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蟹退治>待たされたあげくに

 蟹退治、前回までのあらすじ…

 とりあえず駅前の病院へいき、レントゲンとCTを取ることになった。すげー混んでて検査の前の検査だけで待たされた。とにかく待たされたなんかすごく待たされた。

CTスキャンってどんな検査?

 生理食塩水の点滴が半分くらい終わったところでCT室に呼ばれた。CT室にはドーナツ型の巨大な機械がある。わたしはCT撮影は初めてじゃない。造影剤ナシとアリの両方でやったことがある。やったことのない人のために説明すると、CTスキャンっていうのはレントゲンのえらいやつで体の輪切り写真を撮れるやつ。よく健康番組でメタボリックシンドロームの説明をするのに、おなかの輪切りみたいなX線写真を紹介してる、あれがCTスキャンで撮影したものです。

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▲こんなドーナツ型の機械に可動式のベッドに横たわって入る……それにしてもどうでもいいイラストである。

 CT撮影には痛みはない。レントゲン写真が痛くないのと同じ。ベッドに横たわって巨大ドーナツの中に入るだけ。ドーナツ部分は奥行きが大してないので閉所恐怖症の人でも大丈夫と思う。ただし造影剤を使う場合は点滴で入れるので、注射が苦手な人はちょっと恐いかも。

 そうそう、わたしが初めて造影剤アリのCTを撮った時、ものすごく疑問だったことがある。一体どこから造影剤を入れるのかってこと。だって、撮影する場所は病気によって違うでしょう? 頭の撮影、おなかの撮影、明後日ほども場所が違う。腕からの注射か点滴なら恐くはないけど、首や足の血管に刺されるんだったらイヤだなと思った。でも心配ご無用。首から上の写真も腹部の写真も腕からの点滴だったよ。

 電動式のベッドに横たわってドーナツに入り、撮影する場所を確認すると、生理食塩水の管に造影剤の管をつないで薬を入れる。痛みは注射の時だけと書いたけど、実は薬が入ると体が熱くなるという謎体験が待っている。最初は喉のあたりがボワッ。たちまち浸透して肛門のあたりがボワッ。うほっ、なんだこのめくるめく感覚は!! 残念ながら快感ではない。でも面白い。腕から入った薬が、ほんの一瞬で全身に回っていく様子がありありとわかるんだから。なるほど、これなら全身どこの撮影でも腕からの点滴で済むわけだ。

 造影剤が入ると撮影本番。ドーナツの中でなんらかの機械がクルクル回ってる。
「息を吸って……止めてください」
という録音音声の指示があって、20秒くらい我慢していると
「楽にしてください」
と言われる。これで撮影終了。待ち時間さえなければ楽な検査だと思う。生理食塩水が終わってから点滴針を抜いてもらった。

待たされたあげくに太りすぎ?

 CT撮影が終わってまたしばらく待つ。空腹でふらふらしてるのでどのくらい待ったか記憶なし。内科の診察室に呼ばれ、女医さんとやっとまともな会話。先生が言うにはレントゲン、CTともに、ガスがたまっているということもなく、特別に異常もないとのこと。
「でもこれはあなた、ひどいわよ。メタボリックよ!」

 メタボリックって、内臓脂肪がたまるアレのこと? CTは輪切りの状態で何枚も撮影するんだけれど、どの写真も黒い隙間だらけ。外側に白くくっきり写っているのが皮膚だの皮下脂肪だのとして、中の黒いところが内臓脂肪だということ??

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▲こんな感じの画像だった。自分の写真は手元にないのでネットにあった内蔵肥満の人の写真を参考にしたよ。追記:自分は皮下脂肪がそうとう厚いはずだと思ったんだけど、最近の検査画像を見たら実際にはここまでひどくなかった。腹側にはついてるけど、背中側はもっと脂肪が薄いみたい。

 太りすぎなのは自覚しているから笑ってごまかしたけれど、そんなんで急に息苦しくなったり疲れやすくなったりするものなのかな。

 釈然としない顔をしていたら、女医さんがまたこう言いました。
「でも、腹水という可能性もあるから、肝臓の検査もしたほうがいいかな。来週の水曜日に来られる?」
「はあ、来られますけど」
「じゃあ水曜日の午後ね……ええと、ちょっと待って。念のために外科の先生にも見てもらうから、もうちょっと廊下で待ってて」
「は、はあ?」

 で、また待たされるの。もうイヤだー!!!


