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地方名 トンブリ
和名 ホウキギ(箒木)
別名 ホウキグサ、ホウキソウ(箒草)
ハハキギ(箒木)
コキア(旧学名に由来 主に園芸品種を言う)
学名 Bassia scoparia(旧 Kochia scoparia
科名 アカザ科
沖縄口  
アイヌ語  
中国名 地膚
地膚子、地子(地膚の実)
掃帚菜(ホウキ菜 の意)
掃帚子(ホウキ菜の実)
英名 summer cypress(夏のサイプレス)
broom-goosefoot(ほうきアカザ)
belvedere(見晴台)
mexican firebush(メキシコの火藪)
 ハメリア属の植物のことを指す場合も
burning bush(燃える藪)
 ヨウシュハクセンのことを指す場合も
エスペラント balailarbusto(ホウキの灌木)
その他  
夏から秋にかけて
晩秋
原産地 南ヨーロッパ、アジア
 
 
畑のキャビア、そしてホウキの材料?
 とんぶりはアカザ科のホウキギの実である。熟した実を茎ごと刈り取って脱穀し、籾(もみ)の状態でよく乾燥させて保存する。食べる時は実を茹でて、かき回すことで籾殻と実に分け、余分な水分を切って使う。見た目や食感が魚卵に似ていることから畑のキャビアとも呼ばれる。江戸時代には、ホウキギの若い葉を煮物や和え物にして食べたというが、現在では葉を食べることはほとんどない。

 とんぶりのことを中国では地膚子といって、皮膚の熱をとることから皮膚病の薬として処方されることがある。また、利尿作用があり、長く食べ続けると耳や目がよくなり、体が軽くなって年老いなくなるとも言う。

 ホウキギは、葉を乾燥させて束ねるとほうきにするが、座敷ぼうきのことではなく、庭を掃くほうきに加工される。座敷ぼうきにするのはイネ科のホウキモロコシという植物で、こちらもホウキグサと呼ばれるためまぎらわしい。
 

トンブリにまつわる言葉
Bassia scoparia(旧 Kochia scoparia
 ホウキギの学名。古くは コキア属とされていたが現在は分類が変わっている。旧属名の kochia はドイツの植物学者ヴィルヘルム・ダニエル・ヨセフ・コッホ(W.D.J.Koch)に由来している。小種名の scoparia ホウキ状のという意味。現在の属名である bassia の意味は残念ながらはっきりしない。

mexican firebush(メキシコの火藪)
burning bush(燃える藪)
 どちらもホウキギを意味する英名。秋に紅葉することからついた名前であろう。ただし、どちらも別の植物を意味する場合がある。

summer cypress(夏のサイプレス)
 ホウキギの英名。サイプレスという植物に似ていることから。

broom-goosefoot(ほうきアカザ)
 ホウキギの英名。broom は掃くことで、goosefoot はアカザのこと。アカザの葉の形がガチョウの足に似ているから。

belvedere(見晴台)
 ホウキギの英名。なぜそういう言い方をするのか皆目見当が付かない。ベルベデレ(belvedere)という絵画館がバチカンにあるが、あまり関係なさそうだし。

balailarbusto(ホウキたちの上半身?)
 ホウキギのエスペラント名。分解すると、balail-ar-busto で、掃く道具-の群れ-バスト(胸、上半身)ということになる。おそらく、ホウキのボサボサの部分を上にして立てかけたときに、ボサボサの部分をバストに見立ててこんな呼び方をするのだと思うが、それなら balailarkapo(ホウキたちの頭)じゃいけないのだろうか。

 なんて軽い冗談を長いこと掲示したままになっていましたが、本当は balail-arbusto でホウキの灌木(低木)という意味です(さすがに気づいて修正版を作ったところまでは覚えてるんだけど、その後アップしたつもりになって忘れていたらしい…恥)。arbo に対して arbusto という別の単語があるとは思わなかったなあ。arbeto とはどうニュアンスが違うんだろ。

とんぶり
 唐から来たブリ子(ブリの卵)が訛ったという説がある。色といい、大きさといい、たしかに魚卵を思わせる。
 

 
珍獣様が食されたトンブリ