メロン・マクワウリ・シロウリの仲間について
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和名 | メロン |
別名 | |
学名 | Cucumis melo 中空のリンゴ、壺のようなリンゴの意味 |
科名 | ウリ科 |
沖縄口 | |
アイヌ語 | |
中国名 | 洋香瓜 香瓜xiāng guā 甜瓜tián guā(マクワウリ) 哈密瓜hā mì guā(中央アジア産のメロン) 华莱氏瓜huà lái shì guā 白兰瓜bái lán guā |
英名 | melon |
エスペラント | melono |
その他 | melon[仏][西] melone[伊] Melone[独] |
花 | |
実 | |
原産地 | 東アフリカ(ヨーロッパ・アジア各地で栽培化) |
日本人ならメロン・バナナ・桃の缶詰になんらかの思い入れがある人は多い。どれも高級品で病気にならないと買ってもらえないものだったからだ。
もっとも今ではバナナも桃缶も安くなり仮病を使わなくても好きな時に食べられる。一方メロンは品種によっては気軽に食べられるようになったが、まだ高級品というイメージが残っている。特にマスクメロンと呼ばれる香りのたかい温室栽培のメロンは特別の存在である。
筆者は何度も入院したことがあるがマスクメロンだけは誰からも差し入れてもらえなかった。この上どのような重病になるとマスクメロンにありつけるのかが今後の課題である。
2006年追記、とうとう癌にもなってみたけど、まだマスクメロンの貢ぎ物はござーませんことよ。でも、マスクメロンはお金さえ出せばいつでも買える。どっちかっていうとハミウリや真桑村のマクワウリとかを食ってみたいような気もする今日この頃。
さて、メロンの歴史であるが、その原種は東アフリカに自生していたと言われている。食用として、また薬用としても利用されていたが、ギリシア人、ローマ人、アッシリア人は、単に「熟れたもの」と呼んで、メロンとキュウリを区別していなかった。(参考>八坂書房『ファラオの秘薬』)。
プリニウスはキュウリ(Cucumis)という言葉で甘い瓜(おそらくはメロン)について言及している。"キュウリ"を甘く育てるために、蜂蜜を混ぜたミルクに二日のあいだ種を浸した後にまくとある。
ティベリウス帝は"キュウリ"が好物で、その食卓にキュウリののぼらない日はなかった。そのため彼の菜園係は車輪のついたプランターにキュウリを植えて、冬には囲いのある暖かい場所に移動してよく日に当てて育てたという。これは現在でいうところのハウス栽培・温室栽培にあたるものではないかと思う。
当時のメロン(キュウリと呼ばれていた)は、細長く、ひんまがっており、見た目もキュウリとあまり変わりがなかったと思われる。プリニウスはカンパニアで最近作られた新しいキュウリの品種として「リンゴカボチャ」というものをあげている。洋梨型で皮は黄金色。蔓を地面にはわせて栽培していたらしい。実は地面によこたわって育ち大きく丸くなる。ヨーロッパ型メロンの初期の頃のものだろうか?(参考[広告]>雄山閣『プリニウスの博物誌(全3巻)』)
エジプトやヨーロッパ、中近東などで栽培化されたメロンは、中国をへて日本にも伝わった。日本は東アジア型メロンのマクワウリが縄文時代から食用にされていたと言われている。
現在日本で食用にされるメロンは、これらを掛け合わせた交配種である。特に有名なのはマクワウリとヨーロッパ型のカンタロープを交配させて作ったプリンス型と呼ばれる品種である。1962年にプリンスメロンが現れてからというもの、各地でマクワウリをやめてプリンスメロンを栽培するようになった。マクワウリから作られ、マクワウリに取って変わったものであるから、プリンスメロンをマクワウリと呼ぶ人は多い。しかし本来マクワウリと呼ぶべきものはこれではない。他に皮に網目のあるものや、果肉がオレンジ色のものなど、さまざまな品種が存在する。