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珍獣の食卓wiki「ニガウリ」 - ニガウリの仲間について

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ニガウリの仲間について
&br;[[珍獣の館TOP>http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/2648/index.html]]>[[珍獣様の博物誌>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/index.html]]>[[珍食目次>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/kuirejo/00_index.htm]]>[[この記事のオリジナル>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/kuirejo/nigau_a.htm]]>[[瓜づくしセール中・ニガウリ>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/uri/00_index.htm#nigauri]]

,和名,ニガウリ(苦瓜)
,別名,ツルレイシ(蔓茘枝)&br;ニガゴリ:熊本
,学名,'''Momordica charantia'''
,科名,ウリ科 
,沖縄口 ,ゴーヤー(本島) ゴーヤ(八重山諸島)
,アイヌ語,
,中国名,苦瓜&br;錦茘枝…茘枝(ライチ)の実に似て金色に熟すから?&br;癩葡萄…ライ病のブドウの意&br;癩瓜…ライ病の瓜の意
,英名,Bitter gourd  苦いヒョウタンの意&br;Bitter cucumber 苦いキュウリの意&br;Leprosy pear ライ病の梨の意&br;Leprosy gourd ライ病のヒョウタンの意&br;Balsam pear はじける梨の意?
,エスペラント,momordiko(学名に由来)
,その他,
,&color(#993366){花},&color(#993366){春~夏}
,&color(#993366){実},&color(#993366){夏~秋}
,&color(#993366){原産地},&color(#993366){東南アジア}

*ニガウリに関するあれこれ
- 苦い瓜だから苦瓜、わかりやすい。長レイシ、太レイシなど、色や形の違う品種がある。

- 生でかじると本当に苦い。なのに沖縄の人は生ジュースにしたり、塩もみして酢味噌和えにするなどして生食もする。九州産のと沖縄産のものが出回っているみたいだが、苦みが強いのは沖縄産のものだといううわさも聞く。&br;&color(red){苦みの強さについては逆の情報も。}

- ビタミン豊富な美容食。沖縄ではゴーヤチャンプルーといって豚肉や沖縄の豆腐と一緒に炒めて食べる。味付けは各家庭で違うようで、味噌味にしたり、塩・胡椒・醤油などで味付けしたりする。豚肉のかわりにポーク缶(ランチョンミート)を加えることも。
 
- 豚肉との相性は最高で、種を抜いて輪切りにしたものに豚挽き肉を詰めて中華スープで煮るのも旨い。苦いのがイヤって人も多いけど、真夏に食べるとこの苦みがかえって爽やか(写真>[[ニガウリの炒め物>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/uri/niga02.htm]])。

- 関東では、ニガウリまたはゴーヤという呼び名が一般化しているが、しばらく前は「レイシ」という名前でお店にならんでいたような気がする。茘枝という字をあてるらしいのだが、ムクロジ科の果物であるライチ(レイシ)も同じ字をかくので、とてもまぎらわしい。&br;
 ツルレイシという呼び名は、樹木になるレイシ(ムクロジ科)に対して、蔓性のニガウリを呼び分けるためだろうか。なんにしても、ライチとニガウリは、まったく似ておらず、なぜ同じ名前でよばれるのか納得がいかない。&br;
 &color(blue){果物のレイシに皮の凸凹が似ているからだ、という説が多く見られました。(ひろこさん情報)}&br;
 ひろこさんの情報をもとに調べたところ、中国の本草書『救荒本草』(1406年)に「ニガウリはムクロジ科のレイシ(ライチ)に似ている」とあり、ツルレイシという呼び名はこのあたりから来ているらしい。

- 野生のニガウリは実が 5cm と小さくて、日本で栽培されているものにくらべればライチに似ているような気もするが、紡錘形でライチのように丸くはなく、やっぱり無理があるような気がする。『救荒本草』を書いた周憲王は、本物のニガウリを見たことがあったのだろうか。

- 東南アジア、南アジアでは野生種のニガウリを今でも食用にしている。実は小さいが味と香りが強く、栽培品種よりも好きだという人も多いそうだ。葉や蔓先を魚料理の臭み消として料理に加えることもある(弘文堂[[『東南アジア市場図鑑』>http://www.chinjuh.mydns.jp/libro/libro03.htm#006]]より)。

- ベランダで育てたニガウリの記録 2002年>[[ベランダのニガウリ・写真>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/uri/niga01.htm]]

