新・珍獣様のいろいろ がぼちゃんねる

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敵は病気だけじゃなかったりするんだね

 月曜から3日連続で病院だった。白血球が減ってるからというので注射をされていたわけです。毎度おなじみちり紙交換でござーい。

 本当だったら明日も病院へ行き、ちゃんと白血球が増えているかどうかを調べるための血液検査をしなくちゃいけないんですが、拒否して帰ってきてしまいました。ド平日の真昼間に4日も連続で病院に通い詰めるほど暇じゃないし、体力的につらくてかなわないんです。

 うちから慈恵の青戸病院まで距離的には大したことないので、タクシーを使ったら15分くらいでついてしまいます。タクシーだと往復で4千円くらい。足代に毎日4千円も捻出できないのでバスや電車を乗り継いでいくことになりますが、交通の便が異様に悪いのでたっぷり 1時間はかかってしまうのです。往復で 2時間です。2時間で済めば良いほうといわねばなりません。今日なんか青戸の駅前でバスを待っていたら30分くらい来なかった。亀有駅から家のほうへ行くバスも、昼時は 1本のがすと次が50分後だったりする最悪な路線で、これで東京都内だっていうんだから恐れ入谷の鬼子母神。往復するだけで 3時間くらい平気でかかる。電車やバスの中で座れるとは限らない。バスはどういうわけか朝より昼に混む。疲れてるところを立って帰らなきゃならんのです。病人だけど老人じゃないし身体障害者でもないので席を譲ってくれる人はもちろんおりません(薬のせいで禿げた頭を晒したところでただのファッション)。

 そして病院での待ち時間。採血があるときは結果が出るまでに1時間くらいひたすら待たされる。さらに注射をするとしたら、薬のオーダーに30分くらい待たなきゃなんない。さらに会計に30分くらいかかるので、ここまで通算すると5時間ですか。一日仕事です。朝起きたときは元気でも、家に帰ったらグッタリですよ。もう何も出来ない。掃除すらマトモにできませんよ。ご飯食べて寝るのがせいぜい。

 それでも減り傾向の白血球をほっといたらもっと危険と思うから三日通った。が、しかし、本当に明日も行く必要があるのかないのか。わたしにはあるとは思えない。病院で顔見知りの看護婦さんと目があうと、必ず言われるのが「インフルエンザが流行りはじめたからね!」「風邪ひかないようにね」ということなんだけれど、それなら家で寝てたほうがよほど安全なんじゃないかと思う。電車やバス、病院の待合室、どこも危険だらけじゃないか。月曜日にCTを撮りにまた病院へ行くので、その時に血液検査をして、減りすぎてたらまた注射ということでいいんじゃないかと思ったわけです。

 が、それを先生に申し上げたところ「それは自分の考えとは違う」と強くつっぱねられ「ボクはもうお手上げなので、そういうことなら治療は終了ってことになりますが。診ないとは言わないけれど、あなたが好きなときに来て診察を受けていけばいいんじゃないですか」というようなことを言われました。

 わたしとしては、黙ってすっぽかし「こないだはすみません、朝起きたらもう夕方でした、テヘッ」とか白々しく言い訳するということもできたんですが、そんな患者を診るのはイヤでしょうし、これまで本当にちゃんとしてくれた先生だからこそ、話して理解を得ようと思ったわけです。が、先生の反応は、むしろ「あなたがイヤだと思うんなら、黙ってキャンセルでもなんでも巣りゃいいんじゃないですか」っていうのと同じなので、もうバカとしか言い様がないんです。いえいえ、無理解な先生がバカなんじゃなくて、バカなのはわたくし。言うだけバカでした。

 先生としては、検査をして増えているのを確認しなければ注射をやめられないと言いたいようで、もちろんそれがベターなのはわかっているのです。わたしが言いたいのは、そのために通院してぶっ倒れるのは愚の骨頂といえないか、ということなのですが、先生はただただ「その考えには賛成できない。もっと悪い患者さんをたくさん診ている。白血球が減っている状態で肺炎にでもなったら本当に危険な状況になる」とお約束のように繰り返されるばかり。「もっと長い期間注射に通っている患者さんも沢山いるんですよ」とも言ってた。

