和名 | ハス |
別名 | はちす(蜂巣) |
中国名 | 蓮肉または蓮子(どちらも種子) |
科名 | スイレン科 |
学名 | Nelumbo nucifera |
花 | 7〜8 月 |
実 | 10〜11 月 |
原産地 | インド |
採集地 | 東京都葛飾区 |
実のなる部分がハチの巣みたいなので、蜂巣→はす、というのが名前の由来のようです。果実は滋養強壮、婦人病、吐き気止め、下痢止め、口の渇きなどに効果があるそうです。漢方薬の材料にするほか、中国ではお粥に入れたりするみたい。中華食材屋へゆくと、乾燥したのを売ってます。
根の部分をレンコン(蓮根)といって、煮物に入れると美味しいですが、ほんとのことをいうと、あれは根っこじゃなくて茎です。地下茎というやつなんです。レンコンには穴がありますが、蓮はどこもかしこも切り口はあんなふうです。水上に出てくる葉柄のぶぶんにも穴があいてます。
あるお姫様が仏の世界を見たいと念じていたら、夢枕に仏が現れて「ハスの茎からとった繊維で糸をつくり、布を織りなさい」と教えた。姫君がそのとおりにすると、はたして蓮糸の布には見事な極楽浄土が描かれていたのだった。このお話は、珍獣が小さい頃に何かで読んだ昔話なのです。昔話といっても、たぶん今昔物語か宇治拾遺物語か、そこらへんの古典作品の一部のような気がします。でも、原典は読んだことないのでぜんぜん違うかも。 [追記]蓮の糸で織った布に極楽浄土が見えたという、東洋的幻想の世界に、幼少時代の珍獣はふにゃ〜っとなってしまいました。 ふにゃ〜っとなりながらも珍獣は考えました。 「蓮の糸ってどんなのだろう。本当に蓮から糸なんか作れるのかな?」 珍獣様がご幼少時代をすごされた土地には蓮田なんかなかったので、蓮の繊維というのがどんなものなのか想像もつきません。もとが奇跡のような話なので、もしかしたら蓮から糸を取るのも「不可能に近いこと」の比喩なんじゃないかと思ったのです。 ところが、蓮糸の布というのが実在することがわかりました。
そうなると本物の蓮の糸が見たいじゃないですか。あわよくば自分で糸に撚ってみたいとすら思うわけです。
というわけでやってきました、水元公園。
布にできるほど引っこ抜いたら犯罪になりそうなのでやめとくのですが(手の届くところにはそんなに生えてないしね)、いつか布にしたものをさわってみたく思うのです。 [追記]
どのくらい苦いかと思って、手折った茎の切り口を舐めてみましたが、そんなに苦くはなかったです。もしかすると苦み成分はアルコールに溶け出す性質があるのかもしれません。それとも珍獣が舐めた茎は乾燥しかけてて味が飛んでたのかもしれません。いちど蓮の葉ジョウゴでお酒飲んでみたいです。
余談だけど、スターウォーズ・エピソード1に出てくる女王様はアミダラという名前。たぶん阿弥陀をもじったんでしょう。アミダラ女王の侍女の名前はパドメといって、これはたぶん、サンスクリット(インドの古語)のパドマからとったんだと思う。意味は蓮。阿弥陀様には蓮華がつきものなのです。また、インドでは古来もっとも良い女のことをパドミニーというそうでございます。 |
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