合同出版
 だれでもできる楽しいミミズの飼い方icon

 シマミミズで生ゴミの処理をしている人たちの手記を集めたもの。
 専門家の文章ではなく、やりかたを調べながら手探りでやってる普通の人たちが書いた ものなので、自分でもやってみようと思ってる人にとっては励みにも参考にもなるはず。

 珍獣もかねがね生ゴミの処理用にミミズを大量に雇いたいと思ってます。ミミズそのものに対する嫌悪感はまるでないので、場所さえあれば実は今すぐにでもやってみたかったりします。本書の筆者のひとりは「なるべく安く、身近にあるもので」とプランターでミミズを飼い始めて「考えが甘かった」と反省していました。まさに珍獣様がたど りそうな道のりでした。

 専用のコンポスト(ミミズを飼うための容器)を使えばいくらか楽に始められそうですが、それなりにお金もかかるので購入する決心がつきません。何より置 く場所が絶望的にないんです。これが植木なら「きれいな花が咲きます」という理由ひとつでアパートの共有スペースにも進出させられますが、ミミズとなると 話はちがいます。気持ち悪い、臭いと、必ず苦情が出るでしょう。
 うまくやれば悪臭も蠅も発生しないとも聞きます。でも、うまくなければどちらも発生するわけで、そうなった時にまわりの人たちが我慢してくれる保証はどこにもありません。大量のミミズを処分しろと迫られて、泣きながら河原に捨てにゆく自分を想像すると、今の環境では無理だろうなと、後ろ向きな気持ちでため息 をつきながら読み終えました。

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大修館書店
花の名物語100icon

 タイトルの通りの本です。その花の名前がどういう意味で、どういう経緯でつけられたか、また花にまつわる伝説などを説明しています。著者のダイアナ・ウェルズはフィラデルフィア在住の園芸家で 6 エーカーの庭を持つ自称「だらしない庭師」だそうです。
 この手の本は腐るほどあるのですが、この本の特徴はは単純に言葉の意味や伝説だけを説明したのではなく、その花の学名がつけられた経緯や、発見された時 の逸話などに重点があるということでしょうか。この花について調べたい、という目的があるときにあたってみると、他では得られないことも書いてあるかも。
 

以下は本書より抜き書き

●サフラン
 1 オンスのサフランを作るのに、4000 もの柱頭(雌しべ?)が必要。そのため金と同じか、金よりも価値のあるものとして扱われた。中世の祈祷書には金箔のかわりにサフランを用いたものがある (どう用いたのだ?)。

 金持ちは料理の風味付けにサフランを使い、貧乏人はキンセンカで代用した。サフランを食べれば頭が良くなると言われているが、毒性もあり、ジョセフ・ ド・ツルンフォールは「トレントのある女性はサフランを食べ過ぎて笑いが止まらなくなり、三時間も笑い続けるのを見た」という。

※サフラン Crocus sativus とクロッカス rocus vernus は別種ですが同じ属でとても近い仲間。サフランのことをクロッカスと呼ぶ人もいるし、クロッカスのことをハナサフランと言う場合もある。
 たしか何かのアニメだったと思うのですが、誰かが病気になり、熱か頭痛で苦しんでいる場面で「クロッカスが生えている時期だったらねえ」とつぶやいてる のを見たことがあります。何に出てくる台詞だったか気になって気になって…

●スイレン
 ヘロドトスによれば、スイレンの根は甘いらしい。
 古代ギリシアでは根に勢力を減退する効果があると信じられており、中世の修道院ではスイレンの根の粉末とハチミツで舐め薬やペーストを作って貞操を守っ た。

※熱帯ではスイレンの根(根茎)を実際に食用にすることがあるらしいですが、甘いかどうかは未確認。

●クルメツツジ
 ニニギノミコトが天皇家を作りに降臨したときに聖なる霧島山の土から芽を出した。

※著者は「われわれも神を信じていないわけではないが、アザレア(ツツジ)は主に銀行やスーパーマーケットの駐車場に植えられている」と言ってます。日本 でも神は信じられていますが、ツツジは道ばたで排気ガスをかぶって汚れてます。
 クルメツツジというのはキリシマツツジと同じものらしいんですが、天孫降臨のさいに誕生したという伝説は始めて聞きました。何かの古典に出てくるので しょうか。

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東京書籍
 園芸植物名の由来icon

 これもタイトルの通り。著者は日本人で東大理学部植物学科出身の理学博士。『花の名物語100』の内容とかなりかぶっているが、和名の由来も少し書いて ある。

同じ著者(中村浩)の本
動物名の由来icon
植物名の由来icon

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