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埼玉の淡島神社

 ひろこ様に加太淡島神社のお札をもらったりして、淡島様ラブって感じになっちゃったので、関東にも淡島神社がないかと思い、埼玉まで探しに行ってきたでおじゃる(もうおじゃる口調はいいって)。

 検索で探してみると、埼玉県さいたま市の宮原駅近く(大宮駅の近くともいえる)に、どうも二箇所の淡島神社があるらしいのです。一箇所は、宮原駅の東側に「淡島神社入口」というバス停があり、もう一箇所は駅の西側の大字高木というところの、金子山城跡というところにあるらしいのです。

 まず、バス停があるところへ行ってみたのですが、バス停前のコンビニで「停留所の名前になってる淡島神社ってどこですか?」と聞いたら、

「えっ、ええと……どこでしょうね(汗)このすぐ近くに本郷神社というのがあるのですが、淡島神社はわかりませんね」

という感じで、停留所の名前になっているほどの神社なのに地元民に存在を知られていない様子。住んでる人の苗字まで記載されてる近隣の地図を見てくれたけれど淡島神社は載っていませんでした。

 仕方なく本郷神社へ行ってみると、特別大きくもなければ小さくもない、古い町にはよくある感じの神社がありまして、由来を説明する看板を見ると「この地には淡島社と弁天社があったが、明治32年に朝日明神社がここに移ってきて、本郷神社と名を改めた」という意味のことが書いてありました。うへ、そんな大昔に名前が変わってしまったのに、今だにバス停は淡島神社入り口なのか……なんて由緒正しいバス停なんだ。

 本殿でおまいりをして帰ろうとしたら、掃除をしていたおじさんが、こちらが何も聞いていないのに「あっちの小さな祠に淡島さんと弁天さんも祀られているよ。女の人の願いを聞いてくれる神様だよ」と教えてくれたのでちょっとビックリ。たぶんこういうのをご神託というのだと思います。神様がおじさんに「この女はわたしに会いに来たので教えておくように」と電波を送ったに違いありません。そうとでも考えなければこのタイミングで聞いてもないことを教えてくれるのはおかしいというような状況だったのです。

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 これが淡島社と弁天社。仲良く同じ屋根の下に祀られていました。本殿の横にある小さな祠です。軒下には参拝する人が奉納したと思われる千羽鶴が下がっていました。

本郷神社(淡島社・弁天社)の場所はこちら
埼玉県さいたま市北区本郷町
 バス停前にあるコンビニで「本郷神社ってどこ?」って聞いてください。


 さて、この近くにもうひとつ淡島神社があるはずなのです。検索によれば、そこは女の人が髪の毛を切って奉納し、婦人病の快癒を祈願したという神社で、お堂には今でも昔の人の髪の毛がぶら下がっているという、プチホラーな場所らしいのです。場所は埼玉県さいたま市西区大字高木ということろで、金子山城というお城の跡で、指扇病院の近くだというのですが、番地まではわからず、Yahoo や googleの地図には載っていません。

 そこで、指扇病院近くの秋葉神社というところへ行って、宮司さんの家で「金子山という城跡はどのあたりですか」と聞いたら、留守番のお婆ちゃん(宮司さんの奥様?)がどこかへ電話をかけて聞いてくれたみたいで、

「指扇病院の前の十字路を東のほうへ行くと農協みたいな場所があって、その手前の森がそうなんですって。和食のナントカいうご飯を食べるところのそばよ」

と、教えてくれました。

 その場所へ行ってみると、確かに和食のレストランみたいなところがあって、産直野菜を売る謎の店(農協ではなかった)があり、北側の小高い場所に森があります。ところが、そこは私道としか思えないような細い道があるだけで、城跡といっても看板ひとつない場所でした。細い道は三方向に伸びており、左側には大きな家が一軒あるだけで、真ん中は農道っぽくて竹林の中に続いていて、右側はやっぱり農道で、左手に森を見ながら畑の中を通って大通りに出てしまうだけのようでした。道端に本当に小さな祠がありましたが、覗いてみると、それはお不動さんのようでした。

 仕方なく、だいぶ離れたところにあるコンビニで、地元の道路地図を立ち読みしたところ、先ほど見に行った場所の左の道のもっと奥に「淡島神社」と書いてあったので、引き返すことにしました。

 すると、どう見ても私道にしか見えない道の先に、舗装されていない小道があって、小道をたどって登っていくと小山があって、小山の入り口に鳥居がありました。大通りからは見えない位置だし、これはちゃんと場所を知らないと絶対にたどり着けそうもありません。よくこんなところがみつかったなと、自分で感心。というか、せっかく来たんだから参拝していきなさいと淡島様が呼んでくれたのでしょう。

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 この鳥居の奥にかなりの古さを感じるお堂があります。うっそうと茂った森の中にあるのでヤブ蚊がぶんぶん飛んでます。たちまち刺されて蚊に献血する羽目に。

 社務所もないような小さな神社なのに石板に刻まれた立派な由来書きがありました。もともと、高野家という家で祀られていた神様だったのが、どこか別の神社で祀られるようになったものの、後にご神託があって神様が高野家に戻るとおっしゃるのでこの地に帰ってきた、というようなことが書いてあります。どうやら、ここの淡島様は高野家というお宅の屋敷神であらせられるようでした。

アップロードファイル 44KB
 お堂には鍵もかかっておらず、その気になったら中に入れそうでしたが、外から格子窓ごしに覗いてみました。薄暗いお堂の中には赤ん坊のオモチャと女性がお祈りしている絵のついた絵馬がたくさん奉納されています。

 天井に目をむけると、長い髪の毛をばっさり切ったものがぶら下がっています。そうとう長い髪の毛です。この長さは最近の人のじゃないと思う(ってわたしもついこないだまでこのくらい長かったけど……汗)。

 和歌山の加太淡島様は、少彦名命と大己貴命と、息長足姫命(神功皇后のこと)をお祀りしているそうですが、淡島という名前はイザナギ・イザナミの神が最初に産んで産み損なって流してしまった(たぶん流産した)神様の名前です。おそらくそこらへんから婦人関係のご利益があるとされているのではないでしょうか。金子山の淡島神社は奇麗事では片付けられない切実な女の願いを感じさせるような場所でした。

金子山の淡島神社の場所はこちら
埼玉県さいたま市西区大字高木
 場所がはっきりわかんないんだけど、高木団地の近くだったと思います。道の北側が山になっていて「ここ本当に入っていっていいの?」と思うような細い道を登っていき、赤い小さな祠(たぶん不動尊)がある場所を左へ入り、右手に大きな家を見ながらもっと先へ行くと森の入り口に鳥居が見えます。

 google mapだと拡大するとかろうじて淡島神社の文字が見えるんだけど、この解像度の地図は部分的にしか表示されないのでワケワカメ。と思ったらちゃんと表示されるわ。map検索しても「淡島神社」じゃ引っかからないので苦労したわよ。



 ほかに、千葉県佐倉市江原45番地というところにも淡島神社があるらしいのですが、無格社ってことになってるみたいなので、これまた小さな神社のようです。佐倉といえば民族博物館があるので、チャンスがあったら探してみようかと思います。