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不確かな記憶を確かめるべく群馬県中之条町まで行っちゃった話

 先日、榛名湖に桜を見に行ったついでに中之条にも行ってきました。前にこの町で郷土資料館のような施設で、ある行事に供えるお飾りを見たのがずっと印象に残っていたからです。

 ところがどっこい、メモしてこなかったので何がどう印象に残ったかはしばらくしたら忘れちゃった。ただ「ある行事に特別なお飾りを供えること」「お飾りを売る市が正月の何日だか(日付固定で休日ではない)に開かれる」っていうのだけは覚えてて、いつか確認しにいこうと思ってたわけです。

 そういうわけでやってきました中之条。

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▲これが郷土資料館のような施設。もとは小学校だった建物で、長く町役場として使われてたのを昭和の五十年代に資料館にしたとのこと。

 つい数年前まで「中之条町歴史民俗資料館」だったのが、博物館に昇格して「中之条町歴史と民俗の博物館 ミュゼ 」になったそうです。

◎中之条町歴史と民族の博物館ミュゼ
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/musee/

 受け付けでお姉さんに「博物館に"昇格"」という話を聞いてびっくりしました。こういうのって昇格とかあるんですか!

 もしこういうものに格があるんだとしたら、今まで昇格できてなかったのが謎すぎます。世の中には博物館と称する立派な箱物が沢山ありますが、行ってみると派手なだけで大した事なかったり、展示されてるものが全部よそのものばかりで地元の資料がほとんどなかったりで、ガッカリすることがけっこうあるわけです。

 その点、中之条の資料館はこれでもかっていうくらい地元のものを集めて展示してあるし、ものすごく見ごたえがあります。いつも時間がなくてさっさと見てしまうのですが、じっくり時間をかけて見たい場所ですよ。なんでここが長く資料館止まりだったのかさっぱりわかんない。

 それはともかく、「お飾り」ですよね。

 博物館に来る前にもネットでいくらか調べはしました。中之条だと安市と暮市、鳥追い祭りなどが有名で、それについてはあちこちに書いてあるんですが、どうもわたしが見たものと違うような。

 博物館の入り口にもおかめのお面がついてるお飾りが展示されているのですが、それも記憶にないです。なんか違う。

 見たらわかると思っていたけど、こうなってくると見てもわかんないかもしれないってちょっと不安になってましたが、展示をひととおり見ていたら、

「あー!!これだーーー!!!」

 というものを発見。それは「削りかけ」というものでした。木の枝をしゅるしゅるっと削りかけて作る飾りものなんです。アイヌがイナウと呼んでるやつとほとんど同じものです。

◎アイヌ民族博物館・アイヌの儀礼具
http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/gireigu/inaw.html
 このサイトにあるのは北海道アイヌのイナウです。こういうのを飾る風習が群馬県の中之条町にもあるというので「それは見たい、というかうちにも飾りたい」と思ったわけです。

 中之条町では小正月に削りかけを供えるそうです。削りかけを売るボク市は、1月11日に開かれるそうです。

 たぶん館内は撮影禁止なので(研究の為ならば許可をとってほしいと書いてあった)、掲載すべきじゃないとは思うのですが、遠慮がちに掲載します。中之条の削りかけはこんな感じです。関係者の方からの削除要請には従います。

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▲中之条の削りかけ。小正月のお飾り。

ファイル 1566-3.jpg
▲削りかけを売るボク市について報じる古い新聞記事。

 削りかけにもいろいろあって、館内には菊の花みたいな削り花なども展示されてました。

 これでお飾りが削りかけであること、1月11日に開かれるボク市で売られることなどがわかりました。

 あとは、ボク市が何時ごろどこで開かれるのかわかれば買いに来られないこともないです。博物館を出る時に受け付けで質問してみたところ、

 なんと、去年くらいまでは二店舗ほど出ていたものの、今年はもう店を出す人がいなくなって市が立たなかった、というじゃないですか。

 えええええ!最初に見た時にもっと気をつけて覚えていたら、一回くらい買いに来られたかもしれないのに。遅かったか!

 でも、市が立たないってことは、みなさんどこで小正月の飾りを買うんでしょう。小正月にお飾りをすること自体がすたれたということ? 市が立たなくても、別のどこかでお飾り自体は売られていたりしないのかしら。

 そう思って、今度は観光協会のようなところがやっている施設で「このあたりに小正月のお飾りを売るボク市というものが立つと聞いたのですが」と聞いてみました。

 すると、そこのお姉さんはあっさり「はい、毎年1月11日にやってますよ。ただ規模がすごく小さくて、二店舗くらいしか出ないはずです」っていうんです。

 博物館では今年は出てないと行ってたので「今年も市は立ちましたか?」と聞いたら、どこそこの駐車場を借りてひっそりやってたはずだって言うんです。

 もうさっぱりわかりませんよ。いや、人の記憶はふわっとしたものですから、日記にでも書かないかぎり、先週が一昨日になったり、三年前なのに去年みたいな気になってたりするもんですから、こういう情報は普通のことです。

 しかし、この情報で見に来るのは厳しい。来れば市がたってるなら頑張って来ようと思うんですが(しかし11日は厳しいなあ。10日ならギリギリで青春18きっぷが使えるのに!)、やってるかどうかもわからないものだと思うと重い腰があがらない。

 ああ、もう、わたしのバカバカバカ。最初に気づいた時にきちんとメモするんだった。規模が小さくても出てたんなら中之条の削りかけを買えたかもしれないのに。

 で、結局、どうなんでしょう。

 中之条のボク市は今も開かれるんでしょうか?

おまけ:マンホール

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 中之条町の花はヤマユリ、鳥はウグイスだそうです。マンホールの図案もそれにちなんでいるのでしょうか。花のほうはいいとして、鳥は謎ですね。くちばしの付け根から腹にかけてのラインがあまりウグイスっぽくないような気もします。

タグ:群馬 マンホール

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  • 2013年05月09日(木)11時52分
  • 日記

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