- おそらく苦みの強さは品種に由来している。ロウソクゴーヤという細長いニガウリがある。たぶんタイ国産と同じ系統のものだと思うが、これは苦みが少ないという(食べてみたところ苦みはちゃんとある。いくらかマイルドだという程度)。&br; 九州で昔から栽培されていたものは細長くて苦みの強い品種で、ニガウリ、ニガゴリ、ニガゴウリなどと呼ばれていた。一方、沖縄で栽培されているのは太く短い紡錘型の品種で、こちらは九州のニガウリほど苦くはないそうだ(参考サイト>[[西日本新聞社>http://www.nishinippon.co.jp/media/news/0106/goya/goya.html]])。

- ボツワナに Momordica balsamica というニガウリの近縁種がある。実が洋梨型~ひしゃげて尻だけ太くなったキュウリ型をしている。食用については未確認。

- アバシーゴーヤーといって、太めで紡錘形をしているものがあるが、これも苦み少ないらしい(食べたことがない)。ずんぐりした形がアバサー(ハリセンボン)に似ていることからその名がつけられた。

- 苦瓜の品種としては、他に太レイシといって、短くて太いものがあるらしい。東南アジアで食用にする野生種の苦瓜にかなり近いイメージか?また、白レイシ、白長レイシという皮の白い品種もあるらしい。白いものは苦みが少ないという。栽培してみたい…>[[参考サイト>http://www.go-ya-s.com/contenst/seed.html]]

- 『本草綱目』に「熟すと黄色くなり、自然に裂け、ワタは甘くて食べられる」とある。ここでいうワタとは種をつつんでいる白くふわふわした部分のことだが、本当にこれを食用にしたのだろうか。「青皮は南方の人は肉といっしょに煮て食べるが、青臭く苦みがある」としている。そもそも南のほうの植物だろうから、中国の北のほうでは食用にしなかったのかもしれない。
- 『本草綱目』に「熟すと黄色くなり、自然に裂け、ワタは甘くて食べられる」とある。普通食用にするニガウリは未熟でワタは白くて甘くはないが、熟すと種のまわりだけ赤くなり、とても甘い。また「青皮は南方の人は肉といっしょに煮て食べるが、青臭く苦みがある」ともある。そもそも南のほうの植物だろうから、中国の北のほうでは食用にしなかったのかもしれない。

- グリーンカーテン&br; 温暖化対策の一環として、壁面や窓ガラスに沿って植物を植え、室内温度を下げる工夫が近年盛んになっている。ニガウリは比較的育成がしやすいことや明るい緑の葉と黄色い花、収穫の楽しみもあって人気が高い。
- グリーンカーテンとしての利用&br; 温暖化対策の一環として、壁面や窓ガラスに沿って植物を植え、室内温度を下げる工夫が近年盛んになっている。ニガウリは比較的育成がしやすいことや明るい緑の葉と黄色い花、収穫の楽しみもあって人気が高い。

**ニガウリにまつわる言葉
-Leprosy pear
-Leprosy gourd&br; ニガウリを意味する英語。leprosy はライ病(ハンセン氏病)のことで、ニガウリの表面がでこぼこしてライ病にかかった人の肌のようだからではないかと思うのだが、どっちかというと smallpox(天然痘)のほうがピンとくるような気がする。『本草綱目』にもニガウリの皮を病気にたとえた部分があったような気がするが未確認。gourd はヒョウタンのこと。pear は洋梨のこと。実が長い品種と短い品種を呼び分けたものか?
-Bitter gourd 
-Bitter cucumber&br; bitter は苦いこと。 cucumber はキュウリ。
-Balsam pear&br; balsam は香木のことではなくホウセンカという花のこと。ホウセンカは種がはじけ飛ぶので知られているがニガウリの実も熟れると破裂して種を散らす。


- 癩葡萄・癩瓜&br; 古い中国語でニガウリを意味する。ライ病のブドウ・瓜という意味。ニガウリのぼこぼこは誰が見ても印象的らしく、英語と同じくライ病にたとえている。

*珍獣様が食したニガウリたち
-[[ニガウリ>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/kuirejo/nigau_b.htm#01]]
-[[ロウソクゴーヤ>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/kuirejo/nigau_b.htm#02]]
-[[白れいし>http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/kuirejo/nigau_b.htm#03]]