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珍蔵品:手塚治虫原案の人形劇『プルルくん』

 大掃除で発掘される珍蔵品シリーズです。いろいろナントカ権的にアレな感じになってしまいますが、資料としてみなさんのお役にもたてるよう、出典を明確にしつつ紹介したいと思います。

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▲キンダーブック、1975年(昭和五十年)1月号

 『キンダーブック』はフレーベル館の幼児向け雑誌ですね。幼稚園などで購読されてたものだと思います。市販されてたかどうかはちょっとわかりません。

 この号は教育テレビで放映されてた人形劇の『プルルくん』特集号です。というか、テレビ局の仕事を紹介する特集なのですが、とりあげられているじょがプルルくんの製作風景です。

 プルルくん、懐かしいですね。わたしもたしか見てましたよ。内容まで覚えてないんですが、トラの操り人形と少年のデザインがですね、なんとなく心ひかれるわけです。当時はなんでこんなに印象に残るのかわかってませんでしたけど、↓下の資料を見て納得ですね。

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▲小学館『よいこ』1974年(昭和四十九年)1月号
 プルルくんのお正月風景のイラストで、1コマしかありません。欄外に「月曜日午前10時30分、火曜日午前9時15分、水曜日午後2時40分、NHK教育テレビで放送中」と書いてあるのでテレビ番組の紹介をかねているようです。

原案:手塚治虫 原作:横田弘行
人形:竹田人形座 絵:池原成利(ひろみプロ)

 おお、原案が手塚治虫(笑) ストーリーだけでなく、トラなどの人形のデザインにも手塚治虫(もしくは手塚プロのスタッフ)がからんでいるんじゃないでしょうか。わたしゃ乳幼児の頃から手塚好きでしたから、そりゃ心ひかれるわけです。

 なお、この記事の絵を描いた池田成利さんは、当時手塚プロにいた人だそうです。手塚アニメにもいくつか参加しているし、『ミラクル少女リミットちゃん』や『魔女っ子メグちゃん』などアニメの企画にも参加しているそうです。

 なおゲーム『ロックマン』のコミカライズで有名な池原しげとさんと同一人物だとか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%A0%E5%8E%9F%E3%81%97%E3%81%92%E3%81%A8




 ちなみにプルルくんの下の段は『クレクレタコラ』の紹介(イラスト)でした。「毎週月〜土曜日の夜6時55分、フジテレビ系で放送中」とあります。

タグ:珍蔵品

珍蔵品:思い出のさし絵の作者は?/マイフェイバリット地震写真

 涼しくなってきたので大掃除やってます。この大掃除は永遠に終わらないのです。博物館の収蔵庫をいじってるようなものなので >_< とにかく足の踏み場くらいは作らないと…

 というわけで、掃除で出てきた珍蔵品の紹介行ってみます。

 数日前にこんなツイートをしました。

捜索中。70年代前半によく見かけた挿し絵の人で、日本人で、たぶん男性で、カラーより白黒の印象がある人で、主線を黒ではなく濃淡のある薄いインクのようなもので描く人(だったと思う)で、やわらかい絵柄の人。絵本でなく雑誌等の挿し絵でよく見たと思う。なんという方なんだろう…
posted at 18:53:33

 昨日からの大掃除で、その方がさし絵を描いた本が出てきました。こんな絵の人です。1960年代〜1970年代前半くらいに小学館系の子供用の雑誌や本でさし絵を盛んに描いてらっしゃった人だと思います。
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 こういう、まだ著作権が消滅していないものをネットに掲載しちゃうのもどうかとは思うんですが、引用の範囲内ということでお許し願いたいです(スキャニングではなくわざと写真にしているのも二次利用を防ぎたいからです)。

 出典は小学館『なぜなに 地震と火山』で、「いなむらの火」という読み物のさし絵です。
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▲これが『地震と火山』です。

 わたしはこの「なぜなにシリーズ」がだいだい大好きだったんですよ。でも持ってるのはこれと『世界の大怪獣』と『びっくり理科手品』だけ。ほかの号も買っておけば(親にせびって買わせておけばw)よかったなあと今さらながらにため息が出ます。

 「なぜなにシリーズ」のほかの本を持ってる人で捨てるつもりの方は、絶対に捨てないで古本屋さんに引き取ってもらってください。昔はそこいらにころがっていたものが、今探そうと思ってもなかなか手に入らないものなんです。どうか捨てないでください。お願いします。

 ほんとはわたしがお引き取りしたいくらいなんですが、わたしはお金をお支払いできませんので、ぜひ、きちんと引き取ってくれる古本屋さんを探してください。きっと大事にしてくれる人の手にわたると思います。

 閑話休題。

 『地震と火山』のイラストは複数の画家さんが描いてます。奥付けに「この本を書いてくださった先生がた」という著作者名の一覧が50音順で掲載されていますが、どのページを担当したかまでは書かれていないので、作品とお名前を結びつけるのは至難の業です。