 ……というところで次回につづく。

蟹退治>そして病院へ行くわけだが

 蟹退治、前回までのあらすじ……

「腹がでっぱってきたぞ」
「あれ、なんかおなか痛い?」
「あれあれ、息苦しいんじゃないの?」
「おかしい、おなかは空くのにご飯たべらんない!」
「えーなんか腰をふるとおなか痛いしー」
「しょうがない、病院に行くか」

病院へ行くと病気になりそうなんですけど、どうしたらいいですか

 というわけでD病院へ。どういう検査をするかわからないので朝食は抜くことにした。土曜日だったので早めに出かけたほうがいいと思い、朝 9 時前にD病院に到着。なのに廊下は患者さんでいっぱい。うっかり立ち上がるとすぐに椅子が埋まっちゃうような状態だった。

 とりあえずどの科を受けていいかわからないので内科を希望。問診票を書いて受付をすませ、30分くらい待ったところで看護師さんに呼ばれた。診察前の血圧検査だって。うひー、血圧待ちで30分かい。血圧は 114/64 で正常値。

 さらに 30分ほど待たされてやっと診察室に入れてもらえた。内科の先生は女医さんで「とりあえずCTとレントゲンに行ってきて。あ、ちょっと待って。CTは造影剤を使うので腎機能の検査をするから先に採血してもいい?」と人の話もろくに聞かずに検査の指示。問診票も書いたから話は検査の後でってことなのかもしれないけどさ。

 採血はすぐにしてもらえた。わたしの腕は針が刺しにくいらしいんだけど、この日の看護師さんは上手だった。世間話をしながら血をとって「これ、あっちの部屋に持っていってください」って渡される。あはは、ここは自分の血を自分で検査部に持って行くのね。

 採血の結果を待つ間にレントゲン室に行くように指示される。たったまま腹部のレントゲン写真。これはスムーズに終わる。ちなみに、レントゲン撮るときはボタンとかジッパーとかのある服を着ていくと全部脱がないといけないので(検査衣に着替える)、いやだと思ったらなーんにもついてない服をたらっと着ていくのが吉です。

 次は CT撮影なんだけど、待てど暮らせど血液検査の結果が出ない。一時間くらい待たされた。あんまり長いので
「あのー、検査結果はまだでないんですかー?」
と看護師さんに聞いたら
「あら? まだ呼ばれません?」
だって。そろそろ空腹で目がまわりそうです。これじゃ病気になってしまうのでなんとかなりませんでしょうか。

 やっと結果が出た。腎機能は問題なし。なんの病気かわからないので腎機能でもなんでも検査してくれという気持ちだけれど、こんなに待たされるんなら腎機能の検査は拒否すればよかったかなと思った。そこは悪くない気がしていたし、過去に造影剤付きのCT撮影で問題があったことはないので。

 そういうわけで次は CT 撮影。なんか、この病院は造影剤の扱いに慎重で、先に生理食塩水の点滴をするからって、小さいパックをちゃっちゃとセットされてしまった。んげっ、コレ小さいけど終わるのに30分かかるー。ただでさえ具合悪いのに、おなか空いたよ、死ぬ~。たしかに造影剤をやったら水分はとるべきだろうけど、今までの経験では「多めに水を飲んでくださいね」って言われて終わりなのにねえ。

 そんなこんなでCT撮影が終わる頃にはもうすぐお昼ってな感じの時間になっていましたとさ。


……今回は長かったのでここでおしまい。次回はめくるめく造影剤体験とお待ちかねの診察でーす。
 


オマケとお願い

 最近点滴を受けるような病気をしなかったので気づかなかったんだけど、今時の点滴針は金属製じゃないのね。グラスファイバーかなんかで出来ててくねくね曲がる。
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 こんな曲がるやつをどうやって腕に刺すかっていうと、最初はこのグラスファイバー部分が金属製の針の内側に入ってて、注射器みたいな形したものでエイって刺して、うまく刺さってからシャキーンって金属部分だけ抜くの。

 。面白いからどういう構造になってるのか詳細に観察したいんだけど、一瞬のことなのでよくわかんない。自分の腕にさされちゃってるし写真とるような余裕もなし。誰か資料を持ってたらくださいっっ。こういう本に載ってるから図書館で探せとかの情報でもいいです。よろしくー。

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Sari (05/26 05:13) 編集・削除

針の部分ってこれでしょうか?
http://www.nipro.co.jp/concern/safety02_2_product.html
あと、二プロの「JMs造影剤用点滴セット」「ネオチューブ添付文書」「JMS翼状針付輸液セット」てなものもありましたが・・・

