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熊狩りに行った兄弟
アイヌの昔話

 あるところに仲の良い兄弟がいて、自分たちも一人前の大人になったのだから、そろそろ熊狩りに出かけようということになった。

 兄弟そろって草深い山にわけいると、山肌にパックリと口を開けた熊穴をみつけ、どうやって熊を責めようか相談した。

 弟が
「攻め手になって熊をおびき出すのがいいか、伏せ手になって待ち伏せるのがいいか」
というので、兄は
「熊狩りでは、攻め手より伏せ手がしっかりしていなければ危ないと聞いているから、俺は外でしっかり待ち伏せていよう」
と、言う。
 そこで弟は意気揚々と熊穴へ入っていった。

 弟が穴へ入るとたちまち格闘がはじまった。
 耳もつんざくばかりの騒ぎのあとに、弟は穴から出てきたが、入ったときの元気はすっかり萎え、まるで全身の骨を抜かれたように、よろよろと歩いていた。

 兄はすっかり驚いて、その後も何かにつけて、熊狩りというのは恐ろしいものだと、人に語るのだった。兄の名前は睾丸で、その弟というのは男根である。

 

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