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旧万世橋遺構見学

 病院の帰りに時間があったので交通博物館に行きました。『きかんしゃやえもん』という絵本で有名な一号機関車のあるところです。

 秋葉原(っていうか神田須田町)にある交通博物館は今年で開館85周年にあたるらしいです。もとは東京駅付近にあったのが昭和11年(1936年)に今の場所に移転してきました。

 そんな歴史のある博物館が実は今年2006年5月14日に閉館しちゃうらしいのですよ。博物館自体は移転という形でさいたま市で再スタートするらしいのですが、移転なら安心とも言いにくいのです。だって「この場所」に意味があるんですから。

 交通博物館がある場所は、中央線の始発駅だった万世橋駅のあった場所です。東京駅が開通すると単なる途中停車駅になってしまい、関東大震災で焼けたり、第二次世界大戦があったりして規模が縮小して、昭和18年(1943年)に駅そのものは廃止されてしまいました。

 ところが、昭和11年に博物館が移転して来ていたのと、空襲でやけなかったのとで、駅舎やホームが取り壊されずに残りました。中央線に乗ると、秋葉原の近くに決して停車することのないホームが見えますが、あれが旧万世橋駅です。

 交通博物館では、普段は公開されていない旧万世橋駅遺構を一般公開しています。事前の予約は必要ですが誰でも無料(博物館の入場料は必要)で参加できます。詳しくは交通博物館の公式サイトをどうぞ。土日は事前に電話予約をしたほうがいいかもです。平日だったら余裕があるので当日その場でも申し込みできることが多いです。

アップロードファイル 84KB

 受付で許可証をもらって一号機関車(やえもん)の前に集合。許可証を首からさげて、行列を作って遺構見学へ。

 最初に見るのは駅舎の一部っていうか、レンガ造りの高架下のような部分。万世橋駅の歴史を説明したフィルムを見てからホームに移動。

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 途中、こんな階段を登ったりします。この階段はどうやら昔のままのものらしいです。一段一段にすべりどめがついてた痕跡があるのですが、金属製だったため戦争中に供出させられたそうです。

 万世橋駅は廃止後も取り壊されることはなかったのですが、戦争中で物資がたりなかったこともあって、同時期に開業した横浜の新子安駅に備品の一部が使われたそうです。

アップロードファイル 55KB

 階段を登りきるとホームです。ホームに直接出ることはできません。ガラス張りの小屋みたいなのがあって、そこから外をのぞけます。ホームの横を中央線が通り過ぎるのも見られます。

 博物館移転後に、旧万世橋駅がどうなるかはまだ決まってないという話でした。駅は残っててほしいような気がするんだけどなあ。