漫画 秋玲二
?  石田英助
写実 石原豪人
?  伊東清
写実 伊藤展安
漫画 川崎てつお
写実 小松崎茂 メモ:メカの偉い人
?  斉藤信夫?
?  トクノガジン
写実 中西立太
漫画 西沢まもる
写実 平沢茂太郎
漫画 前川かずお メモ:ずっこけ三人組のさし絵の人
写実 南村喬之
漫画 ムロタニツネ象
写実 梁川剛一
写実 柳柊二
写実 山本輝也
写実 渡辺正美 メモ:ウルトラマンの絵を描く人

 写実・漫画という分類とメモはわたしが付け加えました。

 写実系の先生方は、わたしと同世代ならば「知ってる、見たことある!」というタッチの方ばかり。今となってはありえないほど豪華です。

 漫画家の先生方も学研のひみつシリーズ(70年代版)などを執筆された方が多く、これまた懐かしさで涙が出るようなみなさんばかりですね。

 「?」にしてある先生方は、ネット上に資料が少なく、どのページを担当されたのかわかりませんでした。そこで

↓昨日書いた名前のわからない人の絵は本が出てきたので一個前のツイートにアップしました。画家さんたちの名前は奥付けに50音順になってて、絵と名前が結びつかない石田英助・伊東清・斎藤信夫・トクノガジンの四先生方のどなたかの絵だと思うのですが。
posted at 20:33:46

 と、ツイートしたら、マイミクさんが「石田英助氏で間違いないでしょう」と教えてくれました。

 石田さんは小学館の学習雑誌で『こぶたのとんちゃん』などの漫画を描いてた方だそうです。タッチが似てると思ってたんですが、いまひとつ決め手がなかったのです。

 石田さんはさし絵の仕事もけっこうしているはずなので、図書館にないか検索はしてみたんですが、さすがに古い方なので、葛飾区の蔵書にはなさそうでした。そのうち国会図書館でも行ってみます。ほかに調べたいこともありますので。

マイフェイバリット地震写真

 ところで『なぜなに 地震と火山』には、ものすごく印象に残っている白黒写真があります。あまりにも印象的で、子供ながらに何度か夢に出てきたことがあるくらいです。

 これもどなたの写真なのかわからないので掲載していいとも思いにくいんですが、現在手に入るどの本で見られるかもわからない状態ですので、資料として引用させていただきます。
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 ちょっとわかりにくいでしょうか。画質を落としすぎたかもしれません(うちから流出して二次利用とかされて出所がわからないようになったりしてほしくないんです)。

 1964年の新潟地震の時の写真だそうです。鉄筋のビル(おそらくは公営の団地かなにか)がボッキリ折れて倒れており、その手前にあるブランコで子供が遊んでいます。地震から何日後のものなのかわかりませんが、子供の(人間の)たくましい姿を無言のうちに表現しており、心を打つ写真だと思うんです。

 なお、奥付けには写真提供として以下のリストがあります。どの写真をどの人(団体)が提供したかまではわからないのですが、何かの資料になるかもしれないので書いておきます。

荒川紀一
オリオンプレス
鹿児島県東京観光物産事務所
カメラ東京サービス
キーストンプレス
行田哲夫
サンケイ新聞社
松竹映配株式会社
水産航空株式会社
諏訪彰
日本交通公社出版事業部
PANA通信社
PPS通信社
山と渓谷社
ワイド=ワールド

タグ:珍蔵品

このiPadアプリは実在する?

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 このアプリは実在するんでしょうか。街角で見たiPadの広告です。

 わたしゃiPhoneしか持っていないので、iPad専用だったら使えないんですが、ちょっと良さそうな水彩画(?)アプリなので、もし実在するなら名前を知りたいんです。

 銀座のAppleストアの店員に知らないかって聞いたら「それは僕たちもわからないのでAppストアで…」って言われました。そんなことで簡単にわかるんならわざわざ店員君には聞かないんですよ。Appleユーザーになってもう5年以上たつような気がしますが、いまだにApple系の人たちの天才っぷりになじめません。

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 こういうところの広告なんですけど。ちなみに亀有駅南口のバス停です。

 iPad自体の広告で、電気屋さんとかの社名が入ってないのでAppleが出してる広告のような気がします。特定のアプリの宣伝にならないよう、架空のアプリをでっち上げている可能性はあると思います。

 何かご存知の方は教えてください。

ArtRageでした

 コメント欄で教えてもらったので有料だったけど(170円)for iPhone をダウンロードしてみました。

 英語版で、ちょっと取っつきにくいですが、レイヤー機能もあり、悪くはなさそうです。

 が、残念なことに iPhone版には水彩筆がついてなさそうです。広告みたいな絵を書くには、iPadを買わないとだめそうでした。

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鹿肉食べてみたい (09/05 12:55) 編集・削除

こんにちは。
葛飾バーガー調べていたら何となくここまで読んでました(^_^;)

このアプリはもしかしたら「ArtRage」かもしれません。
(あまり確信はない)

あと、gabotyanは…自然に文中に紛れさせる文章力が無かったです(ノ_<。)

珍獣ららむ〜 (09/05 13:49) 編集・削除

あっ!!!
http://www.artrage.com/artrage-ipad-main.html
こことか見ると、ツールパレットがそっくりですね。
「ArtRage」で間違いなさそうです。
しかもiPhoneでも動きそうですー。

わーいありがとうございます。
gabotyanともどもお礼申し上げますー。

ついしん
鹿肉おいしいですよー。
葛飾キャンパスに行くことがあったら、ぜひ食べてみてください。

エキホスとエキホーソとカジメの関係について知りたい!

