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レトロゲー『港のトレイジア』メガドラ用

 昔、テレビゲームの類にお金をつぎ込んでいた頃。といっても、わたしが買っていたのは中古や新古で安くなっているものが多かったんだけれど、メガドライブ用のソフトで『港のトレイジア』というRPGを、やってみようと思いつつ買うチャンスを逃してしまった。1991年、RIOT/日本テレネットから出たゲームである。

 青い海の見える美しい岬で、青年がひとりたたずんでいる。その手に握られているロケットペンダントには、黒髪の娘の肖像。娘の名前はトレイジア。青年の幼なじみである。その場面はゲームのパッケージにもなっていたし、雑誌に掲載された広告の図案にもなっていた。とても美しい絵だった。本は「表紙買い」があるように、パッケージ買いしてもいいと思えるほど、印象の強い絵だったけれど、メガドライブ用のゲームは市場に出回りにくく、近所のゲームショップではほとんど見かけなかった。一度だけ秋葉原の、たしかガード下にある店で見たのに、持ち合わせが少ないので次にしようと通り過ぎてしまった。それっきり、ずっと見かけない。あの時買っておけば良かったと、ことあるごとに思い出してため息をついてしまう。

イラスト 9.png
▲トレイジア(だいぶ違う!!)

 そうして時は流れ、メガドライブなんて知らないよって若者ばかりになった数年前(って数年前かよ)、秋葉原の中古ゲーム屋でソフトを発見。昔の恋人に出会ったような思いだった。メガドラなんてどこにしまったか思い出せないのに即買いしてた。千円くらいだった。案の定、メガドラをどこにしまいこんだのかわからぬまま、さらに数年間熟成されたわけである。

 数日前に部屋の中をひっかきまわしたら、とうとうメガドラが出てきたのでやってみた。何年も電源を入れてないけど、ソフトをつっこんで電源を入れたらちゃんと動いた。大丈夫そうだ。オープニング画面はパッケージにもなった海の見える崖の上。今となっては情けないほど画質が粗い。これは、もしかすると当時としてもそんなに良い方ではないかもしれない。でも、ゲームの面白さはグラフィックの良さとは比例しないんだよ。気にしない気にしない。わくわくしながらスタートボタンを押した。

 ちなみに、わたしはこのゲームについてほとんど何も知らない。主人公が青年で、トレイジアという幼なじみがいて、彼女を村に置いたまま故郷を後にした、というような大まかな設定は広告で読んだような気がする。それと、ファミ通のレビューで酷評されていたのは覚えてる。内容より、とにかく操作性が最悪だというような評価だった。でも操作性の悪さなんて、昔のゲームにはありがちな欠点なので、今となっては味といえよう。どうってことないない。

 が、しかし。実際やってみると、これって本当に最悪なのね(汗)

 まず、わたしとしては操作性よりストーリーの強引さに泣いた。主人公は彼女を置いて旅立ったと書いたけれど、わたしゃその理由を知らずに17年もこのゲームに思い入れを重ねていたわけだよ。想像では、何か重要な使命を帯びて、どうしても旅立たなきゃいけなかったとか、あるいは旅の途中で災難にまきこまれて帰れなくなり、どうにかして村に帰る方法を探しているとか、そういう切ないのを想像していた。

 実際はどうかっていうと、主人公は単に広い世界を見てみたいからという理由で旅立ってしまう。でもまあ、男の子は旅に憧れるものだし、そういうこともあるかなあと気を取り直して次を読むと、主人公が「いつかこの村に帰ることがあったら彼女に……」なんてこと言ってるんだよ。え、こいつ、帰らないつもりなの?

 現代の話じゃないので、旅に出たら簡単に帰れないのはわかるんだけれど、主人公は商人である父親と一緒に村を出ることになっているから当然必ず村には帰ってくるんですよ。帰って来るまで待っていてくれるかと言うのならともかく、帰って来ることがあったら告白しようだなんて、どういうことなんだよ、おいおい。

 とりあえずオープニングメッセージを読み終えて、いざゲームを始めると、いきなりどこかの街にひとりで立ってた。あれ、父親は? 隊商を組んで旅にでたみたいだったけど、みんなどこへ消えちゃったんですかー。っていうか、ここはどこなのよ?? 

 テレビの前で途方にくれていても仕方がないので説明書を読んだ。なんと、説明書にはオープニングに語られていない設定が記されているではないか。父親が急に「商人しか入れない国へ行く」と言い出して、主人公を放り出したらしい。えっ、商人なんて自称したもん勝ちじゃないんだろうか。許可制だとしても、跡取り息子なら隊商の仲間として認められて当然ではないのかなあ。

 その件に目をつぶるとしても、連れて行けなくなったのなら村へ帰すのが筋ではないかと。なのに父親は「サロンの国へ行ってひとりでやっていけ」とか意味のわかんないこと言って突き放してる。息子も息子なら父親も父親だ。

 こうして、ひとりでサロンの国にやってきたところからいきなり始まったというわけ。17年も熟成してた思い入れがガラガラと崩れていくー(笑)


 以下は、ゲーム中にメモしたこと。検索したら、同じようにパッケージ買いした人がたくさんいたけど攻略書いてる人はいなかった。ただ今第三章で、貴族の街の入り口が見つからずに七転八倒している。誰か知らない? とりあえず貴族の街は通過しました。

# デバッグモードがあるよという情報は不要です。検索したらみつかったし、コントローラーが一個しかないのでコマンドを入れられないから。

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タグ:ゲーム

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