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慈恵大師の魔除けの御札

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 佐野厄除け大師で買った御札です。全身黒くてあばら骨が浮いて、頭には触覚のようなものがあるこの姿は慈恵大師(じえだいし)という人の姿を写したものだそうです。

 今から千年ちょっと前のこと、慈恵大師七十三歳の時、怪しげな風とともに厄神(やくしん、疫病の神)が現れました。厄神は慈恵大師に取り憑いて殺してしまうつもりだったのです。

 厄神はお大師様の小指にとりつきますが、たった指一本でもその威力はすさまじいものです。お大師様は全身に寒気をおぼえ、高熱を発し、息もたえだえの状態になりました。

 そこで慈恵大師は自らおそろしい姿の夜叉(やしゃ)に変わり、厄神を指先ではじき飛ばして追い払いました。すると、体の苦痛もうそのように消えてしまったのです。

 「指一本ですら厄神におかされればこれのどの苦痛があるというのに、全身をおかされ、なすすべもない人々は気の毒だ」そう考えた慈恵大師は、弟子たちの前で夜叉の姿に変わり、その姿を書き写すように言いました。

 ところが、慈恵大師の姿があまりにも恐ろしいので、お弟子さんたちもまっすぐに見ることができませんでした。ただ明普(みょうふ)という人だけが、鏡に映った姿を見て、なんとか書き写すことができました。

 その絵をもとに版木を作り、刷ったのが上の写真の御札です。この御札を「南・東か東南」に向くように、家の外壁に貼れば、疫病はもとよりあらゆる災厄から逃れられるということです。

# 慈恵大師=慈慧大師

タグ:おまもり 伝説 神社仏閣 寺社幻獣

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