珍獣の館TOP珍獣様の博物誌珍獣の食卓目次現在地


[直前に見たページへ]
 
ニガウリ
  
ニガウリ(中長系?)
(クリックで手との比較写真)

 昔は沖縄や九州だけで作られていたが、現在では千葉などでも栽培されている。上のものはおそらく中長系の品種で関東ではよく見かけるタイプ。全体にでこぼこしているが、よく見るとコブだらけの列とコブが連なって筋になっている列が交互に並んでいて縞模様を作っている。
 

断面縦断面

 少々熟れすぎて種のまわりが赤くなってしまった。食用に売られているものはもっと未熟で種のまわりが白い。

熟れたニガウリ

 さらに熟れると黄色くなる。ニガウリは熟れる苦みが薄くなるような気がする。この状態から常温でさらに放置すると↓こうなる。

熟れてはじけたニガウリ

 熟れると実がはじけることから英語では Balsam pear (ホウセンカのような梨)と言う。梨にたとえられるのは実が短くて太い品種もあるから。種のまわりの真っ赤に熟れた部分はとても甘くて美味しい。苦みはまったくない。 

 
ロウソクゴーヤ [関連記事]
たぶんタイ産の細長いニガウリと同じ系統だと思う
  
ロウソクゴーヤ
(クリックで手との比較写真)

 沖縄産のニガウリ。とにかく細長い。ロウソクゴーヤというのは見た目からつけられた愛称ではないかと思う。タイ産の細いゴーヤと同じ系統のもののような気がする。苦みが少ないというふれこみで売られているが、生でかじってみたところ充分に苦かった。一般的な中長系ニガウリにくらべればいくらかマイルドだという程度。
  

断面

縦断面

 切ってみると種が少なくワタがねっとりしている。中長系ニガウリのワタはもっとふわふわしている。種が入っていないようならワタをとらずに食べてもよさそうだった。
 
ゴーヤシリシリー a la 梅なのね
ゴーヤシリシリー a la 梅なのね

 せっかくだから生食してみようとゴーヤシリシリーを作ってみた。沖縄ではニガウリをすり下ろしてリンゴジュースを混ぜて作るらしい。冷蔵庫に自作の梅シロップがあったので使ってみることにする。種とワタをとってすり下ろしたロウソクゴーヤと梅シロップ、好みでミネラルウォーターか炭酸水で割ってできあがり。これを普通のニガウリでやるとかなり青臭いが、ロウソクゴーヤのシリシリーはさわやかで暑さを忘れる苦さだった。

 苦いのが好きな人はすり下ろしを多めにね

 
白れいし [関連記事]
これに似て長いのは白長れいしというが、今は作られていないらしい
  
白れいし(白いニガウリ)
(クリックで普通のニガウリとの比較写真)

 真っ白なニガウリ。大きさや形は中長系に似ているが、コブや縦畝がふくよかで美しい。もとは沖縄か九州で作られていたものだと思うが写真のものは群馬県産。新しい品種ではなく、昔からあったものだと思う。苦みが少なくサラダ向きだと言われるが、これもしっかり苦みがある。何とくらべて苦くないと言われるのか気になってきた。

白れいしの炒め物

 普通のゴーヤと同じようにワタと種をとって炒め物にしてみたが、色が白いのでぱっと見るとカリフラワーのスライスみたいだ。

 真っ白な美しいニガウリというだけで個人的にはかなり美味しそうな気がするのだが、この見た目はひょっとすると欠点にもなるかもしれない。白れいしの炒め物を黙って出されたら、たいていの人は一口食べて不審そうな顔をして「これ何?」と言うような気がする。想像と極端に違う味のものを出されると、それだけで拒否反応をおこして二度と箸をつけない人もたくさんいる。

 人にすすめるときは、料理する前の白れいしを見せて「珍しいでしょう」と前ふりをしないと食べてもらえないような気がしてきた。
 

 
 
目次