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葛飾区のお盆の風習「ガラガラ」

 9月になったので心を入れ替えてブログの更新もしようと思います(でもやっぱり暇があったらドラクエやっちゃいそうな気がするんですけどね)。

 今日は葛飾区で見られるちょっと変わったお盆の風習を紹介します。下の写真は葛飾区の水元地区にある農園の畑の隅で写しました(無許可ですみません)。
ファイル 1426-1.jpg
ファイル 1426-2.jpg

 この四角いものはガラガラとか天蓋(てんがい)とか呼ばれていて、マコモと竹で作られています。竹を十字に組んだものに、マコモを四角く巻き付けたものです。

 使い方はいろいろあるらしいのですが、こちらのお宅では写真のように竹の棒を地面に刺して天蓋(テント)のようにして、その「下」でお線香を焚いていました。

 この、足つきのマコモの座布団みたいなものは、葛飾区内のイトーヨーカドーだかとうきゅうストアだかで、過去に見た事があるような気がするので、区内ではポピュラーなもの、だと思いますがちょっと自信がありません。ちなみに群馬では見た事がないです。

 『ふるさと東京・民俗歳時記』という本に、次のような説明がありました。古い本なので原典に興味がある方は図書館で探してみてください。

 「ガラガラ」というのは、まこもで編んだ四角い小さな座布団様のものに、対角線に竹を挿して脚をつけたものである。「天蓋」「お棚」「お膳」「盆ガラ」「まこものござ」などとも呼ばれているが、「ガラガラ」という呼び名がもっとも多い。

 この「ガラガラ」は墓や辻、畑などに置いて、線香を置いたり、「あられ」を乗せる台にしたりする。お迎えや送りの時には「ガラガラ」が置いてある所まで提灯を持って出向いたり、「ガラガラ」の前で麦藁を燃やしたりする。

 「ガラガラ」は葛飾区の北部、特に新中川と江戸川に挟まれた地域、即ち水元、金町、柴又近辺と、足立区では荒川よりも北部、即ち六木、保木間、舎人、古千谷、入谷付近に多く存在する。

 「ガラガラ」は主に葛飾区と足立区に存在するが、両区では用途に若干の差があるようで、葛飾区では線香台と「あられ」を乗せる台に用いることが多いが、足立区では線香台としての用途が多いようである。

 本には写真も載っています。ひとつはお墓の前に、ガラガラを天蓋状に立てて(四つの足を地面に刺す)その上にあられを乗せており、もうひとつはお墓の前にガラガラを平らにおいて、その上に火のついた線香を寝かせて焚いています。

 わたしが水元の某農園で見たのは、天蓋状に立てたガラガラの「下」で線香を焚いており、本に書かれている使い方とはまた違っていて興味深いです。こちらのお宅オリジナルなのでしょうか。

 同書によると、ガラガラというのはガラクタの略なんじゃないか、ということです。お盆に使うガラクタだから、盆ガラとかガラガラとかいうのではないかと。ただ、その解釈は家ごとに違っていて、正確な由来はわからないそうです。

 とにかく珍しい風習ですが、はたして葛飾区・足立区特有のものなのでしょうか。みなさんお住まいの地域で同じものを使っていたりしませんか?

タグ:地元(葛飾周辺)

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  • 2012年09月04日(火)10時11分
  • 日記

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