秋…ですよね?
シオカラトンボ
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 関東では 8 月 2 日に梅雨明けしたらしいんですが、その後も雨つづきで夏らしい日なんて数えるばかり。こんなんで 9 月になっても「秋ですね〜」なんて言えませんよ、まったく。

 それでも草むらではカネタタキやミツカドコオロギが鳴いているし、シオカラトンボやアキアカネを見かけることも多くなってきました。少しずつ季節は移り変わっているのかもしれませんね。

 そうそう、先月は書き忘れましたが、火星がかなり地球に近いところに来てるらしいですね。一番近かったのは 8 月27 日で、もう過ぎてしまいましたが、しばらくは明るく輝く火星が見えるはず。プラネタリウムや天文台では火星観察会も開かれているはずなので、地域の広報誌なんかをチェックして見に行くと楽しそう。

 こんなに近付いたのは六万年ぶりだそうですが、火星の接近そのものは二年二ヶ月ごとにめぐってくるそうです。星占いでは火星を戦争の神とむすびつけているので、火星が近付くたびに大きな戦争を予感するわけですが、人間なんていつもどこかで争いごとを起こすもの。その時たまたま起こっている紛争と火星がむすびつけられてるだけなのかも?

 日本では火星のことを「ケイコク星」というのですが、火の上にワ冠、そのまた上に火をふたつ並べて書くという、小難しい漢字を書いて「ケイ」と読みます。コクは惑です。火のように赤く、他の星と違って行きつ戻りつ空を惑う(まどう)星だからでしょうか。

 この星について、不思議な伝説が残っています。
 今から 1400 年ほど前に、土師連八島(はじのむらじやしま)という和歌の名人がいました。ある夜たずねてきた見知らぬ童子と歌を詠みあってみると、童子の歌があまりに見事なのでビックリ。童子に名前をたずねました。すると

あまの原 南にすめる夏日星
 豊聡にとへよもの草とも
と歌って南のほうへ姿を消しました。
 豊聡(とよさと)というのは聖徳太子のことです。八島は太子をたずねてこの話をすると
「それはケイコク星(=夏日星)でしょう。ものの本によれば、この星は子供のすがたをして地上に遊びに来ることがあり、歌が上手いとされていますよ」
と、教えてくれました。
帝江
 西洋では戦争の神だといわれている火星ですが、日本や中国では子供の姿をして歌を詠むのがうまいと言われるなんて、ちょっと不思議ですね。

 そういえば『山海経』に帝江という火のように赤い生き物が出てきます。この生き物は「歌舞に詳しい」というのですが、火星と何か関係があるのでしょうか。
 

9月1日 二百十日 防災の日
 立春から数えて二百十日目です。台風が日本に上陸しやすい時期。

 1923 年の今日、関東地方に大震災があり、東京が壊滅しました。地震そのものの被害もすごかったようですが、地震のあとにおこった火事が被害を大きくしたみたいです。

 地震がきたら火の始末…とはいうけれど、単純に「火」を消すだけじゃダメみたいですよ。大地震のあとには停電してしまうことが多いですが、電化製品をそのままにして避難してしまうと、電気が復活したときにショートして火事になることもあるそうです。大きな地震で避難するときは、電気のブレーカーを落としましょう。

9月8日 白露
 二十四節気のひとつ。野の草に露がやどる頃。秋も本格的になってきます。

9月9日 新暦の重陽
 3月3日は桃の節句、5月5日が菖蒲の節句、そして9月9日は菊の節句です。

 中国では奇数(2で割り切れない数字)を「陽」の気を持つ数字とし、偶数(2で割り切れる数字)を「陰」の数字としています。縁起がいいのは陽の数字です(元旦、桃の節句、菖蒲の節句、七夕…みんな奇数月の節句でしょ?)。
 なかでも「九」という数字は特別な意味を持っているので、九が重なる日を重陽といって、この日に菊の花のお酒を飲んでお祝いすれば、いつまでも長生きできると信じられています。

9月11日 旧八月十五日 仲秋の名月
 今日は満月。お月見をする日です。日本では月で兎が餅をついているといいますが、中国では月の兎は薬草を臼でついています。兎だけでなく、カエルや桂男、嫦娥という女の人が月に住んでいると言われてます。
 珍獣様としてはシオマネキというカニがいるような気がしてます。向かって左側のハサミを振り上げて潮をまねくカニに見えるんです。

 旧暦では七・八・九月を秋として、八月を仲秋(または中秋)といいます。旧八月は十五日に満月になると決まっているのでこの日を十五夜といいます。

9月20日 彼岸の入り

9月23日 秋分
 秋の真ん中の日。昼と夜の長さが同じになります。

9月26日 旧九月一日 新月

10月4日 旧九月九日 重陽の節句
 菊の花のお酒を飲んだり、栗ご飯を食べてお祝いする日。
 平安時代には被綿(きせわた)という習慣があったそうです。前日の夜に菊の花に真綿(カイコの繭からとった綿)をかぶせておくと、朝までに夜露でしっとり濡れて菊の香りが綿に移ります。これで体をぬぐうと悪いものを落とせるのだそうです。香りのいい菊があったらやってみたいです。

 
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