ナタマメの仲間について
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和名 | ナタマメ(刀豆、鉈豆) |
別名 | タテハキ(帯刀) |
学名 | Canavalia gladiata |
科名 | マメ科 |
沖縄口 | |
アイヌ語 | |
中国名 | 刀豆 |
英名 | sward bean(剣の豆) |
エスペラント | kanavalio(学名に由来) |
その他 | 작두콩(韓国) |
花 | 夏 |
実 | 秋 |
原産地 | 熱帯アジア、アフリカ |
ナタマメに関するあれこれ
- 熱帯アフリカ原産の豆で、長さ 30cm にもなる刀のような形のサヤをつけることから刀豆(ナタマメ)と呼ばれる。主に東南アジアで食用にされている。サヤがまだ若いうちに輪切りにし、野菜として使う。高級な福神漬けにはナタマメの輪切りが入っている。ペン先のような形のものがそれだ。また、花も食用にする。酢漬けにして瓶詰めにしたのが売られている。
- 原産地については諸説あり、熱帯アジア、アフリカ、インドなどと言われている。
- 成熟した豆も食用にするが、ナタマメにはコンカナバリンAをはじめとする数種の毒があるため、ただ煮ただけでは食べられない。豆を食べるには何度もゆでこぼすと良い。日本で栽培されている品種は餡を作るためのものなので、何度かゆでこぼしたあとに潰して甘くすると美味だという(参考[広告]>『マメな豆の話』)。
- 漢方では、胃腸をあたため、気を下し、腎を補うといわれている。滋養強壮や咳止めの薬として用いられる。最近では健康食品としてナタマメの粉末やエキス入りの錠剤、またナタマメ茶なども販売されている。
- 新大陸原産のタチナタマメCanavalia ensiformis はナタマメに似ているが別種で、蔓にならず灌木になるという。
- セミージャと言うマラカスのように振ってリズムを刻む南米の民族楽器がある。ナタマメをさやごと乾燥させたものとされているが、この豆の学名はInga Edulis南米原産マメ科インガ属の常緑高木で、英名は Ice cream bean なので、ナタマメやタチナタマメとは違うものらしい。パルプ質の内果皮をパカイと呼んで食用にする 。
- 日本には江戸時代に伝わり、鞘が鉈の形をしていることからナタマメと呼ばれた。
- 免疫力を増強させるコンナカパリンAや腎機能活性効果のウレアーゼを含み、中国では生薬のひとつとされる。江戸の頃から味噌漬けとしてこりこりっとした歯ごたえが愛された。赤穂浪士の全員が討ち入り前にナタマメの味噌漬けを口にしたと言われている。参考>『鉄腕!DUSH!!』
福神漬けに入っているナタマメ。若い鞘を薄く輪切りにしたもの。ペン先というよりプラナリアに似てる?
ナタマメにまつわる言葉
Canavalia gladiata
ナタマメの学名。属名はナタマメを意味するインドの言葉に由来している。小種名の gladiata は「剣のような」の意味。
鉈豆煙管(なたまめきせる)
ナタマメのさやのような太くて平たい形をしている煙管(きせる)。吸い口・羅宇(らお)・雁首まで一体型で金属製。参考>熊本博物館(写真あり)
ナタマメギセル
キセルガイ科の巻き貝(Luchuphaedusa ophidoon)。カタツムリのように陸に棲む。参考>微少貝データベース(写真あり)
珍獣様がまだ食してないナタマメ