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病人日記:今日は胃カメラを飲んだ

 腹水の穿刺のあとは期待(?)された液漏れもなくネタにもなりませんでした。腹水が減ったせいで軽く腹が垂れ気味ですが、これといって支障はないです。でも、スイカを食べたあとに腹がパンパンになったときは焦りました。早くも元にもどったかしらと思ったけれど、でっかいゲップが出たらへこんだようです。まあ、完全に水が抜けちゃったわけじゃないので、食事は普段の八分目くらいでお腹いっぱいになっちゃうんですけど。

 そんでもって今日は胃カメラを飲んできました。昨日の夜八時から絶食して準備します。胃カメラも初体験です。喉に麻酔しててもゲロゲロってなるイメージがあるのでちょっと逃げ腰でしたが、最近は軽く睡眠薬を注射して半眠りの状態でやるから苦痛はほとんどないそうです。

 検査室に入る前にメガネや時計をはずしてくれと言われたのですが、メガネをはずしちゃうと何も見えなくなって判断力が落ちるので、何を指示されても「はあ、で、今何言いました?」「あっち? あっちってどっちですか」って感じになってしまうのでカメラを飲む直前までかけさせてもらうことにしました。

 まずは胃の中をきれいにする薬とかいうものを飲まされました。ぐい飲みサイズの小さな紙コップに入った液体です。カルピスを薄くしたみたいな色がついてたような気がします。これといってにおいもなく、味もあるような、ないようなという感じで、飲むのに苦痛はありませんでした。

 それから喉の麻酔。看護婦さん(どっちかっていうと看護師と呼んだほうがぴったり来る愛想のないタイプで)が注射器を持ち出して、
「これから喉に麻酔をします」
と言ったときは、注射器使うなんて聞いてないってびびったのですが、よく見たら針はついてませんでした。スポイト代わりです。これもメガネを外してたらパニックを起こしていたかも。はめててよかった。

 麻酔薬はジェル状で、冷たくて(冷たいと感じるだけかも)、苦いとか甘いとかの味はないのですが、やけに刺激的で喉にちくちくする感じでした。喉のおくのほうでしばらく含んでいなくてはならないそうです。アラームが鳴ったら飲み込んでくださいと言って看護婦さんは去ってしまいました。

 えー、アラームって何分ったったら鳴るんですかー。これ、いつまで含んでなくちゃいけないのー。げー、なんか喉がおかしくなってきた(麻酔だからな)。っていうかこれ飲み込めるんだろうか、わたし。そんなこと考えてるうちにアラームが鳴りました。含んでる時間は30秒くらいだったか、1分くらいだったか、そんな程度でした。すでに喉の感覚が鈍くなっているので飲み込むのに若干の勇気がいります。うー、ぐぐぐ、ごくん。たとえていうなら冷たくて刺激的な味のする痰を大量に飲みこんだみたいな感じ。激しくキモチワルイ。

 それから検査台に移動。胃カメラは左側を下にして横向きで寝て飲むそうです。横になったら今度は別の看護婦さん(こっちは愛想のいい感じの人でした)がやってきて
「もう一種類、喉に麻酔薬をつけます。今度のやつはちょっと苦いけど我慢してくださいねー」
という感じで、機械に油をさすやつをもうちょっとスマートにしたみたいなボトルで喉に液をぷしゅっと。ジェルじゃなくて液でした。苦いかどうかはよくわからないけれど、これもかなり刺激的な感触です。こっちはすぐに飲みこんでよいとのこと。

 それから医者がやってきて、カルテをチラッと見てから「お腹張ってるの? いつごろから?」「食欲は?」とか「痛いとか何かあるの?」とか聞いてくるんだけど、こちとら喉に変な薬をつけられてるので丁寧に答えているような余裕なし。あやうく「カルテ見ろよ若造が」と言いそうになったけどぐっとこらえる。喉は感覚が鈍っているけどしゃべるのに支障があるような状態ではなかったです。

 そんでもって、睡眠薬を注射するからとか言われて、肘の裏がいいか、手首がいいかって医者が迷って「肘を曲げずにいられますか」とか言うんだけど、曲げずにって検査中ずっとだったらイヤだし、そもそもそこは数日前に採血やら造影剤注射やらで何度も刺されてるのでもうさされたくないから「えー、やだ」とか投げやりに言ったら手首の太い血管に刺してました。手首の血管は痛いので普通の人はいやがるらしいです。昔そんな話を別の病院で聞きました。が、しかし、日本の注射針は良く出来ているので、一発で刺してくれればスーッと入っちゃって大した痛みじゃないんです。どっちかっていうと、何度も刺された場所に無理に刺されるほうが痛い。

 睡眠薬は注射してる最中にもう眠くなります。なんという薬ですかと聞いたんだけど、医者がなんて答えたかは覚えてない。気が付いたらもう胃カメラが口から入ってて、何をしてるのかわかんないけど大きなゲップがゲロゲロ出たので目が覚めた。看護婦さんが「ゲップは我慢してねー」とか言ってるけど、出来るわけないじゃない。喉に管入ってて、口にはマウスピースはめられてんのよ。どうやって止めろと言うのだ。ためしにお前やってみろ(怒)と、しゃべれないので無言で青筋たててたら、医者が「いいよ」って言ってたような気がする。

 そんなこんなで胃カメラは喉の麻酔が不味いこと以外になんら苦痛もなく終わりました。検査にあたってる医者が言うには「胃はなんともない」だそうです。そうだろうな。圧迫感で食欲が落ちてる以外にこれといって自覚症状もないし。

 睡眠薬を打たれているので少し休んでから帰ってくださいといわれて、検査台(ストレッチャーになってる)ごと移動させられ、休憩所になってるところに並べられてしまいました。でも、かなり弱い睡眠薬らしく、このあたりで既に薬は抜け始めてた。5分か10分か、そのくらい我慢してから「あのー、これいつまで寝てなきゃいけませんかー」と聞いたら、「薬切れました? そろそろいいかもしれませんね」と許可が出たので会計をして帰ることにしました。検査をはじめてから休憩が終わるまで一時間くらいだと思う。

 喉に麻酔をしたあとなので、誤嚥下を防ぐために飲食は30分以上たってからにしてくださいということでした。睡眠薬を打ったあとなので、車や自転車の運転はやめてくださいとも言われた。高速で抜けちゃう薬みたいだったけど、確かに直後の運転は危険かもね。普通に歩いたりするのに支障がないとはいえ、軽く判断力が鈍った感じになります。

 さて、明後日は恐怖の大腸内視鏡検査です。こっちは大変なのです。前日(明日)から、検査のために特別な食事をしなくてはなりません。レシピどおりに自作する方法もありますが、めんどくさいのでグリコのエニマクリンとかいう検査食を買いました。朝粥からはじまって夜はスープのみで終わるという、だんだんさびしくなる食事です。そんでもって寝る前にラキソベロン(下剤)一気飲み。当日はナントカいう液体下剤を二リットル飲まされるそうです。こんな検査を病人にさせていいのかというキビシイ検査らしいです。うげえ、もういやだー。

●グリコのエニマクリン(大腸検査食)
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 こんな感じの箱に一日分の食事が入ってる。税込み1554円ナリ。

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 中はこんな感じで、朝・昼&間食・夜と別の箱に入ってます。妙に過剰包装です。

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 箱の中はレトルトの粥とフリーズドライのスープ類。

 いっちょまえに間食がついてたりするんだけど、内容はビスケットとキャンディー、エネルギー補給ドリンクの粉。スポーツドリンクみたいなのだったらいいんだけど、シャンピニオンエキス入りって書いてあるからスープかもしれない。