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「家内は千葉県の出身でカジメ取りをやっていたのです」
「カジメという海藻はエキホーソというききなれない薬品になるらしい」
つげ義春『李さん一家/海辺の情景』ちくま文庫より引用


 鳥と話ができる不思議な李さんが主人公の家の二階にいつの間にか住み着いてしまうという、なんともつげ義春っぽい謎のお話です。

 ここに出てくるエキホーソという薬品ですが、どっかで聞いたことあるなと思ったら、手塚治虫のエッセイにも「エキホス」という名前の薬が出てくるんです。

 なんというエッセイだったかは部屋中ひっかきまわせば出てくるはずですが(検索しても出てくるかもしれないけど)めんどくさいので記憶で説明します。もしかすると随筆ではなく『漫画の描き方』だったかもしれないです。

 手塚治虫の母親は、よく昔話をしてくれたそうです。しかし、毎晩となればネタも切れて、そのうちお話を創作して聞かせてくれるようになりました。

 お母さんがしてくれたお話にエキホスという塗り薬の話が出てきます。その薬は風邪の時に体に塗ると楽になりますが、臭いので嫌われて薬屋さんの棚の奥でほこりをかぶっていました。

 ある日、子供が夜中に熱を出しますが、真夜中なので来てくれるお医者さんもないし、町の薬屋さんの戸をたたいて何か薬を売って下さいと頼むわけです。

 すると、その薬屋さんは「あいにく今はろくな薬がないけれど、よかったらこれを使ってみなさい。昔からあるものだけど良く効くはずだから」と、棚の片隅からエキホスを出してきて手渡す……

 …と、うろおぼえですが、そんな話だったと思います。


 つげ義春のエキホーソと、手塚治虫のエキホス。名前が似ているし、同じものなんじゃないかと思うんですが、よくわかんないのはつげの漫画には「カジメ」から作ると書かれている点です。

 カジメは海藻ですから、そこから取れる薬品といえばヨードなんじゃないでしょうか。ヨードチンキのような消毒液になるんならわかりますが、風邪の時に体に塗って効くような薬にヨードを入れるものなんでしょうか。

 あるいはカジメからヨード以外に薬になる成分が取れるのか、それともエキホーソとエキホスはまったく違う薬で名前が似ているのは偶然とかなんでしょうか。とても気になります。

 エキホス・エキホーソとカジメの関係、ご存知の方はご一方を!

 なお、エキホスという薬は実在したそうです。手塚の説明のとおり、風邪の時に胸や首に塗る消炎鎮痛剤であるとのこと。塩野義製薬とタケダ製薬が合同でつくっていたものだとか。

逓信総合博物館の閉館セレモニーに行ってきました(動画あり)

 8月31日に、逓信総合博物館(ていぱーく)がついに閉館してしまいました。最終日にレセプションを見てきたので動画と写真をいくつかはっておきます。

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▲このビルは取り壊されてしまうらしいですよ。ていぱーくは郵便関連のみソラマチ(東京スカイツリー)に移転するそうです。
http://www.asahi.com/travel/gallery/110917_stamp/IMG_8372.html
 ここにある記念切手の原画と、ほぼ同じ位置からの撮影になると思います。見比べると、ていぱーくの建物の奥にも同じようなデザインのビルがありますが、奥のビルはすでに取り壊されてます。

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▲切手で作られたモナリザ

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▲郵便番号による自動仕分け機

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▲何の変哲もない普通の黒電話。これが珍しくなる時代がくるとは思わなかったよなー。

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▲電話の交換機(クロスバ方式)のモデルだったかなあ。これ見ると「逆探知お願いします」って言いたくなる。こういうのが天井までびっしり並んでて、どこに繋がってるか目視で追いかけるので、昔の逆探知は「奥さん、犯人からの電話です。なるべく話を引き伸ばしてください」とかだったんだぜ。もはや子供には通じないだろう。


 忍たまと小学館レクリエーションリーダーズのみなさんによる『100%勇気』にのせて、スライドショーを作ってみたのですが、アップロード時のコンバートに不具合がある(もしくはiMovieが吐くデータにyoutubeが対応してない)せいでうまく再生されないかもしれないです >_<

写真追加

ていぱーく
▲忍たまが来てたので子連れのお母さんたちが大勢来ていたようです。丸の内でこれほどの数のママチャリを見るのは初めてです。というか、丸の内でママチャリを見ること自体が初めてですー。

ていぱーく
▲昔の交換手さん(人形)。手動で回線を繋いでた時代はこんなだったようです。受話器を首から下げてるのは今のインカムみたいな感じですよね。

ていぱーく
▲さまざまな形の電話機(固定電話用)。

ていぱーく
▲最後は館長が来館者をお見送り。

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◎逓信総合博物館に行ってきました(5月)
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1567