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夜のいとなみのはじまり(その2)
 『日本書紀』より

 イザナギとイザナミは柱をめぐって結婚の儀式をしたものの、それからどうしていいかわからず困っておりました。

 そこへセキレイという鳥がやってきて、尾を上下に動かしました。
 ふたりの神様はこれを見て、ああそうか、そうすればいいのだと悟り、初めての交わりを果たしたということです。


 セキレイは細身で小さく、とてもかわいらしい鳥。都会でもよく見かけられます。地面におりると尾をしきりに動かすので、日本では昔から男女のまじわりを教える鳥だと言われているようです。
 北海道アイヌにも似たような伝承があります。セキレイのことをアイヌ語でオチウチリといいますが、チリが鳥で、オチウは性交のことだそうです。
 

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