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湯沢の町でお買い物

 群馬に行こうとして新潟に着いちゃった話の続きです。

 お腹も空いたことなので、湯沢で関越をおりてJR湯沢駅のまわりをぶらつくことにしました。車は有料駐車場が何ヶ所かにあるらしいですが、お土産屋さんで聞いたら「このあたりを歩いてみたいだけなら、○○にちょっと置いちゃっても大丈夫ですよ」とおっしゃるのでそうしました。○○はとある公共施設ですが、ここに書いて利用者じゃない人であふれかえってもアレなので書きません。ちなみにわたしたちは最後にその施設を利用しました。

湯沢の町
▲湯沢はまさに雪国です。除雪してないところはこんな感じ。

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▲でも、道路はすっかり除雪されてます。

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▲沿道の薬屋さんで、サトちゃんに鎖で繋がれ隷属するサト子ちゃんを発見。

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▲笹だんごと駒子餅の億萬屋さん

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▲ともだちが「湯沢に来てこれを買わないのはおかしい」というので駒子餅を買いました。駒子は川端康成の『雪国』に出てくる芸者の名前だそうです。

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▲ともだちが昔、よくスキーに来て入ったという洋食屋マロンで食事しました。照り焼きチキン定食。

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▲「からいすけ」って何? 駅のぽんしゅ館にあると書いてあったので行って見ます。

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▲あった。地元のとうがらし「かぐら南蛮」で作った唐辛子味噌らしいです。赤いのと緑のがあったので、食べ比べて緑のを購入。

 湯沢駅の駅中は新潟県の美味しいものやなんかが沢山あって楽しいです。あっちこっちで日本酒の試飲もできるし、漬け物やお菓子の試食も豊富でした。ここは青春18きっぷの季節に途中下車してみると楽しいかもしれないなあ。


湯沢の町
湯沢の町
▲雪国館という民俗資料館にあった正月用のお飾り。枝に餅で作った繭玉をかざる地方はけっこうありますが、ここのはお飾りが最中の皮のようなもので出来てました。湯沢ではこれが普通なのでしょうか?説明がまったくなかったのが残念です。

◎雪国館
http://www.town.yuzawa.niigata.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=FA3C532B2636190CEBE9D2C4285F6C10?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=2006
 雪国館は川端康成ゆかりの品々や、古民具、竹スキー、養蚕道具などの展示があります。入場料は大人500円。無料駐車場あり。お蚕好きなので、養蚕道具の展示には惹かれるものがありました。


湯沢で買ったもの

駒子もち

湯沢の町
 駒子もちは笹だんごと違って牛皮(餅生地)にヨモギが練り混まれておらず、中に粒あんが入っています。それをきなこでまぶして笹の葉でちまきのように包んだものでした。

 しいていうと大福に似てるんですが、大福よりもずっとやわらかくて、駒子の胸はこんな感じかしらと思うようなうっとりする食感です。なるほど、これはおいしい!

 賞味期限が短いせいか通販ではほとんど出回らないみたいです。地元でしか味わえないってところもいいですねー。

◎億萬屋
http://www.yuzawa.or.jp/shop/okumanya/index.html

からいすけ、かんずり

からいすけ・かんずり
 「からいすけ」も「かんずり」も唐辛子で作られた調味料です。

 まずは「からいすけ」ですが、山古志地区というところで古くから栽培されていた「かぐら南蛮」というピーマンのような形の唐辛子で作られています。
からいすけ・かんずり
 この写真は青唐辛子のからいすけです。赤いのもあります。

 自家製味噌にかぐら南蛮をねりこんで、加熱と冷却をくりかえして作ったものだそうで、味噌ベースなので強いて言うとコチュジャン(韓国の唐辛子味噌)に似てるかな。コチュジャンよりも香りが良いと思います。

 使い方はいろいろあるでしょうが、あつあつのご飯にちょっとのせて、焼きのりで巻いて食べたりすると美味しいです。

◎からいすけ本舗
http://www.karaisuke.com/
 詳しくは公式サイトをどうぞ。美味しい食べ方のレシピもありますよ。


▲通販ならこちら。リンク先は楽天市場です。このサイトにあるのは小さいほうの瓶ですね。わたしが購入したのは倍近く入ってるやつで1000円くらいしました。# 正確には850円でした。

かんずり
 次に「かんずり」ですが、これは冬のニュースでよくとりあげられるのでそれなりに有名なものです。唐辛子を塩漬けにしたものを、真冬の雪の上にばらまいてさらすことでアクを抜き、さらに塩こうじと柚子で漬け込んで数年間熟成させたものです。

 普通は三年で商品化するそうですが、わずかながら六年ものも出回るそうで、上の写真の右側(背の高い瓶)は六年ものです。六年もののほうが色が黒っぽくなります。

 味は、これまた強いて言えばということですが、タバスコに似てるんです。もちろんタバスコとはぜんぜん違ってて、香りが柚子だから完全に和の食材なんですけど、酸味と塩辛さが奥深いところでタバスコとの共通項を感じさせます。