 他人を引き合いにだされると微妙にムカついてくるのはわたしだけでしょうか。病状も違えば住んでるところ、金銭的余裕、年齢、性別……は婦人科だから同じか、まあとにかく、ありとあらゆることが違うのに、他人は我慢してるから、あたなも我慢しなさいと言われても困ります。あきらかに危険な状態なのにわたしが拒否したっていうんなら、先生の反応にも納得がいくのですが、これまでの状況から考えて、注射を3日連続で打って白血球が増えなかったことはないでのです。だからそこまで必死になって病院に通い詰めなければならないほど危険な状況ではないと考えられるのです。その事実を数値的に確認していないだけで。

 「確認できなきゃ危険とみなす」これは正しいです。教科書どおりのお仕事です。しかし、わたしは病院に通うために生きてるんじゃありません。しまいには、

「わたしも普通の人間(どこが?)なので、正直ほんとうにキツイんですよ」
「それはわかります。ボクも医者である前に人間ですから」

なんて会話までした。なら先生、あんたが毎朝車で迎えに来てくれるのか? 治療費払ってくれるのか? 

 ぶっちゃけお金もないんです。注射1本4000円ですから、3日通ったら12000円ふっとんでいきます。ちなみにこれは3割負担の値段です。保険が利いてるからこそこの値段で済んでます。

 月曜にCTを撮ると、これまた1万円くらいポーンと飛んで行きます。高額医療費の返還制度は、入院と外来で別の計算をするので、外来でかかった分はまるまる払わなければならないのです。ド平日に四日も遊んでて、それでどこからお金を捻出しろというのかと。先生がいくら危険だと大騒ぎしても、金銭的にどうにもならなくなる日が早晩くるというものだよ。

 まわりで見ている看護婦さんがハラハラしてた。さあどうなる、このまま「わかりました、転院します!」まで言わなきゃだめか? ちなみに近所の総合病院には産婦人科はないぞ。ここをやめたら通える範囲にないので本当に治療終了だが、まあそれもまたヨシだ。死ぬことより金欠のほうがコワイっちゅーの(いやホントに、冗談じゃないですよー)。

 まあ結局、先生は立場上、危険については説明しなくてはならないし、説明したにもかかわらず患者が拒否してるんじゃどうしようもない、という立場も説明しなきゃいけないし……ということらしかったので

「わかった。先生は充分にしてくれてます。先生は説明した、わたしはそれを拒否した、それでいいです。問題ないです」

ということになり(いやだから、この件でうっかり肺炎になって死なないまでも苦しいことになったとしても、別に先生のせいだなんて言うつもりないですってば)、29日の月曜日にCTを撮りにくるから、その時に採血して問題があったらまた注射(死ぬー、財布の中の現金飽和度がどんどん下がっていくー)ってことで話はつきましたとさ。


 あのさー、mixiとかで○戸病院の話が出ると、悪評ばっかりわらわら集まってきちゃうんだけど、ここの先生はこの通りすげーちゃんとやってるよ? 先生はいっこも間違ったこと言ってない。すごくちゃんとしてくれてる。ちゃんとしてくれすぎて、患者のほうが「もういい、タスケテー」ってなっちゃってるくらい熱心なんだよ。なんでこれで評判悪いんかね。本当にまったく意味がわからない。

 ってわけで、まだ日が出ているけどわたしゃ寝る。ああ、アホくさ。余計な体力使った。次は黙ってすっぽかそう。

珍獣ららむ〜 2007年01月24日(水)17:19

 そういえば、漢方薬なんだが、牛車腎気丸はどうもいやな予感がするので、芍薬甘草湯か、なんか別なのにしてもらおうと思って、とある漢方薬局で相談にものってもらいました。わたしは保険の利く方法を希望しているのに、ここは保険調剤をしてないので、本当に無料で相談にのってもらってしまった(マジごめん)。「無理してうちで購入しなくていいですよ。病院の薬が効かなくなったら来てくれればいいから」と言ってくれた。

