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蚕の休眠卵と非休眠卵

 やっと涼しくなってきたと思ったら、ネトゲに熱中して何もできなくなってる珍獣です。ドラクエがオンラインとかはまらないわけがないので勘弁してほしいものですよねえ。

 それはともかく、この夏はぐんま黄金という蚕をやりました。いつも同じ説明、同じ写真になってしまうので(あと暑くてブログの更新とかする気になれないので)、今回はツイートをちょこっとするだけにとどめました。

ぐんま黄金の記録
8月13日 掃き立て(孵化)
8月16日 獅子のやすみ(一眠) +3日
8月19日 鷹のやすみ(二眠) +3日
8月23日 舟の休み(三眠) +4日
8月28〜30日 庭の休み(四眠) +5〜6日
9月5〜6日 上蔟 +6〜7日

孵化から上蔟まで 26〜27日間
最終齢日数 6〜7日間

ファイル 1435-1.jpg
▲ぐんま黄金の繭。ほんとうに黄金のよう。まぶしいくらいの山吹色です。このあと卵をとるために数個のこして*1全部冷凍庫で殺蛹しました。

ファイル 1435-2.jpg
▲9月18日に羽化がはじまりました。メスは3頭いました。そんなに卵はいらないのですが、羽化・産卵がうまくいかない場合を考えていつも多めに残してます。今回は3頭とも産卵しました。

 なお役目を負えたカイコガは、全部カエルの餌になりました。うちではまったく無駄がありません。

ファイル 1435-3.jpg
▲これが卵ですが、色の違いがわかりますか? 産卵直後の卵は乳白色ですが、次第に色がついて黒っぽくなります。しっかり黒くなった卵は、冬をこしてから孵化する「休眠卵」です。

 ところが、今回は 1蛾分だけ時間がたっても色が薄いままだったので、もしやと思ったら、産卵から8日目くらいに孵化してしまいました(写真にも毛蚕が写ってます)。どうやら冬をこさずに孵化する「非休眠卵」だったようです。

ファイル 1435-4.jpg
▲少し寄った写真です。右上の色が濃いのが休眠卵、左下の色が薄いのが非休眠卵です。やっと並べて写真をとることに成功しましたー!

 せっかく孵化したお蚕ですけど、秋になると餌を調達するのが難しくなるので、今年はやらない予定です。

ファイル 1435-5.jpg
▲で、こうなりました。カエルちゃんの水槽に貼り付けてやったら、このとおり夢中で、孵化したそばから食べてます。うちではほんとに無駄がありません。

 ちなみに写真のカエルちゃんはこの記事のヒキガエルです。ウシなんとかさんも元気ですよ。

2013年夏、追記:休眠欄と非休眠欄

 色の違いを並べて撮影することに成功、などと書いてしまいましたが、その後、2013年の春蚕に産卵させて観察したところ、蚕の卵は次のような変化をとげることがわかりました。

・産卵直後の卵はどれも白っぽい。

・休眠卵(冬を経験しないと孵化しない)は三日後くらいから茶色く変化し、やがて黒っぽく変化し、一週間以上たっても孵化しない。

・非休眠卵は、六日後くらいまで白いまま変化せず、七日目くらいに突然灰色っぽくなる(それが本文の写真)。卵の中にすでに黒い頭ができており、卵の皮ごしにそれが見える。そうなると翌日くらいに孵化する。

・無精卵は一週間以上たっても白いままで、やがてしなびて潰れてしまう。


という感じです。つまり「非休眠卵は色が変化しない」といってよく、七日後に灰色になるのは孵化の前兆というわけです。

*1:ぐんま黄金は一代交雑種なので、ここでとった卵からは親と同じ蚕は生まれません。似たような別のものになります。

タグ: カイコ カエル

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  • 2012年09月30日(日)10時39分
  • 自然・園芸

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