 三年ものは柚子の香りがあざやかで、塩辛さも唐辛子の辛さもそれぞれが自己主張してくるので、鍋料理の時にポン酢に混ぜたり、大根おろしに混ぜて焼き魚に添えたりするのがいいと思います。和風パスタやピザにも合うと思います。

 六年物は、香り・塩分・辛さがいい具合にこなれていて、薬味として使うと物足りないかも知れませんが、うま味は濃くなっていてこれがまた美味しい。うちでは野菜を和えるのに使っています。

 たとえば生のキュウリとトマトをざく切りにして、ほんの少しの塩をふり、六年もののかんずりをスプーン一杯加えて大胆に混ぜ合わせる。ほんとにそれだけで、油もなにも加えなくても最高に美味しくなります。

 ナスを和えても美味しいです。ヘタをとったまるごとのナスにラップをかけて、やわらかくなるまで電子レンジで加熱、箸を刺して裂きます(包丁で切るより味がからみやすくなるから)。こに醤油を少しと六年もののかんずりをスプーン一杯加えてざっくり混ぜれば完成。お好みで白い炒り胡麻を指先でひねってふりかけてもいいです。

 こういう素朴なあえものを三年もので作ろうとすると不思議と味がツンツンしてダメなんです。三年ものはあくまで薬味として使うのがよくて、野菜を和えるのは六年ものがいいですね。

 かんずりは、三年ものだったら全国のデパートやカルディなどの食材店にあるそうですが、六年ものは珍しいかもしれません。わたしは湯沢の商店街にある古いスーパーで買いました。店番のおばあちゃんによると、六年ものは珍しくて遠くからこの店を目指して買いに来る人がけっこういるのよ、ということでした。わたしも次からはその店に直行してしまいそうなんですが、残念なことに店名は忘れました。

◎かんずり
http://kanzuri.com/
 メーカー公式サイトはこちらです。製法など詳しい事はこちらで確認してください。



▲リンク先は楽天市場です。こちらは6年もの。通販にも少しは出回っているようですね。


▲こちらは3年もののかんずりです。薬味にするならこっちをおすすめします。


 なお「かんずり」「からいすけ」はどちらも唐辛子をふんだんに使った調味料です。辛いものが苦手な人にはきついと思いますので購入する際は気をつけてください。

岩船麩など、お麩いろいろ

湯沢の町
 最近よくお麩を食べるので、今回もいろいろ買い込んできました。写真上段の斜めに置いてあるのが岩船麩、下段は左から白玉麩(もち麩)、ぜに麩(車麩の小さいやつ)、車麩(木宮の焼麩)です。

 車麩は長岡の木宮商店という会社のもので、ここは未だにお麩を手焼きしているそうです。「この会社の前を通るとお麩を焼く香ばしい香りがするのよと、先日来られたお客さんがおっしゃってましたよ」と店番のお婆ちゃんが話してくれました。


 今回のお麩で特に変わってるのは岩船麩ですねー。

湯沢の町
湯沢の町

 こんなUFOみたいな形のお麩は初めてみました。岩船というから、神話に出てくる天岩船と関係しているに違いないと思い調べてみると、メーカーの柳屋という会社が村上市の岩船というところにあるんだそうです。

 そして、その岩船という地名は、やはり神話の天岩船(天磐樟船)と関係がありました。昔、ニギハヤヒノミコトという神様が天岩船に乗ってたどり着いた場所だということです。

 ニギハヤヒノミコトは裕福そうな家をたずね一夜の宿をたのみましたが、その家では汚れた身なりのよそ者を嫌って泊めようとしませんでした。

 神様は貧しい家をおとずれて宿を頼むと、その家の人たちは「うちはもうすぐお産がありますが、それでもよろしければご滞在ください」と親切に迎え入れてくれました。

 それからというもの、貧しくも親切な人たちが住むこの家は立派になり、不親切なお金持ちは落ちぶれてどこかへ去って行きました。

 岩船という地名はこの伝説にちなむものだそうです。一般には神事とお産が重なるのは良くないこととされていますが、ニギハヤヒの伝説から、岩船の神様はお産を嫌わないと言われているそうです。

◎岩船町ドットコム
http://iwafunemachi.com/jiman.html
 岩船の伝説はここを参考にしました。


 なお、岩船麩ですが、形は変わっていても普通の焼き麩です。たっぷりの汁にそのまま入れて煮物にしたり、あらかじめ水で戻したのをしぼり、ちぎって酢の物に加えるなど、普通のお麩と同じように使います。
湯沢の町
 せっかくだからまるごと煮てみました。お麩なんですが、見た目ががんもどきみたいでちょっと面白いです。もうちょっとましな写真を用意しなさいよわたし…

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 お麩については下記の記事もどうぞ
◎お麩ばっかり勢ぞろい
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1441
◎またまたお麩勢ぞろい
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1489

 新潟旅行は下記をどうぞ
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?plugin=Tagging&tag=2012%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%96%B0%E6%BD%9F%E6%97%85%E8%A1%8C
時系列に読むなら下から順です。

タグ:新潟 食材 伝説

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