 で、手足のしびれだけじゃなくノボセやその他もろもろあるし、便秘じゃなくて便はゆるいほうなので、下手なものを飲むと下痢しちゃうんだよって話したら、加味逍遙散と補中益気湯を併用するのがいいんじゃないかと言うことだった。加味逍遙散は更年期障害の薬として普通の薬局にもよく置いてあるやつだよね。

 加味逍遙散の効能に「便秘」ってのがあったので、大丈夫ですかと効いたら、実際には下剤のような作用のある生薬は含まれていないので大丈夫だし、この薬のいいところは、仮に効かなくても副作用が出にくいことだとも言ってた。

 それに、加味逍遙散には芍薬と甘草も入っているので、手足のしびれを止めるというような効能はうたわれていないけれど、芍薬甘草湯と同様の効果は期待できるとも説明してくれた(ちゃんと調剤するんなら、さらに芍薬を追加で処方するらしいんだけど)。

 加味逍遙散、補中益気湯、芍薬甘草湯のどれもツムラやなんかのエキス錠になっていて、保険診療の範囲内で処方できる薬なんだと。

 で、保険の範囲内で出してもらうためには病院の先生に納得してもらわなきゃならんのだけどもさ、案の定、イヤそーにしてたわ。なんかね「そういうところの薬剤師さんは知らないと思うけど」と前置きして、わたしが投与されてるカルボプラチンとドセタキセルによる手足のしびれには、牛車腎気丸が効くというデータが出てるんだと言い張ってた。いや、だからね、別にそれを疑っているんじゃなくってさ、あー、もう、なんていうかさー、センセーが見てるのは「しびれ」なんだけど、わたしにとっては「全部」が症状なのよね。抗癌剤直後で体に水分が溜まってるのもそーだし、半年前の手術からこっち、どうしたって家に篭りがちで筋力が減ってる(漠然とした体力が落ちてる)のもそーだし、のぼせたり、寝汗をかいたりするのもだし、もちろん指先のしびれも症状なのね。ぜーんぶひっくるめて考えたときどーよって考えて、自分としても補中益気湯や加味逍遙散がいいんじゃねーのと思うから提案するわけだけど、先生は芍薬甘草湯なら良く聞く処方だけど……とかなんかもごもご言ってて、

「最終的にはご希望のものを処方できますが、後で言ってください」

だって。 後でって何時よ? 後で後でって言ってたら手足のしびれはたぶん治る。抗癌剤の効き目が薄れたら治ると思うんだ。でも、のぼせその他は卵巣がなくなったせいもあるので末永く残るんだよね。そういう軽微な症状はスルーされちゃうでしょ。これまでもわたし、いろんな人に「のぼせがある」って言ってるけど、抗癌剤にアルコール入ってるからって言う人が大半だった。あのさ、アルコールの影響は一ヶ月も続かない(っていうか、病棟の看護婦さんは、わたしに卵巣が片方残ってるみたいに思ってる人がすごくたくさんいるんだけど…カルテに記載ミスか、極端にわかりにくい記述があるんジャマイカ。と、誰に言うともなくここで言ってみる実験。事実わたしには手術以来生理がない。片方あったら来るはずだ)。

 芍薬と甘草も入ってるんですってばーって説明しようかとも思ったけど、相手も立派なお医者様だし、そいうの説明するの失礼な感じもするでしょう。めんどくさいから「もういいやコイツには頼まないしー」って感じになってきた。ええと、保険で出してもらえればありがたいってのが最大の理由だけど、黙ってよけいなものを飲むのはよろしくないという判断もあって医者に相談してる。が、そういう気ののらない反応をするんなら、もう相談しない。そういうことだ。

 まあ、想像できる結果だけれど。だからわたしは、西洋医学の医者が「漢方」って言い始めると額にシワが寄るんだよ。

 ちなみに今日も指先はしびれてる。バス代払うのに小銭を財布から取り出すのに苦労する。

ひろこ 2007年01月25日(木)16:14

わかりません、って言える医者は信頼できる気がする。

バカを相手にするのは体力的にもつらいと思うけど、
「最終的にはご希望のものを処方できます」
と言う部分だけ聞いて、
「出して下さい」と言うしかないのかもね。

BUNBUN 2007年01月25日(木)16:31

はじめまして 毎日お疲れさまです。白血球の注射の件ですが、身内の医療関係者によると、数年前までは患者自ら注射できるものだった(インシュリンのように)ようなのですよ。治療そのものは、青○病院でするとして、白血球の注射と検査は近所の医療機関で出来ないか相談できないかな?

