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イナゴのてんぷら・イナゴの酢豚風

 イナゴ料理やってみました。今回はあまり虫が目立たないので嫌いな人でも大丈夫でしょう、たぶん。

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かなり失敗気味のイナゴの炒め物

 最初はとりあえず炒めてみようと思って、昨夜は冷蔵庫にあった野菜と一緒に適当に炒めてみたのですが、みりんを入れたら軽くこげてしまいまして、出来あがったらこのような黒い物体に。でも、見た目ほど味は悪くなかったんです。そういうことってあるでしょ? きっとあるはず。絶対あるの!

 ただね、作ってみて思ったのは、バッタ類を美味しく料理するには「揚げる」という工程がかなり重要なんじゃないかってこと。いただいたイナゴは油処理してあるということだったので、揚げなおさずにしつこく炒めて火を通してみたんだけど(その結果焦げた)、歯ごたえがあまりよくないんです。パリッとしない上に、固い後ろ足が口の中に残って食べにくい。

 あ、今ゲーッって言った人がいるでしょ。そうねえ、口の中に虫の足が残るなんて、ちょっとショッキングな出来事かもしれないんだけれど、相手はイナゴ、小エビや小魚と大してかわらない。食べなれたエビの殻や魚の骨だったらゲーッとはこないでしょ? 固い部分が残って食べにくい、ただそれだけのことなのよ。

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イナゴのてんぷら

 そこで揚げちゃうわけ。これは今朝作ってみたものですが、市販のてんぷら粉で作った衣をつけて揚げました。揚げると全体がパリッとします。固くて食べにくかった足もクリスピーな感じでいい歯ごたえです。天つゆもいいですが、塩をふって食べると美味しいです。塩+カレー粉、塩+山椒、塩+粉チーズなど、さまざまな食べ方ができそうです。

 が、しかし。てんぷらだけじゃつまらない。食べなれないものをてんぷらにするのは基本中の基本。野草なんかでも、とりあえずてんぷらにするじゃありませんか。てんぷらで終わってしまうと、永遠に「食べなれないもの」から脱却できない気がするわけです。

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イナゴの酢豚風

 油で下揚げしたものを調理するといえば中華。下揚げしたものをあわせ調味料で和えて片栗粉でとろみをつけるのは中華の基本じゃありませんか。

 まずは合わせ調味料を作ります。酢・砂糖・醤油・ケチャップ・中華スープの素(顆粒)・水少々をあらかじめあわせておきます。それから水溶き片栗粉も用意しておきましょう。

 それから、お好みの野菜を冷蔵庫からチョイスして一口大に切ります。今回はピーマンとモヤシとニンニクを使いました。ニンニクは中国産が安かったので先日大人買いしてしまったのです。薬味としてでじゃなく、具になるくらい大量に入れちゃいました。皮ごとレンジで30〜60秒加熱すると、火が通って皮も剥きやすくなります。

 準備ができたらフライパンを熱してごま油をしきます。野菜を炒めて火が通ったら、あわせ調味料をざーっと入れ、水溶き片栗粉も入れてとろみをつけます。最後にイナゴのてんぷらを加えれば酢豚風のできあがり。

 これがまあ、想像以上にうまいのよー。イナゴに衣がついてるから味がよくからむし、サクサクした歯ごたえのものって甘酢によくあうの。なんかね、もうフツーの食べ物。昆虫だからって特別なものじゃなくて、肉や魚を食べるのと同じように普通に食べたいなぁと思うんだけど、今回のはまさにフツー。きわめて正しい用法の「フツーにうまい」って感じ。わたくし名前に珍がついてますが昆虫食に関してはフツーを目指します。虫をフツーに美味しく食べる。これからはフツーの時代だー!

 ふと思い出したんですが、ユダヤ系とイスラム系の人たちは宗教的に豚を食べられないでしょ。ヒンズー系の人たちは牛を食べられないのね。でも羊を禁じてる宗教はないんですって。だから、世界各国の人が集まるところでは羊の料理を出すといいらしいです(菜食主義の人がいたら話は別ですが)。

 でももし、人間が月や火星に住むようになったら、羊みたいな大きな獣を食べるほど連れて行くのは難しいと思うんです。魚も飼うのに大量の水がいるからダメでしょ。肉や魚が食べられないなら蛋白源をどうするかっていうと虫ですよ、虫。宇宙開拓の時代になったら、人は虫を食べるようになるでしょう。虫なら小さいし、繁殖力も強いから、宇宙で飼うのも簡単なのではないでしょうか。

 意外と知られてないことだけど、旧約聖書には食べてもいい清い生き物としてバッタ類があげられてます。当時は荒野で生活をする人たちの蛋白源として許されたものだったのでしょうが、あるいは人類が宇宙へ羽ばたく日を見越して神が用意したもうた生き物なのかもしれません(感動の涙)。この理屈でユダヤ教とキリスト教はこれでクリア。たぶん同じ根っこから派生したイスラム教でもバッタは禁じられていないと思うんですけど、どうなんでしょう。昆虫食をあえて禁じている宗教はあまりないと思うので、宇宙では各国から集まったスタッフが仲良く虫を食べて暮らすことになるでしょう。日常的に虫を食べてる東南アジアのスタッフが次々に美味しい料理を考案して、フツーに虫を食べてフツーに幸せ、人類は一家みな兄弟、ばんざーい。

 ってなわけで、かなり調子に乗ってきたので明日はトノサマをやっつけまーす。