名湖では毎年ああなるにちがいない」と思ってました。大人になってからも「榛名湖は桜の名所」みたいなことをあちこちで吹聴してたし、時期を選んで見に行けば必ずあの風景があると信じてたわけです。

 ところがですね、最近になって見に行ってみたら、驚いたことにぜんぜん大したことないんですよね。

 桜は確かにあるんです。記憶通り榛名湖畔にはソメイヨシノより赤みの強い桜(A)があちこちに生えているし、湖の南にはそれより白いBも生えてる。

 Bのほうは満開になると記憶通りの場所が花盛りでした。ところが赤みの強いAのほうは、自分の記憶だともっと沢山あったような気がするんです。

 美術の先生にどこが好きかと聞かれて指さした風景を、毎年探すんですが見当たらない。バスで帰る時に通った道も、地図などを見てここっぽいと思う場所を見るんですが、そこには桜がない。

 何度か行くうちに「このあたりを指さしたような気がする」という場所をみつけて近付いてみると、建物の裏に昔はなかった駐車場や公園があって、ひょっとすると工事で切られちゃったのかなあ、という感じです。なんせ30年以上たってますから、何があったって不思議はありません。

 しかも、AとBは花の盛りが数日ズレていて、同時に咲き乱れてることなんかないわけです。つまりわたしが学生時代に見たあの風景は、特殊な気象条件のもとに成立する奇跡の瞬間だった可能性が高いんです。

 毎年一緒に桜を見に行くおともだちが、それはラッキーだったってことなんじゃないのと言うんですが、自分としては毎年見られるものだと何十年も信じてましたから、かなーり複雑な気持ちです(笑)


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 さて、この日ははくちょう丸二世号にも乗ってみました。湖にはお約束、白鳥型の遊覧船です。ともだちは「こういうの乗るの初めて」と言ってました。わたしは子供の頃に何度か乗ってます。時期的に二世号ではなく、ひとつ前の船だと思いますけど。湖をぐるりと一周して700円でした。

 湖から見ると視点が変わり、カッターをこいだ日のことを改めて思い出します。やっぱりあの頃より桜は減ってるかもしれません。今ここから見える程度だったら大騒ぎするほどじゃないもの。

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 そんなこんなで、あの日の風景にはもう再会できないと観念してはいるのです。でもまあ、なんとなく、また見に来ちゃうかもね。榛名湖の桜。

 

タグ:群馬

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