珍獣ららむ〜 2007年01月25日(木)17:23

>ひろこさん
 この件に関しては、わからないから判断できないって言ってくれていいような気もするよね。専門外なわけだし。調べとく、でもいいしね。

>BUNBUNさん
 はじめまして。そうなんです。自分でどうにかできたらさぞ楽になるだろうと思うんです。ちと痛そうだけど、病院に通う労力を考えたら克服できると思う。血液検査だけは病院でするとしても、注射を家でできるのならば通う回数は格段に減らせると思うんです。

 数年前まで自己注射だったという薬はどういったものなんでしょう? 今は白血球が減るとG-CSFという類の薬(商品名で言うとグラン・ノイアップ・ノイトロジン……)を使うのが主流のようで、ちょっと検索してみたら2006年2月現在で日本では自己注射の認可が下りてないようなこと書いてあるページをみつけました。

 でも、2006年11月の日付で、C−GSFの自己注射を覚えたという人のブログを発見し、何がなんだかわからなくなってしまいました。内緒で自己注射を進めてる医師もいるのかなあ。さすがに無認可の医療行為まで要求するわけにはいかないしねえ……

BUNBUN 2007年01月25日(木)21:04

薬は、ノイトロジンだったようです。その当時、完全に認可されていたのか、暗黙の了解のもとで患者に処方されていたのかはわかりません。ただ、患者の自己注射そのものは行われていたとのことでした。
 いずれにしても、現在では、完全に禁止になっているので自己注射は不可能でしょう。次善の策としてはやはり、紹介状をもらい、近所の開業医でやってもらうのがいいと思うのですが、むずかしいのかな?

珍獣ららむ〜 2007年01月25日(木)21:56

 うーん、難しいですねえ。わたしは一応今回で抗癌剤の投与は終わったってことになってるんです(再発すれば別ですが)。ということは、骨髄抑制もそう長くは続かない。あと何回薬が必要なのかよくわからないんです。もしかしたら使わずに済むかもしれないし、しばらく使わなきゃいけないかもしれない。

 その状況で近所の開業医にお願いすると、普段使わない薬の在庫を作ってしまう可能性があると思うんですよ。高い薬ですし、ちょっと頼みにくいですねえ。これから半年続く、とかならお願いしてみる価値はあると思うんですけど。

 それに、抗癌剤治療の場合、血液検査で見ているのは白血球数だけではなくて、次の抗癌剤の予定を組むために腫瘍マーカーの値なんかも見てるみたいなんです。近所のお医者さんと、○戸病院の先生が連絡を取り合ってくれるんだったら、血液検査も近所でやって、必要なデータををやりとりしてもらい、抗癌剤だけ○戸病院でするとかできますよね。でも、こういうのは提携契約でもしてないと面倒がられてしまいそうなんですよねー(^^;

 ありがちなところでは、町のお医者さんで癌が発見されて、そのお医者さんの出身大学に紹介状を書いてもらって、手術とか抗癌剤とかは大学病院でするけど、その他のケアは町のお医者さんでやる、とかだったら現実的な案だと思うんです。わたしの場合、そういうつながりで今の病院にかかってるんじゃないので、ちょっと難しいと思います。

 でも、そういう手もあるんだなって再確認させてもらってよかった。今のところ抗癌剤が劇的に効いてるのでなんともないんですけど、いつ再発するかわからないので、次はなんらかの手を考えた方がいいですよねえ。週の半分を病院通いで潰すなんて、たまらんですわ、もう、ほんとに。