珍獣ららむ~ (05/26 06:36) 編集・削除

そうそう、こんなやつです。ありがとう!
添付文書も意外と良さそうなのでゆっくり漁ってみます。

ひろこ (05/26 21:45) 編集・削除

この針って、あまり違和感もないのかな?
家の姑さんが退院して、訪問看護師さんが、
「血圧を測りましょうね」
と袖をまくり上げたら、刺しっぱなしだったよ…。

慌てて病院に電話したら、
「看護師さんに抜いて貰って下さいね」と笑ってた、
まあこっちもあまりのことに笑いながら電話してたんだけどね。

病院でも毎日血圧とか計ってたのに、ありえ無いねぇ!、
てな事が起こるのが病院なのよね。

珍獣ららむ~ (05/27 06:00) 編集・削除

 昔の金属製の針ほど違和感ないよ。肘の裏みたいな曲がる場所に刺しても、いちおう「曲げないでね」って言われるけれど、ちょっとやそっと腕を曲げても大した違和感がないくらい大丈夫だよ。でもまあ、意識のある時に挿されたら気になるし、三日もするとテープで留めたところが蒸れてかゆくなるので忘れられないけどねー。

 病院の場合、一度抜くと必要になった時にもう一度刺さなきゃいけないから、本人のため、刺すの苦手な医師&看護師さんのためにも抜きたがらないみたいだよ次に刺す時は別の血管に刺さなきゃいけないし。一番最後に抜こうとして忘れたんじゃないかな。

蟹退治>自覚症状と病院に行くまで

前口上

 ええと、せっかく癌になったのでなんか書こうと思うんだけど、闘病記とか読むのも書くのも嫌いなので、どうにかして面白くできんかなーと思ってる。ただ、どうやれば面白くなるのかイマイチわからないので、つまんないまま終わるかも。

 どうせなので話題づくりに大手のレンタルブログを荒らしに行こうかといくつか物色もしてみたけれど、どこもかしこも重いし使い方を覚えるのめんどくさいので挫折。自分ちでやることにしました。

 大手ブログ会社関連の人で「これは面白いからうちへおいで、アカウント用意して招待するよ」って方がいらっしゃったらご連絡ください。まあ、そんな面白いものができるかどうかわかんないけど。

 ってなわけで行ってみるよ。カテゴリーは「蟹退治」にしときました。蟹→かに座はキャンサー→癌もキャンサー、ね。

自覚症状

 もともと下腹の出る体質で、物心ついたころからやせてた記憶がない。つねに脂肪をわしづかみにできる段腹。比較的やせてた時期でも腹の脂肪だけはとれたことがない。なので太ってきても「最近太ったなー」としか思わなかった。
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 今思えばこれが初期の自覚症状のすべて。食欲はあるし、尿も便も普通に出てる。生理も定期的に正常にあって痛みはまったくない。ただ、腹だけはふくれてた。下腹じゃなく、みぞおちあたりがでっぱってきてた気がする。ぶっちゃけ誰が見ても妊婦に見えるような体型だったと思う。

 「太っているけど、それ以外にはなんともない」というような状態が、たぶん半年以上つづいてたと思う。

おなかが痛い、ような気がする

 ある日、腹痛を感じるようになった。おかしいのは大腸だと思う。胃のあたりから右わき腹を通って盲腸のあたりまで、わりと広い範囲に痛みがある。でも、痛くて我慢できないというようなものじゃないし、常に痛いというわけでもない。ちなみに虫垂炎は過去にやって手術でとってしまったから、そっちの心配はほとんどない。

 下痢はしていない。下痢の時の痛みとは少し違う。なら、便秘かというと、便は毎日出てる。ただ、普段よりおならが出てないような気がした。とにかく少し様子をみようと思ったのが、2006年の7月の中頃。

疲れやすい、息苦しい

 ちょうどこの頃引っ越しをしたんだけれど、片付けものの途中でやけに疲れやすいと感じるようになった。最初のうちは運動不足だと軽く考えていたけれど、ほんとにちょっとしたことで疲れるようになる。ちょうど暑い盛りだから、夏バテかもしれないとも思った。

 そのうち、なんだか息苦しくなってきた。肺がおかしいというより、ふくれていく腹に圧迫されている感じ。最初に腹痛を感じた頃から一週間もたってない。起きているとつらく、横になっていると少し楽だった。腹痛は、良くも悪くもなっていない。たまに痛いけど、普段は治ってたりする。痛む場所はその時々で違っているけれど、大腸にそって痛みがあるような気がする。

食欲が落ちてきた

 食欲がない。というより食べられる量が減った。おなかは減るんだけれど普段の半分も食べるとおなかいっぱいになってしまう。

 この頃カレーを作って食べた。ニンニクとタマネギをたっぷり入れたカレー。食欲がないときはカレーにかぎる、と個人的には思う。カレーを食べたあとは大きなおならが沢山出て息苦しいのも楽になった。カレー粉にはおなかのガスを抜く作用があるのだ。やはり腸の働きが悪かったのかな、と思った。

もしかして水たまってる?

