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葛飾八幡宮の千本銀杏(市川市)

 わたしが住んでいるところは葛飾区ですが東京都です。今話題にしているのは千葉県の旧東葛飾郡にあたる場所です。葛飾葛飾って連呼しても、東京の話じゃないので要注意ですぞ。ま、一番注意が必要なのはわたしなんですけどね。油断すると、葛飾と葛西をとりちがえたり、わけのわかんないことを書いてしまいそうです。


 はい、頭を切り替えましょう。市川市の葛飾八幡宮にある、千本銀杏の話です。


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▲これが通称千本銀杏です。正式には千本公孫樹と表記されるようです。公孫というのは実が成るまでに時間がかかる、植えたら孫の代になるまで実が成らない、というようなイチョウの特徴を言い表した呼び方で、特に深い意味はないようです。

 葛飾八幡宮の千本銀杏は、一ヶ所から沢山の木が生えてきて、合体して一本の大木になっている不思議な木です。銀杏にはオスとメスがあるのですが、千本銀杏はすべてオスなのでギンナンは成りません。

 全部オスということは、もしかすると別々の木というわけでもなくて、もともと真ん中に大木があって、その根元から脇芽が立ち上がって、それぞれが育ってくっつきあってしまったものかもしれませんが、これはソースのない、わたし個人の想像です。

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▲少し寄って写しました。千本銀杏は国の天然記念物に指定されています。老木ですから、根元を保護するために柵があって、実際には近づくことはできません。これは柵の外から望遠で撮影しました。


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▲引いたところから写すと、この通り立派な大木です。拝殿の屋根よりも高く、こんもりと枝を茂らせています。


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▲裏側にまわってみました。どの方向から見ても、この通り沢山の木が絡み合っています。すごいですね、こんなになっても互いに殺し合わずに育っているんですから。この土地自体に何かパワーがあるのかもしれません。


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▲千本銀杏についての説明板です。クリックするとやや大きな画像が表示されます。


 江戸時代の観光ガイドである『江戸名所図会』には、千本銀杏についてこんなふうに書かれています。

 神前右の脇に銀杏の大樹あり、神木とす。この樹のうつろの中に常に小蛇栖めり。毎年八月十五日祭礼の時、音楽を奏す。其時数万の小蛇枝上に顕れ出づ。衆人見てこれを奇なりとす。

 千本銀杏の中に空洞があって、そこに数万の小さな蛇が住んでいて、毎年のお祭りで音楽を奏でると、蛇がわらわらと出てくるというのですね。

 くしくも今日は8月15日、もしやお祭りをやっているのかしら、と調べてみたら、祭礼は月遅れの 9月15日に開催されているそうです。6日間もつづく非常に賑やかなお祭りだそうです。どうやら今はイチョウの木から蛇が現れたりはしないみたいですね。ちょっと残念です。

◎市川市:八幡・菅野界隈
http://www.city.ichikawa.lg.jp/cul01/1421000003.html

タグ:伝説

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