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都浅黄と黄泊

 京都の塩野屋さんから購入した都浅黄と黄泊(どちらも蚕の品種名)が一週間くらい前に繭になりました。繭になった直後は中の蚕がまだ蛹になっていないので、だいたい一週間くらい待ってから収穫うすることになっています。

 都浅黄というのは塩野屋さんオリジナルの品種だそうです。今年はそれに黄白という別の品種をまぜて送るという話でした。

 黄白は、オスが白い繭を、メスが黄色い繭を作る変わった品種だそうです。でも、都浅黄はオスもメスも黄色い繭を作るので、混ざってたら黄白のメスと見分けがつかないんじゃないかって思ってたんです。

 ところが繭になったのを見たら……
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▲上段の白いのが黄白のオス、中段のオレンジがかったのが黄白のメス、下段の明るい黄色は都浅黄。

 おおっ、黄色系が二色ある!!

 黄白のメスと都浅黄は、黄色系統でも少し色が違うのですね。これは面白い。幼虫時代はみんな同じような顔をしてましたけど(二頭くらい模様のない姫蚕が混ざってましたが繭の色とは無関係だったと思います)、繭になったら一目瞭然違うものですね。

 今回は卵が 25個来たのですが、うち 1頭が三齢くらいの時に死んでしまいました。伝染病かと思いハラハラしましたけど、隔離して様子をみていたら、脱皮不全のような感じでした。たまに脱皮に失敗して、七転八倒しながら死ぬ蚕がいます。
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▲脱皮不全かもしれない死んだ蚕


 繭になる直前に数を数えたら 24頭いましたが、そのうちさらに 1頭が、繭を作れずに裸のまま歩き回っていましたが、とうとう死んで黒くなってしまいました。
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▲繭を作れずに死んだ蚕。真っ黒でぶよぶよしています。


 残り 23頭は無事に繭を作り始めましたが、そのうちさらに 1頭は繭が薄いまま変化がなくなりました。繭を開けてみたところ、中の虫はやはり黒くなって死んでいました。
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 というわけで、合計 3頭死んじゃったのですが、繭を数えてみると 20個しかありません。あれ、2頭足りない?
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▲でも、よく見るとこの 2個だけ異様に大きいです。さてはここに 2頭ずつ入っていますね。開けてみてもいいですが、とりあえず毛羽をとって冷凍庫に入れました。

 繭はこのまま放っておくと中の蚕が羽化して蛾になります。蛾は繭を食い破って外へ出てくるので、糸を引くために繭を取るなら、中の蚕が蛹のうちに殺してしまわなければいけません。

 農家では熱処理するみたいですが、趣味で数十頭飼う程度ならば冷凍してしまうのが簡単です。必ず「冷凍」してください。冷蔵では中の蛹が死なないことが多いです。

タグ:カイコ

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