 腹水という言葉がひらめいたのは、ひょんなことからだった。運動しなきゃと思って、なにげなく腰を左右にふってみたら……
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 なんか変だ。うまく説明できないけれど、腹をゆすったときの感じが脂肪のたるみと違う気がする。たとえていうならちゃぷんとか、ぽちゃんとか、いや、音がするわけじゃないけれど、水のような流動的なものが詰まってるような気がする。もしかして、これは腹水というものではないんだろうか?

 腹水のたまる病気というと、肝臓?
 肝硬変とか肝臓癌とか??

 でも、お酒はほとんど飲まないし(ほんとだよー、ウソじゃないよー。少なくとも飲む「習慣」はないんだってばー)、まぶたをめくってみたりしても、黄疸が出てるとかのそれっぽい症状はない。かといって、腹に水がたまる病気を他に知らないし、胃のあたりと感じているのが、ひょっとすると肝臓の痛みなのかな、とも思う。でも、痛いのはそこだけじゃない。

 ついでに言うと、腹をゆすった時だけ下腹ににぶい痛みがあった。必ず痛いというものでもなく、口では説明できないんだけど、ある方向にこういう感じで腰をふった時だけ痛む部分がある、という感じ。肝臓の場所ではないし、これはひょっとすると大腸の場所とも違うかもしれない。

 さすがにおかしいので病院に行くことにした。駅のそばにあるDという、内科とか外科とかいろいろある総合病院を選んだ。



 ……というところで、つづく。

うちでやりなさいというスカウトマジ募集。自画像まで用意してあちこち探したんだけど、なんかピンと来なかったのよ。呼んでくれるんならブログの使い勝手にピンと来なくても行くよ(笑)
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珍獣ららむ~ (05/16 16:01) 編集・削除

 わらいづくりのためにブログ村等にトラックバックをーと思ったけれど……しまった、あたしゃ慰め合ったり励まし合ったり傷をなめ合うのも嫌いなんだった……orz

 いや、みんな大変と思うんだけど、ほら、あれだ、苦しい時ってみんな頑張ってるからとか言われるとよけームカつかない? ひとりひとり事情も苦しみも違うのに、わかったような口聞くんじゃねー、ばーか、とかさー。思うでしょ。でしょでしょ。思わないヤツなんかいないよねー。

 だいたい、自分のこと考えても、この部分では人が苦しんでるのがよくわかんないくらいなんともなかった、でもこっちはみんな平気だっていってるけどわたしはすげーすげーすげーーーーーイヤだったっていうのがけっこうあって、一概に慰めあえるもんじゃないような気がしてならないの。

 あと、誤解を恐れずに書かせていただくと、お涙頂戴を期待して読んでる読者とかも想像するとキモかったり。いや、違う、そういう読者様の存在を否定はしない。どのように読んでいただいてもほんとかまわないの。ただその、あまり相手をしたくないなぁと思ってしまうこともたまにあるんだよね……へへへ。必ずそうだってわけじゃないし、特定の誰かを批判してるわけでもないので、ひとつそのー。

 うーん、要するに、面白いものを書きたいんだよね。実際死んでないし、悲惨じゃないし。

 あ、いや、すごく悲惨です。手術と入院でけっこーお金かかりました。もんのすごーく悲惨なんです。貧乏です。だから広告をひとつその(どうすればいいかは諸般の事情で書けない)。

Sari (05/16 20:28) 編集・削除

こんにちは、
いつも盗み読みしておりましたSariです。川向こうに住んでいます。
しばられ地蔵からやってきまして、ほ~、とかへ~と一人驚嘆の毎日です。

きょうはガンの話題でしたので、顔を突っ込みたくなりました。
私は癌ではありませんが(まだ?)やっかいな病気です。
以前、ブログ大賞の「癌々行こうぜ」で爆笑しつついい勉強させて頂き、リンクを重ねて、riderさんという方と知り合いになりました。参考にhttp://k-paza.mo-blog.jp/cancer/11/index.htmlでも今では彼女の他のブログ「猫と仕事する」が主で遊んでいます。

 ららむ~さんのお話も楽しみと言っては変ですが、読ませて頂きたく、期待しています。(近所の病院の話も気になるし^^;)

突然、飛び込んでしまい、失礼しました。
ではまた・・・

珍獣ららむ~ (05/17 10:33) 編集・削除

 Sari さんこんにちは。癌はたしかにやっかいな病気だけど、今は意外と治っちゃうっていうか、別にすぐ死ぬような病気じゃないみたいですねえ。もうちょっと悲惨になれるかと思ったんだけど、そうでもなかった(笑) 蟹退治はぼちぼち更新していくのでお楽しみくださいませー。

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